2009/06/01
ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo 125号 2009.6.1
☆━┓ ┏━┓ ┏━┓ ┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン ┗━┫e┣━┫n┣━┫o┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○ ┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 125号 2009.6.1 ∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ †01 ■ドキュメンタリー映画のかたち 自分について、自作について (3−最終回) 金井 勝 †02 ■自作を語る 観察映画『精神』について 想田 和弘 †03 ■列島通信 ≪大阪発≫ 大阪から発信すること 江利川 憲 †04 ■neoneo坐 6月前半の上映プログラム †05 ■広場 ■土本典昭監督一周忌追悼上映 6/10〜14 福岡市総合図書館 ■「自作を語る」などの原稿募集! ■上映の告知の有料化とカンパのお願い †06 ■編集後記 伏屋 博雄 ★バックナンバー閲覧はこちらまで まぐまぐ配信 http://blog.mag2.com/m/log/0000116642/ melma!配信 http://www.melma.com/backnumber_98339/ ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち ┃ ┃■自分について、自作について (3−最終回) ┃ ┃■金井 勝 ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●新しい方法論による映画を目指す 映画産業は、観客がこなければ成立ちません。 新聞紙上に〈映画産業〉と〈斜陽産業〉という活字が合体するようになると、撮影 所は労働組合活動だけが活発になり、ここでの映画作りに魅力がなくなってきまし た。 そんな時、『二十四時間の情事』のチーフ助監督だった白井更生(4歳年上)から 「飛び出して独立プロを作ろう!」と誘われたので、躊躇なく決断〜〜 東京オリン ピックの年の暮に大映を退社し、フリーランスのカメラマンとして以後は様々な分 野の映像作りに携わることになります。 勿論その間も独立プロの製作準備は進められており、やがて望月優子、加藤剛など の協力を得て、白井更生・監督、金井勝・撮影の劇映画・『ヒロシマ1966』が誕生 したのです。 〜〜が、余り高い評価は得られず、経済的にも行詰ってプロダクションは(たった の1本だけで)解散となりました。しかしこの作品に関わったことで私が得たものは 大きく、その〈反面教師〉ということも含めて大変に良い勉強になりました。 また、後の《かない勝丸プロダクション》に繋がる大きな体験となるのが《ピンク 映画》で、カメラマンとしておよそ10本の作品に関わりました。 なかでも新藤孝衛監督作品・『雪の涯て』(1965)と、佐々木元監督作品・『悶え 狂い』(1969)は共に脚本が良かったこともあって、そこでは既に撮影所では失われ ていた〈活気〉が満ち溢れていたのです。 ちなみに現在商業映画の第一線で活躍している50代、60代のスタッフの多くは、 この《ピンク映画》で映画づくりの魂を培ってきた人たちなのです! ともあれ、'60年代は〈変革〉の時代であり、その若きリーダーは大島渚でした。 彼は《松竹ヌーヴェル・ヴァーグ》の旗手として注目されていましたが、『日本の 夜と霧』(1960)で会社と衝突、松竹を退社して独立プロ・《創造社》を結成し、 〈権力に対する反逆〉を主なテーマとして縦横無尽〜〜エネルギッシュにその活動 を展開してゆきます。 大島の魅力は、単に映画という範疇に納まりきれないその大きさにあり、当時のオ ピニオンリーダーであった各界の論客たちと対等のレベルで発言出来た極めて稀な る映画人であり、その著作やTVなどでの発言にも人の心を惹き付ける大きな力があ りました。 なかでも「全く新しい内容のものを、全く新しい方法論を用いて撮らなければ映画 として認めない!自己模倣も許さない!」〜〜そんな内容だったと思いますが、 〈創作〉にとって最も重要なのはその〈オリジン=起源〉だと考えていた私にとっ て、それは極めて力強い言葉となるのです! さて、フリーランサーとしての私の収入源は、主にCMやPR映画の撮影料でしたが、 それらの仕事場で知りあった山崎佑次らと《映像表現の会》を結成〜〜新しい映画 の構想を練りながら、劇団・代々木小劇場の稽古場を借りて、前衛的な映画の上映 活動を始めました。 そして、そんな時に現れたのが小川紳介の『圧殺の森』(1967)〜〜それは正に大島 のいう「全く新しい内容のものを、全く新しい方法論を用いて撮った映画!」であ り、私たちを奮起させるのにはこの上ない上映作品となったという訳です! また彼らがいう《自主製作・自主上映》という言葉に、それまでの《独立プロ》と はチョッと異なる、何か新しい可能性を感じさせられて、大きな勇気をもらったよ うな気がしました! こうした状況の中で、1968年に脱稿した脚本が『無人列島』〜〜 それはひとりの不 恰好な少年が尼僧たちに操られながら成長してゆくという至ってシンプルなもので すが、そこにはぼく自身の体験とぼくが生きてきた背景(=戦後史)とが絡み合っ ており、また更にそこに様々な妄想が重なってきて出来上がる多面多層のオブジェ 〜〜私たちは新しいシュール・レアリスム映画の誕生を目指していたのです! これは何せ劇的な作品なので、ピンク映画で知りあった猛者が必要であり、宮田雪 や吉田元夫などにも加わってもらって35mmでクランク・イン〜〜翌年のゴールデ ン・ウイークに、ATG新宿文化(のレイト・ショー)を皮切りにして、大阪、京都、 名古屋などで自主上映を決行し、その後は全国大学の学園祭などで上映してもらっ ています。 また、スイスのニヨン国際映画祭でグランプリを受賞したこともあり、ヨーロッパ の映画研究者:マックス・テシエやトニー・レインズなどによって欧州の各地で上 映されるようになりました。 続く『GOOD−BYE』(1971)は、私が金井姓だったこともあって学生時代から朝鮮半島 には関心があり、それとなく資料を集めていました。しかし映画としてどのような 切口で入るべきなのかは極めて難しく、のたうち回った末に閃いたのが、〈戒厳令 下の緊張感の中、ひとつのドラマでは納まり切れず、もうひとつのドラマがそこに 重なってくるという、空前絶後のロード・ムービーを〉と、なりました! さて、『無人列島』が自分のことから出発したので=《人の巻》なら、『GOOD− BYE』は遥かなるDNAの旅の中で〈血〉から〈地〉に到る=《地の巻》。そして〈時 間の神〉と闘う『王国』(1973)は紛れもなく《天の巻》〜〜ようやくその頃になっ て知りあった、城之内や大和屋竺の援けを借りて《微笑う銀河系・三部作》の掉尾 を飾るに相応しい作品を目指しました! この《微笑う銀河系・三部作》の自主上映が終わった頃から、世の中は〈メー ジャー・エンターテインメント〉の時代に突入した為に自主製作活動は一休み〜〜 私はTVドキュメンタリーの演出家として働き、次作のための資金作りに精を出しま した。 そして『王国』から時が流れること13年〜〜映像による〈詩歌集〉を作ろうと城之 内主演の短歌編・『夢走る』を撮りましたが、その年の暮に彼は交通事故で黄泉へ と旅立ちました! そこでこの〈詩歌集〉は城之内元晴への追悼作品・『時が乱吹く』(1991)となりま した〜〜が、16mmの個人的な作品でありながら、商業映画誌・「シィテー・ロー ド」のベストテンで、何と第2位に! ビデオ作品には『聖なる劇場』(1998)と『スーパードキュメンタリー 前衛仙術』 (2003)とがあります。 私の作品の中で最も地味なのはその『聖なる劇場』ですが、これを最高作だとする 人もかなりいます。また最新作の『前衛仙術』に導かれる形で全作品を観た方も少 なくはなく、名門・オーバーハウゼン国際短編映画祭で《金井勝回顧展》が開催さ れたのもそのような形でした。 また今年の2月には製作して40年になる『無人列島』と38年になる『GOOD−BYE』と が、アメリカのイェール大学のイベント・《East Asia in Motion》で上映されまし た。 ともあれ、作品は忘れられたら終わりなので、〈オリジン〉を大切にしながらも 〈戦略〉を立てて頑張ってきました。またそこには様々な方の協力があり、そして 予期せぬ偶然(=神?)が味方してくれていたことをここに記して、筆を置くこと に致します〜〜感謝! ■金井勝(かない・かつ) 1960年に日大芸術学部映画学科卒業。同年大映東京撮影所の撮影課に入り、高橋道 夫らに師事。'64年に同社を退社した後はフリーの撮影技師として様々な分野の映像 製作に携わる。更に'68年には〈かない勝丸プロダクション〉を結成――翌年から隔 年で『無人列島』、『GOOD−BYE』、『王国』の〈微笑う銀河系・三部作〉を自主製 作・自主上映――インディーズ・シネマの草分け的存在となる。その後、TVドキュ メンタリー番組等の演出をしながら映像による詩歌集・『時が乱吹く』を'91年に発 表。最新作・『スーパードキュメンタリー前衛仙術』('03)は第50回オーバーハウゼ ン国際短編映画祭で国際批評家連盟賞を受賞――また同第53回映画祭では《金井勝 の回顧展》。'09年2月アメリカのイェール大学のイベント・《East Asia in Moti on》に招待され、『無人列島』&『GOOD−BYE』の上映とシンポジュームに参加。 著書には「微笑う銀河系」(れんが書房新社)があり、また東京造形大学及びイ メージフォーラム映像研究所等で後進の指導にあたってきた。 公式サイト「映像万華」: http://www.hinocatv.ne.jp/~katsu/index.html ●金井勝監督情報 ☆DVD-Box「金井勝の世界:The world of Kanai Katsu」発売中! 金井勝の全作品を5枚のディスクに収録したワン・ボックス。全編〈英語字幕〉付き。 和文・英文の作品解説つき。限定500部。 個人価格:2万円(税込み&配達料込み) ライブラリー価格:5万円(税込み&配達料込み) 下記の金井宛にメールでご注文していただければ、郵便口座及び銀行口座をお知ら せ致します。振込みを確認したうえで、≪ゆうメール≫などで配送します。 ご注文先: k-katsu72@mail.hinocatv.ne.jp かない勝丸プロダクション:〒191-0022東京都日野市新井737−7 Tel&fax:042-591-6168 なお、新宿御苑前の模索舎でも販売を開始しています。 http://www.mosakusha.com/ ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃02┃□自作を語る ┃ ┃■観察映画『精神』について ┃ ┃■想田 和弘 ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 岡山市にある精神科診療所「こらーる岡山」で繰り広げられる複雑な世界を描いた 拙作『精神』(観察映画第2弾)が、6月13日(土)から東京・渋谷のシアター・イ メージフォーラムほか、全国で順次劇場公開される。 前作『選挙』(観察映画第1段)に続き、なぜ僕は自分のドキュメンタリー映画を 「観察映画」と呼ぶのか。それには、二重の意味を込めている。 一つは、作り手(=僕)による観察。できるだけ先入観を排し、目の前の世界を虚 心坦懐に観察して、その結果を映画にする。 もう一つは、観客による観察。観客それぞれが映画の中で起きることを主体的に観 察し、感じ、解釈できるよう、作品に多義性を残す。 そのために、僕は次のような方法論を実践している。 第一に、事前のリサーチや打ち合わせをしない。例えば、『精神』を撮るに当たっ て、精神疾患について予め勉強しなかった。事前に病気の知識を仕入れてしまうと、 その特徴に合うことばかりにカメラを向け、それ以外の側面を見落としかねないか らである。対象に関する知識は、往々にして先入観や固定概念となって、現実を 「す」の状態で観察することを妨げる。 第二に、構成表やシノプシス等を書かない。作品のテーマや落とし所も、撮影前や その最中に設定しない。行き当たりばったりでカメラを回し、予定調和を求めない。 第三に、少人数で撮る。基本的には、僕がカメラマンと録音を兼ねる。 第四に、ナレーション、説明テロップ、音楽を放棄する。それらの装置は、観客に よる能動的な観察の邪魔をしかねない。また、映像に対する解釈の幅を狭め、一義 的で平坦にしてしまう。 第五に、編集作業に時間をかける。予め設定したテーマに合わせて画を切っていく のではなく、撮れた映像素材が語りかけるものに耳を傾け、観察し、その過程で発 見した視点を作品として結実させていく。 第六に、観客が十分に映像や音を観察できるよう、カットは長めに編集し、余白を 残す。その場に居合わせたかのような臨場感や、時間の流れを大切にする。 最後に、制作費は自分で出す。もしくは、作品の独立性が保たれ得るような資金を 利用する。 これらの方法論から、観察映画がプロパガンダ的な政治主義やテーマ主義を否定す るものであることは、明らかであろう。もっと言えば、作品にメッセージは込めな い。 『精神』でいえば、「精神障害者の地域での生活を支援しよう」とか、逆に「病院 に隔離すべき」とか、一切主張することはない。観察映画は、世界を作者の視点で 描写することに徹するのであり、映像や音声を「言いたいこと=メッセージ」に従 属させないのである。 また、観察映画は客観主義にも組しない。それは、観察の主体=制作者がカメラを 通して観たり体験したことを綴る主観的な表現方法である。例えば、客観主義の作 品が「東京の人口はX万人」と三人称的に記述するところを、観察映画は「東京に行 ったら大勢の人がいた」という具合に一人称で描く。そもそも、僕は客観的なドキ ュメンタリーなど、原理的に存在し得ないと考えている。 以上のような方針と方法論に加え、『精神』では、人の顔にモザイクをかけないと いうポリシーを貫いた。そのため、撮影許可を得る作業は難航し、声をかけた10人 のうち8、9人には撮影を断られた。 しかし、モザイクをかけると、精神病患者への偏見や固定概念を助長しかねず、先 入観を取り外して「よく観る」ことを本義とする観察映画の精神に反する。また、 モザイクは「被写体のプライバシーを守る」という大義名分のもとに使われるが、 実は作り手や興行側を訴訟やクレームから守るために使われている。結局それは、 被写体や観客に対する責任放棄であり、表現を堕落させる。加えて、モザイクで顔 を覆うと、被写体の表情を観察することが不可能になり、観察映画になり得ない。 だからこの点には最後までこだわった。 総じて、『精神』では、世間と精神科の世界の境界にかけられた見えざるカーテン を、カメラの力で取り払い、じっくりと観察する映画になったと思う。その開け放 たれた世界をどう観るのか。それは、観客ひとりひとりにゆだねようと思う。 ☆『精神』(2008年、135分、米国/日本) 監督・撮影・録音・編集・製作:想田和弘 製作補佐:柏木規与子 出演:こらー る岡山の皆さん、ほか。配給・宣伝:アステア。6月13日からシアター・イメージ フォーラム等全国順次公開。受賞歴:釜山国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞 /ドバイ国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞/マイアミ国際映画祭・審査員特 別賞/香港国際映画祭・優秀ドキュメンタリー賞/ニヨン国際ドキュメンタリー映 画祭・宗教を超えた審査員賞 公式サイト: http://www.laboratoryx.us/mentaljp/ ☆6月13日よりシアター・イメージフォーラム(東京)での上映を 皮切りに、各地で順次公開します。詳細は上記のサイトをご覧ください。 ■想田 和弘(そうだ・かずひろ):映画作家。1970年栃木県足利市生まれ。 ニューヨーク在住。『選挙』(07年)は7月4日から復活ロードショー。『精神』(08 年)は釜山国際映画祭等で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。09年、初の著書『精神 病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規出版)を刊行。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃03┃□列島通信 ≪大阪発≫ ┃ ┃■大阪から発信すること ┃ ┃■江利川 憲 ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●注目すべき「上映会」と即興映画 静止画だけで出来た映画『ヤーチャイカ』(08年、覚和歌子・谷川俊太郎監督)の 写真を撮ったのは、わが友・首藤幹夫である。その首藤氏、最近は自らの作品発表 を「スライド上映会」というかたちで行なっている。これは、スライド映写機を2台 (あるいは3台、4台)使い、手のひらでレンズを覆ったり、それをずらしたりしな がら、映像を途切れることなく徐々に移ろわせて見せるというものだが、言葉では なかなか説明しにくく、実際に見てみなければ、その魅力は伝わらない。また、機 材の運搬や本人がその場に居なければ上映できないなどの問題から、これまでは東 京での上映会に限られていた。 「大阪でも見てみたいなあ」と言うと、ご本人も乗り気で、4月末に来阪されて一緒 に上映会の会場探しをした。その会場もどうやら決まり、今年中には大阪でのスラ イド上映会が実現しそうだ。楽しみである。 3月に開催された「大阪アジアン映画祭2009」の関連企画「シネ・ドライヴ2009」 で、自主映画をずいぶん見た。玉石混淆というのが正直な感想だが、そこで藤原敏 史監督の『ぼくらはもう帰れない』(06年)に出会った。これも言葉では説明しに くい映画だが、演技をしたこともない若者たちを集め、彼・彼女らに自分が演じる 人間のプロフィルやストーリーを書かせ、それを基に即興演出して出来上がった作 品だという。これが実にリアルで、東京の<今>を生きる若者たちの悩み、生きに くさ、執着、かすかな希望などが丸ごと捉えられていて、私の「シネ・ドライヴ200 9」ベストワン作品となった。実際にも、この作品は「シネ・ドライヴ2009」の「映 画侠区賞」を受賞した。 藤原敏史監督は、もちろん『映画は生きものの記録である 土本典昭の仕事』(06 年)の監督であり、山形国際ドキュメンタリー映画祭のスタッフとしても活躍してお られたから、その名前はよく知っていたが、話したことはあまりなかった。それが 今回、自作上映にあたって来阪され、親しく接することになった。 『ぼくらはもう帰れない』に感動したのは私ばかりでなく、特に若い人たちが藤原 監督を慕ってその周りに集まった。藤原監督も大阪の若者たちと意気投合したよう だ。 どちらが言いだしたのか知らないが、「大阪でもこういう映画を撮れないだろう か」という話になり、5月の連休に9分ばかりのパイロット版もつくられた。その撮 影現場を見学に行ったりしているうちに、なんと私も出演することになってしまっ た。今年中に撮影、来年完成の予定だ。なにしろ<即興映画>だから、どんな作品 になるのか分からないが、当分は藤原監督らと遊べそうだ。 ☆首藤幹夫ホームページ: http://www.h6.dion.ne.jp/~shuto/metamorphotos/index.html ☆藤原敏史ホームページ: http://toshifujiwara.blogspot.com/ ■江利川 憲(えりかわ・けん) フリー編集者と自称しつつ、最近はほとんど仕事ナシ。肩書だけの社長を務める映 画館「シネ・ヌーヴォ」では、現在「寺山修司◎映像詩展2009」を上映中。寺山作 品『ローラ』(74年)に出入りできる男・森崎偏陸に会った。「寺山修司と天井棧敷 ◎ポスター展」もOZC GALLERY(大阪造形センター3階)で開催されている。寺山映 画は6月12日、ポスター展は6月6日まで。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃04┃□neoneo坐 6月前半の上映プログラム ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1分 JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さい。 http://www.neoneoza.com/ ■「知られざる短篇映画を見てみる」上映会 「短篇調査団」 16mm上映 会費500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料) ドゥ・ザ・キャッスル! 5本立(計94分) (88) 城の巻…2009年6月10日(水) 20:00〜21:40 『さぎ草と城跡』 1975年/15分/カラー/制作:東京都映画協会 ■世田谷城跡、奥沢城跡を舞台に、そこに伝わる「さぎ草」と常盤姫の伝説を紹介 する。既に自生の絶えた美しい「さぎ草」の姿を通して、開発の中で我々の町に残 る文化財を守ることの意義を訴える。 『姫路城』 1965年/28分/カラー/制作:記録映画社/企画:文化財保護委員会 /監督:上野耕三/脚本:北条明直/撮影:金山富男 ■1346年に赤松貞範が築いた姫路城(白鷺城)。築城当時の役割、建築技術など、 城郭として完全に保存されている姫路城の全貌を紹介する。 『戦国から四〇〇年 甦る八王子城』 1994年/5分/カラー/制作:東京都映画協会 ■高尾駅からバスで15分、ピラミッド型の城山が見える。小田原北条氏照の居城・ 八王子城である。落城・炎上から400年、昭和60年から八王子城の発掘、復元作業が 行われた。 『砂の城』 1971年/13分/カラー/制作:カナダ国立映画制作庁/監督:コ・ホードマン ■砂男と、彼が砂から作り出した動物との物語。流れる砂の動きで描くユーモアと 主張をもった寓話。カナダ・アニメ初のアカデミー短編アニメ賞を受賞。 『松山城』 1970年/33分/カラー/制作:井上プロ/監督:井上清/撮影:川谷庄平ほか ■昭和8年に焼失した松山城の再建が、昭和43年5月に完成した。城のもつ意義や、 地理的・時代的背景とともに記録する。 【料金】会費500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料) 【お問合せ】清水 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃05┃□広場 ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■土本典昭監督一周忌追悼上映 会期::6月10日(水)〜14日(日) 料金:500円(大人) 400円(大学生・高校生) 300円(中学生・小学生) ※定員制。各回入替制。※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。 ※障がい者の方は無料。福岡市在住の65才以上の方は半額。(手帳の呈示が必要) ※「わの会」会員は250円(会員証の呈示が必要です。) 会場:福岡市総合図書館映像ホール http://www.cinela.com/ 6月10日(水)14:00 『水俣 患者さんとその世界』 11日(木)14:00『不知火海』 19:00『映画は生きものの記録である』 12日(金)14:00『映画は生きものの記録である』 16:30『ある機関助士』 『ドキュメント路上』 19:00『留学生チュア・スイリン』『水俣病 その30年』 13日(土)11:00『留学生チュア・スイリン』『水俣病 その30年』 14:00『水俣 患者さんとその世界』 17:30『映画は生きものの記録である』 14日(日)11:00『ある機関助士』『ドキュメント路上』 14:00『不知火海』 ◇────────────────────────◆◇◆ ■「自作を語る」などの投稿、歓迎! 「自作を語る」欄は、監督自らが作品について語るコーナーです。制作した動機や 撮影のポイント、編集で心がけたこと等を内容に盛り込んで頂きたいと思っていま す。その他の投稿も歓迎します。「自作を語る」は1600字程度。監督のプロフィー ル(150字)、作品のデータ、上映スケジュール、HP等をお知らせください。 原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。 E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋まで ◇────────────────────────◆◇◆ ■上映の告知の有料化とカンパのお願い ■伏屋 博雄(本誌編集長) neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の 告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力 ください。 (1)上映等の告知の有料化 40字×30行(行数の空きも計算)以内につき、2,000円 です。それ以上の行数の場合は比例して加算します。 (2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。 送金方法:郵便振込み:00160-8-666528 neoneoの会、又は、 みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782 (有)ネットワークフィルムズ (銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせく ださい。) 以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃06┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●金井勝監督の最終稿は、1964年に大映を退社してからフリーランサーとして映画 作りを重ねる現在までを綴っている。金井作品には常に新しい方法論を目指す姿勢 が貫かれているが、その姿勢を鼓舞した存在として、大島渚の言葉があり、小川紳 介の『圧殺の森』があったという告白は興味深い。(最近、現代思潮新社から『大 島渚著作集』(全4巻、四方田犬彦、平沢剛編)が刊行されたことは、たいへん喜ば しい。) 連載を通して感じたのは、金井さんが時代の潮流を読み取りながら、オリジナルな 映画の志を持続しつつ、志を共有する友人との関係を大事にしてこられたことであ る。今は、DVD-Box「金井勝の世界」の販売に精を出す金井さんであるが、願わくば 一刻も早く新作に取り掛かられ、またもや私たちに驚天動地の世界を披露してくだ さる日が遠くないことを期待したい。 ●想田和弘監督の前作『選挙』は、市議会選挙に自民党から立候補したズブの素人 のどぶ板選挙の、今まで照射されなかったスポットを見事に描いていた。そして最 新作の『精神』は日本では到底不可能な(と私には思えた)領域に踏み込んだ作品 として、関心を持っていた。自らの作品を「観察映画」と呼ぶ想田さんだが、精神 科診療所の患者たちを撮影するにあたり、周到な方法論を用意して臨んだことは、 「自作を語る」に詳しい。しかも、「人の顔にモザイクをかけないというポリシー を貫いた」ために、「声をかけた10人のうち8、9人には撮影を断られた」そうだ。 数々のタブーに挑んだ『精神』は近日公開される。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■発行:ビジュアルトラックス visualtrax@jcom.home.ne.jp ■責任編集:伏屋 博雄 ■編集デザイン:能川 悦子 ───────────────────────────────────── ★ご意見・ご感想はビジュアルトラックスまで ★いただいたメールには全て目を通しますが、必ずしも返信できるわけではありま せん。また、いただいたメールをこのメールマガジンに掲載させていただくことが ありますが、掲載不可の場合はその旨をお書き添えくださるよう、お願いいたしま す。 ───────────────────────────────────── ★バックナンバー閲覧、およびメールマガジン配信解除はこちらまで まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm melma!配信 http://www.melma.com/backnumber_98339/ ※編集部では配信解除、メールアドレスの変更などは受け付けておりません。 お手数ですが、ご自身でお願い致します。 注」デザインが崩れて見える場合は等幅フォント(MSゴシック、Osaka等)でご覧 ください! 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