2009/10/19
GBRC Newsletter No.386
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ Global Business Research Center Newsletter GBRCニューズレター No.386 2009年10月19日号 (毎週月曜日発行) ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 今週の目次 ☆編集者の独り言 続 学会シーズン ==================================== ☆編集者の独り言 続 学会シーズン ==================================== 前号の「独り言」の続きというわけではないが、学会シーズンである。 実は、学会の懇親会や休憩時間で、何人かの先生方から『赤門マネジメント・レ ビュー』(AMR)についての質問を受けた。話題にしてもらえるのは、それだけAMR が学界で認知されてきたという証しなので、正直うれしい。まあ確かに、この手 の経営系の学術誌で毎月発行しているのはAMRくらいなので、どんな風に編集して いるのか、どんな風に原稿を集めているのか、投稿・審査状況はどうなっている のか、興味は尽きないというところなのかもしれない。 そんな中で、複数の先生から同じ趣旨の質問を受けた。それは、AMRの「経営学輪 講」シリーズ http://www.gbrc.jp/journal/amr/rinko.html で取り上げられている文献は、どのような基準で選ばれているのか? という質問 である。実際のプロセスは「経営学輪講」のホーム・ページの解説の冒頭にも書 いてあるとおりで、東京大学の大学院経済学研究科経営専攻の正規の授業「経営 文献講読」で取り上げた文献の中からピックアップしたものがほとんどである。 それに加えて、時々先生方が、気に入った本や論文を取り上げているという感じ だろうか。 ただ、ここから先が重要なのだが、実は質問をしてくれた先生方の真意はもっと 深いところにあるのである。もちろん「経営学輪講」自体の面白さも必要なのだ が、なぜその文献を選んだのか、「経営文献購読」という授業のどんな流れの中 で、その文献が取り上げられたのかということに、ものすごく興味があるという ことなのである。つまり、文献それ自体だけではなく、その文献をとりあげた文 脈や学問的な流れ、その中での面白さにも興味があるということなのだ。「経営 学輪講」は現在、無料のコンテンツだが、その文脈の解説がついていれば、「経 営学輪講」をまとめて本にしてくれたら買いたい(テキストにしたい)という人も 何人かいた。 この事実を、大学院生諸君はきちんと受け止める必要がある。授業で、大学院生 に文献の選択をまかせると、なぜこの文献をとりあげたのかという理由として 「引用件数が多いから」などと答える本末転倒な学生がいる。それではだめなの だ。そんなことはちょっと考えればすぐに分かる。もしみなさんが「書評」を担 当するときに、「この本は売れているから取り上げました」と書いたらナンセン スだろう。そもそも良い本を多くの人に手にとってもらいたいから書評で取り上 げるのであって、多くの評者がそう思い、多くの書評で取り上げられた本が売れ るのである。そしてランキングにつられて本屋で買ってはみたものの、読みもせ ずに放置している多くのフォロワーによって、出版社は潤う(?)。 まずは、誰よりも先に「良い本」を見抜く評者の確かな目。そこに評者としての 価値がある。まったく同様に、研究者はフォロワーであってはならない。人より も先に「良い研究」を見抜く目を磨かなくてはならない。せめてリード・ユー ザーでなければ、この世に存在する価値がない。 思えば、引用件数で文献を選んで文献レビューをする人間(大学院生)に最初に出 会ったのは、もう10年以上も前のことになる。何度か忠告したが、直らなかっ た。彼の書いた文献レビューを読んでも、全然頭がすっきりしないし、むしろ、 読めば読むほどに混乱してくる。学問的な流れも見えないし、太い幹と枝葉の区 別もつかない。「筋が悪い」というのは、まさにこういうことを指すのだろう。 結局、そんな人の書いたものは、文献レビューに限らず、筋が悪い。 ちなみに、授業「経営文献購読」では毎週1~2本論文を読んでいるが、月刊AMRの 「経営学輪講」で取り上げられるのは、せいぜい毎号1本である。倍率はかなり高 いのだ。研究者が読んで面白いと思った論文がいかに少ないか。面白いと感じる テイストを身につけることにこそ真の価値がある。と私は思う。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 編集/発行 特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター (略称:GBRC) メール・アドレス: info@gbrc.jp URL: http://www.gbrc.jp/ Copyright (c)2009 Global Business Research Center. All rights reserved. このニューズレターに掲載された記事を許可なく使用することを禁じます。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


