2006/11/15
中小企業の経営課題へのアドバイス(Vol.106/2006.11.15)
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■■■■■ 「中小企業診断協会神奈川県支部」メールマガジン ■■■■■
◆ 中小企業の経営課題へのアドバイス ◆
(Vol.106/2006.11.15)
発行元:(社)中小企業診断協会神奈川県支部
編集責任者:井上 真伯(admin@sindan-k.com)
ホームページ:http://www.sindan-k.com/
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このメールマガジンは、中小企業経営者が抱える経営課題について、身近なテーマ
を取り上げ、アドバイスを行うメールマガジンです。月2回のぺースで発行いたします。
ご質問、意見、ご希望がございましたら編集責任者または直接、執筆者へメールで
お寄せ下さい。
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(Vol.106/2006.11.15) のご案内
今回は、下記2編を掲載します。
■ 「私の推薦書」(全6回)
中小企業診断士 松田 充敏
No196.第2回 IT関係に関する推薦書
■ 「中小企業経営とリスク管理」(全6回)
中小企業診断士・社会保険労務士 吉岡 利春
No197.第2回 労働問題
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◆私の推薦書(第2回)◆
〜 IT関係に関する推薦書 〜
NPO法人ビジネス駅伝ネットワーク
中小企業診断士 松田 充敏
mat-mit2@agate.plala.or.jp
こんにちは。NPO法人ビジネス駅伝ネットワーク(以降、B-NETという)の会員の松田
充敏(まつだみつとし)と申します。前回の徳川先生に引き続きまして、「私の推薦
書」について紹介いたします。
簡単に私のプロフィールを紹介しますと、平成18年4月登録の中小企業診断士で、同
年に神奈川県支部に入会しております。普段は大学の技術職員として、電子情報工学の
研究や実験の指導などを行っております。診断士としては、B-NETの会員として、週末を
中心に歯科医院経営支援、各種調査事業や経営セミナー等の活動を行っている週末診断
士です。
さて突然ですが、皆様はExcelをどのように利用していますでしょうか? 「表やグラ
フの作成、簡単な計算にしか使用していない」という方も多いのではないでしょうか?
診断士試験では、「ビジネスデータ分析=マイニングツールやOLAPシステム等」と勉
強しました。しかし、使い方さえ知っていればExcelだって十分な経営分析ツールなので
す。
一つの例として、次のような売上伝票データがあったとします。
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売上日付 ,商品名 ,売上金額
2001/4/1 ,お料理上手の素 青袋 ,160130
2001/4/3 ,お料理上手の素 青袋 , 14818
2001/4/5 ,お好みソース 中辛 ,111240
2001/4/10,お弁当ふりかけ 5袋入り,105312
2001/4/10,お好みソース 辛口 , 66670
2001/4/12,お弁当ふりかけ 5袋入り, 10368
2001/4/17,お子さまカレー , 60564
2001/4/17,お子さまカレー ,163464
2001/4/19,お子さまカレー , 30380
2001/4/22,お弁当ふりかけ 5袋入り, 71184
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このデータから商品別売上金額を求めたいとします。つまり、次のような表を作ること
になります。
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商品名 ,合計
お子さまカレー ,254408
お弁当ふりかけ 5袋入り,186864
お料理上手の素 青袋 ,174948
お好みソース 中辛 ,111240
お好みソース 辛口 , 66670
総計 ,794130
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さて、Excelで計算するにはどうしたらよいでしょうか? もちろん、フィルタやソー
ト等を駆使してもできるのですが、「ピボットテーブル」という機能を使うとマウス操
作だけで実現できます。具体的には、最初の表のデータが入っているExcelファイルを開
き、メニューから「ピボットテーブルと…」を選択し、「完了」をクリックします。そ
うすると、見慣れない表が出てきます。ここで、「行のフィールド」に「商品名」をド
ラッグし、「データアイテム」に「売上金額」をドラッグすると、2番目の表が出来上
がります。
今回は簡単な例ですが、販売先毎に分類したり、月別の売上を見たりということもマ
ウス操作だけで可能です。しかも、結果のグラフを見ながら項目を変えて分析していく
こともできます。ABC分析もお手の物です。
まだまだ使える機能はあるのですが、文章の説明だけでは限界がありますので、今回
の説明でよく分からなかった方や経営分析に使えるExcel機能にご興味を持たれた方は、
次に示します「私の推薦書」をご参照頂ければと思います。
書 名: Excelでマスターするビジネスデータ分析 実践の極意
著 者: 住中光夫
出版社: アスキー
出版年: 2003年6月
Excelはコンピュータの中に既に存在していることが多く、新たな設備投資は不要で
す。しかしながら、あまり知られていない機能を使いこなせれば、大きな効果が見込め
ます。クライアント企業へのExcel活用の助言として、或いは診断士業務の効率化として
皆様のお役に立てればと思います。
最後に、私が所属しておりますB-NETの紹介をさせて頂きます。
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NPO法人 ビジネス駅伝ネットワーク
私たちは、企業をあらゆる面からサポートする経験豊富な実践的なプロの集団です。
(2006年8月1日現在、26名)
事業承継支援、経営革新支援、歯科医院経営支援、各種経営セミナー等を通して、企業
経営に対する夢を醸成することを活動方針としています。
ご興味ある方は、お気軽に御連絡ください。
☆企業での経営診断を実践的に経験したい方、診断士資格更新に必要な実務研修につい
ても、ご相談下さい☆
ホームページ:http://www.npo-be.net/
Eメール:info@npo-be.net
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◆「中小企業経営とリスク管理」(第2回)◆
〜労働問題〜
平八会(神奈川県支部平成8年度登録同期会)
URL:http://homepage3.nifty.com/HEIHACHIKAI/
吉岡 利春(中小企業診断士、社会保険労務士)
toshi-yoshioka@mua.biglobe.ne.jp
平八会の吉岡利春と申します。今回は「中小企業経営とリスク管理」の第2回、「労
働問題」をテーマにとりあげます。前回の概要説明で紹介しましたように、「企業の社
会的責任」が従来以上に大きくなっていることから、中小企業におかれましても、従来
の安全対策・災害対策にとどまらない「コンプライアンス(社会規範まで含む法令遵
守)等まで含んだ広範囲のリスク管理」が重要な経営課題となっています。この点を
「労働問題(人に関するリスクのうち、従業員に関するリスク)」という切り口で考え
た場合、従来型の労災や従業員の不祥事対策等に加え、【労働基準法を始めとした各種
労働法令の遵守を念頭においた経営】の必要性が高まっていると捉えるべきでしょう。
そこで、今回は「労働法令」と「従業員」をキーワードに、リスク管理を考えていきた
いと思います。
【労働法令と従業員に関する最近の動きとリスクの内容】
みなさんは、労働関係の法律というと何を思い浮かべるでしょうか?労働基準法や男
女雇用機会均等法といった法律はご存知かと思いますが、ほかにも実に多岐にわたる法
律が存在します。例えば、60歳以上の定年延長に関することは昨年改正された「高年齢
者雇用安定法」に、長時間労働者(一定条件該当者)に対する医師の面接指導義務につ
いては今年改正された「労働安全衛生法」に定められています。近年はこういった労働
法令の改正が相次いでおり、企業の人事担当者でも全ての法令を把握するのは困難とい
ったほどの事態になっています。
経営者のみなさんにとって、コンプライアンスが企業経営上不可欠の理念であること
はいうまでもありません。しかしながら、上記のように全ての労働法令に対応していく
ことは難しい現状にありますので、まずは、ポイントを絞った「リスク管理」を考えて
いただきたいと思います。そうした点から是非注目していただきたい最近の動きとし
て、
「社会問題化するような法令違反に対する当局の監督・指導が強化されている」という
ことがあります。
なかでも最近特にクローズアップされているのが、一般にサービス残業といわれる賃
金不払い残業の問題です。有名な企業では日本マクドナルドで2年間に34億円もの残業
代未払い分があったというような報道がありましたね。厚生労働省の発表によれば、昨
年度全国で1,524企業が是正指導を受け、未払いの残業代233億円(支払額100万円以上の
集計値)が支払われたそうです。このような不払い残業が追及される場面として、従業
員からの申告により労基署が調査に入るケース、および労働基準監督官が職権により行
う労働監査(労働条件実態調査)があります。後者の場合は、全事業所を対象に定期的
に行われますから、特に法違反をしていないからといって避けることはできません。
この労働監査で残業代未払いなどの法違反が確認されますと、是正勧告(または指
導)が行われ、未払い分がある場合は過去に遡っての支払いが命じられることになりま
す。遡及されるのは、通常3か月から6か月程度と聞いていますが、こうした支払いに
よって、(本来支給すべきものではありますが)資金繰り上のインパクトを受けること
になります。また、単に金銭的な問題だけでなく、是正勧告に基づく措置の結果、従業
員が会社に対し不信感を持ったりするようなリスクも想定されます。
このほか、最近の報道(日経新聞2006年9月)では、下記のような監督強化の動きが
伝えられています。
・厚生年金の未加入事業所を社会保険庁が調査し、加入説得に応じない事業所は職権に
よる加入手続きに踏み切る。<厚生年金法では、1人以上の常時従業員を使用するす
べての法人と常時従業員5人以上の個人事業所を厚生年金の強制適用事業所と定めて
いる>
・厚生労働省は、労働者派遣法等に違反し、偽装請負を行う企業に対する監督指導を強
化するよう各都道府県労働局長に指示。<請負契約の場合、発注企業が作業者に直接
指揮命令することは職業安定法および労働者派遣法に抵触する違法行為>
このように、施行された法律に関し、監督・指導が強化されることによって、違反し
た場合にもたらされる損失が顕在化する可能性が高まっています。
一方、従業員を取り巻く近年の環境変化として、「インターネットの普及により労働
関連の情報も容易に入手可能になったこと」「人材紹介会社の成長に伴い、転職市場が
確立されてきていること」「リストラやキャリア意識の浸透により、いわゆる終身雇用
の慣行が崩れてきていること」などがあげられます。リスク管理の観点から、こういっ
た変化のもたらす影響を考えてみますと、多少の不満があっても定年まで会社にいるこ
とが当たり前とされていた時代と違い、会社に不満を持った従業員の選択肢が「個別労
働相談や訴訟」「転職」と広がり、こうした点からも会社に損失をもたらす可能性が高
まったといえると思います。
【リスク管理(対策)】
それでは、法令と従業員の最近の動きがもたらすリスクに、どのように対応していっ
たらよいかについて考えてみたいと思います。
全ての労働法令を守っていくことは、理念としては大切であっても現実的な対応とし
ては困難であるため、「損失の大きさが予想されるものから重点的に対応する」という
考え方がリスク管理のうえでは重要です。リスクコントロールの技術で言えば、回避に
固執せず、損失制御に注力するといった発想です。
そうした点からも、まずは「社会問題化」しているような労働関連の情報に関心を持
ち、法律に照らして違反となってしまうような行為等を把握することが不可欠です。次
に社内のルールが、法令違反となっていないかを確認し、違反状態であれば速やかに見
直します。ここで重要なのは、「就業規則をきちんと修正しておくことです。労働基準
法で定められているように、常時10人以上の従業員を使用する事業所は就業規則を作成
し、労基署に届け、社員に周知する義務があります。就業規則の作成、改定を徹底する
ことで、監査にも対応できますし、法令遵守の要ができます。
残業代に関する対応で例をあげれば、「残業する場合は事前に申請書を提出する」と
か「終業後に業務外の用事を行う場合は、タイムカード打刻後に行う」というような表
現を就業規則に加えることによって、残業ルールを明確にし、無駄な残業代の削減とあ
いまいな基準がもたらす不要なトラブルの防止を図ることができます。更に、労働時
間・賃金支払いの記録を正確に残し、定期的に総務管理者からの報告を受けるなどの管
理体制面を整えることで、ハード面のリスク管理が有効に機能すると思います。
次にソフト面の対策としては、「従業員とのコミュニケーションの強化」をあげてお
きます。先述したような従業員の会社離れのような行為の背景には、外部環境の変化も
さることながら、会社内における変化、特に「対話の不足」といったこともあるのでは
ないかと思います。成果主義の導入により社内がぎすぎすした雰囲気になったとか、E
メールの普及により面と向かって話す機会が減ったとか、新卒採用が減って若手を指導
する先輩社員がいなくなったとか、更には職場旅行や社内運動会がなくなったなど、ど
の会社でもいくつか該当する事例があるのではないでしょうか。従業員の「気持ち」
「モチベーション」に配慮し、智恵を絞ったコミュニケーション施策を講じることで、
ハード面とあわせたリスク管理の効果が発揮されることと思います。
こうしてみますと、経営者の皆様には、大変な時代になってきたという印象もあるか
と思いますが、置かれた状況は競合他社も同様です。是非前向きに対応していただき、
「リスクマネジメント面からの差別化」による新たな競争力を勝ち取っていただけたら
と願っております。
以上
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◆次号のお知らせ◆
次号は、12月1日に発行します。どうぞご期待下さい。
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