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2008/08/10

★SLN-96 アメリカビザ申請★

★SLN−96 アメリカビザ申請★

みなさんこんにちは。
新さっぽろリーガルネットの松山です。

諸事情により大変発行が遅くなりましてすみません。今後,また従来どお
り発行してまいりますので,よろしくお願いします。

先日,アメリカ合衆国の短期観光ビザ申請の書類作成をしました。
短期観光ビザなんていらないだろう?前に査証相互免除の話をしたのにど
ういうことだ?!(08/10/13発行★SLN−85参照)

アメリカ合衆国その対象の国であることは言うまでもありませんが,「あ,
なんかニュースで聞いた気がする。」という方もいるかと思います。
実は,来年1月12日(予定)から短期であっても,ビザじゃないビザみ
たいな制度(「Electronic System for Travel Authorization: ESTA」と
呼ばれています)が義務化されます。そして,その試行実験的に,8月1
日(今月)から任意の申請が始まりました。今後アメリカに渡航される方
はお気をつけください。
詳しくは
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20080604-70.html
をご覧ください。

と言うわけで,今日はESTAについてお話しました〜〜〜。
また次回^^


と言うのは冗談で,まじめな本題はこれからです。

実は,懲役判決(現在執行猶予中)を受けたことのある方からの依頼でし
た。通常は,こういう場合は,入国を拒否されます。
国際的にも,出国には甘く,入国は厳しくというのが通例ですが,テロ防
止や無秩序な移民防止のため,特に米国は入国が厳格です。
ちなみに,EU圏内への入国ですと,日本国籍であればほぼパスポートの
提示だけで,入国カードなどの記入もないようですが,もちろん形式的に
は入国審査官の権限があることを忘れてはいけません。

さてそこで,依頼人は,米国政府の外郭団体的なところが提供している有
料の質問サービスを利用したところ,「それは事前にビザ申請をした方が
いい」とのアドバイスをもらったとのことです。
その情報サービスはこちら↓
http://japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-nivcontact.html#phone

もちろん,申請=ビザ発行ではないことは依頼人もよくわかっていました。

それでもやれるだけのことはやってダメなら仕方がない,という前提で申
請をしたい,とのことでした。

面接の予約はしたが,事前に提出する書類の期限が迫っているし,書類に
不備があってはいけないので,依頼したい,とのことでした。

基本的にはそんなに書類はないのですが,判決の謄本を添付したりする必
要もありますし,任意の書類をたくさんつけることにもなりました。
しかも日本語のものはすべて英訳をつける必要があります。
判決謄本はもちろんですが,戸籍謄本や残高証明などもやってみると結構
専門的な英訳が必要となり,面倒です。
本人が翻訳屋さんに頼んでそれから申請書を英語で書くというのは,時間
的にかなり厳しいだろう,と判断し,私が一括してやることにしました。

ところで,なぜ依頼人はそこまでして渡米する必要があるのでしょうか。
実は,自分たちの結婚式を米国の某リゾート地で執り行うことが夢だった
のです。
既に入籍は済んでいましたが,パスポートを取得するのにも申請から半年
(しかも米国限定・期間限定です),ようやくビザ申請までたどり着いた
のです。

そんな犯罪経歴のある人の依頼など断ればいいじゃないかという考えもあ
ろうかと思いますが,犯罪経歴のある人といえども,基本的人権を享有す
る一人の人間です。
また,私は刑罰は応報よりも更生に力点があると考えておりますので,一
生に一度のことですし,念願の教会での誓いで悔い改めてくれればと願い
ました。

ポイントは米国へ逃亡しないということを如何に示すかだと思います。そ
こで依頼人の同意を得て,申請書の質問欄にあった旅程の部分を別紙にし
て詳しく記述し,さらにこれを公証役場で宣誓証書にしてもらったりもし
ました。私自身,宣誓証書にかかわった事案は初めてでした。これが功を
奏するのかどうかも不明でした。

そして,申請書セットは完成してこれを送り,後は面接期日を待つばかり
でした。


面接の結果は,ビザ不適格。


やはり厳しい現実を体験しました。情報サービスのアドバイスはなんだっ
たのか,と依頼人もがっかりです。初めからダメだと教えてくれれば,と。
ただ,このあと,この不適格に対する免除申請ができます。不服申立のよ
うな制度です。確かに,これがあるので,情報サービスの段階では,一律
に「それは発給されない」と断言もできないのでしょう。さらに領事には
大きな裁量があるでしょうから,情報サービスの段階では「ビザを申請し
た方がいい」というアドバイスこそが模範解答だったのかもしれません。
事案によっては,超法規的措置がなされるのだと思います。
これによって結果が覆ることはさらに厳しいでしょうが(おそらく,政治
犯で失脚して懲役を受けていて復権したような場合など極めて例外的では
ないかと思います),この方法も選択肢のひとつです。

もっとも,今回の依頼人は,挙式を沖縄に変更することになりました。た
だ,ハネムーンをかねて,海外旅行へは行ってみたいということで,米国
以外への旅行を検討中です。


日本の許認可でもそうですが,とにかく欠格事由・不適格事由に該当しな
いようにしなければならないことを改めて思い知らされました。

(今回のメルマガは 松山 が担当しました。)


<本メルマガにおいて,守秘義務上必要な場合は,依頼人の承諾を得て掲
載しています。>

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