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2009/06/30

ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo 127号 2009.7.1

 
 
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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  ┗━┛ ☆━┛ ┗━☆    127号  2009.7.1

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 †01 ■ドキュメンタリー映画のかたち
      『湯の里ひじおり〜学校がある最後の一年』が出来るまで(2)
        渡辺 智史
 †02 ■ワールドワイドNOW ≪サンパウロ発≫
      誰もがカメラの前では役者になる  岡村 淳
 †03 ■列島通信≪東京発≫
      山形国際ドキュメンタリー映画祭2009までカウントダウンが
      始まりました。インターナショナル・コンペティション作品決定!
        濱 治佳
 †04 ■neoneo坐 7月前半の上映プログラム
 †05 ■広場
    ■報告:北京の土本典昭回顧展―中国人監督の反響を中心に  石坂健治
    ■『BASURA バス−ラ』公開記念イベント開催中!!
      6/27(土)より上映中(東京都写真美術館ホール)
    ■展覧会:ドキュメンタリー作家  土本 典昭
          6/30(火)―8/30(日) *月曜日は休室
          東京国立近代美術館フィルムセンター展示室(7階)
    ■「自作を語る」などの原稿募集!
    ■上映の告知の有料化とカンパのお願い
 †06 ■編集後記 伏屋 博雄


    ★バックナンバー閲覧はこちらまで
     まぐまぐ配信   http://blog.mag2.com/m/log/0000116642/
     melma!配信   http://www.melma.com/backnumber_98339/


            ▼事前の配信について▼
   利用している配信システム「まぐまぐ」のメンテナンスのために、
   7月1日の配信ができません。このため、事前に配信をさせていただき
   ました。ご理解を賜りますようお願い申し上げます。



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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■『湯の里ひじおり〜学校がある最後の一年』が出来るまで(2)
┃ ┃■渡辺 智史
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●撮影が始まった

『湯の里ひじおり〜学校がある最後の一年』には、数々のドキュメンタリー映画と
劇映画を撮影してきた、堀田泰寛カメラマンが一年間携わってくれました。私は演
出と現場進行と現場録音を兼任し、撮影助手の遠藤協と3人体制で撮影に臨みました。
撮影が始まった当初、プロデューサーの飯塚俊男は「村の一年を記録するというの
は、ドキュメンタリー映画の王道だ。」と、かつて小川プロが山形の牧野村で定住
して撮影した時、小川紳介監督とスタッフだった飯塚さん達が、村の人々とどのよ
うに関わってきたのかについて語ってくれました。「ドキュメンタリー映画の王
道」とは、被写体と長い時間をかけた関係の構築なのだということでした。それは、
かの有名な映画作家ロバート・フラハティが『極北のナヌーク』というエスキモー
の映画を、寝食をともにして描いたことに象徴される話なのだと思います。
私たちスタッフは、定住ではなく、3日から長いときは10日程のロケを10回行い、
2ヶ月近い撮影期間になりました。定住して撮影するというスタイルでありませんで
したが、本当に贅沢な撮影期間でした。

この映画の当初の企画としては、湯治文化を民俗的な側面や、文化的な側面からし
っかりと描こうというものでした。湯治客は、かつて1週間から2週間は当たり前で、
一ヶ月滞在する人々も居ました。農業、漁業で酷使した体を、お湯でゆっくりと癒
し、友人達や出会った湯治客とお茶飲み話に興じ、心身共にリラックスして再び厳
しい肉体労働に勤しんだそうです。現代は専業農家は減って会社務めの人が増えた
ことで、多くの農家は長期での休暇は取ることができず、高齢化した専業農家の
人々が肘折の湯治客の中心です。湯治客の高齢化、人口減少と少子化によって集落
全体が高齢化していくという現状を知れば知るほど、湯治文化を描くだけでは映画
にならないのではないかと思いました。
学校が閉校する最後の一年で、この地域の何を語るべきなのか、撮影をしながらの
模索が始まりました。

肘折温泉は、江戸時代から続く36人衆という契約講が残っています。彼らがお湯の
権利を長年守ってきたことで、外からの資本が流入することがありませんでした。
そのことで観光地化した温泉地とは異質の、湯治文化が残ってきました。毎年訪れ
る湯治客は親戚のようだと旅館や商店の人々は言います。長年通う湯治客に対して
血の通ったもてなしをする地元の人々の姿、湯治場に通う人々の何気ない所作や会
話によって湯治場の独特の雰囲気が醸し出されています。その雰囲気をどのように
撮影するのか、堀田カメラマンとともに、湯治宿を訪れては湯治客の会話に聞き入
り、湯治場のリズムに身をゆだね、撮影を繰り返しました。そしてラッシュを観な
がら、飯塚さんも交えての議論が繰り返されました。「湯治というのは何もしない
ことなんだから、何かしている様子ばかりではなくて、寝ているところを撮ろう
よ!」「隣の部屋を借りて、スタッフが湯治客として交流してみようよ!!」
と様々な意見がでました。そして湯治客の入浴を記録する時は、堀田さんが湯につ
かりながら接近して撮影したり、茶飲み話をじっくり聞きながら、撮影を始めるな
ど、湯治場の独特の雰囲気を捉えようと試行錯誤の連続でした。

一方で堀田泰寛カメラマンは、芥川賞作家で「月山」という小説を書いた森敦の遺
作、「われ逝くもののごとく」という万物流転が主題の本を熟読していて、月山信
仰の里である肘折という風土に強い関心を抱いていました。月山信仰が、現代の暮
らしの中にどのように繋がっていくのか探ってみようという、強い思いが堀田さん
から伝わってきました。

月山は祖先の魂が帰る場所として古くから信仰されてきました。それが山岳信仰の
原型だと言われています。原始的な宗教観を体現したかのような、月山山頂での火
祭り、柴燈祭はお盆に行われます。
卒塔婆を焚き天空の霊を呼び寄せ、里に送るという儀式です。肘折温泉や月山の麓
の集落では迎え火を焚き、月山から降りてくる祖霊と一緒にお盆を過ごす姿が連綿
と続いてきました。月山信仰の原点は、「魂の再生」を信じることなのです。

一見すると、現代の直面する問題とは無関係な信仰の世界。しかし堀田さんと共に
私が抱いた思いは、肘折が抱えてきた大きな世界観に立ち返って、現代を見つめて
みようじゃないかということでした。学校の閉校という、過ぎ去る出来事を感傷的
に見つめるのだけは避けたいと思っていました。集落は老いていくけれども、湯治
場の暮らしを見つめるなかで地域再生の可能性を探りたいと思いました。そして撮
影を通して地元の人々と出会うなかで、その直観が具体的になっていきました。修
験者に頼まれて、お堂を掃除し続けた来た老婆の話、最後の先達の子孫が亡妻を想
い唱える祝詞の音色、地域の人々も湯治客と同じように湯によって癒されていく様
子を撮影しながら、老いの豊かさが肘折の人々から伝わってきました。人々の心の
奥行きは、月山信仰の風土と湯治場という環境によって培われてきたものだと想い
ました。老いを見つめ、生命の豊かさを知る。さらに地域に魅力を感じて戻ってき
た若者達と出会う中で、地域再生の糸口を見つけることができたのです。その時、
この映画のテーマは「老いと再生」であると確信しました。次回は、撮影を通して
人々と出会う過程で映画の物語がどのように形づくられていったのか、さらに編集
作業でのエピソードを書きたいと思います。
(つづく)

上映情報;
☆『湯の里ひじおり―学校のある最後の1年』はこの6月より山形県最上地方を皮切
りに、全国各地にて上映いたします。現在までに決定している上映は下記の通りで
す。

最上上映:6月から、山形県最上郡および新庄市の8市町村にて上映予定
東京上映:7月23日(木)24日(金)25日(土)
江東区文化センター(東西線東陽町駅から徒歩5分)
  http://www.kcf.or.jp/koto/map.html 
      連日 開場18:30〜 上映19:00〜
前橋上映:8月21日(金)22日(土)23日(日)シネマまえばし
鶴岡上映:8月29日(土)鶴岡市中央公民館
      第1回 開場13:00〜 上映13:30〜
      第2回 開場18:30〜 上映19:00〜
前売り券1000円  当日券1500円  小中学生800円
※上映等のお問合せ:03-3555-3987(肘折の映画を支援する会事務局)
または、各地の上映実行委員会へお願いします。
映画「湯の里ひじおり?学校がある最後の一年」を支援する会ブログ:
  http://hijiorieiga.blog.shinobi.jp/ 
予告編: http://www.youtube.com/watch?v=VtHPw_5ewy 


■渡辺 智史(わたなべ・さとし)
監督。1981年山形県鶴岡市生。東北芸術工科大学在学中に東北文化研究センターの
民俗映像の制作に参加。2002年『関川のしな織り』で撮影を担当。03年山形県村山
市の茅葺集落五十沢の1年を追う。上京後イメージフォーラム附属映像研究所に通う。
05年アムール入社し飯塚俊男に師事する。06年障がい者が参加する第九合唱を描い
た『An Die Freude 歓喜を歌う』で撮影・編集。07年『映画の都 ふたたび』で撮影。
08年3月フリーとなる。



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┃02┃□ワールドワイドNOW ≪サンパウロ発≫
┃ ┃■誰もがカメラの前では役者になる
┃ ┃■岡村 淳
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昨年来の世界的経済不況の荒波は、ラテンアメリカで最大規模といわれるドキュメ
ンタリー映画祭・It’s All True:ブラジル国際ドキュメンタリー映画祭にもおよ
んだ。毎年の開催で14回目を迎える今年の上映作品数は、2008年度の137本から57本
へと、半数以下に減少した。その分、同じ作品の上映回数が増え、必見作品の見逃
しが少なくなるという皮肉なメリットが生まれた。
必見作品の筆頭に各マスコミが掲げてたのが『モスクワ(Moscou)』(2009年・80
分)、我がブラジルのドキュメンタリー映画界の重鎮、エドゥアルド・コウチーニョ
監督の最新作だ。
『誰もがカメラの前では役者になる』。リオデジャネイロの丘の上のスラム街の住
民たち、さらにコパカバーナのアパートの住民たち等に語るにまかせた過去のドキ
ュメンタリー作品群でこれを表明してきたコウチーニョは、前作『シーンのゲーム
(Jogo de Cena)』(2007年)ではついに劇場のなかに舞台を移してしまった。女優
を選考する、という設定で集まった様々な女性たちが自分を語っていくのだ。ブラ
ジルを代表する女優も「出演」すれば、無名の俳優どころか、そこいらのおばちゃ
んとしか思えないような女性も登場する。そもそも各々が話していることが事実と
も虚構とも区別がつかないのだ。そのことは観る者をフラストレーションや混乱に
落とし入れるより、オーラルの世界の持つ深く心地よい世界に誘っていく。さすが
はブラジル・ドキュメンタリーのマエストロ、その指揮棒さばきに舌を巻くばかり。
そもそも人類が語りというものを始めてから、ヒトはどれだけ「事実」を語ってき
たのだろう?ヒトは語りをする時、すでに役を演じているのかもしれない。そして
より記憶されるのはその内容よりも、何かが語られた、という事実そのものなのか
もしれない。
最新作『モスクワ』では、まさしく演劇空間が舞台とされる。日本でいえば名古屋
クラスの地方都市、ベロ・オリゾンテの劇団がチェーホフの「三人姉妹」を劇場内
で場所と時間を変えて稽古をしていく。ところどころで劇団員が戯曲の設定と比較
しながら自分と家族の問題について「カミングアウト」していくのだが、コウチー
ニョによると、これも映画のための設定という。もはや語りが事実かどうかの詮議
は意味をなさない境地だ。
チェーホフの「三人姉妹」が選ばれたのは、大半の観客がストーリーの詳細を把握
していないから、とのこと。たしかにTchekovのブラジルでの知名度は、日本より低
いとみられる。先日、ブラジルの私の親戚がパーティを開いた際、高校生の姪がチ
ェーホフの「桜の園」のポルトガル語訳本を抱えてきた。周囲の大人たちはひとと
おり大学卒だったが、チェーホフを「知らない」「聞いたことがあるかも」といっ
た程度で、せっかく文学に目覚めはじめた姪をシラけさせてしまっていた。かくい
う不祥の叔父も、「日本映画」の「桜の園」を思い出す程度である。
「この戯曲は、四つのドラマを内包していて、その四つのドラマが互いにからみあ
って、劇的な緊張を盛りあげてゆくという、多面的な構成を持っている。」(新潮
文庫「桜の園・三人姉妹」池田健太郎解説)それだけに、観る者はコウチーニョが
抜粋して構成した「三人姉妹」の世界に引き込まれていく。名匠の卓抜な腕前を堪
能するばかりだ。タイトルの『モスクワ』は三人の姉妹がモスクワ行きを夢に見続
けていることから。私も含めたチェーホフの「名前ぐらい知っている」派は、それ
すら知らないことだろう。


■岡村 淳(おかむら・じゅん)
記録映像作家。在ブラジル。1958年、東京都生まれ。日本映像記録センターの番組
ディレクターを経て、1987年にフリーとなりブラジルに移住。1991年より小型ビデ
オカメラを用いたひとり取材を始め、1997年より自主制作によるドキュメンタリー
制作を続けている。作品公開は制作者の立ち会う「ライブ上映会」を原則として、
日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリに上映範囲を拡大中。
「岡村淳のオフレコ日記」 http://www.100nen.com.br/ja/okajun 



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┃03┃□列島通信 ≪東京発≫
┃ ┃■山形国際ドキュメンタリー映画祭2009までカウントダウンが始まりました。
┃ ┃ インターナショナル・コンペティション作品決定!
┃ ┃■濱 治佳
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早いもので、山形映画祭2009まであと3ヶ月と少し。隔年の映画祭といえども集中的
な準備期間はこれからが正念場だ。その口火を切るのがインターナショナル・コン
ペティションの発表。1141本もの応募を頂き、深く感謝すると共に興隆し続けるド
キュメンタリー制作の息吹を強く感じる。個性を放つ真摯な作品たちに敬意の念を
記し、ここでは総合的な応募作品の傾向等には深く立ち入らないが、先日発表しま
したインターナショナル・コンペティションの15作品をいくつかの特徴に分けてご
紹介させて頂く。見応えのあるラインアップとなりました。みなさんの山形映画祭
へのカウントダウン・ボタンを鳴らし、多くの方々が参加してくださいますことを。
ヤマガタで会いましょう!

●国際共同制作のかたちの微妙な変化

国際共同制作は、もはや特筆すべきことではないくらいに定着しつつある制作スタ
イルとなりつつあるが、必ずしも作品の充実と直結しているとは言えなかった感が
ある。
そういう意味で、次に挙げる3作品は外部者という視点に捕われず、共同制作の延び
やかな変化を感じさせてくれる。
ブラジルのペルナンブーコ州の郊外に暮らす二人の少年を追いかけた『生まれたの
だから』(ジャン=ピエール・デュレ、アンドレア・サンタナ)は、長年ブラジル
で共同制作を続けた結実が二人の横顔に希望の光を見出す。ロシア雪原の中、酪農
家として働き、長女と一緒に8人の子どもたちの世話をする母と一家に寄り添い人生
を見つめる『母』(アントワーヌ・カタン、パヴェル・コストマロフ)は、スイス
人ジャーナリストとロシア人カメラマンの共同監督。共に被写体に肉薄した異国籍
の共同監督作品である。
また、イギリス人監督が山形を舞台に日本のワーキングプア層の悲哀と希望を描く
国際共同製作作品『ナオキ』(ショーン・マカリスター)は、撮影を通して友情を
深めながら人間関係を変えていく、愛憎たっぷりの作品だ。

●社会でいきる個人の弾力性と表現の挑戦

権力や社会の大きな力によって追いやられたり、虐げられたりする個人というひと
りの人間の、苦難ある経験を記憶することということと、そしてそれを乗り越えな
いまでも抱えながら生きていく人間のもつ弾力性という力は、映画そのものが潜在
的に持つ記録という性質と、映画と見るものの幸福な出会いによって生まれる解放
感と時に同調する。
これまで山形映画祭で『メタル&メランコリー』(YIDFF '95)などを上映してきたエ
ディ・ホニグマンの新作『忘却』は、監督の故郷ペルーのリマで経済的、政治的に
困難な状況を生き続けるために人々が忘れていること、忘れえないことに耳を傾け
詩のように編まれる。
インド・パキスタン分離独立から現在まで続く、女性への性暴力を繰り返している
対立の歴史を辿った『稲妻の証言』(アマル・カンワル)は、手法を駆使した映像
表現で、暴力の残虐さと女性たちの尊厳ある強靭な精神を描いている。アマル・カ
ンワル作品は、これまでアジア千波万波で『予言の夜』(YIDFF2003)など上映して
きたが、さらにスケール感が大きくなって初コンペティションでの上映となる。
『ハッピーバースデ、Mr. モグラビ』(YIDFF’99)のアヴィ・モグラビが変わらぬ
ペーソス感も溢れるプライベート・ドキュメンタリースタイルを見せる『Z32』では、
二人のパレスティナ人警官がイスラエル軍に殺された事件に関与した元兵士が、恋
人と一緒にカメラに向かって証言する姿に、その事件を歌にして自ら歌う監督自身
の姿を交錯させながら、イスラエル人のアイデンティティを問いかける。『私と運
転席の男たち』(スーザン・モーグル)では、フェミニスト映像作家スーザン・
モーグルが50歳を迎えて、車を運転する男たちを助手席から撮影するというユニー
クなスタイルで、自分と関わりのあった男性たちに取材し、アメリカ激動の時代を
体験した彼女の人生を浮かび上がらせる。いずれも個人の声や顔を作家それぞれの
手法で掬い撮った作品群だ。

●現代的事象に切込む、弛まないアクティヴィズム

ドキュメンタリー制作のモチベーションのひとつであり、ドキュメンタリーの可能
性のひとつは社会変革への関与だろう。世界でおきていることを読み解く試みのひ
とつ、『包囲:デモクラシーとネオリベラリズムの罠』(リシャール・ブルイエッ
ト) は、今や地球全体の政治経済を支配しようとしている新自由主義(ネオリベ
ラリズム)イデオロギーとその基盤をなすエリート主義と帝国主義支配の原理の起
源と現状、さらにはそれを支えるメディア制度を批判的に再構成するインタビ
ュー・ドキュメンタリー。
映画祭でやることがひとつの社会変革か!?、『RiP! リミックス宣言』(ブレット・
ゲイラー)は、既成曲をサンプリング、アレンジすることでオリジナル・ナンバー
を生み出すアーティスト〈ガール・トーク〉の活動からはじめて、著作権や知的財
産権が映像、音楽、果ては癌治療にまで及ぶ事実を明らかにしながら、知的財産権
に対する激烈な問いかけが紡がれる。自動車の抑制を主張するプラハの文化的・社
会的運動、「オート*メート」の6年間を追った『オート*メート』(マルチン・マ
レチェク)は、ユーモアと遊び心に溢れた、テンポよい陽気なエッセイ映画。閉塞
感ある社会への風穴をあけてくれる軽妙で逞しいアクティヴィズムの広がりを持つ、
頼もしいドキュメンタリーがある。

●ダイレクトシネマ

ある種、ドキュメンタリーの王道と言えるかもしれないダイレクトシネマも健在だ。
亡命を希望する人々が、当局の決定を待つ間一時的に収容されているスイスの難民
受け入れ施設を描いた『要塞』(フェルナン・メルガル)は、日常的に“選別”が
行われている場を見つめ続けることによって、今日の難民問題の現実を浮き彫りに
する。
アムステルダム国立美術館の大規模な改造計画は、発表されるや否や、アムステル
ダム市民を巻き込む大騒動に発展した。計画を主導した館長の去就を問う人間ドラ
マにまで至った顛末を追い、知られざる美術館の内幕に肉薄する『アムステルダム
(新)国立美術館』(ウケ・ホーゲンデイク)。ほかにも、ウクライナのセヴァス
トポル湾のひと夏を追った『アポロノフカ桟橋』(アンドレイ・シュヴァルツ)は、
夏の匂いとともに、老若男女の生々しい姿が立ち上がり、刹那的に流れるひと夏を
生きる人々の美しさに引き込む。

●山形映画祭の匠たち

これまでヤマガタで紹介してきた作家たちの綿々と続く制作活動は、ほかに替わる
もののない映画祭にとっての励みでもある。2001年に審査員長を務めたハルトムー
ト・ビトムスキー監督の新作『ダスト ―塵―』は、秀逸な科学映画。世界に充満す
るさまざまな塵の様相を、技術者や科学者の考察を交えて丁寧に観察していく。
『アンゲロスのフィルム』(YIDFF 2001)のフォルガーチ・ぺーテルの『私はフォ
ン・ホフレル ヴェルテル変奏曲』はハンガリーの旧家フォン=ホフレル家の250年
にわたる物語を、写真やホームムービー、手紙、そして祖先がモデルだという『若
きヴェルテルの悩み』の映画化とともに描いていく。

以上が、インターナショナル・コンペティションの概観です。アジア千波万波は、
7月中旬以降には発表となる予定である。こちらも、もちろん乞うご期待です!

☆山形映画祭オフィシャルサイト: http://www.yidff.jp/home.html 

■濱 治佳(はま・はるか)
2001年より山形映画祭東京事務局スタッフ。引き続き、アジア千波万波や特集プロ
グラムの最終追い込みが続いている東京事務局。梅雨が明ける頃には、夏の暑さと
ともに事務所内にも人が集まりだして、アメリカからのインターン生と共に暑い夏
となりそうです。



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┃04┃□neoneo坐 7月前半の上映プログラム
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会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1分
JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さい。
  http://www.neoneoza.com/

「知られざる短篇映画を見てみる」上映会
「短篇調査団」
Shortfilm Researchers
16mm上映 会費500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料)

センスを磨こう5本立(計107分)
(89) デザインの巻...2009年7月8日(水) 20:00〜22:00
『日本の文様』
1975年/22分/カラー/制作:学研映画
/プロデューサー:神林伸一/脚本・監督:野田真吉/撮影:亘真幸
■私たちのまわりには、さまざまな文様が見られる。文様の起源、その素材(モ
チーフ)の構成と表現など、土器、陶磁器、漆工、染織などについて考察する。

『デザインの楽しさ』
1988年/20分/カラー/制作:桜映画社/プロデューサー:村山和雄/脚本・監督
:花崎哲/撮影:山屋恵司
■表示や絵地図など伝達のためのデザイン、生活の中で利用される家具や食器など
造形のためのデザインを事例で説明し、デザインの美しさ、楽しさを見ていく。

『配色』
1963年/18分/カラー/東映/米内義人/佐藤雅子/川崎龍彦
■色の三要素相互の関係や色彩感情、色の表示、面積と配置の効果、色の機能性を
主にした配色を感覚的に描き、色彩設計の基礎能力と表現力を養わせる。

『いすの設計』
1971年/27分/カラー/制作:東映教育映画部
/プロデューサー:神英彦・藤田弘道/脚本・監督:大西竹二郎/撮影:川尾俊昭
■椅子を設計する際の工程、丈夫さを保つ方法、全体とのバランスのとれた設計図
などをわかりやすく説明し、工作やデザインの参考となる映画。

『工業とエレクトロニクス―設計と製作の自動化―』
1989年/20分/カラー/制作:東京シネ・ビデオ
/プロデューサー:横川元彦・佐藤有弘/脚本・監督:榊正昭/撮影:梶原春雄
■工業を学ぶ高校生を対象に、コンピュータ数値制御工作機械とその自動化のシス
テム、プログラミング、コンピュータを使った設計、製図の実際を具体的に描く。

【料金】会費500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料) 
【お問合せ】清水 E-mail:shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp



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┃05┃□広場
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■報告:北京の土本典昭回顧展―中国人監督の反響を中心に
石坂 健治(東京国際映画祭アジア部門ディレクター)

去る5月24〜30日、北京郊外の宋荘で第6回中国ドキュメンタリー映画祭(中国紀録
片交流周)が開催され、メイン部門(中国作品コンペ)に加え、日本映画部門とし
て土本典昭監督の回顧上映が行われた。昨年はこの部門で小川紳介特集が組まれ、
飯塚俊男監督らが招かれたことは記憶に新しいが、今年はもう一人の巨星、土本監
督の特集となった。プログラマーは『長江にいきる 秉愛(ビンアイ)の物語』の
監督で、日本のドキュメンタリー事情に詳しい馮艶(フォン・イェン)さん。彼女
は字幕翻訳やシンポジウムの通訳もこなすなど大車輪の活躍であった。
上映作品は、『ある機関助士』(63)、『ドキュメント路上』(64)、『水俣―患者さ
んとその世界』(71)、『不知火海』(75)、『みなまた日記―甦える魂を訪ねて』
(04)と関連作『映画は生きものの記録である―土本典昭の仕事』(06/藤原敏史監
督)の計6本。ゲストとして夫人の土本基子さんと、「水俣」シリーズの大津幸四郎
キャメラマンの二人がほぼ全期間に滞在して舞台挨拶や質疑応答をおこなった。筆
者はカンヌ映画祭のあと北京へ駆けつけて前半の3日間に参加。『不知火海』上映後
のシンポジウムに大津さんとともに登壇した。

短い滞在なのが残念だったが、それでも土本作品に初めて接する中国の若い観客の
熱気を肌で感じることができた。そこで馮艶さんにお願いして、全日程終了後、
「観客は土本作品に何を感じたか」を取材していただいた。以下は二人の映画作家
のコメントである。王浩(ワン・ハオ)監督は昨年のこの映画祭で『小児科』が上
映され、自身も医師という異色作家。林■(リン・シン)監督は今回『クラスメイ
ト』が準グランプリを受賞と、いずれも気鋭のドキュメンタリストである。ご一読
いただければ判ると思うが、的確に土本作品の本質を捉え、土本=小川の比較に踏
み込み、さらには「三里塚」と「水俣」の両シリーズの撮影者である大津キャメラ
マンへの敬愛を表明するなど、エキサイティングなコメントとなっている。

なお、この映画祭の概要については、筆者も朝日新聞(5月18日夕刊)に北京レポー
トを書いたが、中国ドキュメンタリーに詳しく、今回の映画祭にも参加された中山
大樹さんのブログ「鞦韆院落 中国に思いをはせる映画コラム」にさらに詳細な日
記があるので参照されたい。
  http://blog.goo.ne.jp/dashu_2005/e/ea8ca49ddbfe0d83a3829cb28919d2fa 

●伏流水を感じさせる土本、台風のような小川
王浩(ワン・ハオ、監督)

土本典昭監督の印象は、これまで本で読んだものしかなかった。「良心」「巨匠」
という言葉のほかに、「告発」などの形容がいつも付いていた。とても皮相的で幼
稚な形容でしかないと思っていたが、今回の回顧展で初めて、土本監督の力は一体
どこにあるのかをうかがい知ることができた。
最初に『不知火海』を観た。これほど重大な事件――痛み、怒り、恐怖、圧迫感な
ど多くの強烈な感情を含んだ悲劇的な社会事件――を、土本監督は「挙重若軽」
(注:重いものを軽いもののように簡単に持ち上げることができること。難しい仕
事を楽にこなせることの喩え。)に、冷静に、抑制した感情で表現している。一見
単純で穏やかな場面の中にも強い感情の伏流水が流れていることを強く感じさせる。
たとえば海辺で少女が医師に頭の手術をお願いしているシーン。背中だけ見せる少
女が「海を見ても何も感じない」と話すところなど、観客の心を強く打つ。度を過
ごしたカットが一つもない。要らない画が一つもない。こうした場面を見ていると、
土本監督はとても内在的なコントロール力の強い人ではないかと推測する。
また、『みなまた日記―甦える魂を訪ねて』では、土本監督の独特の美学的特徴を
感じることができる。撮影は美的な感覚に富み、たくさんの場面が詩的なので見惚
れてしまう。たとえば、海に面した場所で太鼓をたたきながら鎮魂歌を歌う場面は
印象的だ。全編を通じて、患者の遺影探しと故人を追憶するプロセスの中で、日本
人の独特な死生観を見ることができる。この作品は、この類の題材を扱う映画にあ
りがちな、単なる怒りや哀痛というトーンを遥かに超えていて、その格調の高さは
たいへんなものだと思う。
同じように重大な社会的事件を扱う映画として、昨年は小川紳介監督の「三里塚」
シリーズを観た。
小川監督の映画はエモーショナルで、台風のように襲来して、観客を震撼させた。
土本―小川は好対照をなしている。でも面白いのは、小川監督の後期の作品
(注:『ニッポン国古屋敷村』『1000年刻みの日時計―牧野村物語』のことか。)
は土本監督の映画に似てくることである。


●土本さんが甦って交流しているように感じた
林■(リン・シン、監督)

2005年に雲南の映画祭(注:第2回雲之南人類学映像展のこと)で初めて土本典昭監
督の作品を観た。また、初めて土本さんと、彼の助手でもある基子夫人に出会った。
しかし土本さんの作品については何も知らなかった。そのときの自分は、小川紳介
監督の映画を観ることにほとんどの精力を費やしていたからだ。「三里塚」シリー
ズから『1000年刻みの日時計―牧野村物語』まで全てを観た。それに対して、水俣
病については写真でみたことがあるだけで詳しいことは知らなかった。
『ドキュメント路上』はスポンサー付きの委託製作映画だが、優れた編集の技と視
覚的な緊張感を味わせてくれる。最近の新しい映画のようにみえる。また2007年の
南京独立映像展で『水俣病―患者さんとその世界』を観て驚いたのを思い出す。自
分の予測を遥かに超えた映画で、これまでに観たドキュメンタリーの中で最も優れ
たものの一つだった。素朴でおおらかな映像表現、優れた現場のコントロール力、
そしてキャメラで対象を見つめるときの情の深さなど、とても強い印象を与えてく
れた。
水俣病事件の注視と日常生活の提示が大きな時間と空間の中で交差し、映画の視野
を広め、奥行きが生まれる。
一つのロングショットが忘れられない。抗議行動をしている人の群れを撮っている
キャメラが突然180度転回して、後ろの人たちを捉える――。キャメラマンがキャメ
ラを自在に駆使することによって、観客は真実の空間を感じとることができる。今
年は中国ドキュメンタリー映画祭で『不知火海』と『みなまた日記―甦える魂を訪
ねて』を見た。土本監督はもういないが、映画は生きている。大津幸四郎キャメラ
マンの講演を通して、あの時代を垣間見ることができた。特に感動したのは夫人の
土本基子さんのトークだった。彼女は仔細に注意深く土本監督のオリジナルな言葉
を選び出し、私たちに伝えてくれた。土本さんが甦って、目の前で私たちと交流し
ているように感じた。
映画祭が終わった日の夜、米娜(ミー・ナー)さんが経営するレストランに皆が集
まり、夫の蘇青(スー・チン)さんがフラメンコ・ギターを弾き、各地から集まっ
たドキュメンタリーの作り手が一堂に会して、美味しいご馳走を食べながら最後の
交流を交わした(注:蘇青・米娜夫妻は『白塔』(05)の共同監督として知られる。
山形国際ドキュメンタリー映画祭でも上映。)。白髪だが元気いっぱいの大津さん
は、コンペの審査員をつとめた内藤雅行キャメラマン(『ツイノスミカ』など)と
一緒に黄昏の薄明かりの中に静かに座っていた。私は胸いっぱいの敬意を抱いて、
遠くからこのドキュメンタリーの黄金時代の生き証人を黙って見つめていた。
(取材・翻訳:馮艶、翻訳協力:石坂健治)


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■『BASURA バス−ラ』公開記念イベント開催中!!

フィリピン・マニラ郊外の巨大なゴミ捨て場“スモーキーマウンテン”でゴミを拾
って生活する子供たちを写し出した第1作『忘れられた子供たち スカベンジャー』
の登場人物のその後を追い、貧困の現実とそこで暮らす人々の命の輝きに迫る四ノ
宮浩監督の最新作『BASURA バス−ラ』が6月27日(土)より東京都写真美術館ホー
ルで絶賛公開中です。期間中の週末は、「どうしたら世界中の貧困と飢餓と戦争は
なくなるのか」と題して、フィリピンで起こっている様々な問題をテーマにして、
四ノ宮監督がゲストおよび来場者を引きこんだディスカッションイベントを開催し
ます。

7月4日(土)「僕はどうしてフィリピンを撮り続けてきたのか?〜20年を振り返っ
 て〜」
7月5日(日)「フィリピンの雇用問題を考える」
 ゲスト:稲葉剛さん(NPO法人自立サポートセンターもやい代表理事)
7月11日(土)「ゴミ拾いで生活するスカベンジャーの過去と現在」
 ゲスト:マリア・テレサ・ガウさん(女優・タレント)
7月12日(日)「フィリピンのゴミはどこへ?」
 ゲスト:小島道一さん(アジア経済研究所環境・資源研究グループ長)
7月18日(土)「真の国際協力とは何なのか?〜映画作りと支援の狭間で〜」
7月19日(日)「フィリピンの土地所有制度を斬る」
 ゲスト:中西徹さん(東京大学大学院教授、「スラムの経済学」著者)

いずれも13時30分の回の終映後に行われます。
また、公開中は海外の映画祭でも高く評価された過去2作品『忘れられた子供たち
スカベンジャー』(1995年)、『神の子たち』(2001年)も同時上映しています。
上映スケジュール等の詳細は、 http://www.basura-movie.com/ をご覧ください。


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■展覧会:ドキュメンタリー作家 土本典昭

会期:2009年6月30日(火)―8月30日(日)*月曜日は休室
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(7階)
開室時間:午前11時―午後6時30分(入場は午後6時まで)
料金:一般200円(100円)/大学生・シニア70円(40円)/高校生以下、障害者
(付添者は原則1名まで)、MOMATパスポートをお持ちの方、キャンパスメンバーズは
無料

主催:東京国立近代美術館フィルムセンター
特別協力:映画同人シネ・アソシエ

2008年6月24日、日本のドキュメンタリー界を代表する映画作家、土本典昭監督が逝
去されました。1928年、岐阜県に生まれた土本は、1956年に岩波映画製作所に入社、
助監督修業を積むとともに、黒木和雄・小川紳介などドキュメンタリーの同志との
交流を深めながら、映画と世界とのかかわりを模索しました。
1963年には国鉄のPR映画『ある機関助士』のダイナミックな表現で頭角を現します
が、その後に直面した水俣病の現実が、映画作家としての土本の生涯を決定づけま
す。『水俣 患者さんとその世界』(1971年)に始まる「水俣」シリーズは、撮影対象
に徹底して寄り添い、問題の深奥をえぐる一貫した姿勢を通じて国内外の観衆に衝
撃を与えました。また1980年代以降は主題の幅をより拡げ、その著作とともに今日
まで日本のドキュメンタリー界を牽引してきました。「映画は生きものの仕事であ
る」との信念のもとに生み出されたその作品群は、社会への批判精神だけではなく、
人間や他のあらゆる生命に注ぐ視線の暖かさによっても特徴づけられます。
監督の没後一年となるこの機会に、フィルムセンターは、ご遺族や製作プロダクシ
ョンの所蔵する写真や遺品を中心とする展覧会を開催し、この記録映画の巨星の思
考と行動の軌跡をたどります。

*展覧会の構成
I  記録映画への道―岩波映画へ
II “青の会”―若きドキュメンタリーの旗手
III 独立の時代
IV  生きものの仕事―水俣へ
V  新たなる旅

・ドキュメンタリーの仲間たち
・海外における土本典昭
・土本典昭の仕事部屋
・未発表インタビュー映像

*ギャラリートーク
関係者・専門家によるギャラリートークを開催いたします。

第1回 2009年7月11日(土)
 ゲスト:土本基子氏(土本監督夫人)、石坂健治氏(映画研究者)
第2回 2009年8月1日(土)
 ゲスト:中村秀之氏(立教大学現代心理学部教授)
第3回 2009年8月22日(土)
 ゲスト:高木隆太郎氏(映画プロデューサー、青林舎元代表)
 時刻は後日ホームページなどでお知らせいたします。

*関連企画(上映企画)
京橋映画小劇場No.14
ドキュメンタリー作家 土本典昭
2009年8月11日(火)−8月30日(日)
フィルムセンター小ホール(地下1階)
詳細は後日ホームページなどでお知らせいたします。
  http://www.momat.go.jp/FC/TSUCHIMOTO/index.html 

〒104-0031東京都中央区京橋3-7-6
お問い合わせ:ハローダイヤル03-5777-8600
東京国立近代美術館ホームページ  http://www.momat.go.jp/ 



    ◇────────────────────────◆◇◆    


■「自作を語る」などの投稿、歓迎!
「自作を語る」欄は、監督自らが作品について語るコーナーです。制作した動機や
撮影のポイント、編集で心がけたこと等を内容に盛り込んで頂きたいと思っていま
す。その他の投稿も歓迎します。「自作を語る」は1600字程度。監督のプロフィー
ル(150字)、作品のデータ、上映スケジュール、HP等をお知らせください。
原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。
E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp  伏屋まで


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■上映の告知の有料化とカンパのお願い
■伏屋 博雄(本誌編集長)

neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の
告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力
ください。

(1)上映等の告知の有料化 40字×30行(行数の空きも計算)以内につき、2,000円
です。それ以上の行数の場合は比例して加算します。

(2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。
送金方法:郵便振込み:00160-8-666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782 (有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせく
ださい。)
以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。



┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃06┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●渡辺智史監督による 『湯の里ひじおり〜学校がある最後の一年』についての2回
目の寄稿は、撮影現場の苦心を綴る。御多分に洩れず、ここでも湯治客の高齢化、
専業農家の減少、少子化などによる湯治文化の衰退がみられていた。山形県の山間
部に位置する湯治場、肘折温泉をいかに描くか、スタッフは模索する。作品世界に
リアリティを持たせつつ、地域再生を促す映像とは何か? 監督と堀田泰寛カメラ
マンとの意見交換が文面から立ち上がってくる。

●山形映画祭のインターナショナル・コンペティション作品が先日発表され、映画
祭のサイトにも掲載されている。本誌では東京事務局スタッフである濱治佳さんが
コンペ作品の特徴を指摘していて、今秋開催される映画祭(10月8日〜15日)への期
待を抱かせる。

ところで、今年のコンペには、110の国・地域より1,141作品の応募があったという。
この膨大な作品数から15作品が決定した。主催者側の努力は並大抵のものではない。
だが同時に、私なぞ、これだけの膨大な作品からどのような作業を経て選考された
のかと、ふと思ってしまうのだ。ひとりが全ての作品を観るには限度があり、では
何人の選者がどのようにして決定したのか、知りたいとも思う。
今回は、日本人監督による作品が選考されなかったことは日本で開催される映画祭
としては寂しい。
応募総数からいって、かなりの数の日本人監督作品がエントリーされたことと推察
できるだけに残念な結果である。

●今年で6回目を迎えた中国ドキュメンタリー映画祭が5月末に北京で開催された。
中国作品のコンペがメインだが、日本映画特集も設けられていて、昨年の小川紳介
特集に続き、今年は土本典昭回顧展が行われ、ゲストとして参加した石坂健治さん
から寄稿があった。うれしいことに、中国の二人の監督のコメントも添えられてい
る。土本作品から受けた生の反応、土本と小川との比較についてなど、感想は的確
だ(馮艶さんの取材・翻訳の労に感謝!)。なお当映画祭は、石坂さん執筆の朝日
新聞の記事によれば、「(中国)政府の認可を受けないために流通が困難ないわゆ
る『地下映画』を支援する場として機能して」いるそうだ。映画祭関係者の意気込
みを感じる。

ところで「ドキュメンタリー作家 土本典昭」と題した展覧会が6月30日より東京国
立近代美術館フィルムセンターで開催されている。没後一年、所蔵されていた写真
やノートなど貴重な遺品の数々、映像、さらに、監督の書斎を再現した「土本典昭
の仕事部屋」コーナーもあるというから、土本監督の思索の現場を知ることとなる。
詳細は「広場」欄をご覧ください。



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■責任編集:伏屋 博雄
■編集デザイン:能川 悦子
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