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上方落語の今をレポートする「寄席めぐり楽天日記」や、落語にまつわるさまざまを楽しく分析する「はなしのついで」、そして落語会情報もおりまぜ、読者と一緒に作っていく落語専門マガジンです。

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2009/12/25

週刊 落maga Vol.248 2009.12.25

 
 
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       「週刊 落maga」Vol.248  2009.12.25

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  ◇演目◇

    ・「寄席めぐり楽天日記」

 **** 街じゅうにあふれてたクリスマスソングとも今日でさよなら。
思えば、子どもの頃、外国のもので一番憧れたのがクリスマスでしたっけ。幼稚園
で覚えた賛美歌もツリーもサンタも大好きで、けど、どこか身にそぐわない、あの
ちぐはぐな盛り上がり。鶴瓶の私落語ではないですが、金持ちでもモダンでもない
庶民である親にすれば、どないせえいうねん、という感じだったでしょう。昔気質
の武骨な父親が、どう見ても似合わないクリスマスケーキを毎年買って帰ってくれ
ました。それを兄弟みんなで分け分けして食べたのが一番楽しい思い出かな。
大人になるほど何もないクリスマスが今年も過ぎてゆきます。
で、やっぱり、お雑煮を食べるお正月がいいなあと思うのですね。

今年最後の落magaです。
何回も休んでばかりで、申し訳ないことこの上ない1年でした。
本当にすみませんでした。おゆるしください。

 **** そうそう、平成21年度文化庁芸術祭賞の発表がありました。改めてここで。
桂文我が優秀賞(10/12の独演会)、桂都んぼが新人賞(10/22の独演会)を受賞。
おめでとうございます!

そんなこんなも含めて、この1年の話題を振り返ってみます。

<2009年トピックス>(時系列じゃないですが)

・桂米朝師匠の文化勲章受章(11/3)
・桂つく枝改メ五代目桂文三襲名(5/16・なんばグランド花月)
・春菜改メ三代目桂春蝶襲名(8/30・松竹座)
・二代目露の五郎兵衛逝去(3/30)
・繁昌亭の入場者、50万人を達成(10/13)
・襲名50周年記念桂春団治落語会(5/3~5・ワッハホール)
・桂雀三郎30日間連続落語会(3/1~3/30・雀のおやど、最初の2日のみ・そごう劇
 場)
・「彦八まつり」(9/5,6)盛況、初の噺家ムービー「あなたのためならどこまで
 も」上映
・動楽亭でも昼席、スタート(6/1~、毎月上席十日間・9月をのぞく)
・桂枝雀生誕70年記念落語会(8/13・サンケイホールブリーゼほか全国各地)
・還暦組の独演会ー林家染丸(10/3)、笑福亭福笑(11/6)
・毎月独演会を開催ー桂三風、桂歌之助
・「田辺寄席」が35周年・500回(6/21・阿倍野青年センター)、「上新庄えきまえ
 寄席」が25周年・300回(記念の会を7/4・クレオ大阪北)で
・京橋花月で本格的に落語会、「よしこめ落語会」「京橋精選落語会」はじまる。
・四代目桂米団治顕彰碑建立(5/2、東成区役所敷地内、記念落語会も)
・サンケイホールブリーゼでの米朝一門の独演会シリーズ再開(4月の「桂南光・こ
 ごろう親子会」より)
・笑福亭鶴瓶が映画「ディアドクター」で初主演(日刊スポーツの主演男優賞受
 賞)
・法善寺寄席や徳徳亭など、道頓堀・千日前周辺で寄席が誕生
・初の独演会を開催ー桂紅雀、桂雀喜、林家染太
・「枝雀十八番」ほか、CDやDVDのリリースも目立った年でした

    ============                    

他に、トリイホールでの落語会がすごく増えましたね。
「とりそめ」、「トリギン!」、「カイトリ!」、
東京勢の柳亭市馬・柳家喬太郎の「二人のビッグショー」も昼夜公演が恒例になっ
てどちらも乾杯に。市馬に続いて喬太郎もここで独演会をスタート。柳家三三や立
川生志の会も始まりました。

東京の落語家さんは昨年よりたくさん来阪して勢いとまらず大あばれの感。
中でも、立川談春の5月のサンケイホールブリーゼ、12月のシアタードラマシティの
各3日間公演はどちらも完売で、フェス2回分の集客は上方にいない超人気者ぶりで
した。
ゲストでもひっぱりだこで、大阪によく来はったですね。

ゲスト出演でいえば、柳亭市馬、柳家喬太郎も多かったような。

ほかに柳家さん喬、三遊亭円丈、柳家権太楼、春風亭小朝、立川志の輔、春風亭昇
太、柳家喜多八、林家正蔵、三遊亭白鳥、林家彦いち、林家三平、柳家花緑、柳家
三三、古今亭菊之丞、三遊亭兼好、林家木久蔵も。このうち、志の輔、昇太、花緑
は独演会も恒例だけど。そして、映画「小三治」で改めて凄さが認識された大看
板・柳家小三治も。
以前から大阪で会を開いておなじみの古今亭志ん橋、柳家小里ん、古今亭志ん輔、
林家正雀、三遊亭歌る多、古今亭菊千代といった方たちもいつも以上に活躍。
三遊亭王楽の真打ち昇進披露の繁昌亭公演に来たお父さんの好楽もいい味でした。

そうした知られた方たちばかりじゃなく、関西では全然知られてないけど、渋かっ
たり実力派だったり元気な若手だったりという人たちが、入れ替わり立ち替わり来
てはった気がします。
大きな会の番組に東京の落語家さんがまじるケースも急増。
この東西交流の流れはもう止まらないでしょう。
上方勢も東京でたくさん会をするようになりましたもん。

    ============                    

◎最後に、今年の上方での主な受賞者を(芸術祭以外)。
・平成21年芸術選奨文部科学大臣賞=桂文珍
・平成20年度咲くやこの花賞=桂まん我(表彰式は今年だったので)
・平成21年度咲くやこの花賞=桂ちょうば
・平成21年第46回なにわ芸術祭新人賞=桂阿か枝、同奨励賞=笑福亭たま、
 同審査員特別賞=桂春菜
・東西若手落語家コンペティション2008グランドチャンピオン=桂よね吉
・第四回繁昌亭大賞=笑福亭銀瓶、同奨励賞=桂文華、同爆笑賞=桂春蝶、
 同創作賞=笑福亭たま、同輝き賞=桂吉の丞

 **** さて、18日に今年の入選作の発表がありました。
<第二回 上方落語台本大賞・入選作>
大賞=該当作なし
優秀賞=「あぁ、オヤ婚」(石山悦子作)、
「ハンカチ」(小堀裕之=漫才師「2丁拳銃」)
佳作=「ショッカー商店街」(伊藤あい作)、
「多事争論」(木下真之作)、「すし屋繁昌記」(橋本美津子作)

応募総数は、今年一人一作品に限定したので、昨年より減って235編。
大阪府内が3割、ほか近畿圏2割、東京から2割の応募があり、沖縄や仙台など全国か
らも作品が寄せられたとか。20代前半から最高90歳まで幅広い年齢層の方たちがチ
ャレンジされました。
残念ながら、大賞はなかったですが、優秀賞には40代の台本作家でもある女性と、
二丁拳銃の小堀さんの作品が選ばれて、なかなか面白そうですよ。

課題作のテーマだった「商店街」は、さびれつつある商店街をなんとかしよう、と
いうパターンが目立ったそうで、審査員をした桂あやめが、そのテーマですぐ連想
するような発想は少なくともプロの落語家はしてはいけない、と思ったとか。

第一回目もものすごく面白かった、この入選作品発表の会があります。
桂三枝をはじめ、審査もした創作派の腕達者、それに今回は露の都も加わって口演。
ぜひ、行ってくださいね。

☆「繁昌亭夜席 第二回 上方落語台本入選作発表落語会」
2010年1/19(火)午後6時半・繁昌亭
・笑福亭仁智「選考結果について」~・月亭遊方「ショッカー商店街、桂三風「ハ
ンカチ、笑福亭仁智「多事争論」~仲入り~・表彰式ー桂三枝、笑福亭仁智・露の
都「すし屋繁昌記」・桂三枝「あぁ、オヤ婚」
一般前売2,000円 当日2,500円、身障者・高大生1,800円 小中学生1,500円
(入場は整理番号順)


    ============                    


また、「第三回上方落語台本募集」ももうすぐ受付です。

・テーマは、自由作または課題作「夢」
・募集期間=2010年2/1~8/31
・今回は二作品まで応募可能で、
応募方法は400字詰め原稿用紙15枚程度で、手書き・ワープロどちらでも可。
あらすじとサゲを1枚にまとめ、題名と住所・氏名・連絡先を明記したものを表紙と
して、1枚目に添付のこと。(メール応募は不可)
・応募先
〒530-0041 大阪市北区天神橋2-1-34 上方落語協会「台本募集」係

◎賞金=大賞30万円、優秀賞10万円、佳作5万円(入選作なしの場合もあり)
◎選考委員ー桂三枝(委員長)、笑福亭福笑、笑福亭仁智、桂あやめ、桂三風、
 月亭遊方、恩田雅和(繁昌亭支配人)
 問=上方落語協会=06-6354-7727

 **** 今年、DVD3枚+CD7枚=10枚組BOXも出た懐かしいこの人の追善があります。
☆「四代目林家小染二十七回忌追善落語会」
2010年1月31日(日)午後7時・京橋花月(JR、京阪京橋)
出演は笑福亭仁鶴、桂文珍、林家染丸、五代目林家小染
大トリでビデオ上映・四代目林家小染「鍬潟」(1983.9/11収録)

1984年に36歳の若さで亡くなった四代目小染。覚えてる人も少なくないでしょう。
ザ・パンダで人気者になった20代の時からすでにおっちゃんぽくて、30代半ばで中
堅大物の実力と風格を持ち合わせていた、特別な存在でした。もっちゃりした愛嬌
と生き方は昔の芸人を思わせ、酒を飲めば無茶もんになり、笑える?めちゃくちゃ
な狼藉も多数。

林家染丸は「二つ年上で二年先輩でもありました。林家は実質二人でやってた時期
もあります。大阪の色の濃い芸風で愛嬌もあり上方落語らしい味わいでした。今で
も、あの小染は良かったという声を聞きます。長生きしたら大きな看板になってた
でしょう」

一心寺の葬儀で弔辞も読んだ笑福亭仁鶴は「ヤングおーおー!」でも一緒に出て
「ムードメイカーだった」と。おしゃれをせないかん、というので「アメリカ衣
料」に買いに行ってつなぎのGパンをよく着ていたと(そういえば、そうですね)。
「大阪の匂いをお腹の底からしみ込ませて演じた人でした。食べること、飲むこと、
楽しいことが好きな人で。亡くなって27回忌というのは感慨深いものがあります」。

唯一人の弟子である五代目小染は「僕が継いで15年たっても、小染というと、師匠
のことをさすほど愛された。芸人らしさを体から充満させて、僕はそこに憧れた。
結局、一本のネタも教えてもらわなかったけど、芸人としての心がまえやまわりの
人への気遣いや可愛げなど、学んだと思います」。

そんな四代目小染とのビデオでの再会は、とても楽しみ。いろいろ十八番がある中
で、今回、よく知られた酒ネタではなく、今はあまり聞けなくなった「鍬潟」が上
映されることに。「相撲が大変好きで、青葉山をひいきにしてた。本人もおすもう
さんみたいなスタイルが好きで、そんな憧れもあって、この噺をよく演じてたの
で」と染丸師匠。

出演する方たちはDVDのブックレットで思い出話を語ったゆかり深い面々でもありま
す。
昔を全く知らない人が四代目小染の落語を聞いたら、どんなふうに思うんでしょう
ね。
こんな機会は滅多にありません。おたのしみに。

前売3,500円、当日4,000円、発売中。
チケットよしもと=0570-041-489(Pコード597-177)
チケットぴあ=0570-02-9999(Pコード597-177)
ローソンチケット=0570-084-005(Lコード59633)
問=チケットよしもと=0570-036-912

 **** この追善と同じ日(時間は違って、こちらは昼間)に30周年の会を伝統ある
劇場で開催するのは、桂文我。
☆「噺家生活三十周年記念桂文我独演会」2010年1月31日(日)午後1時
・京都 南座(京阪四条、阪急河原町)

出演は順に、桂まん我「平林」、柳家花緑「権助提灯」、桂南光「義眼」、桂文我
「井戸の茶碗」~仲入り~春風亭昇太「ストレスの海」、文我「地獄八景亡者戯」

10月の大阪公演から30周年記念の独演会ツアーを全国で開催している文我。今回は、
以前、米朝・枝雀の競演も行なわれていた南座での公演で、思い入れもまた違うよ
う。ここで「浮かれの屑より」をやった時は、何百年も名人上手があがった舞台の
重圧を感じて、震えながら舞台に上がったそう。

演目もトリでかける「地獄八景」は、米朝師匠に15年ほど前に許しをもらってやり
始め、最近では2002年にイシハラホールでやって以来、久々の上演になります。
「今のニュースをほどよく入れて」と、あまり遊びすぎず、古典の面白味を芯に届
けるよう。枝雀から「細かな芸の積み重ねの大事さ」を学んで「普通にやって面白
くて心に残る落語をめざして来た」文我らしさでしょうか。「井戸の茶碗」は故古
今亭右朝から教えてもらい、上方に置き換え、人情もさらりと温かく描いたもの。
これはまん我や文三も継いでやっているので、知る人も多いでしょう。
という、片やコント的、片や芝居的な味わい異なる大ネタ二編。師匠から「かけた
時間分しか戻ってこない」と言われ、時間だけは惜しまずかけて来た文我は、とど
のつまりは「落語って面白いんだと伝えたい」と言います。

珍品も年に数篇は残していけたら、と言い、来年は「菜刀息子」にも挑むそうです
よ。

50歳を目前にした、熟してゆく芸を楽しんでください。
ゲストも素敵です。
一等席5,500円、二等席3,500円
チケットホン松竹=0570-000-489、または06-6214-2200

 **** その文我が編集した文紅さんの本が出ましたね。大急ぎで読みました。
☆「桂文紅*日記 若き飢エーテルの悩み」桂文我編(青蛙房)

四代目桂文団治の唯一人の弟子として文団治系の噺を継ぎ、年を重ねるほどに飄々
淡々といぶし銀の芸で光った桂文紅。浅黒いほりの深い顔とやせた長身のたたずま
いは、どこか世俗から離れた一徹さも感じさせ、奥深い落語の世界を届けてくれま
した。
2005年の3月9日に72歳で彼岸に旅立ちましたが、多くの人たちが多様な噺を継いで
もいるよう。
この本は、そんな文紅が書き残した昭和32年9月から昭和36年3月までの日記を文我
が編集したもの。昭和30年に入門し、まだまだ未熟な若手として、落語と人生と貧
乏に向き合った青春日記で、自分のふがいなさを嘆き哀しい思いをしては鼓舞し、
負けん気を出して進んでゆく。その生のつぶやきから、あの時代に落語家という職
業を選んだ人のひたむきさと苦悩が伝わって来ます。
三代目春団治襲名など、読むうちに歴史を再検証する趣きもあり、よく、こんなふ
うに書き残してくれたなと感心する面も。
文我は「今の若手に読んでほしい」と言います。現代は恵まれすぎているから。で
も、落語会が頻繁にある現代では悩む間もないかもしれないけど、どうやって落語
で身を立て、食べていくかを真剣に考えたとき、ネタを増やし、腕を磨くことでし
か方法はないと精進した大先輩の葛藤は、いつの時代も変わらない若手落語家の姿
にも思えます。

それにしても、入門数年で「鬼薊」や「らくだ」など、ものすごい噺にどんどん挑
んでるのはびっくり。師匠をはじめ高齢の先輩がたの噺を少しでも多く継ぐことが
大事な時代だったからでしょうか。
巻末に、そんな継承した珍品「鬼薊」「胴取り」「島巡り」、それに自作の「テレ
ビ葬式」も収録されています。

落語ファンも噺家さんも読んでほしい。
ブログが大流行りだけど、ノートに書いた日記は人に見られることを意識しないぶ
ん、見栄がなくて、伝わる気持ちも時代もしみじみと本当です。
2,200円+税

 **** お正月の元旦は、たしか、9年ほど前まではほとんど会らしい会もなかったと
記憶しています。でも、年々、初春の落語会は花盛り。三が日、どこに行こうかと
迷うぐらいあります。
おなじみの「米朝一門会」のほか、「花花寄席」のスペシャル版もあり、ワッハ上
方でもいろいろと。おでかけのついでに寄って、大吉気分を持って帰りましょう。

<繁昌亭新春特別興行>(1日3回公演=午前11時、午後2時半、午後6時開演)
・1/1
第1回=笑福亭風喬、桂三若、桂坊枝、林家そめすけ(ものまね)、桂都丸~仲入~
内海英華(女道楽)、桂枝三郎、桂春之輔
第2回=笑福亭たま、月亭八天、桂文昇、桂米八(曲独楽)、桂雀松~仲入~春野恵子
(浪曲)、桂米二、笑福亭鶴志
第3回=桂吉坊、笑福亭銀瓶、桂福車、笑福亭三喬(獅子舞)、露の都~仲入~笑福亭
学光(腹話術)、三喬、笑福亭仁智

・1/2
第1回=笑福亭笑子、桂歌之助、桂米左、笑福亭智之介(マジック)、桂文太~仲入
~露の団四郎(百面相)、桂枝女太、笑福亭松喬
第2回=桂三弥、桂春蝶、桂春雨、露の吉次(がまの油)、笑福亭呂鶴~仲入~桂朝太
郎(マジカル落語)、桂文福、桂きん枝
林家染左、桂文三、笑福亭生喬、豊来家玉之助(太神楽)、林家染丸~仲入~林家染
二、月亭八方、住吉踊り

・1/3
第1回=桂阿か枝、桂よね吉、桂文華、笑福亭鶴笑(鶴笑ワールド)、桂九雀~仲入
~桂三象(踊り)、桂春若、笑福亭福笑
第2回=笑福亭喬若、桂かい枝、林家小染、林家染雀(うしろ面)、桂あやめ~仲入~
桂文喬、姉様キングス(音曲漫才)、桂福団治
第3回=笑福亭由瓶、桂都んぼ、桂三歩、桂米平(紙芝居)、桂雀三郎~仲入~桂勢朝
(南京玉すだれ)、桂小春団治、笑福亭松枝
一般前売2,000円 当日2,500円
身障者・高大生1,800円 小中学生1,500円 (全席指定)


    ============                    


・「第183回トリイ寄席」1/1午後2時・トリイホール(地下鉄なんば)
出演は順に
笑福亭飛梅、林家竹丸、桂梅団治、旭堂南青、音曲漫才・おしどり、笑福亭松枝
前売2.700円、当日3.000円

トリイ寄席は毎月1日。お正月も恒例になりました。ミナミに足を運んだら、ぜひに。
2日は講談、浪曲などオールジャンルの演芸会。お楽しみが次々出て来る福袋のよう
な寄席です。

☆「第三回トリイ初夢席」1/2(土)午後1時、4時の2回公演・トリイホール
出演=講談・旭堂南海、旭堂南青、浪曲・春野恵子(曲師=一風亭初月)、夫婦音
曲漫才・おしどり、奇術・キタノ大地、落語・林家市楼、大衆ソウルシンガー・イ
ンディ、腹話術・笑福亭笑子、太神楽・豊来家玉之助、津軽三味線・山本朗生、弾
き語り・富田麗華

前売2,500円当日2,800円/小学生以下1000円(要予約)

どちらも問&予約=トリイホール=06-6211-2506


    ============                    


☆「上方落語一心寺亭」1/1~3日各午後1時・一心寺シアター倶楽(地下鉄・JR天王
寺)
1日=笑福亭松喬、桂小春団治、桂都んぼ、林家染雀(うしろ面)、林家市楼
2日=林家染丸、桂小春団治、桂阿か枝、桂三象(三象踊り)、桂佐ん吉
3日=桂春団治、桂小春団治、桂団朝、ナオユキ(漫談)、笑福亭呂竹

おなじみ、お正月にうれしい格安豪華充実の「一心寺亭」です。
3日間のうち1日だけでも行きたいなあと思いますね。

前売1500円、当日2000円(全自・整理番号付)
問&予約=一心寺シアター倶楽=06-6774-4002


    ============                    


☆「動楽亭昼席~1月席」(地下鉄動物園前1号出口すぐ)
お正月三が日は午前11時から。元旦のみ「お年玉抽選会あり!」ですよ。
出演順に
1日=そうば、ひろば、わかば、ざこば、団朝、雀々
2日=そうば、吉坊、よね吉、米団治、出丸、千朝
3日=二乗、まん我、あさ吉、ざこば、宗助、雀松

4日~10日はいつも通り午後2時から開催。1月は米朝一門ばかりが並ぶ布陣で、看板
や人気者もまじっていい顔合わせです。のぞいて下さいね。
各2,000円=当日のみ(10日間通し券15,000円、要予約)
問=米朝事務所=06-6365-8281


 **** 浪曲もお正月に聞きたし、です。
12月にあった「師走浪曲名人会」(国立文楽劇場)がまた、よかったんですね。
五代目天中軒雲月の襲名披露口上もあり、雲月の「決戦巌流島」は見せて聞かせる
力演。
京山幸枝若の「大石と垣見の出合い」は、赤穂義士の知られざる物語を口演し、心
通い合う武士の義と情を描いて、はらはら涙がこぼれる感動の一席に。
節の快感ともども、たまらない充足と浄化をもたらしてくれました。
お正月は芝居仕立てもあり、達人たちの十八番をたっぷり楽しんでください。

☆「初夢で『見たよ、聞いたよ』浪花節」1/3(日)午後1時・ワッハホール
<浪速の人情劇 「王将一代」>
配役=京山宗若、真山広若、春野恵子、真山誠太郎、京山幸枝若、春野一、京山倖
若、春野ココ、ナレーター=真山誠太郎、曲師=一風亭初月
~中入~
<きわめつき十八番春特選集>
松浦四郎若「米一粒」、京山小圓嬢「亀甲縞」、京山幸枝若「小田原相撲」
三原佐知子「ああ残留孤児」
案内=芦川淳平<構成・演出・脚色ー京山幸枝若>

前売2,000円、当日2,500円
チケット・問=浪曲親友協会=06-6771-6682
ワッハ上方=06-6631-0884

 **** 新春の落語会では、スペシャル版の「出没!ラクゴリラ」が楽しみ。
☆「第83回出没!ラクゴリラ~正月公演」1/5(火)午後4時
・ワッハ上方7階レッスンルーム(地下鉄なんば)
いつもの精鋭の4人が今回は2席づつ披露。
新年の特別付録というか、初心にかえって?初舞台でかけたネタも演じてくれます。
第1部>=初舞台ネタ特集
林家花丸「煮売屋」、桂こごろう「子ほめ」、笑福亭生喬「犬の目」、桂文三「宿
替え」
~仲入り
第2部>
笑福亭呂竹「初天神」、こごろう「壷算」、文三「くっしゃみ講釈」、花丸「電話
の散財」、生喬「植木屋娘」

これで、入場料1500円は安すぎ。
満員が予想されるので、早めに行きましょう。
問=ラクゴリラセンター=06-6713-3082

 **** 一方、この少女はプロではないけど、熱意と伸び具合は若手の落語家さんに
負けてはいないかも。小柄で可愛い小学生ながら、驚きのパワーを見せてくれます。
何より、落語の面白さをわかって、それをちゃんと伝えようとしてる。

「彦八まつり」の素人演芸バトルで「猫の皿」を演じて審査員をうならせ、優勝。
その後も、大阪くらしの今昔館子ども落語大会で優勝し、第11回ワッハ上方アマチ
ュア演芸コンテストで金賞を受賞した「天童」。もう、20席近いネタを覚えている
そう。
そんな落語少女が初のホール独演会を開きます。二席披露するとか。すごい。
トークショーもあり。

☆「りんりん亭りん吉独演会」2010年1/9(土)午後2時
・泉の森ホール小ホール
入場無料(要整理券、会員になる必要あり、入会金500円、年会費1000円)
問=泉の森ホール=072-469-7101


 **** それと!お正月は落語を放送でも楽しめそう。
家でのんびりとすごす派には、もってこい。ですね。お聞きのがしなきよう。

☆「米朝よもやま噺」新春スペシャル 1/1(金・祝)午後2時半・朝日放送ラジオ
桂米朝と田辺聖子の対談を放送予定

☆「落語らいぶ2010」1月1日(金・祝)午後7時20分~9時28分・NHKラジオ第1
出演は三遊亭小遊三、桂南光、林家正蔵、桂吉弥
という絶妙な東西の顔ぶれです。
番組の案内は堀井憲一郎さん。

☆「落語家 桂枝雀の世界」1月2日(土)午後12時~5時・BS-hi
9月に放送された枝雀さんの5時間の特集番組が、
再放送されます。十八番もたっぷり聞ける永久保存版の番組です。
見逃した方も、また、見たい方も、ぜひぜひ。

また、桂米朝師匠の文化勲章関連の特番は他にもいろいろあるそう。
毎日放送では、大晦日12月31日午前7時から、
関西テレビでは「扇町寄席」1/3午前6時半から、それぞれ放送されます。
この二つは間違いがあるかもしれないので、新聞でチェックして、ごらんください
ね。
1/1はBS-2で「初笑い!オールスター昭和のなつかし亭」(午後12時10分~7時)も
あり。
枝雀さんの一席が放送されるようです。

          =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=         

 **** さて、ここからは落maga日記。この12月はやらなあかんことが多すぎて、無
駄にしたチケットがたくさん。行けた会はそんなに多くありませんでした。とほ。

☆「新鋭上方落語会」(12/3・シアタードラマシティ)は、後ろ半分がすき気味だっ
たかな。桂文三襲名披露も兼ねた今回。メンバーはすごくいいのだけど、この6人の
良さを出すには少しハコが大きすぎるような気も。笑福亭鶴二の「米揚げ笊」は後
半をとんとんと運んで、高・上・づくしで金庫口もらった男、出世して笊屋源兵衛
を襲名した、という襲名披露にふさわしいお噂、と終わって。笑福亭三喬はのりの
り、ほのぼのの「月に群雲」。右喬ネタのまくらでも掴んで、この日一番ウケてい
たかも。桂梅団治の「竹の水仙」は演じ分けが巧いですね。宿屋の主人にニンが合
ってくさめに演じつつも説得力あり。桂雀々の「疝気の虫」は荒唐無稽な噺を漫画
チックにテンション高めに演じて、最後は立ってそのまま消えるサゲで個性際立つ
点ではこの人が一番。口上はふだんはこういうことを言わない人たちの素の言葉が
楽しく、文三もすごくリラックスして幸福そう。笑福亭仁智の「源太と兄貴純情
編」はバージョン違いなのか、アレンジが少し違ってたよう。最後はそのままで老
いたトメさんが出て来る見合いは爆笑。桂文三の初演「舟弁慶」は、力いっぱいの
熱演で、お松の立て弁が象徴してました。クライマックスも気が入っていて。師匠
の十八番中の十八番ですもんね。いい会ではあったのだけど、なにかもったいない
ような。また、前のように「RG研進会」として、トリイとかでやってくれないかな。


☆「桂吉朝一門会」(12/6・ピッコロシアター)は補助席も出る満員。吉朝ファンだ
けじゃなく、20~30代の若い一門それぞれのファンもたくさんいたよう。全員、ぐ
んぐん伸びてますもんね。ここに出なかった吉坊や、舞台番をした吉の丞ももちろ
ん。考えたら、この二人とも繁昌亭輝き賞を受賞しています。吉の丞の一句、「輝
き賞 直後の仕事が舞台番」(笑)。
そんな一門の勢いをにこにこ顔で体現してくれたのが桂佐ん吉。「田楽喰い」はハ
リのある声とリズミカルなテンポで歌うように。「ん」がつかない野菜を20ほども
並べ立て、そこから一工夫も二工夫もあって、それが可愛く新鮮。前座でも前座を
卒業した落語でした。桂しん吉は「雨乞い源兵衛」。この人がかもす現実ばなれし
てる空気が日本昔ばなし的な小佐田作品に似合うよう。もう少し年をとったら、い
い味が出そう。のんびり愉快な田舎の風景が浮かびました。中トリの桂吉弥は「親
子茶屋」。いつにも増して気合いが入ってたようで、宗右衛門町の酒や仕出しや化
粧のまじったふっくらした花街の空気感が良かったですね。台詞もていねいで語り
の間も運びもやっぱり巧い。道楽親子の気楽な陽気さもしっかり伝えて。仲入り後
の桂あさ吉は一番緊張していたよう。「鹿政談」はやや硬めだったけど、お奉行が
清々しく、ひときわ威厳を出す低い大きな声に一つ殻を破った感じも。「抜け雀」
といい米朝師匠が高齢になってから似合った噺を好んでかけて意外とニンにあうの
が面白い。
で、会をしめくくったのは桂よね吉の「子別れ」。まくらであさ吉のことをいじり、
師匠の吉朝は「うちの一門の飛び道具や」と言っていたとか。本編はややクサい演
技になる所もあったけど、そこは笑わす所という感じで区別して、熊五郎も子ども
のかめちゃんもかみさんのお咲も、的確な演技でそれぞれの気持ちを吐露してじわ
じわのせていくのですね。声と表情に微妙な心理の動きを映してうまいなあと、ち
ょっと感心。終盤の夫婦がよりを戻す場面も、台詞が多すぎず少なすぎず、自然な
情の盛り上がりで再び家族になる。「よう言うとくんなはった‥また苦労も一緒に
しとおますわ」とお咲が言って、熊五郎がじんと黙ってうつむいて喜びをかみしめ
る表情だけの演技は拍手もん。「そう言うてくれるか」と感極まる台詞も良かった。
会場で涙をぬぐう人もちらほらいて、しみじみといい大団円に。それにしても、吉
朝さんがそこにいるような感じがして、この日は吉朝さんの得意ネタを誰もしなか
ったのに、だから余計巣立つ面々を見守ってたような気がしました。


☆「2009夢の三競演~三枚看板・大看板・金看板」(12/6・シアターBRAVA!)は、
やっぱり超満員。口上というか最初のあいさつももう、すごく慣れた感じで、本当
はこういう所にも緊張感が欲しい気もするのだけど。仲良し三人です。前座が笑福
亭銀瓶で、この前、繁昌亭大賞ももらったんだけど。というのは横において、軽快
そうに、でも力の入った「書割盗人」。桂南光は「千両みかん」で後半の番頭で聞
かせて得意ネタらしい重量感も。笑福亭鶴瓶は若い二人をじわじわ盛り上げる「宮
戸川~半七とお花のなれそめ」、桂文珍はこの前の独演会より一層自分のものにし
た「そこつ長屋」を。最後はクリスマスっぽいフィナーレで楽しませ、大阪じめも
あり、三競演のショー的な楽しさはあったけど、三人とも手慣れた感じがあって、
演目に挑む感じでもライバル心がある感じでもないのが、少し物足りない気もしま
した。これだけ看板の人気者が揃ってるのだから、会の山場というのを考えてもい
いのでは。


☆「立川談春25周年スペシャルアンコール独演会」(12/7・シアタードラマシティ)
3日間シアタードラマシティ公演の初日。編集人は最初の日ならではの緊張感が好き
です。談春は、円楽さんのまくらも含めたっぷり自分語りをして、まず「棒鱈」。
田舎者の武家の出て来る噺は初めて聞く人も多かったようで、笑いながらもじーっ
と探りながら聞いていたような。しかし、「文七元結」は900人満杯の会場を吸い込
んだ壮絶な一席に。78分、取り憑かれたような気のはいりまくった語りで、前半の
吉原のおかみの説得のくだりが30分ある「文七」なんて聞いたことがない。ここで、
わしづかみにされ、橋の上で身投げを止めるところは、もう狂気と紙一重の凄いせ
りふのやりとり。魂からの言葉というのはこういう感じかとびんびん胸に響き渡っ
て。
だから、終盤のうれしさはことさら幸せで。一生、こんな「文七」は聞くことはな
いだろうなと思いました。会場のみんなが息をつめて身をのりだし、聞き惚れて泣
いてうなずいて、あの空気もちょっとなかった。この日だけは照明をおとした暗さ
が一点に集中できて、よかったと思いました。

この「文七」は落語を超えてると思い、談春という人も落語家を超えてるなとも実
感。楽日は、終わってから、亡くなった文都さんのことを吐露して涙したそう。
そういう今回の大阪公演だったんですね。死んではいけない。人生の終わりを見つ
めて個人のあふれる情を普遍の芸に昇華しきった落語。ちょっとない体験になりま
した。


☆「落語&ブライダルショー」(12/8・トリイホール)は、これも滅多にない体験
だったかな、笑。トリイホールの空間に張り出し舞台が可能だったなんて。いつも
は椅子が並ぶ会場の真ん中に大きくせり出す形で舞台が設けられ、だから、演者は
正面と両横の三方から見つめられる格好。桂米市が緊張しまくったのも当然でしょ
う。「子ほめ」は心臓のドキドキも聞こえてきそうで。でも、なんとか、笑いもと
りながらきちんと演じて、ほっとさせるものが。桂あやめは艶やかな緑の着物が映
えて「営業一課の高田君」を女の子の心情も初々しく演じてよくウケてました。と
はいえ、こんなに間近で見るとこちらが緊張。桂米団治はこういう特別な舞台が似
合い、「崇徳院」は熊五郎のおっさんぽさが妙にはまり、ややテンション高めでは
あったけど、スターっぽい視線の集まり具合を楽しんでいたふうでも。
で、座布団や見台は取り払われて、ブライダルファッションショーに。歩く花道も
ちゃんと設けられ、出て来る花嫁衣装は次々、うっとりするぐらい華麗で。モデル
さんも二流じゃなくてすごくきれい。う~~ん目の保養。わあわあ、お客さんも歓
声をあげる中、かっこいい団治郎がぴしっと決めて花婿で登場。絵になりすぎで、
笑いいっぱいの中、あやめと米団治が和装の新郎新婦で現れ、なりきってる米団治
が愉快で、あやめがまたとっても艶っぽくて麗しく花のよう。二人とも水を得た魚
のごとく見せて楽しませてくれました。
こういう会もいいもんですね。理屈抜きに楽しかった。

☆「第5回文華の勉強会」(12/9・雀のおやど)は、まずまず満員で落語好きがおお
ぜい。この会は、昔やった噺をやり直すリチャレンジが主眼だけど、ふだんどこで
もしゃべらないまくらも面白く、この日はNGKでの大喜利のサビ部分の再現も。いろ
んな面白い発明の話もして、なんぞ、ひと山儲けることを考える人もいる、と「天
狗さし」。からす天狗を捕えて店の横の鳥小屋に放って、とその天狗の顔や仕草が
とても可笑しい。いいくすぐり。ぬりかべを捕りに行くわけやない、とか、牛若丸
がいてるんやから帰納法的に考えたら天狗はいてる、とか、とぼけたギャグも盛り
込んで、天狗?の登場シーンも立体的に見せて、奇妙な昔の空気感を作るのが巧い
なあ。この噺はどこでもウケそう。「一人酒盛」は、酒のまくらを導入に。と言っ
てもどんな会より、この勉強会のあとの酒がおいしい、と。実はこの日のネタはあ
との二席があぶないとも。「一人酒盛」は噺の途中から一人語りになって、そこか
らが踏ん張りどころ。身勝手で無神経な男に可愛さがないともたない。そういう男
をたづなを緩めたり締めたりしつつ、すごく丁寧に気でも演じたけど、笑いがどっ
と、という感じではなかったかな。この噺は難しい。演じる方もだけど、聞く方も。
「狸茶屋」はちょっとしたバレ噺。でも、ほとんど小咄で、それをいかに洒落た感
じで聞かせるか、に力点があるよう。ユーモラスに演じて、サゲで笑わせたけど、
珍品には珍品のわけがあるなあとも思いました。

    ============                    

◎余話
文華は12/17に御霊神社であった「御堂筋芸事納」にも出演。ワンコインの伝統芸能
イベントで、能勢の浄瑠璃が前半で、落語は後半。
「池田の猪買い」をのりのりで演じて、冷えこんだ猪買い日和と言える日にぴった
りで、楽しい得心の一席でした。おトク!な会だったと思います。

落語の前に、なぜか編集人も対談で出させてもらい、二人で船場や落語のことをし
ゃべったのだけど、かみ合うようなかみ合わんような、やっぱりボケてるような会
話で、なにやら笑いどおしだったような。印象深かったのは、落語の中の好きな台
詞。

文華は「はてなの茶碗」の茶金さんの「‥いわば、茶金という名前を買うていただ
いたようなもん。商人冥利に尽きますな」。これを言うと、自分は貧乏?な暮らし
してても日本一の道具屋、茶金さんになれた気がする、と。あと、「立ち切れ線
香」の後半「紀の庄」の内儀が「お口も濡らさいでお帰ししたら‥」というくだり。
落語家さん(文華さん独特かな?)が語って気持ちのいい台詞というのは面白いで
すね。いかにも、その人物の背景を映した実感のある言葉に、ぐっと来るものがあ
るよう。それとか、「天神山」(「貧乏花見」にも出て来る)の冒頭の名台詞。花
見に行く人をうらやましがる男に言う「この世は夢の浮世、あの人らは前生でええ
ことしはったんで、今ええ夢見てはるてなもんや」。なるほどなあ、と語り手の気
分が少しわかった気がしました。
編集人も聞く側としていっぱい好きな言葉があるけど、よく思い浮かぶのは三代目
春団治師匠が「いかけ屋」で言う台詞(他にも出て来るけど)「働いた上にも働か
んならん」。昔の人は働いて働いて死んでいきはったんや、と、この一言だけでき
ゅんと目がうるんでしまうのですね。

    ============                    

☆「25周年桂三風独演会~千秋楽」(12/11・なんばグランド花月)は、花束もたく
さんもらってやる気満々の三風が、林家花丸の「ろくろ首」でとてもいい空気にな
った所で登場。自作の「振り込め!」は、いつにも増してはじけた語りで振込詐欺
を企みつつもドジで同情深いヤクザを好演。この一席で、NGK千秋楽の責任を果たし
たよう。ゲストの桂三枝は弟子の三風をこれからもよろしく、と優しい師匠ぶりを
見せて、「じいちゃんホスト」でさすがののせ方。仲入り後は、ちょいベタなやり
とりで笑いをとった矢野・兵動の漫才。三風はトリで古典の「舟弁慶」をネタおろ
しし、喜六とお松にくっきりした人物像があってもいいかな。サゲも変えて熱演で
した。


☆「柳家さん喬・笑福亭松喬二人会」(12/12・ワッハホール)は、笑福亭喬若の
「へっつい盗人」が、三輪車のパフパフもその音そのままに聞かせる陽気なプロ
ローグ。そしてまず、柳家さん喬が「そば清」。そばを食べるくだりが食べっぷり
で、この男が「どうも~~」と涼やかな声で言うのも可笑しく、人と情景の描きよ
うに実感もヘンなニュアンスもあり、さん喬の奥行きの深さが笑いにも味にも。松
喬は中トリで「一人酒盛」。自分の持ってるネタで一番嫌いなネタとしながらも六
代目の影響がしみこんだ感じで、いい人そうなのに自然と勝手で小ずるい感じも出
して、年輪技なのか、巧いですね。仲入り後の「尻餅」では、貧乏長屋の夫婦のぬ
くさと、ないけどあるような蒸した餅米の気配も感じさせて。
しかし、この日の白眉はさん喬の「中村仲蔵」。今日、生まれて初めて出囃子「中
の舞」で高座にあがったと、少しうれしそうに。下座の英華の粋な心遣い。で、仲
蔵が忠臣蔵で五段目の定九郎ひと役しかもらわず、名代の役者がするような役じゃ
ねえと落胆しつつ、それでも一世一代の定九郎を演じられるように、と一心に考え、
願掛け。そして、あるそば屋で出会った浪人を見て、これまでにない真の定九郎を
思いついて‥。そんな芸談噺は、さん喬の語りが見事で、仲蔵の悶々とした思いも
開眼後の気合いの入った芝居も、じかに触れているような迫真ぶり。で、演じては
みたものの、唖然と声をかけるのも忘れた客の反応に絶望し、出奔を決意するも、
それが絶賛の裏返しであったことを知る喜びも実に感動的。一役者のドラマを細や
かに織り上げて、素晴らしかったですね。とりわけ五段目の舞台が鮮やかに見える
ようで、それがまた美しくて。五郎兵衛さんのは聞いたことがあったけど、これは
さん喬に軍配かな。こんな最高のお手本のような「中村仲蔵」を聞けて良かった。
感謝です。

☆「新世界 南光亭」(12/23・動楽亭)は、満員の熱気むんむんに加え暖房が無茶
苦茶きいてて暑くてぽーっ。桂そうばの愉快さもありつつちょっと強い語気の「へ
っつい盗人」の後、南光が出て来て、米朝師匠の秘蔵エピソードをたくさんしゃべ
って大笑いさせて、南光もこういうこじんまりした空間でお客さんの顔を見ながら
語るのがすごく楽しそう。で、東京から移したという「五貫裁き」。大きな八百屋
の息子であった作次郎が道楽ゆえに店もつぶしてしまい、やっと目がさめて、もう
一度、八百屋を開きたいと家主に相談。家主はそれなら寄進を集めては、とすすめ、
作次郎は昔、父親が金を工面したやった質屋に出向くが、番頭は三文、主人は一文
しか出さず、あまりの仕打ちに、家主は奉行に訴え出て‥。そのへんに少し無理が
あるのだけど、「帯久」のような哀しさのない奉行の面白い名裁きものは、結局、
質屋が困り果てて、昔の恩を返す形でめでたしになるもの。南光は、家主が質屋に
金の使いようを言い聞かせるくだりを熱く語って、どこか粋な噺に一本筋を通して
後味もすっきりと軽妙な余韻。40分近くあったでしょうか。終わって、またパリ&
ウィーン旅行の災難の話をして盛り上げ、南光の一人語りは、とめどなく楽しい。
ちょっと生臭い坊さんの説教を聞いてるようでもあり、一席+フリートークは、十
分な満足度。次回は3/28だそう。予約したかったけど、今から予約をとると、忘れ
る人がいるから、また時期をみて、と。いすれにしろ、楽しみに。

    ============                    

◎ごあいさつ

今年1年、ご愛読、本当にありがとうございました。
いつも勝手に休んで、十分な内容で配信もできず、申し訳ありませんでした。
わがままな落magaに、おつきあいくださいまして
まことにまことに感謝もうしあげます。
年内はこれが最後になり、vol.249は年明けの1/15(金)に
配信させていただきます。

新年もまた、ふつつかもんではありますが、
どうぞよろしくお願いいたします。

2010年がみなさんにとって、良い年になりますように
心から祈っております。
編集人・やまだりよこ拝

    ============                    

上方の落語会情報はこちらへ↓
◎寄席情報サイト☆ねたのたね☆→ http://ra-ku-go.com/netanotane/ 

    ============                    

天満天神繁昌亭
☆「昼席」(午後1時~4時すぎまで・月曜~日曜・週替わり)
 → http://www.hanjotei.jp/daytime/index.html 
☆「夜席」
 → http://www.hanjotei.jp/night/index.html 
問い合わせ=06-6352-4874
  http://www.hanjotei.jp/ 

(地下鉄谷町線・南森町駅、JR東西線・大阪天満宮駅下車徒歩3分)



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☆編集・発行人 やまだりよこ
☆ホームページ担当 うっきぃ
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