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2011/12/11

【歴史メルマガ】あなたを一回り大きくする歴史人物のお話

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【あなたを一回り大きくする歴史人物のお話】 2011/12/11
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【偉人の一言】
行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与らず我に関せずと存候
:勝海舟
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【あなたを一回り大きくする歴史人物のお話】

58.チャリティ

東日本大震災や阪神大震災などで、日本でもボランティアやチャリティに関心が集まってきました。
とはいえ、まだまだ伸びしろがあるのも事実で、海外では日本にないような活動の事例もたくさんあります。
また、歴史上でもチャリティの面白い取り組みがたくさん見られます。
これらの話はどれもハートフルで、爽快な気持ちにさせられ、今後の私たちのすべきことを考えるうえで参考になると思います。

ということで、今回のテーマは「チャリティ」です。


・ロベルト・クレメンテ賞

今シーズンはイチロー選手の安打数に注目が集りましたが、もちろん安打数に関して偉大なる業績を達成した大リーガーはたくさんいます。
メジャー最多安打と言えば、4000本安打のピート・ローズ選手、あるいは同じく4000本安打を達成している「球聖」タイ・カッブ選手が知られていますが、3000本安打を達成した人物は30人近くいるそうです。

そのうちの一人、ロベルト・クレメンテ選手は攻守ともに優れた選手として球史に名を刻んでいますが、それ以上に彼の名声を高めたのは、彼の献身的な姿勢だと思います。

1970年に彼の所属するピッツバーグ・パイレーツが球場を移転した際、古い球場を名残惜しんで、また彼の功績をたたえるため「ロベルト・クレメンテ・ナイト」と称するイベントが行われました。
その際、彼は自らに記念品を与える代わりにチャリティ団体に寄付してほしいと願い、数千ドルの寄付がチャリティ団体に行われました。

また、彼が3000本安打を達成した1972年、中米のニカラグアで大地震が起こりました。
地震の直前にニカラグアを訪れていた彼は直ちに支援物資を送りましたが、現地の腐敗した政府のため、被災者に届いていないことを知りました。そのため、彼は自ら飛行機に乗り込み、被災者のために救援物資を輸送しようとしましたが、不幸にもそこで飛行機事故に遭遇し、命を落としてしまいました。享年38。

その前年、メジャーリーガーの社会貢献をたたえる「コミッショナー賞」が創設されていましたが、1973年には、彼にちなんで「ロベルト・クレメンテ賞」と改名されました。

今では、この賞はMVPとも並ぶ名誉ある賞として知られています。

個人的には、社会貢献に積極的なイチロー選手にもこの賞を受賞する資格があるのでは、と思ったりしています。

ちなみに、この賞は各チームが候補者を一人出して、ファンやメディアの投票などを通じて決定するそうです。
ファンも結構選手の社会貢献活動に注目しているのだとしたら、さすがチャリティ大国だと思わずにはいられませんね。



・命の恩は必死に返す

1600年、関ヶ原の戦いにて、武運拙く敗れた石田三成は、再起を図るべく自らの領地に潜伏します。
当然徳川方は血眼になって三成を探すわけで、「三成を見つけたら恩賞、かくまえば重罰」と布告して三成のあぶり出しを行います。

となると、当然近隣住民も三成探索に必死になって三成もあぶりだされる・・・と思いきやそうではなく、意外にもある住民に三成はかくまわれることになりました。

その背景にはいくつかの説があるようですが、そのうちの一つに、かつて飢饉に陥った時に、三成が食料を提供して、飢餓から救ってくれたため、その恩返しとして命の危険を顧みず、三成をかくまった、という話があります。

三成もその義理堅さに感銘を受け、かえって自分を徳川方に引き渡すようにと促したそうです。
結局、三成は徳川方に引き渡されることになりますが、この話は今も美談として残っています。

三成は再起を果たすことはできませんでしたが、西軍武将の相次ぐ寝返りという状況の後に、かつての恩で命の危険を侵してまで自分を救おうとする人間に出会えたことは三成にとって心の癒しになったのではないでしょうか。

三成は善政を敷いたことでも知られていますが、その背景には政治力だけでなく、人間としての優しさがあったのではないかと思います。

自分も能力の向上のみでなく、人格の成長についても一層努力しなくてはならないな、といつも思わされるエピソードです。


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【編集後記】
東日本大震災では国内外の多くの人の善意に触れることができました。
米国・台湾をはじめとする多くの海外からの義捐金やボランティアによって、少しずつ復興も動き出している感があります。
チャリティはキリスト教に由来するものと言われることもありますが、仏教やイスラム教でも同様の活動があり、決してキリスト教独自のものではなく、むしろ人間として自然なことなのだと思います。
そういう意味では日本でもこれまで以上に普及する可能性がありますし、そうなることを期待したいものです。
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【本のご紹介】

・NPOで働く (http://p.tl/T--P)


最近その活動に注目が集まるNon Profitable Organization (NPO)。

そのNPOに対するイメージというのは様々でしょう。 

大きいものでは「オックスファム 」「国境なき医師団 」、小さいものでは、町のボランティア団体みたいなものまで様々です。


そのNPOの一つに、若者の社会参加を促すプログラムを運営していることで知られる「育て上げ」ネット という団体があります。


最近社会問題としてよく取り上げられるテーマとして「ニート」がありますが、ニートが必ずしもやる気がないのではなく、社会に送り出す準備さえすれば、問題の解決につながることに注目し、社会教育・職業訓練の機会を提供している団体です。 
その団体の理事長をされている工藤啓氏はこの団体の創設者であり、その経験がまとめられたのが「NPOで働く」という本です。 

NPOの立ち上げから軌道に乗せるまでの取り組みや人材の確保など、課題やその取り組みの経緯が具体的に書かれていて非常に参考になりました。また、実際に働かれている方のこともたくさん書かれていますので、どんな人がどのように働いているのか、というイメージもしやすいと思います。


将来はNPOも含め、ソーシャルビジネスを支援することで社会の改善に貢献したいと考えている自分にとって、NPOの実態について具体的に教えてくれる好著でした。

追記
先日、著者の工藤氏にお会いしてお話を聞きましたが、非常に人柄がよく、また社会のあり方について深く考えていらっしゃる素晴らしい方でした。
詳細はこちら( http://ameblo.jp/uk4192/entry-11098424007.html )。


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【編集後記】
チャリティというと寄付が一般的ですが、寄付するときにどういう団体を選べばいいのか、ということは結構悩無ことも多いようです。せっかく自分が寄付しても、うまく活用されていないのではないか、などといった疑念もわいてきます。

チャリティ大国でもあるアメリカでは、チャリティ団体の評価に対する取り組みも進んでいて、例えば「Charity Navigator」という団体では、チャリティ団体の格付けを行っています。

実際、経営者が多額の報酬をもらっていても高評価を得ている団体も多く、いかに有能な人材がチャリティ団体で活動していて、寄付する側もそれを認めているかがわかります。

日本でも、そのような有能な人材が適正な評価を得ながらチャリティ活動を盛り上げるような気運が湧き上がってくることを期待しています。
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