2009/05/13
『 ただ今大工修行中! 』第114号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 『 ただ今大工修行中! 』 第114号 2009年 5月 13日 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 【 ごあいさつ 】 「ただ今大工修行中!」読者のみなさまこんばんは。 今号から新たに購読を始められた読者の方へ、始めまして。 ただ今大工修行中!のM・KAI(エム・カイ)と申します。 前回号での予告通り、今回号では【 茶の湯にまつわるエトセトラ 2回目 】というタイトルでのお話しになります。 それでは、お話しさせていただきます。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 茶の湯にまつわるエトセトラ 2回目 】 始めてこのメールマガジンを読まれる方へ向けてお話しをしています。これか ら始まるお話しは、前回号のメールマガジンから続いています。 いつもの事なのですが、前回号を読まれていない読者の方へ向けてお話しをお さらいすることから始めていきます。 先週号に引き続き、さしがね会長のお話が続いています。 新たに会社が立ち上がり仕事も順調に流れ出し、軌道に乗り出した頃を見計ら い自分の子供に会社を継がせて引退し、現在さしがね社長は会長職となりまし た。 東京から上海への本社移転と、新たな会社の立ち上げという激務をこなして毎 日忙しかったさしがね会長ですが、今は引退して仕事からすっかり離れて、時 間がたっぷり出来てしいました。 毎日忙しく動きまわっていた人ほど時間がたっぷり出来たとたん、急に暇を持 て余すものです。 さしがね会長はあるとき自分が恐ろしく単調な生活をしていることに気がつき まして、このままの生活ではマンネリになっていけないから、何か新しいこと を始めなければならないと考えたのです。 さしがね会長が何か新しいことを始めるに当たり考えたことは、単なる道楽や 浪費ではなく、無駄使いをしない風流な遊びがしたいということです。 そこで思いついたのが、子供の頃に少しばかり習ったことのある「お茶の湯」 でした。そろそろ70歳にもなろうかというさしがね会長ですが、新たに茶の 湯を始めることにしたのです。 茶の湯を新たに始めるにあたり、堅実なさしがね会長は新築でお茶室を建てよ うなどという無駄使いは一切しませんでした。 自宅に遊びに来る息子夫婦や友人知人、仕事でお付き合いの出来た人たちへ、 お茶を始めてみたいので、格安な物件がありましたらお世話を願いたいと、来 る人全てに声をかけ続けてきました。 あちこちに頼んでおきましたところ、都心から2時間ほど離れた郊外に茶の湯 を始めるにはもってこいの物件がひとつ見つかったのです。この場所ならば生 活に何の不便もなく、自分の孫娘と一緒に茶の湯をしながら優雅な田舎暮らし が出来ると考えたのです。 さしがね会長はすぐに息子夫婦の同意を取り付けまして物件の購入を決め、孫 娘と2人で新たな地へと引っ越し、茶の湯を始めることにしたのです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 昔からことわざに従って行動を進めていくのがさしがね会長の習わしです。そ のことわざとは何かというと、「古きを訪ね新しきを知る」という言葉です。 茶の湯を始めるにあたり、さしがね会長は茶の湯について勉強してみることに したのです。たとえ遊びであっても手を抜くことはありません。 まず茶の湯で思い浮かぶ有名な人といえば千利休です。歴史に名を残す有名人 なので以前から名前くらいは知っていましたが、いったいお茶でどのような事 をして名を残してきた人なのか、さしがね会長は深く知りませんでした。 そこで千利休について、いろいろと調べてみることにしたのです。するとさし がね会長はある言葉に触れたのです。 高価な名物茶碗を盲目的に有り難がるのではなく、日常生活で使っている雑 器(塩壷など)を茶会に用いて茶の湯の簡素化に努めよ。 という言葉でした。この言葉はさしがね会長にとって、まさに目からウロコが 落ちる思いでした。 さしがね会長は以前から木造建築のお仕事にも携わっていましたので、茶室づ くりに関わることがしばしばありました。ある程度お茶に対して心得があった のです。 以前勤めていた会社には木造建築に携わる部署もありましたし、建材も一緒に 取り扱っていましたので、多少なりとも和の様式に絡む仕事にも関わってきま した。しかし、それらの仕事は好きになれない場合が多かったのです。 なぜかと言われれば、自分の趣味に合わない仕事ばかりだったからです。 贅沢の限りを尽くし、お金を湯水のごとく使う。 名器といわれる茶碗やお茶の道具を手に入れる。 金襴の縁をとった畳敷きの部屋、金や銀で彩られた屏風や燭台に囲まれた茶 室を造りそこでお茶を飲む。 こういった行為は調べてみると千利休が活躍していた戦国時代からあるもので した。 さしがね会長が現役で仕事をしていた時も同様、この風潮は続いていました。 無駄使いを好まないさしがね会長にとってはどれも苦痛になる仕事ばかりで、 好きにはなれなかったのです。 しかし千利休はこの点で誰とも違いました。千利休は“これ以上何も削れない” という極限まで無駄を省いた侘び茶を大成させた人だったのです。 侘びの対象を茶道具だけではなく、茶室の構造やお点前の作法など、茶会全体の 様式にまで拡大して、ひとつの流儀を作り出したのです。 その影響力は計り知れなく、織田信長や豊臣秀吉といった当時の戦国武将にまで 多大な影響を与えたのです。 昔から無駄な浪費など一切せず、お金を貯める一方の貯金道楽者のさしがね会長 にとって、これ以上何も削れないという侘び茶はとても魅力的に映り、こんなに も自分自身に当てはまる人物はいませんでした。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ メールマガジンおよびWebログ、相互紹介を募集しています。 詳しくは e-mail forbizm@nifty.com までご連絡ください。 なお懸賞系、在宅ワーク系、サイドビジネス系、出会い系、アダルト系は ご遠慮願います。 発行者 M・KAI(エム・カイ) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 歴史に残る茶人は千利休だけではありません。千利休の弟子にあたる人物に武士 でありながら茶人でもあった古田織部という人がいました。 古田織部は大胆かつ自由な気風を好む茶人でして、茶器製作・建築・造園などに わたって「織部好み」と呼ばれる一大流行を安土桃山時代にもたらした人物でも あります。 千利休が大成させた茶道を継承しつつ、利休の「人と違うことをせよ」という教 えを忠実に実行し、千利休とは対照的な動的で破調の美を確立させ、それを一つ の流派に育て上げた人でもあります。 昔から無欲で浪費などせずお金をためる一方の貯金道楽三昧の人生。さしがね会 長が歩んできた人生は周囲の人とは少し違う人生でした。 極限まで無駄を省いた侘び茶や、「人と違うことをせよ」についても、周囲の人 とは少しばかり違う人生を歩んできたさしがね会長にとってぴったりの生き方な のでした。 千利休、古田織部といった茶人を見ていると、さしがね会長には思えることがあ りました。 茶の湯とは型にはまっていて近寄りがたい印象がある世界に見えますが、以外に も自由闊達な世界でありまして、他の人が思いつかないこと、他人と違う事を表 現する世界でもあったのです。 水のごとく自由闊達に場所や時代によりそのかたちを変え、常に変化し続けて、 かたちにとらわれることがないのです。それなのでお茶にはお流儀がたくさん存 在しているのです。 茶の湯というこれまでにない深い世界があったことに驚き、茶の湯に関わる事に ますます気に入り、本格的にお茶を覚えて自分なりの遊びの流儀を造っていこう と、さしがね会長はこう考えたのです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 自分なりの遊びのお流儀を造っていくに当たり、まずは自宅にあるお茶室の名前 を考えてみることから始めることにしました。何事に対してもまずは先人の知恵 を拝借して、昔から続く形から入るのがさしがね会長の流儀です。 自分の流儀に従いお茶室の名前を決めようと、有名な茶室の名前を参考にする事 にしました。まずは千利休が造り現在の世にも残っている茶室があることを知り ました。 その茶室の名前は、妙来庵待庵(みょうきあんたいあん)と呼びます。 日本最古の茶室建造物であると同時に国宝にも指定されていまして、千利休が残 したと伝わっている唯一の現存する茶室であります。 にじり口といわれる狭い入口が設けられ、2〜3畳の畳がひかれた小間(こま) の茶室の原型であり、数奇屋建築の原型とされている建物です。 自分が行いたいのはあくまでも風流な遊びのお流儀を見つけることです。お遊び にしてはちょっと堅苦しく、名前がぴったり合う印象ではなかったので、他の茶 室も調べてみることにしました。 他にも有名なお茶室に叙庵(じょあん)という名前の茶室がありました。この名 称ですが、調べてみると名前の付けられ方の由来が妙なのです。 この茶室を造ったのは織田有楽斎(おだゆうらくさい)という人物です。織田有 楽斎といえば千利休の弟子にあたる人物であり、戦国武将織田信長の弟に当たる 人です。 一説によれば庵主である織田有楽斎のクリスチャンネーム「Joan」または「Joha n」から付けられたといわれます。こういったところに、かたちにとらわれないお 茶の遊び心見えました。茶室の名前の由来に外国の要素が入ったユニークな名前 だったのです。 この茶室の名前の由来は「人と違うことをせよ」という千利休の言葉に当てはま る付け方でして、とても参考になる茶室の名前でした。 お茶についていろいろと調べているうちに、孫娘もお茶の遊び心が気に入ったよ うでして、一緒になって茶の湯に興味を持ち始めまして一緒に茶の湯をしてみた いという運びになりました。 そこで孫娘と2人でいろいろな名前の候補を挙げ、1週間ほど考えに考えた挙句、 織田有楽斎の真似をして自分の孫の名前を付けてしまえばいいと、さしがね会長 は思ったのです。 孫娘の名前が英理(えいり)ちゃんと言います。これに庵を付けますと風流で遊 び心のある名前だということで、お茶室の名前を英理庵(えいりあん)とするこ とに決めたのです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ お茶室の名前が英理庵(えいりあん)という名前になりました。日本語の読み方 ではいかにも風流でお流儀がありそうな名前になったのですが、捉え方で妙に変 わってしまう名前でもあります。 これをそのまま英語に直しますと、有名な映画のタイトルであるAlien(エイリア ン)となってしまいます。 ある日昔からの顔なじみである営業マンがお引越しのご挨拶に伺いました。さし がね会長の元へ顔を出したとき、ふと茶室に目を向けると妙な看板が茶室の入口 に取り付けてあることに気がつきました。 ここは英理庵であると言わんばかりに、堂々と看板が掲げてあります。 エイリアンなんて、お茶を飲みに来たお客を喰い物にでもしそうな物騒な名前を 考えついたものです。こんな名前のお茶室ではお茶なんぞ飲みづらいだろうと思 いつつ、営業マンはその言葉を飲み込みました。 ちなみに先ほどお話をした「織部好み」という言葉に対しまして「利休好み」と いう言葉があります。今回の名前のつけられ方は完全な利休好みです。 「織部好み」の意味は、古田織部が好んで用いた主に緑釉を使った器の事を指す のですが、当時としては珍しくて超モダンな器を「織部好み」と呼んだ事が始ま りだと言われています。 それに対して「利休好み」とは、茶人風であることという風流な意味合いがある のですが、別にもうひとつの意味合いがあります。 もうひとつの意味は“物好きである”ことでもあります。こんな物好きな名前を 考えだすとは、昔から人と違う事を好む物好きなさしがね会長らしいと、挨拶に 伺った営業マンは思ってしまったのです。 しかし、当の本人たちは遊び心のある風流な名前を考えつき、それがすっかり気 に入ってしまい、利休好みな名前であることには気が付いていません。 風流な遊びのお流儀をつくり出そうという前から、なんだか雲行きが怪しくなっ てきました。しかし、まだ序の口にすぎません。 孫娘と英理ちゃんと一緒にお茶の湯を始めることで、これから予想も出来ないよ うな展開が始まるのです。 ここでお話しは途中になりますが、次回のメールマガジン「ただ今大工修行中 !」へとお話しは続いていきます。 今回のお話しの続きは【 茶の湯にまつわるエトセトラ 3回目 】としまし て、6月 13日の配信となります。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 お知らせ 】 読者の皆様に向けて、僕のメールマガジンに関してのお知らせをしておきたいこ とがございます。 今までメールマガジン配信サービス「まぐまぐ」にて、全てのバックナンバーを 閲覧できるように設定してありましたが、諸般の事情により現在最新号のみのバ ックナンバー閲覧設定と切り替えてあります。 しばらくの間、設定を切り替える予定はありません。今後もしバックナンバーを 読む必要があるようでしたら、僕のメールアドレスまでご連絡ください。 e-mail forbizm@nifty.com 発行者 M・KAI(エム・カイ)宛てにお願いします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 編集後記 】 2年前に買い替えた自家用車が先月車検を迎えました。僕はいつも日産系列の新 車を販売しているディーラーに修理や点検を依頼していまして、そこで時々新車 を見かけるのですが、最近は自分好みの車がなくて新車には興味を無くしていま した。 あまり新車を見ても乗りたいなと思えなかったのですが、久しぶりに欲しい車を 見つけました。X−TRAIL(エクストレイル)です。 シートを含む車内全体が防水仕様になっていまして車の中に自転車やスノーボー ドをそのまま積めるのです。それに室内が広いので荷物がたくさん積めます。こ の車だったら使い勝手が良さそうでして仕事でもプライベートでも使えそうです。 防水仕様ですから多少の汚れならばすぐに弾いてしまいますし、木屑を積んでも 後の掃除が楽ですので気になりません。大工仕事が出た時は大工道具を積めます し、屋根にキャリアがつけられるので長物の脚立や足場板なども積んで運べそう です。 僕は自分の車に時々大工道具や自転車を積んで移動しているのですが、荷物が入 らず何かと不便なところも多いのです。X−TRAIL(エクストレイル)なら ば自分にぴったり合いそうな車でしたし、仕事にも使いやすそうなのでとっても 興味を持ってしまいました。 次回の「ただ今大工修行中!」ですが、【 茶の湯にまつわるエトセトラ 3回目 】としてお話しを続けていきます。 第115号は通常通りの配信日である2009年 6月 13日の配信で 予定しています。 あなたのこのメールマガジンに対する意見やご要望をお聞かせください。 読者の皆様からのご意見、ご感想、お便りお待ちしています。 現在は月1回の配信、13日のみの配信日となります。 『 ただ今大工修行中! 』 配信日は毎月13日、27日 ホームページ http://homepage3.nifty.com/jean_prouve/ e-mail forbizm@nifty.com 発行者 M・KAI(エム・カイ) このメールマガジンはいつでも解除可能です。 お手数ですが、ご自身でおこなってください。 http://www.mag2.com/m/0000115674.htm



