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2006/10/29

【麻雀随筆】 国会の賭け麻雀レート論議を確認する(Vol.70 2006.10.29発行)

(Vol.70 2006.10.29発行)
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【麻雀随筆】 国会の賭け麻雀レート論議を確認する
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麻雀@の3号にエモヤンこと江本孟紀氏の興味深い対談記事があります。
参議院議員のときに、麻雀は「どのくらいなら賭けてもいいと思っておられるのか」と
国会で質問し、法務大臣は「三万円ぐらいならいいんじゃないか」と
おっしゃったとのこと。(http://www.ma-janat.net/)

現在の巷の諸々の情報では「1000点200円(リャンピン)以上は摘発対象。
でも場合によっては1000点50円(テンゴ)でも摘発されることがある」と
今ひとつはっきりしない状況であり、大いに不満です。

そこで今回は、その理解の一助となるかもしれない、
先の国会での「賭け麻雀レート論議」の会議録を調査いたしました。
なお、この論議の時期は平成5年です。
(その会議録を最後にまとめて引用しましたので興味のある方はご覧ください)

調査結果を要約しますと以下のようになります。

・法務大臣(後藤田正晴):
 三万円うんぬんの記録は残っていないが、
 「社交儀礼の範囲内であれば私は賭博にはならないのではないかな」と
 懐の深さを見せる。ただし、ご本人は賭け麻雀は良くないとのお考え。

・警察庁:
 「適正に対処している」にとどめ、明言せず。

・検察庁:
 「総合勘案いたしまして」にとどめ、明言せず。

・裁判所:
  過去の事例(昭和三十五年に「百点十円」での賭博罪の成立事例)の
  紹介にとどめ、明言せず。

結局のところ、適正な賭け麻雀レートについては充分な回答が得られませんでしたが、
(故)後藤田元副総理の寛容さが心に残ります。

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<国会での「賭け麻雀レート論議」の会議録>

【126-参-予算委員会-8号 平成05年03月24日】内より引用

○江本孟紀君 どうもありがとうございます。
 このプロ・アマ問題はプロ側にも多少問題があると思いますけれども、重要な課題とし
て文教委員会などでもこれからまた取り上げていきたいと思います。
 最後ですけれども、きょうは通産大臣それから建設大臣にもお伺いしたいことがあった
んですけれども、最後に法務大臣に一言お聞きしたいことがございます。
 かけマージャンのことなんですけれども、いろんなところでいろんなかけマージャンを
しておりますけれども、だれがやったやらないということではなくて、世間一般にやられ
ておりますので、大体どの範囲ならいいのかということをぜひお聞きしたいと思います。
 我々野球界の出身者なんかは、かなりマージャン賭博事件とかいろんなことで永久追放
処分になったり、二十三年前にそういう事件があってそのまままだ永久追放になったりと
か、スポーツ界なんかでは非常に厳しい処分をされておりますが、しかし世間一般ではか
けないでただ積み木だけするということはあり得ないので、大体どの程度ならいいかなと
いうことをお聞きしておいた方が皆さんもやりやすいと思いますので、ぜひお願いしたい
と思います。

○国務大臣(後藤田正晴君) 江本さんはどれくらいかけているんですか。

○江本孟紀君 私は十年前からやめております。

○委員長(遠藤要君) 一問一答は許しません。

○国務大臣(後藤田正晴君) まことにどこまでが賭博になりどこまでならばばくちにな
らないのか、境目は何だ、こういう御質問ですが、易しいようで実際ここでお答えするの
は非常に難しいんです。だから、こういうところでのお答えだとすれば、刑法百八十五条
で、偶然の勝敗にお金や物をかけてそれの取得を争う、これはばくちになるわけですね。
ところが、そのただし書きに、娯楽の程度であればいい、こう書いてあるんです。それは
どういうことかと言えば、社交儀礼の範囲内であれば私は賭博にはならないのではないか
なと、これ以上は答えられないんです。お許し願いたいと思います。

○江本孟紀君 どうもありがとうございました。いまいちよくわからないんですけれども、
まあなるべく捕まらないようにみんな気をつけたいと思います。
 そういうことで、きょうは質問させていただきましてどうもありがとうございました。
これで終わらせていただきます。

○委員長(遠藤要君) 以上で江本君の質疑は終了いたしました。(拍手)


【126-参-法務委員会-3号 平成05年03月29日】内より引用

○猪熊重二君 きょうは法務大臣の所信に対する質問ということで、もう少し格調高くや
らなければいけないんですけれども、申しわけないんですが大臣にまず、かけマージャン
の問題についての三月二十四日の参議院予算委員会における答弁について、私はどうも納
得できないのでもう一度お伺いしたいと思うんです。
 と申しますのは、この三月二十四日の参議院予算委員会において江本委員からかけマー
ジャンについて、世間ではかけないでただ積み木だけするということはあり得ない、大体
どの範囲ならいいのかということをお聞きしておきたいと、こういう質問なんです。それ
に対する大臣の答弁は、
 刑法百八十五条で、偶然の勝敗にお金や物をかけてそれの取得を争う、これはばくちに
なるわけですね。ところが、そのただし書きに、娯楽の程度であればいい、こう書いてあ
るんです。それはどういうことかと言えば、社交儀礼の範囲内であれば私は賭博にはなら
ないのではないかなと、これ以上は答えられないんですと、こういう答弁をしておられる
んです。
 まず、この答弁の当否を考える前提として、かけマージャン、いわゆるお金をかける
マージャンについて司法当局がどういうふうな考えに立っているか。
 まず警察庁、かけマージャンの賭博性について、どういう立場で捜査しておりますか。

○説明員(瀬川勝久君) ・刑法の賭博罪は、偶然の勝敗に関して財物をもって賭事を行
った場合に成立をするということとされております。ただし、一時の娯楽に供するものを
かけた場合には成立しないこととされておるわけであります。
 この一時の娯楽に供するものというものにつきまして、金銭につきましては金額の多少
にかかわらず一時の娯楽に供するものとは言えないという判例があることについても承知
をしております。
 警察といたしましては、こういった判例等も踏まえ、適正に対処しているところでござ
います。

○猪熊重二君 検察庁及び裁判所、順次これについての見解を述べてください。

○政府委員(濱邦久君) もう委員が十分御案内のところを申し上げるわけで釈迦に説法
かと思いますが、賭博罪は刑法百八十五条で、偶然の勝敗に財物をかけてその得喪を争う
こととされているわけでございますが、この刑法百八十五条にはただし書きがございまし
て、一時の娯楽に供するものをかけたときは賭博罪は成立しないこととされているわけで
ございます。
 検察当局におきましては、いわゆるかけマージャンにつきましてもこの法の趣旨に従い
まして、当該事実がこの刑法百八十五条本文に該当すると認められる場合、他の刑事事件
の処理と同じように、その犯情、被疑者の前科前歴、改悛の情の有無、その程度等を総合
勘案いたしまして処罰に値すると認められる事案について公訴を提起しているものという
ふうに承知しているわけでございます。

○最高裁判所長官代理者(島田仁郎君) 私どもといたしましては、この関係について判
例を見てまいったところでございますが、どうもそのただし書きの適用が問題となるよう
な微妙な事案については起訴されないせいもあるかと思いますが、その辺の接点について
の判例というのは余り見当たりませんでございまして、かけマージャンについて賭博罪と
して起訴された事件につき公刊物に掲載された判決例を調査いたしましたところ、最高裁
の昭和三十七年六月二十六日の決定が裁判集に入っております。これの原審判決の認定と
して、百点十円の割合で現金かけてマージャン賭博をした事件について賭博罪の成立を認
めております。もっとも、この最高裁の決定自体は、賭博罪のそのただし書きの適用の有
無が争点になったわけじゃございませんで、未遂か既遂かが争われた事案でございます。
 ちなみに百点十円というのは千点百円でございますか、当時の物価水準、これ昭和三十
五年当時の事件でございまして、現在物価の値上がりを見てまいりまして約五・三倍とい
うことでございます。そうすると、この事案でいけば千点大体五百円程度の割合で現金か
けた事案である、これについては賭博罪の成立を認めておると、こういう事案が出てまい
りましたが、ほかにちょっと相当な事案は見当たりませんでございました。

○猪熊重二君 それは最高裁刑事局長ね、金銭についてはその性質上、一時の娯楽に供す
るものとは見られない、その額の多少にかかわらず本罪となるというのが大審院判例、大
正十三年三月九日。その後幾つもある。
 いずれにせよ、私が言いたいのは、法務大臣の答弁が、金丸前副総裁がワリシンで稼い
だ利息を十万、数十万、百万単位でかけマージャンして、そしてそのかけた金をわざと負
けてやって相手にくれてやるというふうな報道がなされている事態のもとにおいて、あた
かも社交儀礼の範囲内であれば賭博にならぬというふうなことになると、じゃ、金丸さん
がかけた、あの人は金持ちだから十万や数十万は社交儀礼の範囲内かななんということで
間違う人がいると困る。要するに、金をかけたら賭博罪であるということを明確にやっぱ
り言ってもらわなきゃならぬと思うんです。その辺、大臣の所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(後藤田正晴君) 私が申し上げたのは、江本議員がかけマージャンというの
は一体どれぐらいならかけマージャンになるんだと、こういうような趣旨に理解をしたわ
けでございます。もともとかけマージャンがいけないというのは、そのこと自身よくない、
これは。初めから私はそれは決まっていると思います。そこで、ああいう席でそういった
ことをお答えするのはいかがかなとこう思ったものですから、私は刑法百八十五条を頭に
置いて、条文そのままのつもりでお答えをいたしたのが私の真意でございます。

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