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これを読めばすべてがわかる!!なんてことはありえませんが、宇宙、地球、生命、人類の歴史をビッグバンから現代まで、1年半くらいでコンパクトにまとめます。4版目はトピックスとして生物の防衛戦略を特集中。

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2008/03/22

明快!森羅万象と百家万節の系譜 -No.28/4-

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明快!森羅万象と百家万節の系譜 -No.28/4-
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 光ケーブルを使った情報サービスが様々な媒体を取り込んで展開中です。今度
引っ越す先にはJ:COM社がケーブルテレビ、IP電話、インターネット、携帯電話
のサービスを提供しています。そこで、現在使っている@niftyから引っ越すこ
とになりました。昔の富士通のプロバイダーのドメイン名 infowebを持つメール
アドレスともお別れと思うと寂しい限りです。新たなHPはフリーのHPサービス
infoseekを利用することにしました。ここも楽天に吸収されて、楽天の1サービ
スとなっています。同じようなサービスはYahooも提供していますが、Yahooでは
3ヶ月更新がないと削除されてしまうそうで、infoseekはその辺があいまいでし
た。怠惰な私にとっては便利かも。URLはhttp://eco-evo.hp.infoseek.co.jp
す。無料HPサービスを探し始めてから、なんと2日で引越(現在は複製)ができ
てしまいました。もう見れます。現在のHPは3月いっぱいでおしまいです。

 今回も森羅万象の系譜はお休みです。


◆◇ 生体防衛論 ◆◇

28、虎穴に入って虎児を得る戦略

○なぜ、病原性大腸菌は危険を冒してまで粘膜上皮細胞に接近するのでしょう
か。細菌は細胞に取り付くことで細胞をコントロールできるのです(Nature,
449,827-834, 2007)。

+++ 細胞を隠れ蓑にする +++

好中球やマクロファージは細菌を食べ、強力な酵素や活性酸素を浴びせて細菌を
破壊し、リソゾームで消化します(23を参照)。しかし、考えてみると細胞の
中へ案内してくれるわけですから、リソゾームでの殺菌メカニズムをうまくかわ
せば細胞内に侵入できます。細胞内には免疫の攻撃は届かず、かつ、栄養分は豊
富で、細菌にとっては食糧庫で生活するようなものです。

リステリア菌や赤痢菌はエンドサイトーシスで取り込まれるとファゴソーム(23
を参照)を破って細胞質に脱出します。リソゾームの強力な殺菌小胞になる前に
逃げ出すわけです。菌は細胞質内で増殖します。リステリア菌はいわゆる日和見
感染症を起こす菌ですが、細胞内寄生するために胃腸炎だけでなく、全身に感染
が広がります。リステリア菌は食細胞であるマクロファージに食べられることで
入り込み、マクロファージが移動するのに乗じて血液に入り込むと考えられま
す。結核菌やレジオネラ菌はエンドサイトーシス小胞の動きを止め、リソゾーム
酵素の入った小胞と融合するのを防ぎます。小胞の中で細菌は増殖します。両方
とも空気感染する菌で、肺が標的臓器です。もっぱら細胞内に入り込む細菌(リ
ステリア菌、レジオネラ菌)は細胞に取り込まれやすくなるような接着分子も
持っています。

細胞をコントロールするには細胞の中に工作員を送り込まなければなりません。
その仕組みがIII型、IV型の分泌装置です(14を参照)。ファゴソームやリソ
ゾーム(語尾に小胞を意味する-someが付きます)の移動や融合を制御する様々
な因子(RABタンパク質ファミリーなどのGTPaseやアクチン、チューブリンなど
の微小管系)のそっくりさんを工作員として使います。

細胞の膜の移動や融合を乗っ取るメカニズムは現在、活発に研究が行われていま
す。細菌は哺乳類とまったく違う生物ですが、哺乳類の細胞の分子メカニズムを
よく知っているかのごとく、様々なタンパク質を進化させていることは驚きです。

+++ 警報タンパク質を封じ込める +++ 

細菌が入り込んだことを免疫系に知らせるレセプターはTLRです(22を参照)。
TLRに細菌の構成成分が結合すると、酵素反応の連鎖(細胞内シグナル伝達機構
と呼びます)によって細胞核に収められている遺伝子のうちから、警報タンパク
質の遺伝子が選ばれて警報タンパク質の生産が始まります。警報タンパク質の遺
伝子を選択する細胞内シグナル伝達機構のキーとなるタンパク質はNFκBです。

細菌は工作員となるタンパク質を送り込んでNFκBシグナルを様々な方法で邪魔し
ます。よく用いられる方法はミミックです。ミミックは正常な細胞の仕組みを真
似て、間違えさせ、攪乱させる方法です。その結果、細菌がいるという警報タン
パク質を分泌させないか、量をだいぶ減らします。この仕組みは、細胞を破壊せ
ず、細胞内で膜に包まれたまま潜伏する細胞寄生性細菌で特に発達しているよう
です。

なかでも細胞の核内に入り込むタンパク質もあることが注目です。真核細胞では
核に入り込むタンパク質は特別なチェックを受けます。核を持っていない細菌が
核のチェック機構をパスする術を持っているという不思議。

+++ 獲得免疫系に情報を伝えない +++

抗原レセプター(25を参照)を使う免疫系を獲得免疫と呼びます。そのほかの免
疫機能をまとめて自然免疫と呼びます。本論ではいままで自然免疫の対細菌シス
テムの解説が中心でした。獲得免疫は高い抗原特異性と免疫記憶を持つ点で自然
免疫より効果的に生体を防衛します。

高い抗原特異性は多様な抗原レセプターを準備することを基本にします。すなわ
ち、細菌やウイルスの構成タンパク質の一部に対して結合する抗原レセプターを
利用して、照準を定めます。そして、特異性の低い自然免疫を目標に総動員する
仕組みです。

敵の構成タンパク質に結合する抗原レセプターを選択するためには敵の一部を取
り出して調べる必要があります。この仕組みを抗原提示と呼びます(19-21を参
照)。抗原を取り込み、加工(消化)する細胞は樹状細胞(20,21を参照)とマ
クロファージで、両者で抗原提示の大部分を行います。特に樹状細胞が優秀で
す。好中球も細菌などを食べて消化しますが、好中球には高原提示能力はありま
せん。

樹状細胞は消化途中の断片をMHCタンパク質にくっつけて細胞表面に運び、リン
パ節に移動してT細胞やB細胞に見本を見せます。そして、ちょうどぴったり合う
抗原レセプターを持つT細胞やB細胞が樹状細胞のシグナルを受け取り、活動を始
めます。

もし、細菌が取り込まれても消化されなければ抗原提示能力が発揮されず、獲得
免疫系が働きません。細胞内寄生性細菌は樹状細胞やマクロファージなどの抗原
提示細胞を侵入門戸にすることが多く、獲得免疫系を無力化します。後で述べま
すが、ウイルスでも食作用を利用して細胞に入り込むことが多く、したがって、
樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞は格好の餌食になります。

○細菌を殺すために活躍する免疫担当細胞も利用して細菌は増殖します。むし
ろ、免疫担当細胞の機能を逆手に取った戦略が使われています。脊椎動物の免疫
系は重複する様々な手段を準備してそれに対抗します。


◆◇ 森羅万象の系譜 ◆◇

今回もお休み

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 2008/3/22 発行
 発行人 岩田
 HP: http://homepage3.nifty.com/ladybird/hp2/
 ご意見・お問い合わせ: a2iwata@mb.infoweb.ne.jp
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