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2009/05/05

絵のない画集 第431回 秋岡美帆 ゆれるかげ

 絵のない画集 第431回 2009年5月5日号

  砂浜美術館の第21回Tシャツアート展に行って
 来ました。砂浜美術館は高知県西部の入野松原にあ
 ります。太平洋に面した長い海岸線の広い砂浜が、
 美術館です。Tシャツアート展は参加者が送った画
 像を印刷したTシャツを、砂に立てた棒の間に張り
 渡したロープに洗濯バサミでとめて展示しています。
 1000枚以上のTシャツが何列も並んで風にハタ
 めく様は見るからに爽快です。砂浜においた椅子に
 腰をおろして、海からの風に吹かれながら、無数の
 Tシャツのひるがえる様子を見ていると、こちらま
 でTシャツのようにヒラヒラと軽やかになって飛ん
 でいきそうになります。

  砂浜美術館のホームページはこちら http://sunabi.com/


 さて、今回の作品は・・・
 ────────────────────────
    秋岡美帆 ゆれるかげ
 ────────────────────────

  これもひとつの空間表現の方法だと思う。

  縦横奥行のある空間を、縦と横しかないキャンバ
 スの上に再現するために、画家は透視図法や空気遠
 近法を考え出した。
  近くから遠くに行くほど対象を小さくさらに遠く
 をぼかして描く。
  しかし、それだけではなにかものたりない。

  たりないものは、対象との間にある空気の動きで
 はないでしょうか。建物や山は静止していますが、
 間にある空気は常に動いているはずです。
  その揺らぎや流れを描くことが出来れば、空間に
 命が吹きこまれるのでないでしょうか。

  淡い青緑の中に、白いぼんやりとした煙のような
 ものが、上の方からやや斜行してただよい降りてい
 ます。
  そこにゆっくりとした動きが見えます。
  それによってキャンバスの平面の中に奥行のある
 空間が生まれています。

  動く空気は、空間と同時に時間の流れをあらわす
 ことになり、時間の流れは命あるものの意識を表現
 します。
  ひとの意識は、時間のない世界では存在しないか
 らです。
  この絵の白い流れは、空間の造形であると同時に
 ひとの姿とも見られます。
  ひとのたましいの姿と言えるかもしれません。

      *   *   *

 1992年作
 国立国際美術館所蔵
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=50276&edaban=1

 秋岡美帆(あきおか みほ)
 1952年生

 ──────────────────────────

 次回は、

 『原勝四郎 白浜(江津良)』

 を予定しています。

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