2009/08/13
『 ただ今大工修行中! 』第117号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 『 ただ今大工修行中! 』 第117号 2009年 8月 13日 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 【 ごあいさつ 】 「ただ今大工修行中!」読者のみなさまこんばんは。 今号から新たに購読を始められた読者の方へ、始めまして。 ただ今大工修行中!のM・KAI(エム・カイ)と申します。 今回号では、【 建築材料について part7 】です。久しぶりに建築材料 についてのお話になります。 それでは、お話しさせていただきます。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 建築材料について part7 】 以前からメールマガジン「ただ今大工修行中!」を読まれている読者の方であれ ば気づかれていると思います。このメールマガジン内ではたびたび【 建築材料 について 】というタイトルで、建築材料にまつわるお話しを取り扱ってきまし た。 今までメールマガジンの中でどのような建築材料を取り扱ってきたのか、簡単に ご案内いたします。 第36号(2005年2月27日配信)ではコンクリートについて、 第45号(2005年7月13日配信)では畳について、 第53号(2005年11月13日配信)ではアスベストについて 第62号(2006年4月13日配信)では木の「新月伐採」について、 第85号(2006年10月13日配信)では木の「含水率」について、 第96号(2007年4月13日配信)では、タイルについて、 これまで7回に分けて建築材料についてのお話をしてきました。よろしければバ ックナンバーをご覧になってみてください。 まぐまぐ ただ今大工修行中!バックナンバー閲覧ページ http://www.mag2.com/m/0000115674.htm 今の時代に限らず、昔から建物を建てるためには様々な種類の材料が使われてい る事は、このメールマガジンを読まれている読者の方であれば充分ご存知のこと でしょう。 建築に使われるたくさんの材料がある中で、今回の【 建築材料について 】で 取り扱うのは、“塗料”についてです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 塗料自体は特別珍しい材料ではありません。昔から建築に使われてきただけでは なく、工作物、自動車、船舶、橋梁、電気機械、金属製品など幅広い範囲で使わ れている材料です。 工業の分野に限らなければ絵画に使われる絵具も塗料ですし、塗り物に使われる 漆(うるし)も塗料です。昔から身のまわりに存在し、ありふれた材料でもある のです。 建築以外の分野について塗料のお話を広げていきますと、書ききれないくらい膨 大な範囲に広がってしまいますので、ここでは建築で使われる塗料に絞ってお話 を進めていきます。 まずは建築で使われている塗料についての基礎知識からお話を始めていきます。 僕が建築材料についてのお話を扱う時にいつも参考にしている学生時代に使って いた教科書から、塗料についての解説を抜粋します。 ~☆~ 材料を保護し装飾することを目的に用いる材料が塗料である。塗料は対候性、 対薬品性、耐久性に優れていることが要求される。 塗料は乾燥後表面を被覆する材料(塗膜要素)と、これを溶かす溶剤(塗膜助 要素)、着色を行う顔料の3つからなる。これらの材料の性質をそれぞれ変化 させ、また組み合わせることによって非常に多くの塗料が出来る。 ~☆~ 材料を保護し装飾する、簡単にいえば建物の壁、屋根、塀など工作物の表面に 塗料を塗って塗装をすることです。塗料を塗ることで色や模様がつき装飾する ことが出来ますが、単に色や模様をつけるだけが塗装の目的ではないのです。 塗装には下地を保護するという目的もあります。たとえば金属であるトタン板 を使って屋根を仕上げた場合、金属の下地を現わしていたままではすぐに錆び が発生して、錆びでトタン板に穴をあけてしまいます。そこで錆びを抑えるた めの塗装が必要になるのです。 塗装には下地の表面を薄い塗膜で覆いかぶせて錆びるのを防いだり、下地に雨 水や埃といった汚れを浸透させたりしないよう保護する目的も関わってくるの です。 雨水や汚れを防ぐために塗膜を造り下地を保護するためには、保護する下地と 塗料との相性も欠かせません。どんな種類の塗料でも合うわけではなく、むや みに塗装することが出来ないのです。 塗装を行いたい場所や下地によって適切に取り扱うべき塗料が変わってきます。 その場所に合わせた専用の塗料があるのです。 たとえば塗装をおこなうための下地に当たる部分である屋根や壁にはモルタル やコンクリート、サイディング、ALC、木材、石こうボードといった材料が 使われています。 塗装したい場所が外壁の場合には、モルタルやコンクリートが使われているこ とが多くあります。モルタルやコンクリートはアルカリ性で、塗料は酸性なの で、通常の塗料をそのまま塗るとすぐに劣化してしまいます。それなのでモル タルやコンクリート用に開発された塗料があります。 塗装したい場所が屋根の場合、トタン板、スレート板、瓦が使われています。 屋根は、雨風に吹かれて日光にさらされる過酷な条件下です。毎日環境が変化 する過酷な条件下では耐久性の高い塗料である屋根用塗料が使われます。 ベランダや手摺といった屋外にある鉄で出来た物の最大の敵は錆びです。錆び は鉄をすぐに腐らせます。水分の浸透を防いで錆びを抑えて、下地の鉄部を保 護するための鉄部用塗料があります。 ブロック塀や外壁の塗装をする場合、塗料をそのまま塗るだけでは壁に変化が ありません。風合いや変化を出すためにリシンや吹き付けタイルといった凹凸 で模様をつけるのですが、それら模様をつけるための塗料があります。 室内を塗装で仕上げたい場合は室内の壁に適したソフトな色合いを持ち、臭い も少なく光沢のないつや消しタイプの塗料があります。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ メールマガジンおよびWebログ、相互紹介を募集しています。 詳しくは e-mail forbizm@nifty.com までご連絡ください。 なお懸賞系、在宅ワーク系、サイドビジネス系、出会い系、アダルト系は ご遠慮願います。 発行者 M・KAI(エム・カイ) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 塗装をしたい場所により適切な塗料を用いないと、せっかく塗装をしても全く意 味が無くなります。たとえば耐久性を求められる屋根に耐久性の少ない室内用の 塗料を塗ったとしても、塗料がすぐに剥がれおちてしまいます。 先ほどもお話をしましたが、塗装には表面を薄い塗膜で覆いかぶせて錆びるのを 防いだり、下地に雨水や埃といった汚れを浸透させたりしないよう保護する目的 もあるのです。 塗装で重要になってくるのが塗膜です。下地に塗装した時、塗料が溶かしている シンナーや水などの溶剤が蒸発することにより樹脂の膜を作ります。これがいわ ゆる塗膜でして、この塗膜が水や空気の侵入を防ぎ、日光をさえぎります。 塗料を塗ってから乾燥した後の、表面に形成される塗膜の1回塗り厚は0.1~ 0.2ミリ程度の非常に薄いものです。しかし、この薄い膜が下地を保護する為 に重要な意味を出してくるのです。 さらに塗膜には下地を保護する役割だけでなく色や模様をつけるといった装飾の 役割も兼ねています。これにはリシンや吹き付けタイルが使われます。 塗装をしたい場所により適切な塗料を用いないと、せっかく塗装をした意味が無 くなってしまいます。適切な塗料を選ぶということで、ひとつの例をあげてお話 を進めていきます。 それは木部に塗装する際に使われるペンキとステインの違いです。この2種類ど ちらも塗料であることは間違いないのですが、ペンキとステインの区別がつかず、 混同して考えられる方が多いのも事実です。 木部に使われる場合はこの2種類は全く違う目的に使われるものです。ここで木 部に使われる代表的な塗料であるペンキとステインの違いについてお話をします。 木部に使われる塗料にペンキやニスがあります。一般に液状で、シンナーや水と いった溶剤の揮発・乾燥によって固化・密着し、表面に塗膜を形成してつやを出 すと言った対象物の美観を整え、下地を保護する塗料であります。 逆に木部に塗装をして色をつけるのですが、ペンキやニスとは違い下地に浸透し て塗膜を作らない作用を持つものがステインやオイルです。 ペンキやニスは下地に塗膜を造って空気や水分の侵入を防ぎますが、ステインや オイルは下地の空気や水分を透過させます。 ここで勘の良い読者の方でしたら、木を使った下地の場合、空気や水分を透過さ せては木が腐る原因を造ってしまうのでは?と考えられると思いますが、使う材 料によっては、あえて空気や水分を透過させなければならない場合もあるのです。 以前メールマガジンの中で建築材料について取り扱った時に「木は呼吸している」 お話をしたと思いますが、そのお話を思い出してみてください。 木は湿気が多いと空気中の水分を吸収して膨張し、乾燥すると水分を放出して収 縮する性質があります。特に空気の環境が激変する屋外では常に湿度だけではな く温度も違うので、伸縮性の大きい屋外の部分に木を使う場合はペンキではなく ステインが最適なのです。 塗装した際に材料を包み込んで塗膜を形成してしまうペンキやニスでは、塗膜が 木の伸縮に間に合わず、塗装した後に塗膜のひび割れや剥がれの原因にもつなが るのです。 特に屋外にウッドデッキを使うように風雨に晒され日光に照らされ、毎日のよう に環境が変わる環境に置かれている場合は、木の伸び縮みが大きくなります。 さらにペンキやニスで塗装をして、塗膜を造ってしまうと木が呼吸して伸縮する 性質を妨げてしまうのです。木が本来持っている性質を利用し材料を長持ちさせ る為に、あえて空気や水分を透過させるには塗膜は必要ないのです。 そのためにオイルやステインに代表される、粘度が低く木の内部に浸透し、着色 するだけで材料その物の劣化を防ぐ塗料があるのです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ステインとペンキの違いについてお話をさせていただきましたが、もうひとつ付 け加えたいことがあります。ステインやペンキには使われている溶剤に種類が分 けられまして、水性塗料と油性塗料があることもお話しておかなければなりませ ん。 お話の始めにお話をしていたと思いますが、塗料を構成する要素として、乾燥後 表面を被覆する材料(塗膜要素)と、これを溶かす溶剤(塗膜助要素)、着色を 行う顔料の3つからなっています。 ちなみにこれはステインやペンキに限ったことではないのですが、建物に使われ る塗料には大きく分けて水性塗料と油性塗料の2種類があります。この水性と油 性という分類は、塗膜を溶かしている溶剤の種類による分類なのです。 油性塗料はシンナーなどの溶剤を使って薄める塗料ですが、水性塗料はシンナー を使わずに水で薄めることが出来る塗料です。 かつてペンキといえはシンナーなど臭いの強い有機溶剤で薄めなければならない ものが圧倒的に多かったのですが、最近ではアレルギーやシックハウス対策も考 慮しなければなりません。 これらの対策として、環境・健康・利便性等に配慮して溶剤に水で薄めて使うタ イプの塗料の比率も増えてきています。これがいわゆる水性塗料です。水性塗料 はシンナーと違い臭いが少ないので、住宅が密集した屋外で使う場合や、屋内に 使いたい時は水性が向いています。 水性だからといって必ずしも塗膜の耐久性が弱いわけではありません。現在では 塗膜の耐久性を高めた水性塗料も開発され、建築現場で使われています。 さらに塗料に水をはじく機能をつけたり、あらかじめ汚れを分解する機能がつい た塗料も存在しています。これらの塗料を使い塗装を行う場合、使用する場所や 塗膜の耐久性などで分類することが出来ます。 さらに塗装する前に行っておかなければならない重要な工程に「養生」と「下地 処理」があります。 次回はこれら塗料の機能と工程についても詳しくお話を進めていきます。 ここでお話しは途中になりますが、次回のメールマガジン「ただ今大工修行中!」 へとお話しは続いていきます。 今回のお話しの続きは“建築材料について Part7 2回目”として、 9月 13日の配信となります。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 編集後記 】 最近家電製品の広告を見る機会が多いのですが、パソコンや周辺機器の値段が 下がってきているのが解ります。ただし価格が下がったからといって性能が落 ちたわけではなく、逆に上がっているのです。 パソコンは年に3回はモデルチェンジすると言われていますので、たとえ最新 のモデルを買ったとしてもすぐに時代遅れになっていきます。これはパソコン に限らず家電製品は最新の性能を追い求めるといつまでも買うことができませ ん。 そういった事に詳しい人の場合、あえて新しい機器を追い求めずに必要に応じ てパーツを買ってきて、好きなように取り外して組み立てたりするようです。 広告を見ますと「初心者向けパソコン組み立てキット」というものが売られて いるのを目にします。以前から自分でパソコンを組み立ててみたいと考えてい ましたので、機会があれば組み立てに挑戦したいと思っています。 次回の「ただ今大工修行中!」第118号は、通常通りの配信日である 2009年 9月 13日の配信で予定しています。 あなたのこのメールマガジンに対する意見やご要望をお聞かせください。 読者の皆様からのご意見、ご感想、お便りお待ちしています。 現在は月1回の配信、13日のみの配信日となります。 『 ただ今大工修行中! 』 配信日は毎月13日、27日 ホームページ http://homepage3.nifty.com/jean_prouve/ e-mail forbizm@nifty.com 発行者 M・KAI(エム・カイ) このメールマガジンはいつでも解除可能です。 お手数ですが、ご自身でおこなってください。 http://www.mag2.com/m/0000115674.htm


