2009/04/15
絵のない画集 第427回 シスレー サン=マメス、六月の朝
絵のない画集 第427回 2009年4月15日号 アルフレッド・シスレーはパリ生まれのイギリス人で、 モネやルノワールと同じ美術学校でした。バージルを含 んだ4人組は、学校の教える絵を面白くないと言って、 お互いに啓蒙し合って新しい絵画を開こうとしました。 シスレーは外光の中での風景画を一途に追求して、パリ 郊外を渡り住み、喉頭がんのため60歳で亡くなりまし た。最期を看取ったのは、モネでした。 さて、今回の作品は・・・ ──────────────────────── シスレー サン=マメス、六月の朝 ──────────────────────── サン=マメスはパリの南東、フォンテーヌブローの 森の近くにあるセーヌ川沿いの村でした。 画面の左下から右方向に川が描かれ、それに沿って、 はばひろの道が続いています。右側には建物の壁が並 んでいて、朝のお日さまは建物のかげを道に落として います。 道には川に沿って、高い木が一列に並んでいます。 手前から奥に向かう木の高さの変化が、画面にゆた かな奥行きとするどい遠近感をもたらしています。 立木の葉は、朝日を浴びて金色にかがやいていると ころです。 画面の中央に、人影が見えます。背の高いのが二つ と、もうひとつ、大きいかげに寄りそうように小さい すがたがあります。 パパ、ほんとうに行ってしまうの? ママとぼくを置いて、出て行くのね。 それが男のつとめだからって、言って。 薄情なパパ! ・・・仕方ないんだね、ぼくはもうなにも言わない。 ママのことは心配しないでいいよ。ぼくがしっかり、 守るから。 ときどきは、ママとぼくのことを思い出してよね。 ぼくたちが、どうしてるかなって。 手紙をくれると、うれしいな。 ぼくはきっと返事を書いて、ママとぼくがどんなに けなげに暮らしているか、知らせるよ。 お昼に何を食べたか、とか、どんな本を読んだか、 とか・・・ もう行って! いつまでも行かないと、泣きそうになるから。 はやく行ってよ、薄情なパパ。 毎朝くりひろげられる、パリに出勤する男を見送る 妻とその子の一幕でした。 * * * 1884年作 ブリヂストン美術館所蔵 画像は「読む ブリヂストン美術館」に所収。 小さい画像は美術館のHPから、名前「サ行」→シスレー http://www.bridgestone-museum.gr.jp/collection/index.php?mode=name アルフレッド・シスレー (Alfred Sisley) 1839年生、1899年没 ────────────────────────── 次回は、 『浅野弥衛 作品』 を予定しています。 ─────────────────────────── いつもお読みいただき、ありがとうございます。 読者のみなさんの存在が、なによりの励みです。 これからもよろしくお願いいたします。 お好きな絵や、面白いと思われる絵などありましたら、 こちらから、お知らせ下さい。 よろしければ取りあげさせていただきます。 (まぐまぐさん提供のメッセージフォームを使っています) http://form.mag2.com/thaitraete 絵のない画集は、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ から 発行しています。 購読の解除は、 http://www.mag2.com/m/0000108215.htm または、 http://hw001.gate01.com/kko-ran/enonai/ から、お願いします。 -----------------------------


