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2008/06/04

【知財ニュース】第243号

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〜知財情報局のブライナがお届けする知財メルマガ〜
                    2008年6月4日号  No.243
          知┃ 財┃ ニ┃ ュ┃ ー┃ ス┃
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  http://braina.com
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 こんにちは。「知財情報局」の編集部です。「知財情報局」のニュースのなか
から、皆さんの関心が高そうなニュース、お役に立ちそうなニュースを選んで、
メルマガでお届けする「知財ニュース」。 243号は、録画転送機器レンタルサー
ビスとコカコーラの瓶の立体商標に関する訴訟のそれぞれの判決、知財推進計画
2008に向けての「デジタル・ネット時代の著作権制度のあり方」「日本の中・長
期的な知財政策」という大きな課題に対するそれぞれの提言、の4件のニュース
と付録3件、計7件のニュースです。
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に実施されます。
(それぞれ、続きの詳細は本メルマガの末尾に掲載)
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【1】テレビ番組の録画転送機器のレンタルは著作権侵害、東京地裁判決

 テレビ番組を日本の親機で録画し、ネット経由で海外の子機で視聴できる「イ
ンターネット親子ビデオ」のレンタルサービスを提供していた日本デジタル家電
(浜松市)を、NHKと民放テレビ局9社が著作権法違反で訴えていた訴訟で、
東京地裁は5月28日、著作権侵害を認め、計733万円の支払いと録画機器の廃棄
などを命じた。

 日本デジタル家電は「ロクラク」と名付けたHDDレコーダーを利用者にレン
タル。国内に設置した親機がユーザーが指定した放送を録画し、海外でユーザー
が子機を操作してネット経由で視聴できるサービスを提供していたが、テレビ局
は、番組複製権の侵害にあたるとして総額約1億3800万円の損害賠償などを求め
て提訴していた。

 同社は、「機器のレンタルサービスであり、親機の管理にもかかわっておらず、
テレビ番組を複製する行為の主体はユーザーである」として、ユーザーによる私
的複製行為であって著作権侵害にはあたらないと主張していた。しかし、清水節
裁判長は、「同社は、サービスを利用するための環境の提供も含め、親機を実質
的に管理し、テレビ番組を複製する行為も管理支配して、利益を得ており、録画
が私的目的か否か、ユーザーの指示に基づくか否かに関係なく、著作権侵害にあ
たる」と判断し、計733万円の支払いと録画機器の廃棄などを命じた。

【詳細】平成19(ワ)17279 著作権侵害差止等請求事件
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080529122138.pdf
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【2】知財高裁、コカ・コーラの瓶の形状を立体商標と認める

 コカ・コーラ米国本社が、コカコーラの瓶の形状を立体商標として認めるよう
求めた訴訟訴訟で、知財高裁は5月29日、「形状を変えずに長期間販売し、ブ
ランド・シンボルとして認識されている」として、立体商標と認めなかった特許
庁の審決を取り消した。

 同社は2003年に、コカコーラの瓶の立体商標登録を出願したが、特許庁は2007
年、「容器だけでは他社商品と識別できず、Coca-Cola と記されたラベルとの組
み合わせで識別される」として、認めなかった。

 飯村敏明裁判長は「形状そのものはコーラ飲料の容器として予測可能な範囲」
と形状の独自性は否定したが、「販売開始以来、50年以上一貫して同じ形状で、
その形状を印象づける広告も継続され、多くの人はロゴがなくても形状だけでコ
カ・コーラと認識している」として、コカコーラの瓶は自他商品識別能力を獲得
しており立体商標として登録できると判断、立体商標と認めなかった特許庁の審
決を取消した。

 なお、商品の形状自体が立体商標として認められたのは、昨年の「マグライト
」に続き2件目だが、容器の形状では日本初となる。

【詳細】平成19(行ケ)10215 審決取消請求事件
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080529172621.pdf
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【3】デジタル・ネット時代の著作権制度の課題とあり方を提言 

 内閣の知的財産戦略本部の「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査
会」が5月29日に開催され、今後の知財制度のあり方についての検討経過報告
が公表された。一部の問題は特に緊急性が高く、6月にまとめられる「知的財産
推進計画2008」に位置付け、早急に解決すべき事項として法的措置を構ずるべき
であるとしている。

 同専門調査会は、知的財産戦略本部が、近年のデジタル技術の発展やネットワ
ーク化の進展に対応した知財制度の課題と対応のあり方を調査・検討を行なうた
め設置したもので、(1) 日本が国際社会で競争力を発揮していくには、デジタル
情報技術のメリットを活かし、ネットビジネスの発展や技術開発を促すとともに、
クリエーターの創作インセンティブを高める基盤の確立が不可欠、(2) しかし、
日本は契約ルール、法制度等の知財制度が、「社会全体としてデジタル情報やネ
ットを十分活用し得る環境」を提供できていないのでは、との認識のもとで、デ
ジタル・ネット社会における著作権制度の役割等について議論を行いつつ、解決
すべき具体的な問題点の抽出に努めてきた。

 問題点は多岐にわたり、専門調査会としては、年度末に向け、引き続き検討を
行っていくとしているが、一部の問題は緊急性が高く、「知的財産推進計画2008
」に位置付けて、早急に解決すべき事項として、今回、提言を公表した。

 専門調査会は「早急に対応すべき課題」として、以下の4点をとり上げている。
(1) 検索サービスの適法化
 サーバーへの情報蓄積が著作権法上の複製等に該当するおそれから、サーバー
が海外に設置され、検索サービスもフェアユース規定のある米国での事業展開が
優先される動きがあり、検索サービスの円滑な実施に必要な複製、翻案・公衆送
信ができるよう早急に法的措置を講ずるべきである。

(2) 通信過程における一時的蓄積の法的位置付けの明確化
 ネットワーク経路の中継サーバーへの蓄積など、コンテンツ流通に伴う一時的
蓄積が著作権法上の複製等にあたる恐れがあり、新サービス提供の不安定要因と
なっているため、早急に法的措置を講ずるべきである。

(3) 研究開発に関わる著作物利用の適法化
 高度な知的処理を実現する画像・音声・言語・ウェブ解析技術等の研究開発に
は、放送情報やウェブ情報等の蓄積・改変が必要だが、著作権法上の複製・翻案
に当たるおそれがあり、相当萎縮効果が働いている。著作権者への影響も配慮し
つつ、研究開発に必要な範囲の著作物の複製や翻案ができるよう早急に法的措置
を講ずるべきである。

(4) コンピュータプログラムのリバースエンジニアリングの適法化
 産業財産権法制ではリバース・エンジニアリングに必要な権利制限があるが、
著作権法には規定がなく、相互運用性や情報セキュリティの確保のためのプログ
ラム解析等に相当程度の萎縮効果が働いている。相互運用性や情報セキュリティ
の確保のためのリバース・エンジニアリングに必要な範囲で、その過程で生じる
複製・翻案ができるよう早急に法的措置を講ずるべきである。

 専門調査会では、引き続きの検討課題として、マルチユースへの対応や、コン
テンツの流通促進のための二次利用の権利関係のあり方、フェアユース的規定の
導入、ネット上の違法コンテンツへの対策の強化などについて検討を進め、2008
年度中に全体の報告をまとめるとしている。 

【詳細】デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会(第3回)議事次第
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/digital/dai3/3gijisidai.html
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【4】イノベーション促進に向けた新知財政策の提言案を公表、意見募集

 特許庁5月30日、日本の中・長期的な知財政策の在り方について、グローバ
ルな視点で幅広く検討を行ってきた「イノベーションと知財政策に関する研究会
」の政策提言及び報告書の原案を公表するとともに、これに対する、パブリック
コメントの募集を開始した。

 「イノベーションと知財政策に関する研究会」(座長:野間口三菱電機取締役
会長)は昨年12月に設置され、経済のグローバル化、技術の高度化・複雑化、
オープンイノベーションなどの進展を背景とした世界的な知的財産制度の環境変
化の中での中・長期的な知財政策の在り方について、(1) 持続可能な世界特許シ
ステムの実現、(2) 特許システムの不確実性の低減、(3) イノベーション促進の
ためのインフラ整備、といった観点を中心に検討を行ってきた。

 提言では、基本的な考え方を、「約10年前からのプロパテント政策(知財の
保護をより強化する政策)の基本方針の重要性を引き続き確認し、さらにプロイ
ノベーションの知財システムの強化を提言する」として、現状を「国際的な特許
保護ニーズの高まり」「世界的な特許出願急増」「知財をめぐる南北対立」「不
確実性とビジネスリスクの増大」「オープンイノベーションの進展」「知財の地
理的・分野横断的広がり」などと分析している。

 その上で、基本目標として
1.持続可能な世界特許システムの実現
2.特許システムの不確実性の低減
3.イノベーション促進のためのインフラ整備
の3点を掲げ、以下の13の変革への提言をまとめている。

提言1.ひとつの発明が、効率的にグローバルな知財となる「仮想的な世界特許庁」
   の構築を目指す
提言2.出願人の多様なニーズに応じた柔軟な審査体制の構築(メリハリの効いた
   特許審査迅速化)
提言3.米国と欧州の制度面歩み寄りに向け日本が働きかけ、国際的な制度調和を
   推進する
提言4.途上国における知的創造サイクルの確立に向けて、知財とビジネスの成功
   事例の共有を提唱する
提言5.審査基準を恒常的に見直し、特許制度の安定性を高めるため透明で予見性
   の高い特許審査メカニズムを構築する
提言6.パテントトロール問題への対応のためのガイドラインを検討する
提言7.イノベーション促進のためのインフラ環境(エコシステム)を「再構築」
   する
提言8.知財プロデュース型ビジネスの設立を支援する
提言9.標準化された技術に関する知財の利用を円滑化し、標準化戦略を推進する
提言10.シームレスな(継ぎ目のない)検索環境を実現する
提言11.コミュニティパテントレビューの試行を開始する
提言12.研究開発政策と知財政策との連携を図る
提言13.知財プロデューサー派遣事業を創設する

 意見募集期間は、日本語は5月30日〜6月26日、英語は、英語版の政策提
言及び報告書の原案が翻訳が未公表(完了次第公表)なので6月中旬〜7月中旬
(確定次第公表)となっているが、6月末の研究会で政策提言及び報告書取りま
とめの検討を行うことから、英語版に対する意見も、日本語版の意見募集終了日
(6月26日)までに提出していただければ有り難いとしている。

【詳細】「イノベーションと知財政策に関する研究会」の政策提言及び報告書
    (原案)に対するパブリックコメントの募集について
http://www.jpo.go.jp/iken/iken_innovation.htm
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【5】角川グループ、YouTube上で夏の動画投稿キャンペーン
http://news.braina.com/2008/0528/enter_20080528_001____.html
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【6】NHK、YouTube上に公式チャンネル試験公開
http://news.braina.com/2008/0529/enter_20080529_001____.html
【参考】YouTube - NHKonline チャンネル
http://jp.youtube.com/user/NHKonline
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【7】平成20年度弁理士試験短答式筆記試験の合格者発表
http://news.braina.com/2008/0603/move_20080603_001____.html
【詳細】平成20年度弁理士試験短答式筆記試験合格発表及び合格基準点の公表
http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/tan_goukaku_happyou.htm
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------【 編集・発行 】 宗像 健志
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