メルマガ「教会音楽あれこれ」No.8
教会音楽シューレメールマガジン「教会音楽あれこれ」No.8 (April 2004)
◆◆お知らせ◆◆
◎『新しい歌を主に歌え −礼拝と会衆讃美と讃美歌集の現在を探る−』(21世紀ブ
ックレット24、いのちのことば社)が発刊しました。讃美歌集への問題意識から、私
自身のフィールドである福音派の牧師・教会音楽家有志で2001年より継続してきた「
福音主義教会歌集研究会」の取り組みを6人の共同執筆でまとめたものです。植木は
“ドイツ担当”で、その讃美歌集の歴史を追っています。以下のリンクから注文でき
ます。
http://www.wlpm.or.jp/cgi-bin/d/kiji_item.cgi?key=000029420
◎5月22日に第4回ワークショップが開かれます。今回は私のドイツの出身大学の副学
長、フォルカー・ルッツ先生を迎えます。礼拝音楽学会の講演の為に来日される折に
個人的にお願いして来て頂くものです。1996年の南西ドイツにおける新賛美歌集奉献
礼拝のビデオを鑑賞し解説して頂きます。詳しくはこのメルマガの最後の方、またホ
ームページに案内があります。
◆◆教会音楽あれこれ(その8)−会衆讃美をオルガンで伴奏すること− ◆◆
第2回ワークショップで取り上げた「教会と楽器」というテーマの中で一部触れました
が、会衆讃美のオルガン伴奏についてお話ししたいと思います。
ホームページのライブラリに登録されてある第2回ワークショップ「教会と楽器」の概
要をご覧頂ければ、そこにオルガンが教会で用いられるようになった経緯を年表のよ
うにまとめてあります。1650頃に「オルガンによる会衆賛美伴奏の始まり」と私は書
きました。そのワークショップの後で発見したことですが、もう少し前に始まってい
たようです。1604年発行の『ハンブルクメロディー讃美歌集』の序文に、オルガンで
会衆讃美を伴奏していたことが言及されています。
それ以前はドイツルタ−派の文脈では、オルガンを礼拝で使用してはいたけれど、会
衆讃美の“伴奏”はしていませんでした(ジュネーブ改革派ではそもそも「楽器」そ
のものが使用されませんでした)。ルター派でも讃美歌節の間のオルガン即興等はさ
れていましたが、オルガンによる“会衆の伴奏”は認められません。会衆はユニゾン
で、先唱者や聖歌隊に導かれて歌いました。オルガンによる会衆讃美の伴奏の始まり
は17世紀の30年戦争と関わりがあると思われます。ドイツの全人口が半分になったと
も3分の2になったとも言われたこの戦争は、当然教会に大きく影響しました。会衆の
減少、礼拝出席者の減少、聖歌隊員の減少などです。いわゆる合唱規模の聖歌隊の成
立が困難になったであろうことは、同時代のシュッツが、合唱作品よりも小アンサン
ブルの教会音楽作品を作曲し残したことからも伺えます。聖歌隊員の減少は、聖歌隊
そのものを組織し会衆讃美をリードする(讃美歌集を読めない会衆を歌って導く)こ
とを困難にしたと予想できます。そうすると識字率が3分の1とも言われたこの時代、
会衆讃美という具体的な行為そのものが行えなくなるという状況に近づいていったわ
けです。聖歌隊だけでなくカントールもいなくなったのかも知れません。
そのような時期にゲルリッツ市の委託により出版されたのが、サムエル・シャイト作
曲の「ゲルリッツ・タブラトゥーアブーフ」で、これが先の1604年発行の讃美歌集の
序文と共に、実際のオルガン伴奏譜として、当時の状況を読み解く鍵なのです。この
譜は、それまでにはなかったコラールの四声体伴奏譜なのです。それまではオルガン
は即興が中心で、そもそも会衆讃美を“伴奏する”ことはしていなかったのですから、
四声体譜は存在していませんでした。
オルガンによる会衆讃美の伴奏は、客観的な歴史の事実を繋ぎ合せても、この時期に
始まったと言えると思われます。
さて、オルガンによる会衆讃美伴奏の話だけでなく、少しだけ実践的な事をお話しま
しょう。変化のある讃美歌伴奏のために一つお勧めを。ペダルのあるオルガンの場合
でです。
讃美歌の四声体和声の場合、上3声を手鍵盤で、バスをペダルで弾きますね。手の指
10本はソプラノ・アルト・テノールの“3声”を受け持っているでしょう。殆どの場
合、右手がソプラノ・アルト、左手がテノールを担当します。一度右手でソプラノだ
け、左手でアルト・テノールの2声を弾くのを試して下さい。そしてその後の段階で
左右の手を一段と二段鍵盤に別けて弾きます。メロディーのみの右手の鍵盤を、リー
ド管などのソロストップコンビネーションで強い音で弾きます。メロディーラインを
際立たせることは、新曲を歌う時、また歌詞節のそれぞれの内容に光を当てるなどに
有効でしょう。
・・・このような説明はメルマガでは限界がありますね。後は実際にレッスンででし
ょう。「ペダルのないオルガンで変化をつける方法」。そんなことも一度ワークショ
ップのテーマにしましょうか。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◇ルターとバッハドイツ紀行2004に参加して(参加者からの声)◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◇/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◇ 教会の牧師として仕えさせていただいていることから、ルターとバッハは◇◇
◇◇務め上からも大きな関心事でありました。ことにルターに関してはその「信◇◇
◇◇仰のみ、聖書のみ」の聖書思想を伝い聞きでは重々承知していても、それに◇◇
◇◇よって自己変革し、生き、戦い、一生を費やしたその人物、その土地、その◇◇
◇◇空気を知ることで、考え方としてでなく、生き方として、そのすべてが自分◇◇
◇◇に流れこんでくるように思われました。 ◇◇
◇◇ 行く先々、ルターとバッハの息吹が、足音が聞こえるように思われ、万感◇◇
◇◇の心持ちです。 高岡 清◇◇
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◆◆教会音楽シューレあれこれ◆◆
◎ワークショップ
・・第4回 5月22日(土)13:00-16:00 於:キリスト教朝顔教会
「現代ドイツの教会音楽−新賛美歌集奉献礼拝に見るドイツ教会音楽の今日−」
昨年来延期になっていたものです。ヴュルテンベルク州教会(南西ドイツ)
における新賛美歌集(Evangelisches Gesangbuch, 略称EG)奉献礼拝(1996年)
のビデオを鑑賞しながら、ドイツの教会が、今日どのように教会音楽に取り
組んでいるのかを見ます。「ドイツでは今もバッハ中心なの?」「ゴスペル
は歌うの?」「楽器はパイプオルガンだけ?」「教会音楽教育の内容は?」
「カントールはどんな仕事をしているの?」そんな素朴な疑問等をきっかけに、
私達日本の教会の課題について共に考えます。ゲストに、私植木の出身大学、
ヴュルテンベルク教会音楽大学副学長のフォルカー・ルッツ先生を迎えます。
・・第5回 7月31日(土)13:00-16:00 於:マナ・オルゲルバウ社(東京都町田市)
「パイプオルガン製作工房見学会」
本年秋に納入のため製作中のパイプオルガンが、工房で一旦組み立てられた
状態の機会にパイプオルガン製作工房を訪ね、パイプオルガン製作の実際に
ついて見聞し、マイスターと懇談する機会を持ちます。
*このワークショップは要参加申込とします。
メールにて7/25(日)までにお申し込みください。
申込みへの返信の形で集合場所等をお知らせ致します。
オルゲルバウマイスターの中里威さんが案内、説明してくださいます。
◎教会音楽ツアー
・・旅行記をまとめているところです。HP掲載はもうしばらくお待ち下さい。
次回のドイツ紀行は同じコースで2006年3月を予定しています。ご質問・ご要望
等お気軽にお寄せ下さい。
◎レッスン
・・合唱指揮法グループレッスンは今年度は、基本的に第4火曜日の19:00-21:00に
行います。次回は5月25日(火)です。
◆◆教会音楽シューレホームページについて◆◆
◎KMSホワイエ
・・どうぞお立ち寄り下さい。本質的な話題、ちょっとコーヒーブレーク、またま
たアカデミック。。どんな話題もどんなアプローチも歓迎です。
◎別館「カントールの家」は未だ準備中です。
詩と賛美と霊の歌とをもって、互いに語り、
主に向かって、心から歌い、
また賛美しなさい。
(聖書:エペソ人への手紙5:19)
2004年4月30日
植木紀夫
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教会音楽シューレ
http://church.jp/kms/
E-mail: kms@mail-box.jp
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教会音楽シューレ・メールマガジン「教会音楽あれこれ」
発行者:植木紀夫
mag2 ID:0000115900
バックナンバー:http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000115900
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このマガジンは「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して発行しています。
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