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デュッセルドルフ在住の「デュッセル通信」筆者によるドイツの毎日のニュースの速報版。短い解説をつけることで簡単な背景もわかります。ドイツのデイリーな動きを知りたい方、特にドイツ在住者は必読。

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2008/07/23

ドイツフラッシュニュース (2008/07/23)

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       << ド イ ツ フ ラ ッ シ ュ ニ ュ ー ス >>

                       2008年 7月23日号
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<いつもの(?)前書き>


 連日大変寒い日が続いておりますが(月曜日など午後2時の段階で気温13度しか
なかった(=_=)ウウム)皆様如何お過ごしでしょうか(=_=)ペコリ。

 さて本メルマガ「ドイツフラッシュニュース」ですが、最近は「ドイツデイリ
ーニュース」の方にかかりっきりで今後も頻繁に発行できる見込みがとりあえず
立たないためドイツのニュースを継続的にお知りになりたい方は「ドイツデイリ
ーニュース」の方を購読して頂きますよう宜しくお願いします。

     http://www.geocities.jp/ksensei_germany/DailyNews.html
 (メルマガ内容については以下「デイリーニュースサマリー」も参照下さい)

 尚本「ドイツフラッシュニュース」は今後数回は発行しますがその後発行停止
とする予定です(正確な時期は別途アナウンスします)。


        ☆         ☆         ☆


<デイリーニュースサマリー>


 メルマガ「ドイツデイリーニュース」のニュースタイトルです。各記事のサマ
リーや今日の解説は http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ksensei_germany から
ご覧頂けます。またメルマガ配信希望の方は以下ページからお申し込み下さい。
       http://www.geocities.jp/ksensei_germany/DailyNews.html


◎2008年07月08日(火)
 ★昨年末のミュンヘン地下鉄ホームでの暴行事件 両犯人に厳刑
 ★ジーメンス 1万6750人の大規模人員削減リストラ案発表
 ★アウディ 国内市場の不調にもかかわらず年間百万台へ王手

◎2008年07月09日(水)
 ★ケルン中央駅で新幹線ICEが脱輪
 ★ポルシェ 9月にもVWの経営主導権を握る見込み
 ★倒産した携帯メーカーBenQ Mobile債権者がジーメンス提訴の可能性
 ★エア・ベルリン経営陣に対するインサイダー疑惑捜査打ち切り

◎2008年07月10日(木)
 ★連邦政府歳入 さらに増加
 ★ジーメンス社長レッシャー氏 大規模人員削減案で各方面から批判浴びる
 ★ルフトハンザ労使交渉決裂で労組がスト実施に向けた原投票開始へ

◎2008年07月11日(金)
 ★ドイチェ・バーン ICE脱輪事故で一部車輌を緊急検査
 ★6月の卸売物価指数 1982年以来の大幅な上昇
 ★iPhone3G販売開始でドイツでもドイチェテレコムのT-Punktに行列
 ★ルフトハンザ ストライキに伴う欠航へのチケット代補償を表明
 ★エアベルリンによる休暇チャーター航空会社コンドルの買収 白紙に

◎2008年07月12日(土)
 ★トルコのドイツ人登山家誘拐でメルケル首相自ら犯人側に呼びかけ
 ★メルケル首相 明日発足する地中海連合に期待
 ★アウトバーンでの交通事故で死亡の7ヶ月の妊婦の胎児が生存

◎2008年07月13日(日)
 ★ICE脱線事故の余波による遅れ 徐々に解消の見込み
 ★CSUフーバー党首 来年の総選挙後のジャマイカ連立を否定
 ★メルケル首相 Union内からのさらなる減税要求を拒否する姿勢
 ★BMW 今年中に計画している全世界での8100人の人員削減に障害

◎2008年07月14日(月)
 ★ケルン中央駅のICE脱線事故 以前不明点が残ったままに
 ★環境相 バイオエネルギーの利用比率目標を17%から12%に引き下げ
 ★ドイツ最高峰Zugspitze山での2名死亡事故で連邦検察が捜査開始
 ★EU 携帯事業者にEU内国境を跨ぐSMS料金の引き下げを要求
 ★シェフラーグループ 自動車部品大手コンチネンタル株大量取得か

◎2008年07月15日(火)
 ★ICE脱線で緊急ブレーキを引いた人物がようやく特定される
 ★SPD 通勤費控除復活で党内足並みに乱れ
 ★欧州経済研究所の7月の景気動向指数 マイナス11.5と大幅な落ち込み
 ★ルフトハンザ労組でストライキの是非を問う原投票始まる
 ★シェフラーグループの買収提案にコンチネンタル側は態度を保留
 ★VW アメリカ新工場の立地をテネシー州Chattanoogaに正式決定

◎2008年07月16日(水)
 ★コンチネンタル シェフラーグループからの買収提案を拒否
 ★6月の消費者物価指数 前年同月比3.3%と15年来の高い上昇
 ★連邦政府 100億ユーロ規模の渋滞解消プロジェクト実施へ
 ★ルール地方Bottrop近郊で新しい石炭層への採掘開始へ
 ★消費者センター 食品に独自の緑・黄・赤シール導入へ
 ★ベルリンの病院で白人と黒人の双子の赤ちゃん生まれる

◎2008年07月17日(木)
 ★ICE脱線 101人死亡のEschede事故の二の舞になっていた可能性も
 ★連邦金融監督庁 コンチネンタル側からの買収阻止の訴えを退ける
 ★保険大手アリアンツ 傘下のドレスナー銀行株売却へ
 ★VW 商用車部門でのスカニア・MANとの協業にゴーサイン
 ★株式専門家 エアベルリン株をジャンク扱いに引き下げ

◎2008年07月18日(金)
 ★今年のラブ・パレード ドルトムントで120万人の人出を見込む
 ★2008年上半期の売上減少でビール業界が禁煙法に恨み節
 ★元有名女性タレント ヴェローナ・ポート氏にも脱税疑惑
 ★コンチネンタル 買収への対応で経営陣内に足並みの乱れも
 ★VW コンチネンタル買収を目指すシェフラー側に警告
 ★自動車利用コスト 前年同月比で5.7%上昇
 ★昨年のドイツ国内での車輌盗難 4万件弱で前年比7%の減少

◎2008年07月19日(土)
 ★ドルトムントのラブ・パレードに過去最高の160万人が繰り出す
 ★環境相 ウクライナ訪問のメルケル首相にチェルノブィリ訪問を要求
 ★極右政党NPDが赤字転落で崩壊に向かう可能性
 ★コンチネンタル社長 シェフラー側と冷静な協議を行う姿勢
 ★VWグループ 今年半ばにはフォードを抜き世界第3位に浮上も
 ★先週発売のiPhone 3G 売り切れで次の入荷は10月に

◎2008年07月20日(日)
 ★トルコの山岳登山でPKKに誘拐されたドイツ人3人 解放される
 ★連邦軍新兵1800人の宣誓式 連邦議会議事堂前で執り行われる
 ★ドイチェ・バーン ICE再点検完了で問題なし
 ★シェフラー 資本参加の上限を20%とするコンチネンタルの逆提案を拒否

◎2008年07月21日(月)
 ★トルコ山岳地帯でPKKから解放されたドイツ人3人 帰国の途へ
 ★第2四半期の経済動向 鈍化の兆しが明らかに
 ★VW上半期販売 市場の伸び減速にもかかわらず好調を維持
 ★ジーメンス 贈賄汚職問題で元社長らに損害賠償請求の方針
 ★ロシアの富豪 ドイツ第6のトルコ向け旅行代理店Oeger Toursを買収


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<ICE 車軸破損のためケルン中央駅脇で脱線>

 7月9日の水曜日、ドイツの新幹線ICEのそれも最新鋭車輌である第三世代車
輌の車軸の一部が破損しケルン中央駅を出発して数百メートルのところで脱線し
ました。スピードが遅かったこともあり幸いケガ人などはなく、乗客はまだホー
ムから抜けきっていなかった列車後方のドアから無事ホームに降り立ち別の列車
に乗り換えるなどしてそれぞれ目的地へ向かいました。

 脱線した車輌を撤去するために他の線路もふさいで作業が行われるなどこの日
はダイヤが大きく乱れましたが、そのダイヤ以上に乱れたのは関係者の心かも知
れません。というのはこの脱線、実は車軸の破損が原因であったことが明らかに
なったからなのです。

 ICEでも特にケルンとフランクフルトの新線(2002年開通)を走行する車輌は
最高時速300kmに対応した第三世代と呼ばれるタイプで、先端部分の車輌がちょ
っと芋虫みたいに丸くなっています(一方第1・2世代は比較的角ばっているとい
うかちょっとボテッとしている)。この最新式の車輌の車軸が破損したというの
ですからこれはちょっとしたスキャンダルです。

 さらに、脱線の直前列車を急停止させるために明らかに緊急ブレーキが引かれ
たことがわかっていたのですが、ドイチェ・バーン(DB)側はブレーキが引かれた
事実こそ認めたものの当初それが「誰によって」「どのように」引かれたのかに
ついては「調査中」を楯に詳しいコメントを避けていました。実はこれはDB側が
「ICEの乗務員が緊急ブレーキを引いた」と主張する一方で一部の乗客から
「引いたのは乗客だ」という異なる証言が出て検察側の調査が入っていたからな
のですが、数日後になってようやく「ICE乗務員と勤務時間外で乗客として乗
っていたDB社員の2人がほぼ同じタイミングで引いた」という折衷案のような結
論が発表されました。

 乗客だったというそのDB社員が脱線事故後そのままどこかに旅行に行っていて
捕まらなかったというのならば結論に一週間かかるのもわからなくはありません
が、出発直後に乗客の立場でありながら緊急ブレーキが必要と感じるほどの異音
を感じたドイチェ・バーンの社員が乗務員なり駅の関係者なり警察側にコンタク
トを取らずにそのまま放置して立ち去るとはさすがに考えにくく、種々の状況証
拠を元にDB側・警察/検察側でのいろいろな調整があったことを想像させてくれ
ます(=_=)ウウム。

 実際一部の乗客はこの脱線事故が起こる1時間ほど前、フランクフルト空港駅
を出たあたりで乗務員に異音を訴えていたとのこと。さらに途中駅である
Siegburgで途中下車した乗客も乗員に異音を指摘、その乗務員が駅に停車中にホ
ームに降りて異常がないかを簡単に調べていたのだそうです。結局この時は異常
は発見されず乗務員も「問題ない」と乗客に説明していたのだそうですが、その
わずか数十分後にこのような事故が起きていたことになります。

 この事故が起こった翌々日の金曜日になって事態の深刻さを理解したドイチェ・
バーンは同タイプのICE第三世代の60余りの列車の全数再検査を開始しました。
予定していた運行を取り止めての緊急検査だけに当然のことながらダイヤは大き
く乱れ、最終的に全数の検査が終わりダイヤが正常に戻ったのは今週半ばになっ
てからでした。

 破損した車軸は専門家に送られ分析、結果が出るまでに数週間かかるというこ
とですが、一部報道によると鉄道局からドイチェ・バーンへ送られた文書の中に
「今回の脱線事故はEschede(10年前にハノーファーの北東の町Eschedeで発生し
た101人死亡・105人重軽傷のICE事故)の二の舞になった可能性がある」とい
う記述があったとのこと。車輪整備の不備で100キロ以上のスピードで走行中の
ICE車輌が脱線、橋げたに衝突する形で橋が線路上に落下して列車がぐちゃぐ
ちゃに折れ曲がったあの光景は尼崎JR脱線事故以上の悲惨なものでしたが、今
回もし300キロで走行中に車軸破損が発生していたらどのようなことになってい
たか、特に最高速で走るアウトバーン3号線(A3)沿いは丘陵地帯で高い橋とト
ンネルが繰り返し現われるエリアであり、ここでもし脱線事故が発生していたら
間違いなくEschede並みもしくはそれ以上の大惨事となっていたことは間違いあ
りません。

 ドイチェ・バーンは今年中にも部分民営化で一部株式上場を予定していますが、
このような不安要因は上場にとってマイナス要因、株を売却する立場の政府にと
ってはあまり表に出したくない話なのかも知れませんが、乗客の命に直接かかわ
る問題だけに徹底的な対応をしてほしいものです(=_=)ウウム。


        ☆         ☆         ☆


<シェフラーグループ コンチネンタルの大量株を実質確保>

 自動車部品メーカーのコンチネンタルといえばつい最近までタイヤメーカーと
して有名でしたが、ここ数年は買収などでその裾野を急速に拡大、特に昨年の
Siemens VDO社の買収は同社を世界大手Boschや日本のデンソーと肩を並べる総合
自動車部品メーカー第4位の規模に押し上げる結果となりました。

 ところがその順風満帆に見えたコンチネンタルの経営陣にまさしく寝耳に水の
事態が起こりました。昨年の自動車部品メーカー世界ランキングでは22位と売上
規模では同社の3分の1しかない同じくドイツのシェフラー(Schaeffler)グルー
プが同社の株の3割以上を実質的に押さえたことを明らかにしたのです。

 シェフラーグループはあまり一般の人には知られていませんが、同社傘下にあ
るINAやLUKは自動車部品業界では誰もが知っているベアリング・トランス
ミッション部品メーカーです。2007年度グループ売上は73億6400万ドル(ちなみ
にコンチネンタルは約250億ドル)の大企業でありながら驚いたことにオーナー一
家がほぼ全資産を持っているというドイツにありがちなファミリー企業です。

 共同オーナーの一人であるマリア・エリザベス・シェフラー(考えてみればな
かなか凄い名前ですが)氏は同社の共同創業者であったゲオルク・シェフラー氏
(1996年没)の未亡人で現在67歳、アメリカで弁護士として同社経営とは一線を画
している息子と合わせた彼らの総資産額は何と55億ユーロ(約9000億円)というと
んでもない資産家です。日本の東証二部クラスの中堅企業ならば彼らのポケット
マネーでポンと買い取ることさえ可能な話です。

 一方のコンチネンタルですが、ハノーファーに本拠を持つ1871年創業の老舗タ
イヤメーカーでありながら2001年に就任した現社長ヴェネマー氏のもと急速な企
業改革により従来のタイヤ中心の製品群を電子部品など自動車部品全般に拡大、
特に2006年のモトローラからの電子自動車部品部門の買収、さらに2007年のジー
メンスの自動車部品部門Siemens VDOの買収で従来のタイヤメーカーから一気に
総合自動車電子部品へと構造転換を果たしました。

 ところがここにヴェネマー社長の盲点がありました。この構造転換により企業
価値が急上昇したにもかかわらずそれが株価に十分反映されておらず、結果とし
て「割安」な企業となってしまっていたのです。実はシェフラーは2年前、まだ
コンチネンタルがSiemens VDOを買収していなかった頃にもコンチネンタル買収
を計画していたのですが当時は十分なシナジー効果が得られないとして中止にな
っていました。つまりシナジー効果が期待できる会社となれば再び買収を計画し
たとしても不思議ではなかったわけです。

 報道によるとシェフラーグループでオーナーとは別に実質的に舵を取る立場の
ガイシンガー社長は既に今年の3月の時点でこの買収劇についてオーナーのマリ
ア・エリザベス・シェフラー氏から了承を得ていたとのこと。既にその頃からシ
ェフラーは金融機関や投資ファンドの協力を取り付けるなどの準備を進めながら
虎視眈々とコンチネンタルを狙っていたというわけです。

 この買収劇、シェフラー側が株式取得の3%ルール(3%以上の株を取得する場合
は当局への届出が必要)を守っていなかったしてコンチネンタルが金融監督庁に
訴えたものの退けられ(シェフラー側は金融機関などとの約束によって30%超取得
の可能性を確実にしたものの実際の既取得株は2.97%のみでセーフ)、じっくりと
準備を進めてきたシェフラー側が今のところ有利に見えますが、一方で両者にと
って大顧客であるVW(フォルクスワーゲン)のヴィンターコルン社長は「サプラ
イヤーの合併・統合は競争力強化という観点から前向きに受け取りたいが敵対的
なやり方は好ましくない」とシェフラー側を批判するなど、今後の展開はまだ不
透明な部分も多分に残っています。

 実は90年代初め、当時まだほとんどタイヤ専業メーカーだったコンチネンタル
はイタリアの同じくタイヤメーカーピレリ社から買収される事態になりましたが、
防衛策を続けたことで買収資金が底をついたピレリ側が撤退し事なきを得た歴史
があります。今回のシェフラーは同じドイツ国内のそれも優良企業であり、労組
の一部には「へたに外国企業に買収されて生産をドイツ国外に移転されるよりは
マシだ」の声もあるくらいで当時の状況とは異なりますが、買収が成立すれば現
在第3位のマグナグループを抜いてボッシュ・デンソーに続く自動車部品メーカ
ー世界三大企業の一角に躍り出るとあって業界関係者にとっては今後の動きから
目が離せないに違いありません(=_=)ウウム。


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