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2004/05/10

風を集めて─うつわ屋さんのメールマガジン─2004年5月10日 パバーヌ

 風を集めて

     ─うつわ屋さんのメールマガジン─

           2004年5月10日  


            パバーヌ
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展示会を終えて ひさしぶりに仕事場に入った

私の変な癖で なにかが終わったあとや なにかが始まる前に
部屋に流れる音楽に こだわるところがある
たとえば お正月あけての初仕事のときだとか
こんな展示会を終えて 仕事を始めるときだとか
その場の雰囲気を音の力を借りて作りたいと思うのである
好きな音の中で 仕事を始めたいと思うのである
他の人にしてみれば
どうでもいいようなことなのだろうけれど
そんな思いに固まっている私としては 仕事よりも集中して
最初の一曲を選ぶんでいる

今回は フォーレの「パバーヌ」にした

はじめて聴いたのはいつだったろうか
学生の頃だったろうか
きれいな曲だなぁと思って ずっと好きだった
けれど あるテレビの番組を見てから
この曲が流れてくると その場面が浮かんでくるようになった

NHKの教育テレビで 夜にオーケストラの演奏会の番組があった
あるコンサートの録音だったのだけれど
本来のプログラムにはなかった曲が 一番はじめに演奏された
「この曲を 阪神大震災で亡くなった人達に捧げます」
そんな言葉のあとに パバーヌが流れた
テレビの画面では 演奏するオーケストラの人達の姿と
震災直後の風景 そのあとの風景
そんなもの達が重なり合って写されていた

崩れた道路や建物
瓦礫の町
なにもかもが消え去った町
そんなものが次々と映し出されては消えていった
バイオリン チェロ ビオラ
それらの楽器を弾く人達の顔が映し出されては消えていった
そして それらの風景を
パバーヌの美しいメロディーが紡いでいた


がらんとしていた仕事場が
だんだんと息をしはじめてきた
すこしずつ脈を打ち始め
なにか作ろうという思いが 
部屋の中に充満してくるのを待っている





ひさしぶりのメールマガジンとなりました
御無沙汰してしまいまして
申し訳ありませんでした



 




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     kihodo@ucatv.ne.jpまでどうぞ


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