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「読めば建築の世界が見えてくる!」メールマガジンです。家づくりにまつわるお話し、建築現場でのお話し、道具のお話しや建築の世界で起きているお話しなどをお伝えしています。

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2009/10/13

『 ただ今大工修行中! 』第119号

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        『 ただ今大工修行中! 』  第119号

                       2009年 10月 13日





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【 ごあいさつ 】



「ただ今大工修行中!」読者のみなさまこんばんは。
今号から新たに購読を始められた読者の方へ、始めまして。
ただ今大工修行中!のM・KAI(エム・カイ)と申します。

前回号の予告通り、今回号では、【 建築材料について part7 3回目 】
です。先月から引き続き、建築材料についてのお話になります。

それでは、お話しさせていただきます。




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【 建築材料について part7 3回目 】



今の時代に限らず、昔から建物を建てるためには様々な種類の材料が使われてい
る事は、このメールマガジンを読まれている読者の方であれば充分ご存知のこと
でしょう。

今回の【 建築材料について 】でも、先月から引き続き“塗料”についてのお
話を続けています。まずは簡単に前回のお話を振り返ってみます。



塗料を使い塗装工事を行う前にしておかなければならない工程があります。それ
が「養生」と「下地処理」になります。これらの工程は塗装を行う前に無視でき
ない工程です。

養生は下地処理を行う前からあらかじめ行っておかなければならない工程であり、
塗装の仕上がりを決めて、無駄な工事を省くためにもおろそかに出来ない重要な
工程であります。

たとえば建物の塗装を行う際に、主に窓やドアなど塗装の必要がないところを塗
ってしまわないよう、開口部をビニールや紙などで覆う作業を見られた事がある
方もいらっしゃると思います。この作業が養生に当たります。

下地処理には使われている建築材料や状態により様々な工程が含まれています。

たとえばモルタルやコンクリート、ALCなどを使った建物であり、外壁面に経
年変化で塗装の剥がれが発生していたならば、剥がれている塗膜をサンドペーパ
ーなどで剥がしてから下地処理剤としてシーラーを塗るのが通常の塗装工程です。

これがモルタルやコンクリートなどではなく、建物の手摺や外階段など鉄やアル
ミを使った部分の場合は話が変わってきます。金属部に使われる下地処理にはシ
ーラーではなくプライマーが必要になってきます。



他にも塗料にまつわるさまざまなお話をしてきました。前回号の内容については
バックナンバーをご覧になってみてください。

 まぐまぐ ただ今大工修行中!バックナンバー閲覧ページ
 http://www.mag2.com/m/0000115674.htm




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前回号では、下地処理や養生など仕上げ塗装を始める前に必要な工程についてお
話をしてきましたが、今回号では仕上げ塗装に使われる塗料についてのお話をし
ていきます。

前回号でもお話をしてきましたが、塗料には水性や油性といった溶剤の性質の違
いによる分類があることを、ここで改めてお話をします。

この水性と油性という分類は塗料に必要な溶剤の種類による分類のことです。油
性塗料はシンナーなどの溶剤を使って薄める塗料ですが、水性塗料はシンナーを
使わずに水で薄めることが出来る塗料です。

ここで塗料に使われる溶剤についてお話をしていきます。塗料に用いる溶剤は使
われている種類により塗料の性質をまったく変えてしまうくらいとても重要なも
のでして、そらくらい塗料の性能を左右するものなのです。

溶剤には大きく3種類の区分があります。水を用いるもの、塗料用シンナーとい
う弱溶剤を用いるもの、ラッカーシンナーという強溶剤を使うものがあります。



まずは溶剤に水を使う塗料の特徴から説明します。

水を使うのでシンナー独特の臭いが少なくて扱いやすく、引火性がないのが特徴
です。

現在では比較的汎用性があり良く用いられているタイプではありますが、雨樋や
エアコンカバーなどプラスチックで出来た製品に塗装しても塗膜が密着しません
ので、プラスチック製品に用いる時には注意が必要です。

塗装をした後に天気の変化などで湿気が多くなると乾燥不良を起こすものもあり
ます。色ムラの発生や耐久力不足の原因になることもありますので塗装の際には
天候などに注意が必要です。



次に塗料用シンナーを使う塗料の特徴です。

塗料用シンナーは臭いが弱く、ラッカーシンナーと比較して溶かす力が弱めなの
が特徴です。揮発性が少なくて灯油に近く、シンナーとしては扱いやすい品物で
もあります。ただしあくまでも石油製品ですので引火性はあります。保管には注
意が必要です。

水性に比べて臭いはありますが、ラッカーシンナーほど強力ではありません。水
性塗料に並んで製品の種類が多く、塗料メーカー各社が力を入れてさまざまな製
品の開発を進めています。

塗料自体に汎用性が高く密着性が高いのであまり場所を選びません。水性塗料と
違い雨樋やエアコンカバーといったプラスチックで出来た製品にも塗膜がくっつ
く材料も開発されています。

乾燥時間や条件に関しては水性塗料とほぼ同じです。製品や条件により違いがあ
りそれぞれ異なりますが、ラッカーシンナーを使った塗料に比べて乾燥時間が多
少遅いという点があります。



最後にラッカーシンナーを使う塗料の特徴です。

ラッカーシンナーはとても溶解力が強く、希釈性にも優れていましてたいていの
塗料は溶かしてしまいます。臭いが非常に強く、揮発性が激しいので取り扱いに
は注意が必要です。

塗膜の密着力が高く、耐久性を持ち合わせた塗料が多いのが特徴でもあるのです
が、塗り替えをする際には下地などに注意が必要です。なぜかといえば希釈剤に
使われているラッカーシンナー自体の溶解力が非常に強いので、建物にもともと
塗装されていた塗膜を溶かしてしまい、塗装後に色ムラになってしまう危険性が
あるからです。

ラッカーシンナー自体がとても臭いが強く、引火性もあるため、住宅が密集した
場所や室内など閉鎖された場所に用いるには向きません。塗装後に臭いが長期間
残ってしまう場合もあるので人通りが少なく通気性の高い場所での使用が適して
います。

最近ではビルの高所やタンクの中など頻繁に塗り替えすることが難しい特殊な場
所や、鉄部などをコンクリートに埋め込むために被覆するといった特殊な用途の
塗料の場合に使用されることが多く、住宅の塗り替え工事にはあまり使われなく
なりました。




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 発行者 M・KAI(エム・カイ)









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塗料には水やシンナーなど溶剤の種類のほかに、配合成分や添加剤の種類による
分類もあります。先ほどお話をしました水性と油性といった溶剤の分類だけに限
りません。

配合成分や添加剤の違いによる機能のお話を始める前に、ここで塗料の成分構成
についてお話をしていきます。

塗料は顔料、樹脂、溶剤を混ぜ合わせて作られており、場合によって添加物を加
えて形成されています。塗料の成分構成は「塗膜成分」と「非塗膜成分」という
大きく分けて2つから構成されています。

顔料、樹脂、添加剤といった成分は乾燥後も塗膜として残る「塗膜成分」に含ま
れていまして、溶剤など塗料が乾くうちに揮発してしまう成分は「非塗膜成分」
に含まれています。



塗料を形成する塗膜成分には、顔料、添加剤、樹脂の3個の要素があります。

顔料は塗料の色彩などを形づくる粉末状の成分の事です。

顔料自体に機能がありまして、主に塗料に色彩を与えるのが目的の「着色顔料」、
塗膜を肉厚にするために使われたり光沢を与たりするために使われる「体質顔料」
、塗料に緻密性を与え丈夫にする、メタリックやパール調の感触を与える「機能
性顔料」があります。

顔料による特徴としては全体的に、彩度の低いくすんだ色は耐候性に優れ、鮮や
かな色は対向性に劣る傾向があります。これは塗料の色があせていく原因が主に
紫外線による顔料成分の破壊によるからなのです。



添加剤は塗料の性能を向上させる補助薬品です。塗装の目的とする機能や用途に
応じて少量添加されます。添加剤自体きわめて少量、多くても5パーセント以内
しか含まれておらず、塗膜形成後は徐々に消滅していきます。

通常は塗料の缶の表記にて成分の欄に添加剤などは記載されていません。どこで
添加剤が含まれていることを見極めるのかといえば、防カビ剤配合、超速乾、た
れ防止といった機能が付いている事です。

防カビ剤配合、超速乾といった付け加えられた機能があると、たいてい塗料に添
加剤が含まれている事を示しています。



樹脂は塗膜主要素とも言いまして、塗膜が固まる元になる成分でもあります。樹
脂の特徴により対候性、柔軟性、耐水性といった塗膜の性能を決定づけます。

樹脂による違いから機能が異なってきますので、それぞれの塗料の特徴をお話し
ていきます。

住宅の塗り替え工事で使われる代表的な塗料の樹脂として、アクリル樹脂、ウレ
タン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂の4類があります。これら4種類の樹脂に
よる違いについてお話をしていきます。



まずはアクリル樹脂を使った塗料の特徴です。

新築で使われるサイディングやALCの塗装によく使われている塗料です。溶剤
にラッカーシンナーを用いることが多いために塗料自体の臭いがきつく、先ほど
お話をした通り、取り扱いには注意が必要です。

塗膜の耐久性は7~10年ほどです。標準的な仕様ですと塗膜に伸縮性が乏しい
ため、添加剤を加えて伸縮性を高めてある物もあります。防水仕様でないと防水
性に乏しく劣化してしまうため、耐久性を高めるために防水仕様の塗料も出され
ています。

防カビ性、防藻性は高めのものがあります。4種類の中でもっとも安値で手軽な
塗料であるので、使用率の高い塗料ではありましたが、ウレタン樹脂やシリコン
樹脂を使った安値で性能の高い塗料が普及し始めたため変わっていきました。

材料を選んで使わないとひび割れを起こしやすいものもあるので、仕上げ塗装の
時点での材料選びに注意が必要です。



ウレタン樹脂を使った塗料の特徴です。

数年前までは塗り替えに使う高級塗料というものではウレタン樹脂を使ったもの
が主流でした。

ウレタン樹脂自体の密着性が高く、耐久力など性能的にとてもバランスのとれた
塗料でありました。建築現場で使用されていた実績も長くて信頼が高く、製品数
も多かったのでシリコン樹脂が普及するまで採用されることが多かった塗料でし
た。

塗膜の耐久性は7~10年ほどです。塗膜に伸縮性があり、防カビ性、防藻性能
を持っている塗料が多く存在します。価格と機能のバランスが良いのですが、シ
リコン樹脂塗料に比べて耐久性は少し短めです。



シリコン樹脂を使った塗料の特徴です。

現在では塗り替え塗料の定番というくらい普及している塗料でもあります。現在
塗料メーカーが力を入れて開発している塗料でもあり、製品数も多いのが特徴で
す。

ウレタン樹脂よりも長持ちしまして、価格もそれほど大きく変わらないという点
で普及してきました。

塗膜の耐久性は10~14年ほどです。防水性はあり、防カビ性、防藻性能は高
いのですが、塗膜が硬いために伸縮性がなく、ひび割れを起こしやすい塗料でも
あります。

汚れにくく耐久性に優れている塗料でもありますが、長年実績のある塗料メーカ
ーが取り扱っている塗料もあれば、実績のない新規開拓塗料メーカーが開発した
塗料も存在しています。取り扱う際には長年の実績を考慮するなど、見極めが大
切な塗料でもあります。



フッ素樹脂を使った塗料の特徴です。

耐久性は15年~20年と4種類の塗膜の中ではいちばん高いのが特徴です。防
水性、防カビ性、防藻性能は高いのですが、伸縮性が多少劣る点があります。

4種類の中でいちばん耐久性が高く、種類が豊富で美観性にも優れているのです
が、塗膜の伸縮性が劣るため割れやすく、重ね塗りが難しいので塗膜にひびが入
った時のメンテナンスには難があります。




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塗料にはこれら含まれる配合成分が違うことにより、それぞれ塗膜の機能に特徴
をもちまして、性質が違う塗料になっています。

あらかじめ塗膜に水をはじく機能をつけてあったり、あらかじめ汚れを分解する
機能がついた性能の高い塗料も存在していますが、それらを生み出す違いは塗料
に含まれる配合成分や添加剤の種類による違いなのです。

塗料の性能を左右するのは、顔料、添加剤だけではなく合成成分であるアクリル
樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂といったいろいろな配合成分が
関わってきます。

これらの材料が組み合わさり、機能が織り込まれてある塗料を選んで使うことに
より、塗装して美観を保つ以外に、塗装面の耐久力の向上、汚れ防止や防カビ性
能を高めるといった効果が出せるのです。



ちなみに単に機能の高い塗料を使い塗装を施したとしても、条件が整わなければ
その性能は充分に発揮されません。

どんな性能のよい塗料を使っていたとしても、下地処理を充分に行ったうえで、
きちんと規定通りの施工を行っていないと何も意味を持たなくなってしまうこと
を付け加えておきます。

仕上げ塗りの施工方法には注意が必要です。仕上げ1回塗りでも性能を発揮する
材料もありますが、ほとんどの場合2回塗りが基本です。

さらに塗料を正確に希釈して使っているかも重要になってきます。塗料の希釈率
ですが、たいていは本体に対して3~8%くらいです。正確な希釈率を測るため
には、現場に升や秤を持ちこんで希釈をすることも大切です。

これら希釈率を測るための器具を使用しているかどうかも、きちんと施工できて
いるかどうかの目安になります。

仕上げ塗りに使う塗料を規定内の希釈率で使い、2回塗り重ねることによって初
めてカタログに記載されている耐久性が確保できるのです。



前回もお話をしましたが、塗料に付けられる機能について、どのような種類があ
るのかを振り返って上げていきます。

 防カビ性 塗膜にカビが生えないこと。
 防藻性  塗膜に藻が生えないこと。
 弾性   振動や揺れで塗膜が切れないような弾力があること。
 耐久性  太陽光や風雨などに晒されて簡単に劣化しないこと。
 安全性  病気やアレルギーの原因を作らないこと。
 低汚染性 空気や水を汚してしまう物質が含まれていないこと。

簡単に上げただけで、塗料にはこれだけの機能が求められるのです。塗料にそれな
りの性能を求めるなら、機能の高い物を選んで仕上げ塗装に使わなければなりませ
ん。

ただし注意しておく点は、塗料に使われている溶剤により、安全性や低汚染性は変
わっていくことです。ラッカーシンナーを用いた塗料の場合、耐久性の高い塗膜が
形成されるのですが、安全性や低汚染性には難点があります。

最近は塗装職人さんの健康問題や、アレルギーやシックハウスといった住む人の健
康問題、周囲の住人との環境問題も取りざたされていますので、高性能の塗料だか
らといって安全性が確認されない限り、むやみに用いることが出来ないのです。


ところで塗料について取り扱っていますと、最近よく話題に上がるのが「光触媒」
を使った塗料です。なぜ話題に取り上げられるのか、次回号では、光触媒を使った
塗料についてのお話を進めていきます。



ここでお話しは途中になりますが、次回のメールマガジン「ただ今大工修行中!」
へとお話しは続いていきます。

今回のお話しの続きは“建築材料について Part7 4回目”として、
11月 13日の配信となります。




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【 編集後記 】



自分の家で使っている20型のブラウン管テレビから最新式の地デジ対応形式
の32型テレビに買い換えることになりまして、今まで使っていた20インチ
サイズのテレビ台では小さかったので、テレビ台を自分で作ることにしました。

テレビ台に使う材料は主に現場で余って捨てられてしまう集成材の切れ端を集
めておいたものを再利用して、切ってビスで組み立てるだけの簡単な方法です。
新たに買ってきたものといえば、近所のホームセンターでキャスター4個(6
00円)を買ってきて取り付けたくらいです。

材料は自分の家にあったので新たに材料を買うことがなかったうえ、道具も全
て揃っていたので、自分で作ってみたらかなり立派なテレビ台が格安で出来て
しまいました。大工さんの技術があると、思わぬところで役に立つものです。



 次回の「ただ今大工修行中!」第120号は、通常通りの配信日である
 2009年 11月 13日の配信で予定しています。


 あなたのこのメールマガジンに対する意見やご要望をお聞かせください。
 読者の皆様からのご意見、ご感想、お便りお待ちしています。

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 『 ただ今大工修行中! 』 配信日は毎月13日、27日
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