2009/04/24
《無用の用》『リーダーへ贈る108通の手紙3』【35通目】
◆佐藤一斎歿後150年祭〈一斎塾東京講座〉 09.5/4 13:00〜 湯島聖堂講堂 演題:「佐藤一斎『言志四録』今、求められること」 http://research.php.co.jp/oumei/event/ ☆────────────────☆───────────────────☆ 《無用の用》 『リーダーへ贈る108通の手紙3』 http://www.earthship-c.com 09.04.24 35通目 ☆────────────────☆───────────────────☆ リーダー様へ 拝啓 蝶が舞う 春の小道の うららかさ いかがお過ごしでしょうか? 2009年の卯月も残り少なくなってきました。 里桜も、どんどん散りまして、 近所の桜並木は、新緑の季節へと急ぎ足です。 冬を越したバルコニーの草花が 次から次へと花を咲かせています。 「ちょっと遅いな〜」と思っていたマーガレットも、 今週に入り、手を大きくひろげるように咲き始めました。 花に水をやったり、土をいじったりしていると、 時間がやたらとかかり、 ふと「これが仕事の役にたったらな〜」などとと 自分のしていることの「無用さ」を嘆きたくなります。 ただ、こうした言葉がありますね! ★「無用の用」 効率的、合理的、効果的にと急ぎすぎて カラカラになってしまった現代人の心を潤すこの言葉は、 もとは古代中国の古典「荘子」にあったものです。 ────────────────────── いっけん無駄・無用だと思うことが よく考えてみると、とても役にたっている。 ────────────────────── 現代においてもよくあることですね。 〜〜〜 数年前のことですが、 小説家の五木寛之氏の講演を聴いたことがあります。 その時「無用の用」に通じるこんな話をされていました。 ご存知の通り、五木氏は哲学、仏教、老荘思想への造詣が深く、 宗教を含めて世界の様々な「思想」に精通されています。 講演の時には、そうした思想にまつわる「知」を 次から次へと繰り出し、話を展開していきます。 ただ、テーマが、仏教など「人生の生死」に関することですので、 かつては、文学関係や年配の方々の集りからしか講演の依頼はなかった。 ところが、急激に企業から講演をお願いされることが多くなった。 特に、以下の業界からの依頼が多い。 ◆1位 金融(銀行・証券) ◆2位 IT関係 ◆3位 医療関係(医師の集り) ある時、五木氏は某大手銀行の頭取に聞いてみた。 「どうして、私など暗い話をする人間に講演を依頼するのですか?」と。 すると、頭取はこう答えた。 「社員の心の健康のために、我が社もいろいろなことをしている。 先生を呼んで、話をしてもらったり、研修をしたりと 役にたつことをしている。 でも、これらのことがいっこうに役に立たない。 そこで、ここは役に立たない話が役にたつかもしれないと思い、 そうした話をされる五木先生にご登壇を願ったわけです」 数年前の講演ですので、正確ではありませんが、 「役に立たない話をする五木先生」という内容は間違っていません。 頭取も失礼と言えば、失礼ですが、 ですが、その考え方は、なかなか真理をついていると思います。 まさに・・・、 ★「無用の用」 ですね! 〜〜〜 こう書いてきて、ふと「小林虎三郎」のあの逸話を思い出しました。 ★「米百俵」 幕末、現在の新潟県新潟市・長岡市のエリアを 統治していた「長岡藩」がありました。 徳川幕府を潰すために起きた戊辰戦争において、 長岡藩は、最終的には幕府側につき、新政府軍と戦うことになります。 この時のリーダーが、司馬遼太郎氏の「峠」(文藝春秋)で主役となった 河井継之助ですね。 ご存知の通り、新政府軍が勝利をおさめ、 長岡藩は、幕府側(奥羽越列藩同盟)についたということで、 戊辰戦争後、大幅に減知されてしまいます。 藩内は、食べるものにも困る窮乏を極めます。 この時、長岡藩の支藩であった三根山藩から 救済のためにと「百俵の米」が贈られてくる。 これで少しは飢えをしのげる、と考えた藩士たちですが、 長岡藩の大参事であった小林虎三郎が主導し、 「百俵の米」を売って学校を設立することを決めてしまいます。 当然、自分たちに米が分配されるだろうと思っていた 藩士たちは、小林虎三郎へ抗議します。すると・・・、 ──────────────────────────── 「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、 教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」 ──────────────────────────── そうして設立された学校こそ、 今も残る「新潟県立長岡高等学校」ですね! この高校を巣立った卒業生で有名な人と言えば・・・。 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ 褒めてやらねば、人は動かじ」 この言葉であまりにも有名な「山本五十六」です。 ジャーナリストの櫻井よし子さん、 文藝春秋の専務までなさった作家の半藤一利さんも、同校出身です。 当時の藩士からしてみれば「教育など無用」と思ったでしょうが、 長岡の学校からたくさんの逸材が生まれ「無用」は「用」となったわけです。 〜〜〜 長岡で話をつないでいきます。 長岡藩が戊辰戦争を戦った時に、キーとなった藩と言えば新発田藩です。 その新発田藩があった場所を故郷とする人が、私のサラリーマン時代の恩師です。 拙著『「上司」という仕事のつとめ方』(実務教育出版) http://www.amazon.co.jp/dp/4788907674/ref=nosim/?tag=earthshccom0c-22 では、第2章3節に登場しています。 その「師」が、来る【5月4日(月) 13:00〜】 湯島聖堂の講堂にて講演を行います。 演題は「佐藤一斎『言志四録』今、求められること」 ↓↓↓ http://research.php.co.jp/oumei/event/ 今年2009年は佐藤一斎没後150年なのです。 もしご興味のある方は、 ──────────────────────────── 佐藤一斎歿後150年祭「嚶鳴フォーラム in 恵那実行委員会」 恵那市教育委員会文化課【0573-43-2112】 ──────────────────────────── まで、お問い合わせ、お申し込みください。 私は残念ながら行けないのですが、 「今の私は」この人なくしていませんので、私を育てた上司が どういった人物なのか、どんな話をするのか・・・ぜひ! ↓↓↓ http://research.php.co.jp/oumei/event/ 〜〜〜 でも、よく考えてみると、 『言志四録』なんて古典を読んでどうなるの? つまり、そんなものは「無用だ」と考える人もいるかもしれません。 そう考えてしまうと、 歴史や文学や哲学などなど、読むのに時間がかかり、 理解するのに大変なものは、全てが無用のモノとなってしまいます。 産経新聞に、こんな記事がありました。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 『今、大学に入る若者たちは就職に役に立つ「有用」の学ばかりを 求め、教える側もそれに応えようとする。 「無用の用」を知らない。 これでは「泰斗」も「碩学」も育たないだろう。 むろん、みんな学者を目指すべきだと言うのではない。 だが、実社会に出て初めて「無用の用」に気づき、 なぜもっと学ばなかったかを悔いることは多いのである』 『産経新聞』(09.4/23付け朝刊)より ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ いやいや、まったくその通りで、 40歳になって「学ばなかった悔い」は増すばかりです。 前述の「師」に、新人の頃から「司馬遼太郎を読め、読め!」 と言われていたのですが、耳を傾けず、実行せず 『竜馬がゆく』を読んだのは20代後半のことでした。 読み終わり強く悔いました。 「どうして、もっと早く読まなかったのだろう」と。 〜〜〜 人間としての成長を阻害する最大の要因とは 他人のアドバイスに耳を傾けないことでしょう。 自分の考えに固執し、自分が正しいと思い込み、 他人の意見を「無用・無駄」だと思う。 すると新しい情報が自己に注入されないので、 やがて心は澱み、時代の流れに、追いついていけなくなってしまう。 追いつけなくなると、今度は、 「他人が悪い」「部下が悪い」「会社が悪い」「社会が悪い」 「景気が悪い」「政治が悪い」「時代が悪い」 と、自分以外ものを悪玉にしたて、自分の正しさを証明しようとします。 こうした思考パターンが染み付いてしまうと、 マイナスのスパイラルにはまり、どんどん落ちていくだけです。 これではいけません。ぜひ、そうならないでください! そうならないひとつのコツは、 今、必死になって否定している意見を認め、受け入れることです。 他人の意見や助言に腹が立つのであれば、 なぜ?腹が立つのか、その理由を自問自答してみて下さい。 怒りがこみあげてくるのは、その意見が的を得ているからであって、 自分が無視しようとしている問題や課題を指摘しくるからですね。 ★無用だと思う助言ほど用なるものなり 後悔先に立たず。 どうぞ、後で悔いないように、その耳を柔らかくして下さい! 〜〜〜 本日も、お忙しいなか、最後までお読みいただき 本当にありがとうございます。感謝!感謝! 来週は、もうゴールデンウィークが始まるのですね。 大切な大切なおからだを、くれぐれもご自愛になさって下さい。 そして、2009年の「卯月」が、あなた様にとって 決して忘れることのできない、実り多い時間となることを 心よりお祈りしています。 「元氣・勇氣・やる氣」で! (^O^)/ 敬具 平成二十一年四月二十四日 松山 淳より =========================================================== ◆自問自答◆ 1)私は、「無用の用」に気づいているだろうか? 2)私は、すぐに役たつものばかり追い求めていないだろうか? 3)私は、他人の意見に耳を傾ける心の余裕をもっているだろうか? ※自問自答は、あなたの「心」を見つめる作業です。 継続することで、見失っていた大切なことに気づくことがあります。 30秒でもかまいませんので、上の質問を、ちょっと考えてみて下さい。 終わったら、スクロールして下の【ことば】を読んで下さい! ========================================================== ◆103℃ WORD◆ 「後で、わかること」 ========================================================= ◆追伸◆ 先週末、家族で湘南へ出かけました。 海を見ながら、浜辺で「おにぎり」を食べようという計画です。 海に着いて、びっくり! なんともう泳いでいる人たちがいたのです。 サーファーではないのですよ! もちろん私は水着など持っていかずで、 ただ、子どもたちは、波打ち際で遊ぶので、どうせ濡れるだろうと 海水パンツをもっていきました。 でも、さすがに「海に入ろう」とは一言も言いませんでした。 太陽は照っていたものの、風が少し冷たい日でした。 いや〜世の中には強者がいるものです!脱帽でした! ──────────────────────────────────── ■発 行 者:アースシップ・コンサルティング 松山淳(40才) 〒152-0034 東京都目黒区緑が丘1-6-4 ■U R L: http://www.earthship-c.com/ ■ブログ :「リーダーへ贈る358の言葉」 http://ameblo.jp/earthship-consulting ■叱咤激励: j@earthship-c.com ■発 行:まぐまぐ,melma!,カプライト,めろんぱん,E-Magazine ■バックナンバー:http://archive.mag2.com/0000112707/index.html ※本メルマガの著作権は松山に帰属します。ですが、どうぞ自由にご活用下さい! 「笑顔の輪」が少しでも広がる!これほど嬉しいことはありません。 ─────────────────────────────────────── 【ことば】 『すぐ役に立つ人間はすぐ役に立たなくなる人間だ』 (小泉信三) 『読書論』(著 小泉信三 岩波書店)



