明快!森羅万象と百家万節の系譜 -No.31/4-
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明快!森羅万象と百家万節の系譜 -No.31/4-
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新居では自動食器洗浄乾燥機を使い始めました。使って驚いたのは手洗いよりき
れいになること。熱湯を使うためか、専用洗剤が強力なためでしょうか。いずれ
にしろ、手が耐え切れないような洗浄条件が使えるのがメリットなのでしょう。
家庭用洗剤がなかったころ(ほんの50年前です)の食器の洗い方について祖母
に聞いたことがあります。各人はお膳をもち、個人専用の茶碗と汁椀、皿、箸を
置いておきます。食事が終わると、お湯を茶碗に注ぎ、沢庵を一切れとって沢庵
で茶碗を洗い、そのお湯を汁椀に移して洗い、さらに移して洗い、最後に沢庵を
かじりながらお湯を飲む。食器はそのまま戸棚に重ねて保管する。ですから、出
されたものは一粒残さず食べることが基本条件。不潔と思うより先に実に合理的
だと感心しました。祖母は食器をまとめて洗うようになっても食事後に必ず湯を
もらっていました。子供のころは僕らも真似をしましたが。
今の食器の洗い方は洗剤や水道があるからできること。災害などで使えなく
なったとき、もしくは無いところで生活するときは参考にしたいものです。
◆◇ 生体防衛論 ◆◇
31、インフルエンザの感染
○インフルエンザはインフルエンザ・ウイルス感染症です。要するに咳や熱が出
る風邪ですが、インフルエンザ・ウイルスが主に気管支に感染したために起こる
粘膜の破壊とウイルスを退治するために集まった免疫細胞の反応です。
+++ インフルエンザ・ウイルスの伝染 +++
感染した患者が咳をしたときにはウイルスを含んだ気管支の分泌物が細かな水滴
になって飛散します。これをエアロゾルと呼びます。ウイルスの大きさは1万分
の1mmくらいですが、エアロゾルは数ミクロン(1ミクロンは 1000分の1mm)の大
きさです。具体的には、咳などで発生する飛沫の大きさは数ミクロンから数十ミ
クロン。空気中では乾燥して飛沫は小さくなり、より浮遊しやすくなります。目
安としては20ミクロン以上だと数時間で床に落ち、3ミクロンだと落ちません。
また、気管支まで到達するエアロゾルは5-10ミクロンくらいとされています。ウ
イルスはエアロゾルの中で数時間は生きます。エアロゾルの大きさやウイルスの
生存状態は空気が乾燥しているほどウイルスに有利になります。ウイルスはエア
ロゾルに乗って次の犠牲者に感染します。
+++ 大気中では小さな粒子は漂う +++
地球には大気があるため、小さな粒子は落下することなく、空気中を漂うように
なります。
空気中を漂うような液体または固体の微小な粒子をエアロゾルといいます。われ
われの周りにあるエアロゾルは、その生成過程の違いから粉じんとかフューム、
ミスト、ばいじんなどと呼ばれ、また気象学では、視程や色の違いなどから、
霧、もや、煙霧、スモッグなどと呼びます。エアロゾル粒子は、粒径や化学組
成、形状、光学的・電気的特性など多くの特徴があり、その性質はきわめて複雑
です。例えば粒径についていえば、分子やイオンとほぼ等しい0.001μm= 1nm程
度から花粉のような100μm程度まで約5桁にわたり、また個数濃度についても、清
浄空気の10個/cm3程度から発生源近傍の数百万〜数百億個 /cm3程度まで 7〜8
桁にもわたります。
+++ 空気感染は感染微生物を含むエアロゾルによる +++
風邪を引くと咳が出ますが、そのときの唾液も空気中で乾燥してエアロゾルにな
ります。咳だけでなく、会話をしていてもエアロゾルはできます。ウイルスや細
菌はエアロゾルを利用して感染します。エアロゾルの大きさ、包まれた病原体の
乾燥に対する強さによって飛沫感染と空気感染とに分けられます。飛沫感染とは
病原体が粘液などの水分で包まれた大き目の粒子で感染が起こることで、通常は
1m以内で起こります。一方、空気感染では周りの水分が蒸発した飛沫核によっ
て感染が起こり、大きさも小さくなり、空気の流れにより広範囲に飛散します。
通常、空気感染を起こすのはウイルスで、感染症にはインフルエンザ、麻疹、水
痘などがあり、また、細菌では空調設備などを介した感染として最近問題になっ
ているレジオネラ症が含まれます。
細菌はミクロンサイズ、ウイルスはサブミクロンサイズでマスクの目に比べると
とても小さいものです。しかし、空気中では比較的大きなエアロゾル状態にある
ため、マスクで両方とも大部分を除去できます。もちろん、目は細かいことに越
したことはないですが、目の細かいフィルターを厚く重ねると、表側と裏側に大
きな圧力差を生じ、息苦しくなります。エアロゾルは電場に入ると帯電しやす
く、静電気で除去しやすくなります。静電気を利用したエアフィルターは目が粗
くとも十分微粒子を防ぐことができ、空気の流量を減らすことなく、また、圧力
差を少なくできる濾過装置です。
+++ ウイルスは泳げない +++
インフルエンザウイルスの感染と増殖が起こるのは気管支より上です。上部気道
といいます。ウイルス粒子を含むエアロゾルは口や鼻から吸い込まれたあと、上
部気道の粘液に落ち、溶けます。インフルエンザ・ウイルス粒子自体には粘液の
中を泳ぐ仕組みはありません。感染する細胞に到達するためには粘度の高い粘液
の中を受動的に拡散して行くだけです。くっつけなかったウイルス粒子は粘液の
流れによって口や鼻へ押し出されます。
たまたま、粘膜上皮細胞に接近できると、ウイルス粒子はHAタンパク質で細胞に
くっつきます。おそらく細胞の線毛の先端です。うまくいけばウイルス粒子上に
たくさんあるHAタンパク質が次々と線毛にくっつきます。HA タンパク質が変形
し、膜融合を起こし、ウイルスの遺伝子が細胞内に侵入します。
エアロゾルはほとんど上部気道で粘液にとらえられ、肺などの下部気道に達する
ことはないと考えられます。インフルエンザ・ウイルスの感染は肺の末端ではほ
とんど起こりません。ウイルスが感染すると、直ちに細胞は反応を起こし、周り
に免疫細胞を呼び寄せます。免疫反応によって粘液(鼻水や痰)が大量生産さ
れ、咳が出るほか、熱が上がります。全身に倦怠感を感じます。時には関節が痛
みます。
ひどいときには中耳炎、細菌性気管支炎、肺炎に発展します。ウイルスが血液中
に出るほど気道での感染がひどくなると、呼吸器以外の臓器に感染し、脳症、筋
肉炎、心筋炎などを引き起して重症化することがあります。
○次回から、もうちょっと分子の言葉で紹介しましょう。関連するトピックスで
は他のウイルスの話題も取り上げます。
◆◇ 森羅万象の系譜 ◆◇
25. 生物の多様化・・・生物の陸への進出
ゴンドワナ大陸はオルドビス紀からデボン紀にかけて南極を通過した。この頃の
陸地はほとんどが南半球にあった。カンブリア紀の生物は5億年前に大部分が絶
滅し、オルドビス紀の生物が出現した。一言でいうと豊饒の海の出現。生物の関
係が複雑化して、現在のさんご礁のような風景を作り出した。蛸、イカ、貝な
ど、日本人の好きな海産物が誕生した。カンブリア紀は突然生物が出現したの
で、驚きの意味も込めて進化の大爆発であったが、実際にはオルドビス紀はカン
ブリア紀を上回る生物の多様化をもたらした。
オルドビス紀で誕生した生物の器官として代表的なものは、石灰質の殻(層孔
虫、サンゴ、腕足類(二枚貝)や巻貝、ウミユリ、オウムガイ(殻のついたタコ
やイカの祖先))である。いずれも身を守るための装備と考えられ、海の中の生
物は肉食動物から身を守ることができたものが繁栄した。
脊椎動物の系統では、オルドビス紀の5億年ほど前に、メクラウナギやヤツメウ
ナギの無顎類と顎のある有顎類に分かれ、後者の系統では、デボン紀の4億年ほ
ど前に魚から四足動物が進化する
オルドビス紀に作り出された海の中の多種多様な生き物の世界は、何度かの部分
的な絶滅はあったが、ペルム紀まで2.5億年ほど続いた。なお、比較的大規模な
絶滅が発生するたびに「紀」が変わる。ゴンドワナ超大陸が南極に達し、寒冷化
したため、生物の絶滅があり、シルル紀となった。シルル紀では植物の陸上への
進出が始まった。
地球上に酸素がじゅうぶん蓄積されると、オゾン層のバリアーができ、有害な紫
外線が地表に届かなくなって、さまざまな生物が陸に上がることができるように
なった。約4億2000万年前である。陸上は、海中に比べるとまだ生命に致死的な
紫外線量が多く、さらに、乾燥を防止するための仕組みや浮力が無いため体を支
える構造が必要になる。一方、酸素濃度が海中より遙かに高く、競合生物が皆無
であるという好条件もあった。植物にとっては光量も二酸化炭素量も海中より遙
かに多いという意味で魅力的な環境であった。
まず地衣類(コケ)が現れ、ついでシダ類が繁茂した。しかしシダといってもま
だ葉が分化しておらず茎だけの形だった。乾燥に耐えるために水分調節のための
気孔を持たなくてはならない。重力に逆らって水や栄養分を運搬するために細い
管を束ねた維管束が発達し、同時に、茎も強固になった。
植物が陸上で成功すると、腐った植物を食べるダニのような動物が上陸し、つい
で昆虫類が繁殖した。最古の昆虫の化石はスコットランドで発見されたシルル紀
のものである。陸の上では浮力無しで体を支え、また、乾燥に耐える必要があっ
たので、体が殻で覆われた節足動物が陸上に進出したのであろう。陸上で運動す
るためには殻が分断され、運動器官が形成されている必要があった。
羽を持ち、空を飛ぶ昆虫は3億年前(石炭紀)に出現した。約2億5千年前(ペル
ム紀)には現在の昆虫がほぼ出揃った。
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2008/4/19 発行
発行人 岩田
HP: http://eco-evo.hp.infoseek.co.jp
ご意見・お問い合わせ: a6iwata@infoseek.jp
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