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アフリカに魅せられ、ひとり旅をはじめて早7年。フリーライターの木下貴史がこの目、この耳、この舌、この口、この身で体験した、生きたアフリカ・普段着のアフリカを写真とコラムでお届けします。

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2008/07/25

アフリカの路上で

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       『 アフリカの路上で 』 木下 貴史 (2008/07/25)

       第259回 中国の外交力を見る 〜マプト、モザンビーク

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 マプトの土曜市は小規模だ。
 売られている物も民芸品が多い。
 観光客目当ての品揃えだけど、マプトにツーリストは皆無に近いから、閑散としている。

 マプト在住らしき中国人がアイボリーのでかい木彫りに目を付け、座り込んで、電卓
 片手に値段交渉をしている。
 まけねえと買わねえぞと意気込み、モザンビーク人の露天商はたじたじだ。
 中国人は札束を取り出し、見せびらかし、追い打ちをかけている。

 「この金をみすみす逃すのか! 黙ってまけろよ!」

 そんなことを言っているのだろう。
 中国人は世界どこでもパワフルだ。
 街角でオドオドしている東洋人は日本人で、肩で風を切って歩いているのが中国人だ。
 小銭1つでも盗まれまいとびくびくしているのが日本人なら、俺様から小銭1つでも
 かっぱらってみろ、ただじゃすませねえぞと無言の圧力をかけているのが中国人だ。
 見習いたい。

 「わかったよ、もう要らねえよ、黒んぼ!」

 札束を見せびらかしていた中国人は、こんな啖呵を切ったに違いない。
 立ち上がった。
 黒んぼまで言っちまった気がする。
 99%の確信はある。

 「旦那、落ち着きなよ。駄目だとは言ってないだろ」

 露天商も慌てて立ち上がった。
 黒んぼ発言に目くじらを立てていたら、目の前の札束が消えてしまう。
 枝葉よりは人参だ。
 モザンビーク人は根性が坐っている。
 感服だ。

 「じゃあ、いいな、その値段で」

 中国人は念押しをする。
 ゴリ押しか。
 露天商はしぶしぶ同意した。
 札束を受け取った。
 かなりの額をまけたのだろう。
 軍配は中国人にあがった。
 完勝だ。

 中国人のたくましさを外国で目にする度に、これが交渉術の基本の1つだと思えてくる。
 外交にも通じるはずだ。
 どこからともなく現地の子供が2人寄ってきて、購入したアイボリーのでかい置物を
 運びはじめる。

 「落としたら、チップやらねえぞ。腕へし折るぞ!」

 釘をさしたのだろう。
 子供たちは慎重に運びはじめた。
               

 【写真】土曜市、マプト、モザンビーク
    Saturday market,Maputo,Mozambique
 http://www016.upp.so-net.ne.jp/taka_public/column/photo/bk_files/259.html
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 ■ アフリカの路上で(木下 貴史) 毎週金曜 発行
 □ バックNo. : http://archive.mag2.com/0000111344/
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