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2009/05/19

いま、選ばれるビジネス-中島セイジのビジネスの達人

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  ┌┐     いま、選ばれるビジネス
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  ││├┐   □中島セイジのビジネスの達人  □No.291 □2009.5.18
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  こんにちは!
  予兆コンサルタントの中島セイジです。

  ついに日本にも新型インフルエンザが!
  って少し騒ぎ過ぎな気がするのは私だけ?
  先週末に国内最初の感染者が見つかってから
  あっという間に130名ほどまで感染者が広がりましたが、
  普通のインフルエンザも変わらないのでは…。

  情報を見てみれば、特別致死率が高いとか、
  重症化するというわけでもなさそう。
  新型だからここまで警戒されているのだろうか?

  それにしたって羽田や成田空港の検閲はスゴイ。
  もし感染を疑われたり、そんな人の近くにいれば
  それだけで10日間隔離されるという。
  (その努力もムダに終わってしまったが…)

  う〜ん…、どうしても情報に
  踊らされてしまっている気がしてしまう。
  やはり求められるのは、溢れる情報から、
  真に必要なもの・正しいものを取捨選択する力。

  今の時代、この力なくして、正しい判断を下すことはできない!

  それでは、今週も
  ビジネスの達人をお楽しみください!
    
    
──────∽ ◆ ∽─────∽ ◆ ∽─────∽ ◆ ∽──────

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□□■ 目次 ■□□

 
 01:モバイルショット ア・ラ・カルト
 ……玉子かけ牛丼のつくり方

  
 02:今週の選ばれるパースン
 ……アーキテクト安藤忠雄


 03:今週の情動力スペシャル
 ……アカデミー賞受賞の“おくりびと”


 04:今週の先取りビジネストレンド
 ……投資どころは端へ、そして見えないところへ


 05:今週の熟ジュクア・ラ・カルト
 ……『sweet』 60万部突破!


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   ☆モバイルショット ア・ラ・カルト
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    玉子かけ牛丼のつくり方
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  1まず、玉子を溶く。このとき、
   お好みによりしょう油をすこし入れるのもポイント。

  2次に、すでに盛られている牛丼の具の部分、
   すなわち牛肉と玉ねぎ(吉野家はほとんどが牛肉だが…)だけをすくい取り、
   玉子小どんぶりに移す。

  3そして、溶いた玉子を具によくからめる。

  4ふたたび具をどんぶりに戻し、盛りつける。

  5ここで七味をどの程度かけるか、
   しょうがをワキに添えるかは、あなた次第。

  はい、玉子かけ牛丼の出来上がり〜。

  いかがですか? 通常はついつい溶いた玉子を具の上から
  ぐるっとかけて食べはじめてしまうはず。
  ところが、この手法だと玉子は具の肉にからまず、
  底のご飯のところで役割を忘れ、たむろしてしまうことに。

  食べはじめても、せっかくの玉子を味わえないまま、
  後半戦に進んでしまうことに…。

  ハッハッハ、これが中島流玉子かけ牛丼というわけ。
  やってみたくなったでしょ!
  吉野家に行ったら、一度盛りつけを取っ払いたくなったでしょ。

  ちょっと常識をはずしてみるだけで、ひと手間かけるだけで、
  新しい、グレードアップした“非常識”ができあがる。




   
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     ☆今週の選ばれるパースン
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      アーキテクト安藤忠雄
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  いや〜、面白かった。
  講演後、話をしたすべての人々も口々にそう言っていた。
  「安藤さんはスゴイ」と。

  私が所属しているNBC(ニュービジネス協議会)の例会で、
  あの建築家の安藤忠雄さんを
  ゲストスピーカーとしてお呼びして講演していただいたのだ。
  話の面白さだけでなく、安藤忠雄という建築家の幅の広さや、
  奥深さを100名ほど集まった経営者たちの誰もが感じていた。

  私は今回司会を務めることになっていたため、
  事前に控え室で安藤氏とお話させていただいたのだが、
  何故か既に安藤氏のテンションが高い…。
  話を聞いていると、なんとこの週だけで8回も講演があり、
  このNBCの講演の前にも話をしてきたという。
  そのカジュアルな雰囲気は、私の抱いていた安藤忠雄像
  (ちょっと気難しいところがありそう)
  をいきなり払拭した。

  「『住まうとは、時に厳しいものだ。
   私に設計を頼んだ以上、あなたも闘って住みこなす覚悟をして欲しい』。
   家を建てたいという人が来たときには、私はこんな風に説明しています」
  と安藤氏。設計する側が、こんなことを言っちゃうんだからスゴイ!

  実際に安藤氏が設計し、1976年に竣工した大阪の“住吉の長屋”では、
  三軒長屋の中央の一軒だけを使い、わずか十数坪の細長く狭い敷地に、
  コンクリート打ちっぱなしの住まいを建設した。
  そんな狭さにもかかわらず、家の真ん中にはぽっかりと天井のない中庭を設置。
  ということは、雨の日は台所から、居間に行くには傘を差さなければならない!

  この建築には、「とんでもない建物だ」や「しっかりと考え込まれた建築だ」など、
  賛否両論があったが、ある建築の賞の候補に挙がった。
  それを受け、高名な建築家が住吉の長屋を訪ね、
  「建物の良し悪しはともかく、この狭い中で生活が営まれていることに感銘を受けた」
  という面白いコメントを残したという。
  さらには「住んでいる人にこそ賞を与えるべきだ」とまで言ったという。
  安藤氏もこのコメントは、いまだに覚えているという。

  また、安藤氏は子どもをテーマにした話にも触れていた。
  子どもを対象とした博物館や、
  遊び場となるような施設の設計を担当することもあるという安藤氏は、
  「戦後日本の経済一本槍の社会が、子どもから空き地と放課後を奪った」と言う。
  子どもを過保護の世界に閉じ込める家族と社会システムが子どもの自立を阻んでいる、と。
  まさに私もそう思う。

  安藤氏が設計する子ども向けの建築には必ず“間(ま)”を造るという。
  間は、一見不便でムダにも思え、意味のないものに思えてしまうもの。
  例えば建物と建物の間に天井のない通路を通し、
  晴れの日には陽を浴び、雨の日には傘を差す。
  こういった自然と触れ合う時間や、
  遊び余地のある空間が安藤氏は必要なのだという。

  その昔、空き地と時間があれば、子どもたちは野球をしたり、缶蹴りをしたり、
  自分たちで新しい遊びを考えた。
  そこには子どもの工夫があり、それが想像力を育てる。
  ところが今は空き地も放課後もない…。

  これは子どもだけの問題ではなく、社会で人を育てるときも同じ。
  あれもこれも与えると、与えられない限り、自分で作り出すことができなくなる。
  だからこそ間を与え、責任を持たせ、工夫させることが必要になるのだ。
  “与えすぎ”は相手の可能性を奪っているということ。

  それにしても私から見ても安藤氏はスゴイ!
  尊敬することができ、この人に建築を頼みたいと思える。
  そのときはきっと「私に頼んだ以上、私に任せて欲しい」
  と言われるのだろう…。
  




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     ☆今週の情動力スペシャル
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      アカデミー賞受賞の“おくりびと”
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  「主人の職業は、納棺師なんです」

  アカデミー賞受賞『おくりびと』のクライマックスでのセリフである。
  すでに観た方も多いと思う。主演は、元シブがき隊のモッくんこと本木雅弘。
  主人公の妻役に広末涼子、そしていぶし銀の山崎努ほか、といったメンバー。

  普段あまり映画というものを観ない私だが、
  先日『おくりびと』を観るために飯田橋ギンレイホール(名画座)に足を運んでみた。

  本木雅弘扮する主人公 小林大悟は、オーケストラでチェロを弾いていた。
  しかし、解散と同時に妻と一緒に秋田へ帰郷することに。
  チェロ奏者だった大悟が、いったいどんな職業に再就職できるというのか。
  そこで偶然、納棺師という仕事と出会った。

  「主人の職業は、納棺師なんです」

  当然、妻の美香は、最初からは素直にこう言えなかった。
  それどころか、大悟が納棺師になると聞き、
  本当にそんな仕事に就く気なのかと田舎へ帰ってしまう。
  そして、お腹の子どものために、
  「子どもにとって恥ずかしくない職業、
   聞かれたときに堂々と言える職業に就いてほしい」
  と頼むのだった…とこんな筋書きなのだが。

  いやいや、私もついつい何度も涙してしまった。
  それには筋書きもあるが、それより、
  モッくんの納棺師としての真剣な眼差しと所作を見てなのだ。
  まさに強い“情動力”がそこにある。

  ところで、“納棺師”というテーマは、
  モッくんのアイディアだという。
  彼の目の動き、体の動き、納棺師の仕事での一挙手一投足、
  そのすべてが表現されていたように思う。
  おそらく、納棺師が重要な役割を持つ職業だと強く感じた経験があったのだろう。
  だから、あれだけ人の情を強く動かす演技ができたのでは!?

  職業において重要なのは、業種業態ではない。
  どんな職業も、その仕事とどう向き合っていくかが大事だ。
  名のある職種だろうと、取り組み方次第では「恥ずかしい職業」になりうる。

  必ず、職業には存在理由がある。
  存在理由をきちんと理解し、プロとして追求していく。
  何を求められているのかという視点で、奥行きを広げていく。
  人が選んでくれる理由とは、こうして作られていくのではないだろうか。



  


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     ☆今週の先取りビジネストレンド
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      投資どころは端へ、そして見えないところへ
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  しばらく前に“お金は端のほうに”という話をした。
  これは、以前は衣料品を中心にお金をかけていたが、
  社会の成熟化にともない「靴」や「ネイルアート」、
  「カラーリング」と、お金のかけどころが体の端のほうに
  移行していってるということ。

  原宿から渋谷まで歩いていると、
  帽子専門店や靴専門店が目立つようになった。
  渋谷近くには客でにぎわっている『ABCマート』があるし、
  大手でなくとも小さな帽子、靴専門店が並んでいるのだ。

  ヨーロッパからきたブランドは別としても、
  靴や帽子だけを売って商売になるなんてことは以前じゃ考えられなかった。
  ところが、今じゃ帽子だけを売っているお店があちこちに存在する。

  アジアの国々に行くと、靴や髪にお金をまだかけていないことに気づく。
  そしてふと日本のことを考えると、日本人が中心にお金をかける時代は終わり、
  “お金は端のほうへ”という時代に移ったのだと痛感するのだ。

  じゃあその次は…?
  次は、目に見えない部分にお金をかける時代がやってくる。
  健康になるためにオーガニック食品を購入する。
  外見上には何の変化もないけれど、
  見えないところへの効果があるものに
  お金をかける人たちがだんだんと増えているのは確かだ。

  また、旅行に行く、座禅を組む、農業体験をするなど、
  体験にお金をかける時代も来つつある。
  これは本当に目に見えない、モノサシじゃ測れないところに
  お金と時間をかけるということ。

  “お金は端のほうに、そして見えないところに”
  という傾向はこれからも続いていくだろう。

  人びとの投資先は、一番目につくところからはじまって、
  徐々に端のほうへ、最終的には見えない部分、
  つまり精神的に充実、成長するために人がお金や時間、
  エネルギーをつかう時代へとシフトしていっている。

  私は外見だけにお金をかけて見た目を美しくするよりも、
  内面を磨き精神的に成長するほうがずーっと大切と、
  常々思っている(なかなか実践できないが)。
  だからモノからコトへ、そして精神(ココロ)の時代へ
  少しずつでもシフトしていることは、
  Fine Spirits時代へ向かっていることの証なのだ。



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     ☆今週の熟ジュクア・ラ・カルト
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      『sweet』 60万部突破!
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  “これが、60万人の女の子のハートをつかむ雑誌です”

  そんなキャッチコピーの下に、雑誌の表紙がどーんと配置されている。
  2009年4月15日(水)付けの日経MJの誌面に、
  『sweet』という雑誌の新聞広告(15段4面、しかも中面見開き2面分はカラー!)
  を目にした。

  『sweet』をまったく知らないおじさま方(私も知らなかったが…)に
  簡潔に説明をすると、それは若い女性向けのファッション誌だ。
  「開くだけで広がるハッピーな世界」という編集方針を掲げているそうで、
  なるほど、洋服はもちろん、女性が身につけるありとあらゆるファッション小物が
  ダダダダダー…っと誌面を賑やかに飾っている(その良し悪しは別として)。

  その他の多くのファッション誌と違って、
  そこに載っている洋服や雑貨を雑誌を通じて購入することができる、
  「通販」としての役目も果たすことが、この雑誌の“売り”らしい。

  その『sweet』が創刊10年で発行部数60万部
  (ファッション誌界ではNo.1らしい)を突破した…
  という広告だったのだが、私がここで言いたいのは
  「今はこんな雑誌が人気なようですよ〜」ということではない。

  実は先日、電車に乗っていたときに若い女性が
  「Cher(チアー)」という文字が筆記体のようなデザインで
  プリントされたバッグを持っていたのだが、
  これがどっかで見たことあるような…と引っかかっていた。
  よくよく見返すと…、あっ!
  『sweet』の表紙に載っていた特別付録のバッグではないか。
  一度そう認識すると、同じバッグを持った女性を探すのはそう難しくなかった。
  原宿にも渋谷にも、銀座にだって、あっちこっちに「Cher」のバッグを持った娘が!

  これはつまり、多くの女性が『sweet』という雑誌が
  “しかけた企画”にそのまま乗っているということ。

  ほかにも、近頃は雑誌でモデルが着ていた洋服をそのまままるごと
  (トップスだけでなく、ボトムや靴、アクセサリーなどすべて)セットで買いたい!
  という女の子が増えているらしく、そんな世の中の動きに応えるべく、
  ファッション誌界も特別サイトをオープンさせたりとせわしなく動いているようだ。

  このような動きから裏を読むと…、
  いま、多くの若者が自分で物事を考えることが
  できなくなってきているのではないだろうか。

  コーディネートを自分で考えられないから、
  プロのスタイリストが合わせたファッションをそのまま欲しくなる。
  ラクしてセンスがあると思われたい、
  仲間はずれになりたくないから周囲と同じものを選ぶ。
  自分の判断基準を持たないペネトレーション層(ボトム層)と
  フォロアー層(追随層)の消費者が、
  自分の価値観で買い物をするイノベーター層(革新層)をまさに追っているのだ。

  百貨店などで個人のための
  “ファッションアドバイスサービス”なるものができたのも、
  同じ問題が根底にある気がする。

  それはファッションの世界に留まった話ではない。
  テレビなどから発せられる情報も、
  ただ与えられたものをそのまま吸収するだけで、
  自分の頭で咀嚼しようとしないから、
  誤った情報にも踊らされてしまうのだ。

  『sweet』の人気からは、成熟しきった日本社会のそんな問題が透けて見える。



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