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2008.5.3 Vol.203
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1. 今日のコラム「農のある生活に喜び」 (第460回 2008.5.3)
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◇今では時間の許す限り畑仕事です。やることは肉体労働ばかりですが、これ
がなんとも爽快なのです。「仕事」がまったく苦になりません。長靴、麦藁帽
。今年になって長靴を買いましたが、長靴がこんなにも重宝で、心をウキウキ
させてくれるとは本当に驚きでした。畑のどんな場所だって自由に動き回れま
すし、水がジャブジャブかかっても平気。ともかくタフです。畑仕事をやって
いる方なら長靴を履くなど当たり前のことなのですが、はじめて履いてみてこ
んなにも心弾ませるものであるとは知りませんでした。余談ながら、サラリー
マン時代の通勤靴はもはやお役ご免で、今ではどこに行くにしてもウォーキン
グシューズ。どの靴を履いていこうかなど悩むことなく、身も心も軽快なこと
、この上なしです。帽子だって、軽さといい風通しといい麦藁帽が畑仕事には
ぴったりなのです。長靴を履き、麦藁帽を被っていますと、まるで子どもに戻
ったようにうれしくなってしまうのですから不思議なものです。サラリーマン
時代から有機農業に興味を持ち、仲間と各地の農家を訪ね歩いていたせいでし
ょう、いつか「田舎暮らし」を夢みていたのですが、ささやかなれど「農のあ
る生活」をやっと手にすることができたのです。
◇今でも「田舎暮らし」に憧れ、1年前には、「田舎暮らし」を24年間も続
けている玉村豊男さんの「田舎暮らしができる人できない人」(集英社新書)
を紹介しました。「たとえそれが収入につながらなくても、私はこれから田舎
で暮らそうという人たちには、どんな形であれ農業に携わる機会をつくること
をお勧めします。それは、からだを鍛える、健康によい、野菜ができる、とい
った実利的な効能ばかりではなく、私がそうであったように、人生の晩年をよ
りよく生きるための、ある種の価値観を身につけることができるからです」。
「仕事の成果、人生の目標、他人の評価。もう、そんなことは、どうでもよい
、とまではいいませんが、それほどこだわるようなものでもない、と思うよう
になりました。これも農業のおかげです。私は、田舎暮らしをして本当によか
ったと思っています」、と玉村さんは著書のなかで書いていますが、1年前に
は、玉村さんのいう農業的価値観を本当に実感できるかどうかわかりませんが
、畑仕事を我が生活の中心にして、日々を暮らしていきたい、とコラムに書き
ました。それから1年。畑仕事に熱中するうち、おぼろげながら玉村さんのい
う「ある種の価値観」がなんとなくわかるような気がしてきたのです。
◇農業というのはサラリーマンの対極にあるような職業だと思うのです。サラ
リーマンのように組織で仕事をするわけでもありません。組織で働こうとすれ
ば、他人との競争、競争で、仕事の成果や他人の評価でがんじ絡め。これを無
視して働くことはなかなかできないのです。もちろん、農業にも仕事の成果や
他人の評価も少しは気になるでしょうが、自分と自然のなせる業なのです。さ
さやかな「農のある生活」をやりはじめてたったの1年ですが、それでもなん
となく「ある種の価値観」を感じることができるのです。畑仕事といっても荒
地を開墾するが如きで、固い土壌をつるはしで掘り起こし、取った雑草とかを
埋めたりが主な仕事で、やれどもやれども終わりの無い仕事がこれから先も延
々と続くのですが、すべて自分でやらないことにはどうにもならぬのです。本
格的な農業はもっと厳しい現実があるので、とてもでないですが偉そうなこと
はいえませんが、組織に縛られ、組織で動くサラリーマンの価値観とは違った
価値観が生まれてくるのも当然です。
◇小泉政権来、競争、競争とあおられ、おびえ、とうとうカネ、カネ、カネの
心荒む世の中になってしまったように思うのですが、足元を見つめ直し、「昔
はよかった」を取り戻すときが来たのではないでしょうか。そんな気がします
。自分など定年をとっくに過ぎた身ですが、なんだかんだ不安を煽られている
ようにも感じるのです。政治家や役人が我々の税金を無駄使いせず、我々自身
も「つつましく」暮らすことで、もうちいと楽な気分になれるのではと思った
りします。サラリーマンを定年退職後、自分の裁量で働きたいと小さな起業を
しましたが、サラリーマン時代同様、やはり収入のある仕事でした。これはこ
れで「いつか起業」の夢をかなえられたのですが、それが60半ばを過ぎて、
ちょっとしたきっかけから収入のない仕事をやりはじめました。これがなんと
も楽しいのです。それこそカネに束縛されないで、自分の裁量で働ける仕事な
のです。無益な競争もありません。こんな親父の働く姿を見て、家族のものが
本当のところどう思っているかわかりませんが、農業のことや食のことが家族
共通の関心事となり、以前よりも愉快に暮らせるようになったと感ずるのです
。こんな風に感じられるのも、自分自身がこころ穏やかに過ごせるようになっ
たからでしょうか。カネでは買えないものを得たようにも思います。「食べる
ことは生きること」。ほんに身近なところから生きる元気をもらえるのです。
少々大げさになりますが、人生の晩年をよりよく生きるために、「農のある生
活」で死ぬまで働き続けたいと思っています。
*−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−*
少しの勇気で動いて下さい!動かなければ何も変りません。
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■発行責任者:松村 昌一
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