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「図解」は複雑な情報を分かりやすく説明するための強力な武器ですが、実は図解をするために最も欠かせない力は「読解力」です。日経Associe誌の図解力特集を執筆した発行人がその秘密を明かします。

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2009/10/08

[読み書き図解] 表現方法は作者の発想に制約される

        ★ 読み書き図解力を鍛え直すマガジン第349号! ★

こんにちは。教えるためのシナリオ構築請負人、開米瑞浩です。

  「教えたいコンテンツはある」のに、それを「教えるためのシナリオ」
  へと落とし込めない講師のために、代わってシナリオ化してしまうのが
  シナリオ構築請負人。講師の裏方で働く日の当たらない仕事(笑)
  ですが、これがなかなかとっても面白いんですよ。

3号前の「将来なりたかったもの」から始まったこのシリーズ、前後編
程度のつもりだったのですがいつのまにか第4話まで延びてしまい
ました(^^ゞ

 3号前 346:将来なりたかったもの
 2号前 347:将来の夢は、ありません!
 1号前 348:紙媒体でも「時」の表現ができるという気づき

前号では、あるマンガを見ているときに

  「紙媒体でも、映画のような緊迫する時間軸と
   静→動の一瞬の展開を表現することができる」

ことに気づき、そこから

  「表現技術にはもっともっと可能性がある。
   表現方法を工夫すれば、なかなか説明しにくいものでも何倍も
   わかりやすく表現できるのではないだろうか・・・・?」

と思ったこと。そしてあれこれと考えた結果、

  まず第一に、表現方法は「作者の発想に制約される」ということ。
  第二に、表現方法は「読者の能力にも制約される」ということ。

と気がついた、というところまで書きました。

今回はこの「制約」の話をしてみましょう。


■作者の発想による制約とは

マンガを見ているうちに「紙の上の表現技術」の奥深さに気がついた私が
次にしたことは、使われている手法に注意しながらいろいろなマンガ作品
を見比べることでした。

そこでまず気がついたのは、「コマ割り」の違いです。

マンガというのは1ページをいくつかのコマに分割してストーリーを
進めていきますが、その分割のスタイルが作者によってずいぶん違うと
いうこと。

中には見開き2ページの大ゴマを多用するので有名な作家もいますがまあ
そういうのはおいといても、はっきりした傾向としてわかったのはたと
えば

  少年マンガ系はコマ割りが単純
  少女マンガ系はコマ割りが複雑

なものが多いということでした。

こりゃあ面白いな、と思って次に調べたのは、古いマンガではどうなって
いたか? です。

するとだいたいこんなことがわかりました。

  マンガのコマ割りは、当初はごく単純な横長の長方形のみで、
  まるで舞台劇を正面から撮影した写真のように、人物が左右から
  出てきて左右に引っ込んでいくものだった。
  それが複雑化し始めるのは手塚治虫の新宝島(1947年)からで、
  以後、コマ割りの手法は日本マンガ特有の爆発的な進化を遂げた

(もっとも、20年前はこう↑言われていたのですが、現在では手塚治虫
 よりも前にその原型があり、手塚もそれを愛読していたということが
 わかっているようです)

<参考URL>
↓手塚前派
http://blog.tedukazenha.com/?eid=247659
↓石森章太郎のコマ構成
http://www.kanazawa-bidai.ac.jp/~hangyo/hobby/hyoryu/hyocoma3.htm


要するに、今ではあたりまえのように使われている表現手法も、誰かが
発明しない限り出てこないわけです。

これは実は「映画」の発達史でも同じでした。
映画も当初は舞台劇をそのまま撮影したような平面的な映像だったのが、
20世紀初頭にクローズアップやフラッシュバックという手法が開発され
て大々的に使われるようになったという経緯があります。

その同じ歴史を1930~40年代に日本のマンガはもう一度たどった
わけです。

舞台という物理的な制約はもともとないはずの映画やマンガなのに、なぜ
当初は舞台劇的画面構成から離れられなかったのでしょう?

それがつまり、

    表現方法は「作者の発想に制約される」

ということです。

「新しい発想」というのは実は意外に出てきません。
人間が無意識のうちに考えることというのは、実は既存の「前例踏襲」を
しているケースが大半で、まったく新しいフレームワークというのはなか
なか出てこないものなんです。

だから、マンガ家のようなクリエイティブなはずの集団で、映画もたくさん
見ていたはずの彼らでさえ、映画的な手法をマンガに本格的に取り入れるの
は手塚の新宝島を待たなければならなかった。


そういう、

   表現技術における既存の発想の制約

は、他の世界にもあるのではないか? とそのとき、22年前の私は
思いました。

具体的には、

   複雑な概念を文章で説明するのは無理がある。
   マンガや映画が独自の手法を獲得することで劇的に表現の幅が
   広がったように、人間が脳内に持つ概念を表現する方法も、
   そろそろ何かブレークスルーが必要なのではないか・・・

と思ったわけです。

それが1987年。私が始めて「図解」をテーマとする勉強会を開く
7年前のことでした。

                      (まだ続きます)

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ITアーキテクト誌:http://www.itarchitect.jp/
「アーキテクトのための頭の体操」最終回は、
「小さな成功体験がモチベーションを作る」というお話です。


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【編集後記】
今日は台風で大変でしたね。
私がいる相模原市も朝方は大雨・大風・近所の川も大増水。

でも午後も3時を過ぎたらウソみたいな青空が広がり、風もずいぶんおさ
まってきました。やれやれです。

とりあえず、川は溢れなかったので一安心。

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