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2007/03/17

中小企業の経営課題へのアドバイス (Vol.114/2007.3.17)

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      ■■■■ 「中小企業診断協会神奈川県支部」メールマガジン ■■■■ 

               ◆ 中小企業の経営課題へのアドバイス ◆ 
                         (Vol.114/2007.3.17) 
                              
                    発行元:(社)中小企業診断協会神奈川県支部 
                            編集責任者:井上 真伯(admin@sindan-k.com) 
                 ホームページ:http://www.sindan-k.com/ 

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 このメールマガジンは、中小企業経営者が抱える経営課題について、身近なテーマ
を取り上げ、アドバイスを行うメールマガジンです。現在は月2回のぺースで発行し
ております。
 ご質問、意見、ご希望がございましたら編集責任者または直接、執筆者へメールで
お寄せ下さい。 
                             
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                      (Vol.114/2007.3.17) のご案内 

 今回は、下記2編を掲載します。 
          ■ 「私の推薦書」(全6回) 
                            中小企業診断士 松浦 友尚
        No208.第6回 人事・労務に関する推薦書

         ■ 「中小企業経営とリスク管理」(全6回) 
                                中小企業診断士 井上 知二 
        No209.第6回 経営姿勢について
 

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                       ◆私の推薦書(第6回)◆
                        〜 人事・労務に関する推薦書 〜

                       NPO法人ビジネス駅伝ネットワーク
                          中小企業診断士 松浦 友尚
                             tomo1@poppy.ocn.ne.jp

 こんにちは。NPO法人ビジネス駅伝ネットワーク(以降、B-NETという)の会員の松浦
友尚(まつうら ともなお)と申します。前回の酒井先生に引き続きまして、「私の推
薦書」について紹介いたします。

 簡単に私のプロフィールを紹介しますと、平成18年4月登録の中小企業診断士で、同
年に神奈川県支部に入会しております。現在金融関係の勤務に従事しつつ、診断士とし
てはB-NET会員として週末を中心に活動しています。

  さて、ここから本題に入ります。

 本日は皆様に「年金」についてお話したいと思います。

 年金といえば社会保険労務士の業務、とおっしゃる方も多いでしょう。確かにそのと
おりなのですが、中小企業診断士にとっても年金に関する知識はきわめて重要で、皆様
が中小企業の経営者とお話をされる際のテーマとしては必須項目といえます。これから
中小企業を取り巻く年金の状況についてお話いたします。

 中小企業の年金制度として、中小企業退職金共済制度(中退共)と並んで税制適格退
職年金制度(適格年金)があります。これは法人税法に基づき1962年に導入された主に
中小企業を念頭に設計された年金制度で、税法上掛金を全額損金に計上できることもあ
り、大手企業・中小企業を問わず広く普及した制度です。加入者数が1,000万人近くに
達した時期もありました。

 この適格年金制度が、2001年度の企業年金制度の改正に伴い2012年に廃止されること
になりました。現在適格年金制度を利用している企業は、2011年度末までに他の制度に
移行しなければなりません。選択肢としては中退共の他、厚生年金基金の設立、確定給
付企業年金や確定拠出年金等があります。しかしながら、2006年現在で45,000社、560
万人が依然として適格年金制度に拠っており、制度の移行はなかなか進んでいないのが
実情です。

 対策が進まない原因は対象企業への周知徹底がまだ十分に進んでいないこともありま
すが、年金資産の積み立て不足も大きな要因となっています。制度が発足した時点では
十分対応できた年金の予定利率がその後の低金利による運用難から維持できず、年金資
産の積み増しや給付の削減等の対策をとらないと新たな制度に移行することが難しいの
です。

 年金制度は人事・労務制度の根本としての福利厚生制度の中でも、従業員への人生設
計上影響のきわめて大きい制度です。これが揺らいでいるようでは従業員のモラールへ
の影響も極めて大きいと言わざるを得ません。適格年金制度利用企業の90%以上を占め
る中小企業の経営者はさぞこの年金問題に頭を悩ませているでしょう。

 中小企業診断士としては直接年金の制度設計に携わるのは難しいでしょう。しかしな
がら、「どのような福利厚生制度が当該企業にとって望ましいか」といった企業理念に
かかる相談や、資金面への相談には応ずることができると考えられます。制度設計の具
体的な内容は年金コンサルタントに委ねるとしても、そのインフラ整備には中小企業診
断士がより巨視的な視点を持って貢献できると思います。

 もう一つ、「中小企業と年金」として大きなテーマがあります。それは言うまでもな
く「経営者自身の年金」です。適格退職年金は「従業員数15人以上」という要件があり
その意味では「中堅企業」が中心といえるかもしれません。従業員5人以下の典型的な
中小企業の場合適格退職年金の問題は生じませんが、高度成長を支えた多くの中小企業
で代表者が60歳を超え、後継者対策が大きな問題となっております。事業承継と合わせ
適切な年金の知識があれば、中小企業診断士としてのアドバイスにもより説得力が増す
と考えます。

 年金の制度はたびたびの法改正によりきわめて複雑なものとなっており、体系的な理
解には適切な解説書を読みこなすことが不可欠です。年金に関する解説書はいろいろ出
版されておりますが、今回は「図解 年金のしくみ」(みずほ総合研究所編、東洋経済
新報社)を挙げることとします。執筆者は若手中心ですが、年金制度全体のしくみから
年金の数理・財政・計算のしくみ、年金改革の動向や将来の課題について総合的に述べ
られており、全体感を養うのには適していると思われます。

 皆様が診断業務を行われるに当たり、より幅広いコンサルティングを行われる際の一
助となれば幸いです。

 最後に、私が所属しておりますB−Netの紹介をさせて頂きます。

    ******************************
          NPO法人 ビジネス駅伝ネットワーク

私たちは、企業をあらゆる面からサポートする経験豊富な実践的なプロの集団です。
(2007年2月1日現在、27名)
事業承継支援、経営革新支援、歯科医院経営支援、各種経営セミナー等を通して、企
業経営に対する夢を醸成することを活動方針としています。
ご興味ある方は、お気軽に御連絡ください。

☆企業での経営診断を実践的に経験したい方、診断士資格更新に必要な実務研修につい
ても、ご相談下さい☆

ホームページ:http://www.npo-be.net/
Eメール:info@npo-be.net

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             ◆中小企業経営とリスク管理◆
               第6回 経営姿勢について

                   平八会(神奈川県支部平成8年度登録同期会
                                  http://homepage3.nifty.com/HEIHACHIKAI/
                          井上 知二(中小企業診断士)
                                                          CZS17173@nifty.com

 平八会の井上 知二と申します。今回は「中小企業経営とリスク管理」の最終回とし
て「経営者の姿勢」に関してお話いたします。

 今まで5回にわたりお伝えしてきた「中小企業のリスク管理」の種々の内容の中でそ
の実現の為に最も重要なことは「経営者の経営姿勢」であると言っても言い過ぎではな
いでしょう。何故ならば大企業と異なり、中小企業では経営者に権力(権限・責任)が集
中し、また信用力、財力、営業力、技術力などの経営資源が集中しているからです。で
すから中小企業での企業のリスク管理及び発展は経営者の姿勢如何に拠るところが大き
いのです。

1.経営者の役割
経営者のリスク管理(倒産防止)の役割を大別すると以下の6点に集約されると思います。

(1)安定した資金管理の確立:
即ち資金繰りの課題です。企業倒産の実に99%が資金繰りに行き詰まっての倒産です。
順調に企業経営を進める為には先ず健全な経営指標を確立して、計画性のある資金管理
が不可欠です。損益計算上で多少の赤字になっても企業の存続は可能です。しかし資金
繰りがつかなくなれば損益計算上では黒字でも即倒産になります。特に資金管理を“キ
ャッシュフロー”で見る習慣を身に付けることが大切だと思います。

(2)業種特性を熟知:
自己の企業が属する業種の構造特性を熟知することです。例えば「書籍小売業」「ガソ
リンスタンド業」等のように、販売値がほぼ一定で、仕入れ原価でも差別化が困難な業
種に関しては、粗利益率の急激な向上は中々見込めません、その場合には運営効率の改
善が最も重要な課題になるでしょうし、一方「玩具製造業」「薬品製造業」などの分野
では、効果的な「新製品開発」で粗利益率の急激な向上、売上げの大幅な増加が見込め
るからです。その他にも業種による色々な構造特性、流通特性、取引形態があります。
そのシステムに反しての経営は大変困難を伴います。何処の点を重点的に改善するかは
各企業によっては勿論ですが、業種によっても異なると思います。

(3)経営システムを確立:
(2)の業種特性を熟知した上での経営効率化システムを確立する、単にムダを無くす
という消極的な発想に終始せず、如何に効率的で品質の良い製品・サービスを作り出せ
るか?“人”“物”“金”“情報”などを総合的に考えて革新的最良のシステムを確立
することが大切だと思います。
具体的にいうと、例えば情報伝達システムです。現場の意見・実情などが経営陣に届か
ないシステムであると、経営者の耳障りの良い情報ばかりが下から届き、結果として経
営者の意思決定を誤らせる原因となるからです。

(4)明確な意思決定:
経営者の意思決定は「投資時の意思決定」と「撤退時の意思決定」の二つです。投資時
の意思決定とは、不動産、設備などの固定資産に対する意思決定だけではありません、
人材の採用・教育、商品仕入・新規開拓などさまざまな分野で行われる投資です。
また撤退時の意思決定は農耕民族である我々日本人には最も苦手な意思決定であると言
われてきました。どうしても過去の現象・経験・実績などにこだわり易く変化を避ける
傾向があるからです、しかし変化の激しい現代に於いてはどんな事業でも永久に続くこ
とは不可能です、既成概念、過去の成功体験を捨てての撤退戦略、撤退なくして新規開
拓が出来ない場合も多くあるでしょう。所謂選択と集中です、このことが今後益々重要
に成ってくることは間違いないでしょう。

(5)常に3年後を考える:
「第4回の経営環境の変化」でもお話したとおり、最近の経営環境の変化は目まぐるし
いものです。以前は「十年一昔」と言ったものですが最近では「三年一昔」と言っても
過言ではありません。「我々にとって最大の競争相手は同業他社ではない、世の中の変
化、市場ニーズの変化こそが最大の競争相手である」(鈴木敏文 イトーヨーカ堂会長)。
5年・10年先を不確定要因が多い中で将来を見据えるより、ある程度予想可能な3年後
を的確に見据え経営戦略を考えることが大切でしょう。

(6)経営戦略を考える:
企業を取り巻く外部要因及び自社の内部要因を客観的に分析、過去の経験に捉われるこ
となく、経営戦略を策定し実行する事が経営者に強く求められます。(詳細は「第4回
の経営環境の変化」参照) その中でも大切なことは、社内外から幅広い意見を聴き、
戦略に反映させること、その為にも日ごろからの社員教育、よい人脈の確保などの日常
の経営姿勢が物を云います。

2.経営者に求められる姿勢・行動・態度
1項の経営者の役割を果たすためにいかなる行動・姿勢・態度が経営者に求められるの
か?に関して以下に述べます。

(1)バランス:
特にバランス感覚は経営者の必須要素です。無理は一時的には通用しても長続きはしま
せん。中小企業は前述の通り、経営者に権限・責任が集中しているが故に、経営者のバ
ランス感覚が強く求められます。限られた経営資源をバランスよく配分し、企業として
の一定の差別化を製品・サービス・品質・コスト・流通・メインテナンスなどに実現を
する。この為に前回まで5回に亘りお話したとおり、人材育成、より良き社風、風通し
の良い会社組織、新規開拓が可能な財務力、後継者問題などが常にバランスよくセット
されるような経営姿勢が求められます。

(2)明確な目標設定:
過去の成功事例に捉われることなく、自社に最適な経営戦略を策定し、それを明確にす
ることで特定の目標に全経営資源のベクトルを合わせ、組織を実際に動かす行動力が求
められます。

(3)明るさ/使命感/ブレーン:
経営者は常に明るくなければ社員達のモティベーションに繋がりません、古今東西暗い
性格・態度の経営者が事業に成功したとの話は聞いたことがありません。
また経営者は常に高い使命感を持って企業経営に当たるべきで、その使命感の高さがあ
ればコンプライアンスの問題、製品事故隠蔽などの企業の不祥事などの経営リスクは最
小限まで軽減できます。
また経営者は社内外に広くブレーン(友人)を持ち、正確で有益な情報収集が出来る人
脈をキープし、その人脈の情報を的確に分析して“経営バランス”“目標設定”に活か
し、会社を安全・確実に発展させるのが経営者の責任であると思います。

以上「中小企業のリスク管理における経営者の姿勢」について述べてきましたが、現実
的に考えて、現在まで合計6回にわたって述べてきたことが完全に実行出来ている経営
者は殆ど皆無でしょう。しかしどれ一つを取ってみても中小企業の経営には大切な項目
ばかりであることもまた事実です。この項目を最初から完全にやろうとするのではなく、
現在よりも一歩、また更にもう一歩と前進させる日々の努力の積み重ねこそが大切であ
ると感じます。

最後に経営者が陥りやすい“過ち”に関して経験事例を基に列挙してみたいと思います。

・経営者の甘え:
特にオーナー経営者はワンマンで自信過剰で唯我独尊に陥り易い。結果として、裸の王
さまになってしまい、不都合な情報は入ってこず、回りはゴマスリばかりになり結果と
して経営判断を誤る。

・従業員軽視:
自社の従業員を使用人と考え、意見を聞かずに一方的に命令を繰り返す。この結果従業
員は育たず、健全な社風は育たない。

・利益の一人占め:
会社を自己の私物と考え、会社の利益を従業員に最小限しか再配分しないで、経営者が
一人占めにして自分個人の資産形成に終始する。結果として社員の帰属意識は薄れ、有
能な社員は会社を後にする。

・向上心喪失:
一定規模の成功に満足して、改善意欲を失う。これは企業の衰退が始まる初期段階、社
員のモチィベーションが下がる。

・名誉職:
地方議員、福祉団体、組合理事などの要職に就き、社業を省みず、会議、寄り合いなど
に没頭しすぎ、関心が会社経営から離れる。結果として会社の現状認識を誤り、不適切
な意思決定を行う。

                                    以 上
                  
    ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 

                   ◆次号のお知らせ◆ 
 
         次号は、4月1日に発行します。どうぞご期待下さい。 
               


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