2007/04/02
中小企業の経営課題へのアドバイス(Vol.115/2007.4.2)
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■■■■ 「中小企業診断協会神奈川県支部」メールマガジン ■■■■
◆ 中小企業の経営課題へのアドバイス ◆
(Vol.115/2007.4.2)
発行元:(社)中小企業診断協会神奈川県支部
編集責任者:井上 真伯(admin@sindan-k.com)
ホームページ:http://www.sindan-k.com/
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このメールマガジンは、中小企業経営者が抱える経営課題について、身近なテーマ
を取り上げ、アドバイスを行うメールマガジンです。現在は月2回のぺースで発行し
ております。
ご質問、意見、ご希望がございましたら編集責任者または直接、執筆者へメールで
お寄せ下さい。
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(Vol.115/2007.4.2) のご案内
今回は、下記2編を掲載します。
■ 「平成19年度中小企業施策と行政機関の動向に関するトピックス」
(全4回)
中小企業診断士 井上 真伯
No210.第1回 中小企業施策で注目すべき施策のポイント(1)
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◆平成19年度中小企業施策と行政機関の動向に関するトピックス(第1回)◆
〜中小企業施策で注目すべき施策のポイント(1)〜
神奈川県支部ウエブ管理者
中小企業診断士 井上 真伯
admin@sindan-k.com
1.はじめに
「日本経済は空前の好景気である」「景況感は回復基調にある」などという言葉が当
たり前のように聞かれる昨今ですが、一方で「一億総中流」幻想が崩壊して「格差社会」
が現実のものとなっています。筆者の周辺の企業や個人の方から聞こえてくる話も同様
の傾向があり、法人・個人に共通の傾向と感じられます。
とはいえ、「勝ち組」と目される企業が安心しているかというと、決してそうではあ
りません。世間から「勝ち組」と見られている企業でも、近い将来の日本経済の動向に
強い危機感を抱き、さまざまな対策を採っています。
こうした流れを受けて、政府が実施する中小企業施策や関係省庁の動向も、小泉政権
の5年間とは異なった動きが出始めています。そこで、本メルマガでも4月と5月の短
期集中シリーズとして、中小企業施策で注目すべき施策のポイント、関係省庁の動向、
税制大綱における注意点について、4回に分けて特集してまいります。
なお、6月からは通常の構成(1日号と15日号で別々のシリーズを掲載)に戻る予定
です。
2.平成19年度中小企業関連予算の三本柱
昨年8月発表の「平成19年度中小企業関係概算要求・財政投融資要求の概要」によ
れば、以下に示す三つの基本的な考え方を示した上で、必要な予算・立法措置を講じる
としています。
(1)地域中小企業の活性化(地域の応援)
a.「地域資源活用企業化プログラム」の創設
b.まちづくりの推進と商店街の振興
(2)中小企業の発展・再生の支援(企業の応援)
a.モノ作り中小企業の高度化支援
b.政策金融改革の的確な実現と中小企業金融の充実・円滑化
c.中小企業再生の推進・事業承継の支援
(3)起業・再起業促進や中小企業で働く人材の支援(「ヒト」の応援)
a.起業・再起業の支援
b.小規模・零細事業者に対する支援
c.女性・OB人材・若者を活かした事業展開の支援
3.「地域の応援」のポイント
上記a.項で示した「地域資源活用企業化プログラム」は、今回新たに制定されたも
のです。中小企業庁の広報資料によれば、「地域間格差の拡大が懸念される中で、地域
がそれぞれの強みをいかして自立的・持続的な成長を実現していくことが重要」との見
解から、域外市場に関する情報や人的ネットワークの不足という課題の解消を目的とし
ています。
具体的には、「地域の強みとなる資源」(『産地技術』『農林水産物』『観光資源』
の3類型のもので、都道府県が指定し、管轄経済産業局の認定を受けたもの)を資源を
活用して新商品などの開発を行う中小企業に対して、ハンズオン型の支援を行い、今後
5年間で1,000の新事業創出を行うものです。
支援を受けたい中小企業は、事業計画を作成して都道府県経由で管轄経済産業局へ申
請します。経産局の認定が受けられれば、全国9箇所に設置される支援事務局に配置さ
れた専門家のきめ細かいアドバイスに加えて、当該事業のリスクに応じて『補助金』
『設備投資減税』『低利融資』といった資金面の支援を受けることができます。
「コンパクトでにぎわい溢れるまちづくりを進める」というテーマの下で実施された
街づくり3法(中心市街地活性化法、改正都市計画法、大規模小売店舗立地法)の改正
は、まだ記憶に新しいところだと思います。こうした状況をふまえ、「戦略的中心市街
地商業等活性化支援事業」により、中心市街地活性化法に基づき認定を受けた地域(富
山市や青森市がすでに認定を受けています)で行われる商業施設の整備や中心市街地活
性化協議会の設立・運営に対する支援等を実施します。
商店街振興に関しては、中心市街地活性化本部を中核として、「選択と集中」の下、
中小小売商業者等の意欲的な取り組みへの支援が行われます。具体的には、今後3年間
で100のモデル的な商店街の確立を目指して、「少子高齢化等対応中小商業活性化事業」
に基づき、空き店舗を活用した育児施設や起業・就業等のためのオフィススペースの設
置に対する支援が実施されます。
神奈川県下においては、こうした商店街内のコミュニティー施設や中心市街地への創
業者向けインキュベーション施設の設置は、すでに「チャレンジショップ事業」などの
別施策を活用した事例や、地域商工会議所が独自に取り組んでいる事例も散見されてい
ます。こうした前向きな事業者にとって、選択肢が増えることは歓迎すべきことといえ
るでしょう。
4.「企業の応援」のポイント
昨年6月に施行された「中小ものづくり高度化法」に基づいて、「戦略的基盤技術高
度化支援事業」が実施されました。施工後早々に支援対象企業の募集があり、すでに数
多くの企業が支援を受けています。すなわち、中小企業と川下産業の連携による研究開
発を支援するとともに、工業高校等を活用した人材育成など総合的な施策を展開するこ
とで、高度部材・基盤産業を支えるモノ作り中小企業を支援しようというものです。
具体的には、「戦略的基盤技術高度化支援事業」として、金型、組み込みソフトウエ
ア、高機能化学合成など17の技術分野について、各分野で競争力を支える基盤技術の高
度化に向けて、川下産業のニーズを的確に反映した高度化指針を策定し、これを踏まえ
た研究開発への支援が行うものです。対前年度比で予算額は倍増となっており、政府の
意気込みが感じられます。
ただ、せっかくの技術も使える人材がいないことには話になりません。そこで、中小
企業のモノ作り人材を確保・育成すべく、地域の中小企業、工業高校、行政等が一体と
なって行う実践教育の導入など人材育成への支援が行われます。この「中小モノ作り
人材育成事業」は、今年度に新規設定された事業であり、今後具体策が提示されるもの
と思われます。
政策金融の改革については、昨年の法改正で国民生活金融公庫と中小企業金融公庫の
合併、商工組合中央金庫の政府保有株式放出など、基本方針が示されました。しかし、
新聞報道にもある通り、統合後の主導権争いというか、巻き返しというべきか、政策金
融の改革とは逆行する動きが見られるのも事実であり、政府系金融機関の行方を見極め
るには、もうしばらく時間が必要なようです。
中小企業金融の円滑化では、使いにくいと敬遠されていた「売掛債権担保制度」に代
わり、昨年度制定された「流動資産担保保証制度」の活用が注目されます。具体的には、
昨年度中に終えた中小企業信用保険法など関係法規の整備を受けて、この制度を活用し
た『企業の事業そのものに着目し、事業に基づくさまざまな資産の価値を見極めて行う
貸出(ABL:Asset Based Lending)』の積極拡大が進められます。
また、事業承継の円滑化に向けた総合的な支援についても、新たな事業が設定されま
した。具体的には「中小企業事業承継円滑化支援事業」として、中小企業経営者の高齢
化が進展する中、中小企業の円滑な事業承継を支援するため、事業承継協議会の運営や、
シンポジウム開催等による普及啓発、実務家間の事業承継支援ネットワークの構築等が
実施されます。政府予算としての概算要求額は4億円と小規模ですが、地方自治体でも
随伴する動きがでてきています。今年度は、神奈川県でも独自に「事業承継に関するセ
ミナー」を実施する予定とのことです。
ここまで書いた所で紙数が尽きました。「ヒトの支援」のポイントからは、次号にて
述べていきます。
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◆次号のお知らせ◆
次号は、4月15日に発行します。どうぞご期待下さい。


