2009/11/05
売れたま!戦略編Vol.127 2009/11/05 顧客セグメンテーション2 エディ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ ~MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.127 2009/11/05 購読者:20,485 (まぐまぐ:15,165 メルマ!:639 めろんぱん:4,681) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■__顧客セグメンテーション2 エディ__■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ●お客様を、商品カテゴリーの「利用頻度」と「競合の利用状況」で 分類してみよう! ┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま! ┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増! ┃ ┃図解 実戦マーケティング戦略 → http://tinyurl.com/a6ul5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆セグメンテーションシリーズ開始 今回が2回目 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●戦略編 セグメンテーションシリーズ開始! セグメンテーションは、お客様を分けること。 ただそれだけのことですが、非常に奥が深い考え方です。私としても 一度セグメンテーションについてきちんと整理しようとずっと考えて いました。 セグメンテーションは、それだけで本1冊が書けると思っています。 それくらいに深い概念です。 次回に続き、早速シリーズ2回目です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆エディのターゲティング戦略 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●電子マネートップ、エディのターゲティング戦略 電子マネーの発行枚数は2008年で1億3500万枚だそうです。 国民1人当たり1枚を超えており、かなり普及しました。1人当たり 何枚も使っている(携帯電話の場合は「カード」ではありませんが) ことがあるにせよ、ざっくり国民の半数くらいには行き渡ったと思わ れます。 そのシェアは 1 エディ 35.3% 2 スイカ 20.7% 3 パスモ 8.7% http://japan.internet.com/wmnews/20090619/4.html スイカとパスモは共通ですから、エディとスイカ/パスモの2陣営で 市場を二分している、と言って良さそうです。 今回は、その「エディ」のセグメンテーションについて見ていきまし ょう。 -----------------------< 記事要約 >----------------------- ○電子マネー「エディ」を運営するビットワレットの戦略をCSO (最高戦略責任者)の宮沢和正氏に聞いた。 ○当社では電子マネーの利用者を4分類でとらえている。 『電子マネーを利用し、エディをよく利用』 『電子マネーを利用し、エディ以外を利用』 『電子マネーを利用するが低頻度』 『利用しない』。 このなかでエディの電子マネー利用が低頻度の層を取り込む ○具体的にどのような層かと言うと、1つ目は主婦層。主婦層はスー パーなどでの利用頻度が高い。この層の利用を促すため、携帯電話 に搭載したエディを利用するごとに全日空やauなど7社のポイン トが取得できる『Edyでポイント』を提供。 同プログラムに加 入していない人の平均月間利用金額は6000円程度。逆に利用し ている人の利用額は1万円弱で、4割も多い ○2つ目はビジネスマン層。現在、ソニーグループや富士通、電通な ど大手企業350社の社員証にエディが内蔵されている。社員証は 必ず社員食堂や近隣コンビニ、飲食店などで利用するため利用頻度 も高い。1年後には400社は突破するだろう 2009/07/31, 日経MJ(流通新聞), 7ページ -----------------------< 記事要約 >----------------------- 面白い切り口で見ていますね。 ちょうど今日(5日)、ビットワレットが楽天の子会社になった、と いうプレスリリースが発表されましたね。ソニーの子会社で、流通系 の色がついていない、というのはエディの強みの1つだったわけです が、双方の強み(BASiCSの用語では独自資源)がどう活かされ るか、注目ですね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆顧客セグメンテーションの「切り口」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●顧客セグメンテーションのポイントは「切り口」 セグメンテーションの基本的な考え方は、 「お客様は違うから分けて別々に対応する」 ということです。 そうなると、「どう分けるか」がカギになります。その分け方がによ って「別々に対応する」と言った場合の「対応」方法が変わるからで すね。 当然優先順位もつけられるでしょう。 どの顧客を優先するか、といういわゆる「ターゲティング」の議論の 前に、「どう分けるか」という「切り口」が重要になります。 ●セグメンテーションの切り口は、企業としてのお客様の「見方」 ということは、セグメンテーションの切り口にどんな基準を使うか、 というのは、企業として顧客をどう見ているか、ということでもあり ます。 セグメンテーションの切り口は、マーケティング部の仕事というより は、経営者の仕事ですね。それくらい経営において意味があるもので す。セグメンテーションさえうまく切れれば、あとは論理的に手を打 っていけばいいので、何とかなるものです。 ●セグメンテーションの基本的な切り口が「性別・年代」 セグメンテーションの基本的な切り口は BtoC:性別・年代 BtoB:業種業態、企業規模 などの、デモグラフィック(人口統計的)な分類です。 これが、セグメンテーションシリーズ第1回の前回とりあげた切り口 ですね。 これは基本中の基本ですが、これだけで切れるとは限りません。経験 的にはむしろこれでは切れないことの方が多いです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆切り口:利用頻度と競合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●利用頻度 セグメンテーションで有効であることが多い切り口の1つが「利用頻 度」です。 ざっくり分けると、 1)ヘビーユーザー 2)ライトユーザー 3)ノンユーザー となります。 ここで「ヘビー」「ライト」と言っているのは、自社のヘビーユーザ ーと言うことではなく、当該商品カテゴリー全体の利用状況です。エ ディの場合は、エディのヘビーユーザーかどうかではなく、「電子マ ネー」という「カテゴリー」の利用頻度です。 なぜ「利用頻度」で分けることが有効化というと、利用頻度によって ニーズが違うことが多いからです。 ○ヘビーユーザー ・その商品について関心が強く、こだわりがある ・使い方をよく知っており、売り手より詳しかったりする ・情報発信力があり、口コミの発信者となる ○ライトユーザー ・関心は薄く、使えれば良いくらいに思っている ・使い方はヘビーユーザーに聞く ・口コミの受信者となる ○ノンユーザー ・認知がない、ニーズがない、などの理由で使っていない ・初めて使うに際しては、心理的・機能的・金銭的なバリヤがある ということです。 一般論として、ノンユーザーをライトユーザーにするのは非常に大変 です。特に既に普及した商品・サービスについてはそうです。電子マ ネーがここまで普及しているにもかかわらず、未だに使っていないと 言う場合には、セキュリティ面の不安など、何らかの強い理由(=バ リア)があるのでしょう。 それに対して、ライトユーザーをヘビーユーザーにするのは、頻度を 上げるだけですから、まだやりやすいです。 ヘビーユーザーの場合は、一定のこだわりがあるので、その意見を変 えるのもなかなか難しいです。 ということで、一般論として、ライトユーザーをヘビーユーザーにす る、というのが費用対効果が高くなります。 繰り返しますが「一般論」です。顧客、商品、競合などの状況によっ て変わります。 ●競合 もう一つの有効な切り口が「競合の利用」です。 ノンユーザーは除外すると、 1)自社の利用が主体の、自社にロイヤルなユーザー 2)競合の利用が主体の、競合にロイヤルなユーザー 3)自社も競合も使い分けている、使い分けユーザー となるはずです。自社のシェアが低ければ、1)の自社ロイヤルは限 りなくゼロ、となります。 多くの場合は、3)の使い分けユーザーが多いですね。 カフェチェーンで言えば、私はスタバを多く使いますが、別にドトー ルもヴェローチェもミスドも行きますから。その時々で使い分けてい るわけです(無意識ではありますが)。 競合の情報は、直接に役に立ちます。「差別化」の比較対象が、その 競合になるからですね。 問題は、競合の情報を取るのが難しいことです。BtoBの場合は直 接お客様に聞く、という手もとれますが、BtoCの場合は大規模な 統計的処理が必要にな場合もあります。この手法についてはここでは 割愛しますが、とにかく競合の情報が必要です。 もし、「競合の情報がウチには無い」ということでしたら、それはそ れで問題ですね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆2つの切り口の組み合わせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●利用頻度 × 競合 という2つの切り口の組み合わせ では、エディのセグメンテーションの切り口について見ていきましょ う。 エディのセグメンテーションは、 『電子マネーを利用し、エディをよく利用』 『電子マネーを利用し、エディ以外を利用』 『電子マネーを利用するが低頻度』 『利用しない』。 の4分類でした。 この分け方の1つの切り口が「利用頻度」であることはすぐわかりま すよね。 ・よく電子マネーを利用する ・低頻度で電子マネーを利用する ・利用しない ということですね。まさに先ほどの 1)ヘビーユーザー 2)ライトユーザー 3)ノンユーザー という分け方と同じです。 もう一つの切り口が、「競合」です。 ヘビーユーザーを、 ・エディのヘビーユーザー ・競合のヘビーユーザー という切り口で分けています。 ライトユーザーについては、ここではそうは書かれていませんが、恐 らくエディを持っているユーザーということだと思います。エディを 持っていないのであれば、ノンユーザーと同じ扱いでいい、というこ とだと思われます。 ●「ライトユーザー」を狙うエディ その中で、エディは 「エディの電子マネー利用が低頻度の層を取り込む」 のがエディの戦略とのことです。 エディのヘビーユーザーは、ある意味放っておいても使ってもらえる わけですから、そのまま使っていただこう、ということかと思われま す。 スイカ/パスモについては、定期券と一体化していて便利、などの 「競合の強み」があるために、そこから取るのは難しい、ということ だと思われます。 ですので、「ライトユーザーをヘビーユーザーにする」という「セオ リー通り」のオーソドックスな戦略をとったわけですね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆分類したら、具体化する ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ターゲット像を具体化する セグメンテーションを、ここで止めてはいけません。 「では、それはどういう人なのか?」 と、「具体化」していきます。 利用頻度、競合利用状況については、客観的にパキパキと分類できる 切り口です。ですから、そのままでは「どんなお客様か」がわかりま せん。 エディは、 ・スーパーでの利用頻度が高い主婦層 ・社員証と一体化したビジネスパーソン をライトユーザーと見ています。顧客の利用頻度分析などは当然して いるでしょうから、その結果なのでしょう。 平均月間利用額が ・ポイントプログラム加入者で1万円弱 ・未加入者で6000円程度 という記事中の数字を見ると、月間「数千円」のユーザーをライトユ ーザーと設定しているようですね。 主婦層については、スーパーでの利用 ビジネスパーソンについてはコンビニや飲食店での利用 と、セグメンテーションと「使う場所」がひも付いてきます。 すると、やることが自ずから明らかになってきますよね。 主婦層向けにはスーパーとの連携強化・利用促進 ビジネスパーソン向けにはコンビニ・飲食店との連携強化・利用促進 と、「ターゲットによってやることが変わる」というセグメンテーシ ョンの戦略と、「戦術」という行動がつながってきます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆分類→具体化の往復運動 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●分けて具体化し、戦術を考えるという思考サイクルを回す セグメンテーションについても、 ・意味のある切り口を考える ↓ ・実際に分けてみて、顧客像を具体化する ↓ ・具体的な打ち手を考える ↓ ・うまく考えられなければ切り口を考え直す という、思考の「サイクルを回す」 のです。 切り口がうまく「切れて」いれば、戦術レベル、行動レベルの具体化 ができるはずです。できなければ、切り口に戻って、また考えていく わけです。 こうやって「切り口」を、現場の行動レベルと合わせて考え、「ぐる ぐる回して」考えるのです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆今日のまとめ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お客様を「利用頻度」「競合の利用状況」などで分類し、それに合 わせて打ち手を考えていこう! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆お便り紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●嬉しいお便りをいただきました! またお便りをご紹介させていただきます。 -----------------------< 記事要約 >----------------------- こんにちは、 今は、起業の真っ最中の○○と申します。ようやく起業するところま で、こぎつけました。 起業前のタイミングで、佐藤さんの「白いネコは何をくれた?」のワ ークも何度も繰り返してやり、会社の戦略のまえに、社長としての自 分の人生戦略がはっきりしたことで、 毎日、前向きにやれています。 何かひとつでも行動すれば、今日は昨日より前進しているという確信 があり、 精神上も非常にいいです。 起業家みんなに、読め、と勧めたいです。 -----------------------< 記事要約 >----------------------- そうなんですよ、白ネコのメッセージはまさにそこにあり、自分のや りたいことを明確にして、毎日それに向けて行動すれば、充実感もあ り、精神衛生上非常にいいですよね。 起業の前には、棚卸しが不可欠で、自分BASiCSはそれに最適で す。頑張ってくださいね! お便り、お待ちしています! ************************************************************** ▼今日の日記▲ 日本では日本シリーズが盛り上がる中、海の向こうのワールドシリー ズでは、元巨人の4番、松井選手がやってくれました! ヤンキース対フィリーズのワールドシリーズ第6戦(結果として最終 戦)、6打点をたたき出してヤンキースを勝利に導き、そのまま、シ リーズMVPに! 松井選手は巨人が日本一になった2000年にはやはりシリーズの MVPとなっています。こういう大舞台には強いんですね。しかし、 この場面のここであれだけ打つ、というのはすごい! アメリカの スポーツニュースでもトップ記事になってましたもんね。 ここまではイチロー選手の活躍が目立っていましたが、ヤンキース最 後の年(になる可能性がある)に、まさに「記憶に残る」活躍をして くれました。これで「ゴジラ松井」が本当の意味で全国区になったの ではないでしょうか。 ワールドシリーズに出られることだけで可能性が相当低いわけで、次 にワールドシリーズMVPになる日本人選手はいつになるか……松坂 投手なんかにも期待しちゃいます。 松井選手、おめでとうございます!! 今日の巨人も、それが乗り移ったかのような神懸かり的な逆転劇でし たね! 「内野のアタマ超えないかな~」と思っていたらそうなって 「サヨナラHR打たないかな~」と思っていたら本当に出ました…… すごい……今年のプロ野球も多くてあと2試合。最後まで楽しみたい と思います。 ●今日のiPod Tune:「売れる会社のすごい仕組み」BGM特集! 読書の秋! ということで、この秋は新刊「売れる会社のすごい仕組 み」で、戦略構築力をパワーアップ! ヒロイン売多真子が活躍するマーケティング小説、売れる会社のすご い仕組みを盛り上げるBGM特集! 第5章 売りたい商品への「流れ」を作る REIさんの料理教室 P.192~197 シチリアを訪れた真子達一行は、シチリアで料理教室を展開する日本 人、REIさんの料理教室を受ける。 楽しく進むレッスンの中にも、発見の連続。 そのときのBGMは…… Go West by Pet Shop Boys 1993年、全英2位の大ヒット。この曲を紹介するのは意外にも初 めてですね。原曲はVillage People。日本でも結構使われているので きっと聴いたことがあると思います。昔、巨人の清水選手がバッター ボックスに入るときに流れていましたね。盛り上がる曲でした。 料理教室開始と同時にイントロスタート。日本から見たらイタリアは 「西洋」ですから、まさに「西」にあり、Go Westですね。楽しく、 テンポよく進む料理教室を同じくテンポのいい曲がもり立てます。 実際にREIさんの家で流れていてもおかしくありませんね。 真子達はシチリアで何を得てくるのか?? この本は、5~6回読んでいただいても、そのたびに新しい気づきが あるはずです。ぜひBGMを聞きながら再読してみてください! ○「売れる会社のすごい仕組み」の詳細はこちらから↓ http://sandt.co.jp/shikumi.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆売れたま!を解除するには ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 売れたま!は、以下の3つの配信会社さんから配信されています。 こちらには読者様のアドレスはわかりません。配信会社さんをご確認 の上、以下から解除をご自身にてお手続き下さい ○まぐまぐ 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