2009/03/27
『 ただ今大工修行中! 』第112号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 『 ただ今大工修行中! 』 第112号 2009年 3月 27日 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 【 ごあいさつ 】 「ただ今大工修行中!」読者のみなさまこんばんは。 今号から新たに購読を始められた読者の方へ、始めまして。 ただ今大工修行中!のM・KAI(エム・カイ)と申します。 前回号での予告では【 茶道にまつわるエトセトラ 】というタイトルでのお 話しをしていこうと思っていましたが、急遽お話の内容を変更します。 今回号では久しぶりに困ったお話をしていきます。それなのでタイトルは【 困ったもんだ part11 】になります。 それでは、お話しさせていただきます。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 困ったもんだ part11 】 世の中には様々なお仕事が存在しているものです。 僕は大工さんとして建築現場に出向きお仕事をしながら、同時に複数の派遣会 社に登録し派遣社員としても働いているので、ひとつのお仕事だけにとどまる ことは決してありません。 今までに関わった職種を振り返って数えてみれば、楽に10種類以上の職種に 関わってきました。さまざまな職種を経験してみると、世の中の人々は自分の 予想も出来なかった分野のお仕事で生計を立てているんだな、ということが実 感出来ます。 たとえば僕の場合、本業の建築だけでなく様々な派遣会社から舞い込んでくる 複数の分野でのお仕事も一緒にこなしています。 派遣会社に登録して仕事をしていますと、業務マニュアルの類に触れる機会が とても多いのです。 業務マニュアルに触れる機会が少ない方にとっては未知のものでしょうが、業 務マニュアルは現代の世の中において無くてはならない存在でもありますので、 触れる機会が多い読者の皆様もいらっしゃることでしょう。 ひとつのお仕事に対して段取りや流れといった詳細が書かれている「業務マニ ュアル」というものが存在しています。お仕事の内容が製造業であろうとサー ビス業であろうと、これはどんな分野でも共通しています。 ちなみに飲食業大手のマクドナルドでは分厚い業務マニュアルを使って日々の 業務を行っていることは有名なお話です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ たとえば僕は本業である建築関係のお仕事をしながら、PC関連のセッティン グ業務も同時に行っています。 PC関連のセッティング業務について言いますと、業務拠点ごとに違う作業に なりますので、その業務に合った業務マニュアルが必ず存在しています。 PC関連のセッティング業務では、作業前日までに業務マニュアルが渡される のが通常です。 作業前日までにすべての作業工程や流れを把握し覚えておく必要がありますの で、業務マニュアルを熟読しておき、当日も作業拠点に持ち込んで業務マニュ アルを閲覧しながら作業に取り掛かるのです。 PC関連で使われるセッティング業務マニュアルは完成度が高く、全ての作業 に関してマニュアルに従っていけば、たいていミスがなく業務は終了していき ます。 業務マニュアルに従って作業さえしていればミスが発生することはないのです。 現場で難しい判断を迫られそこでミスが発生してしまい、周囲に迷惑をかける ことが少なくなりますので使われ方によってはこんなに便利なものはないでし ょう。 ただ残念なことに、業務マニュアルは完璧でこれさえ読んでおけば何の心配も ない、という訳にはいきません。そんなに話は上手く出来ていないのです。 当日になっていざ作業を始めてみると、マニュアルに抜け落ちている部分が存 在していたり、作業拠点で予想もしていないパターンが発生しエスカレーショ ンが必要になったりと、その場の状況に応じて行動しなければならない事もけ っこうあります。 やみくもに業務マニュアルに従えば良いというわけでもありません。状況に応 じて現場の空気を読むことも大切なのです。 どんな素晴らしい業務マニュアルだとしても、さすがに現場の空気の読み方ま では業務マニュアルに載っていないのです。 ちなみに「空気を読むこと」これはとても難しいことでして、販売やサービス 業に携わる分野の方や、お笑い芸人さんでしたら必ず身につけている能力です。 この能力が乏しくて現場で空気を読めず、ひたすら業務マニュアルに従って仕 事を行ったがゆえに全てが裏目に出てしまう展開もあるのです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ たとえば、マニュアルに従って業務を行ったがゆえに全てが裏目に出てしまう 展開なのですが、最近とても参考になるお話がありましたので、これからその お話を始めていきます。 あるところに消火器の販売と配達のサービスを取り行っている会社がありまし て、その会社ではアルバイトさんを数人雇い消火器を販売するお仕事をしてい ました。 そちらの消火器販売サービスを行う会社では全ての業務に関してのマニュアル が存在していまして、業務マニュアルに則ってお仕事を進めていくのが決まり になっていました。 業務の中には消火器を販売するだけではなく、同時に配達をして注文先の家ま でお届けするサービスもありまして、事務所に電話が入ると次の日にアルバイ トさんが指定されたお届け先まで配達に向かうシステムになっていたのです。 ある日のこと、この会社の事務所あてに消火器を届けてほしいという注文が入 りました。ここまではごく普通のお話なのですが、この後からお話が奇妙に可 笑しくなっていくのです。 消火器配達の注文を受けまして、次の日に女子高校生のアルバイトさんがひと り自転車に消火器を積んで、指定された場所へ届けに行ったのです。 アルバイトさんはお届け先が初めて行く場所でして、見当もつかないまったく 知らない場所だったので、地図を片手に見ながら配達先に向かっていました。 あともう少し先を進んで角を曲がったらお届け先に着くという場所まで来まし た。アルバイトさんがちょうど角を曲がったそのとき、想像を絶する光景を目 にしてしまったのでした。 なぜ想像を絶する光景だったのかといいますと、前日に注文を受けて指定され た時間通りにその場所へ消火器を届けに行ったところ、お届け先の家が既に全 焼していたからなのでした。 事実は小説よりも奇妙なり、という言葉がありますがそれを地でいくようなお 話の展開なのです。前の日に注文を受けた消火器の配達が、次の日の火事に間 に合わなかったのでした。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ メールマガジンおよびWebログ、相互紹介を募集しています。 詳しくは e-mail forbizm@nifty.com までご連絡ください。 なお懸賞系、在宅ワーク系、サイドビジネス系、出会い系、アダルト系は ご遠慮願います。 発行者 M・KAI(エム・カイ) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ お届け先の家が火事に遭い既に全焼していまして、柱が4本だけ残って燃え残っ ていまして、現場では焼け落ちた炭がごろごろと転がっている状態でした。 現場は騒然としていまして、消防車やパトカーがたくさん集まり、既に消火活動 を終えて道具を片づけ始めている消防士さんや、現場で交通整理をしているお巡 りさんがたくさん来ていたのでした。 たくさんの消防士さんやお巡りさんが現場検証をしているその中に、一人だけエ プロンをつけて呆然と立っている、明らかにその家の住人であるという感じの5 0代くらいの女性がいました。 勘の良い人でしたらこの場で巧みに空気を読んで適切な対処をすることでしょう が、社会経験の少ない若い女子高校生のアルバイトさんはこの場で空気を読み切 ることが出来ませんでした。 なぜかと言えば会社の業務マニュアルの中には、指定されたお届け先まで消火器 をお届けにあがって、必要な書類にハンコを押してもらい、その書類を事務所ま で持って帰らないとアルバイト料が入らないという仕組みになっていたからなの です。 アルバイトさんはこの場で消火器を届けようかどうしようか、と思いつつ、さら に、 「消火器をお届けにあがりました。」 というひと言をこの状況で言おうか言うまいか、頭の中に思いが廻っていたので した。 ちなみにどんなことが頭の中を廻っていたのかといえば、このひとことを言った がゆえにその場で殺されかねない状況が発生するからです。 しかしこのアルバイトさん、意を決してお客様の元へ消火器を届けに上がったの でした。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 消火器販売会社の業務マニュアルの中には、お客様のもとへ消火器を届ける際に は明るく元気にあいさつをして、それから必ず、 「消火器をお届けにまいりました。」 と言わなければならない決まりになっていました。 意を決したアルバイトさんはお客様に明るく元気に声をかけたのでした。 お客様は一瞬ものすごくおどろいた表情を浮かべながら、次には疲れ切った顔を して、 「ご苦労様。」 とひとこと返してきました。 家の周りで現場検証をしていた消防士さんやお巡りさんは同時に振り返り、 「今さらかよ。」 という顔をしながらアルバイトさんを冷やかに見ていました。 アルバイトさんも必死でした。現場の空気はものすごく重たかったのだけど、自 転車から積んできた消火器を下ろし、業務マニュアルに従って次の仕事に取り掛 からなければなりません。 どのような仕事があるのかというと、届けた時には消火器の操作についてその場 で説明をしなければならない決まりがあるからなのです。 ちなみに操作についての内容を説明しますと、このような事です。 まずは黄色の安全栓を上方向に引き抜きます。安全栓は、レバーの握りのロッ クの役割をしていますので忘れないようにしましょう。 次にホースを外し火元に向けるのです。かなり圧力のかかった薬剤が放射され てくるので近づきすぎると熱でやけどをするおそれがあります。 そしてレバーを握ります。消火器の中に入っているガスボンベにレバーのとが った先端部分が刺さり、消火器内に圧力を発生させ薬剤を放射させます。 アルバイトさんは火事が既に治まった現場で、お客様に対してこの説明を延々と 行ったのでした。現場の空気が読み切れていません。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 次に、消火器を注文してくださったお客様に渡すサービス品がありました。 季節によってサービス品は変わるのですが、今回お渡しするサービス品として、 普段は座布団にもなる防災頭巾と、いざという時に役に立つ防災安全のしおりを 置いていきました。 ちなみに防災安全のしおりの中には、このような文章が書かれていました。 いざという時、消火器を取り扱えるように日頃から消火器の設置場所を確認し ておきましょう。 高温多湿の場所に長年設置していますと消火器の底が腐食し、それを知らずに 圧力がかかるとロケット状態になり飛び出し、大変危険ですので日頃からの点 検も心掛けましょう。 消火器が使える初期消火段階とは、建物の天井にまでには炎が燃え移っていな い段階です。火災発生からはわずかな時間ですので、火が天井に燃え移った時 は迷わず建物外へ避難しましょう。 この文章を目にしたお客様はその場で固まってしまいました。 そして、必要な書類にハンコを押して欲しいというところまで話が進んできまし た。 繰り返しますが、消火器配達の業務マニュアルの中には必要な書類にハンコを押 してもらい、その書類を事務所まで持って帰らないとアルバイト料が入らないと いう仕組みになっていました。 しかしお客様はハンコを持っていないのです。なぜかと言えばそれは全てが燃え てしまったからなのです。 消火器配達の業務マニュアルの中には、ハンコがない時はサインをいただく決ま りになっていました。そこでアルバイトさんは必要書類にサインをしていただき、 最後の仕事に取り掛かりました。 消火器販売の業務マニュアルの中には、最後に必ず言わなければならない一言が あります。それは、 「1年後にまたお取り換えにまいります。」 お客様から返ってきたひとことが、 「来年はいいから。」でした。 このひとことを言われてアルバイトさんは現場から逃げるように帰ってきたとい うお話でした。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今回のお話ですが、単純に業務マニュアルに従ったがゆえに全てが裏目に出てし まったという、見事なまでの話の展開なのです。こんなお話は想像で作ることが 出来ません。 ちなみに僕が尊敬している爆笑問題・太田光さんの発言として、「空気」を読め ないとはそんなに悪いことなのか、と言っています。 今どきの小中学生は、「空気」を読めない人間と思われることを気にしすぎなの ではないか、とあり、太田さん自身はそう言われることはまったく気にしないと 言っています。 ただし、これには例外がありそうです。状況によっては巧みに空気を読む必要は あると思えるのです。 今回のお話は空気を読める器量を測る物差しみたいな内容でして、お話を読んで 大笑いすることができれば、巧みに空気を読める人であるということです。 たくさんの人々がそれぞれの事情を抱えて、それぞれの意識で毎日の生活をして いるのですから、同じ日本語を話す人だからと言って持つ意識が違うことは当た り前です。それに人の意識は状況によってコロコロと変わります。 さらに仕事にはお金が絡んできますので、人の意識はこれだけでも確実に変わり ます。その場の状況によって素早く展開し対応するのは当たり前の能力です。 特にサービス業に従事する者の場合は、やみくもに業務マニュアルに従って行動 すればそれで良い、なんて訳にはいかずその場の状況に合わせてお客様の空気を 読んで行動することが大切なのです。 この女子高校生アルバイトさんはお仕事先で空気を読み切れず、大失敗をしてし まいました。 ここまで空気が読めなかったとは、困ったもんだ! ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 お知らせ 】 読者の皆様に向けて、僕のメールマガジンに関してのお知らせをしておきたいこ とがございます。 今までメールマガジン配信サービス「まぐまぐ」にて、全てのバックナンバーを 閲覧できるように設定してありましたが、諸般の事情により現在最新号のみのバ ックナンバー閲覧設定と切り替えてあります。 しばらくの間、設定を切り替える予定はありません。今後もしバックナンバーを 読む必要があるようでしたら、僕のメールアドレスまでご連絡ください。 e-mail forbizm@nifty.com 発行者 M・KAI(エム・カイ)宛てにお願いします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【 編集後記 】 最近は暗いニュースばかりが飛び交っていますが、なぜか僕のもとでは笑えるお 話がたくさん飛び交っています。今回のメールマガジンで取り上げたネタも、実 は最近舞い込んできたばかりのお話でした。 笑えるお話があればそれをたくさんの人に伝えていき、ひとりでも多くの人々を 笑わせるのが僕のメールマガジンでの役割だと思っています。 世の中の状況を見ていますと春闘では定期昇給を見送り、ベースアップもゼロ回 答といった暗く笑えないニュースばかり舞い込んできます。 世の中では笑えるお話が少なくなっていますので、少しでも笑って楽しい時間を 過ごしていただけると嬉しいなって思っています。 今回号では前回号にて予告をしていましたタイトル【 茶道にまつわるエトセト ラ 】を変更してお話を進めてきました。 次回の「ただ今大工修行中!」ですが、以前から予告しています【 茶道にまつ わるエトセトラ 】のお話しをしていきます。 第113号は通常通りの配信日である2009年 4月 13日の配信で予定し ています。 あなたのこのメールマガジンに対する意見やご要望をお聞かせください。 読者の皆様からのご意見、ご感想、お便りお待ちしています。 現在は月1回の配信、13日のみの配信日となります。 『 ただ今大工修行中! 』 配信日は毎月13日、27日 ホームページ http://homepage3.nifty.com/jean_prouve/ e-mail 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