2009/10/27
「落語に見るオモシロ江戸風俗」 ●三軒長屋(上)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━ら━く━ご━と━お━え━ど━の━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3分で読める! 「落語に見るオモシロ江戸風俗」 平成弐拾壱己丑年神無月弐拾漆日 其の参佰壱號 (2009/10/27 No301) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お━も━し━ろ━ば━な━し━━ 隣家の騒音公害 現代にも通じる 複雑な問題のようで ●三軒長屋(上) ここにある三軒長屋、取っつきは鳶(とび)の者で「頭(かしら)」と言 う、ここに出入りする連中は表からどなって入ってくるようなやつら。その お隣はお妾さんで、しーんとしております。その奥は剣術の先生で、楠運平 橘正友(くすのきのうんぺいたちばなのまさとも)、ここに来る者は肩をい からせて、「いやぁ、宮本武蔵と言う者は壮大な腕であるのぉ!」「いやぁ、 それを言うなら荒木又右衛門!」って、面白くもなんともない。頭の女房と 言うのは「姉御」と言いまして、年の頃三十七、八。黄楊(つげ)の櫛を横 に差して、ちょっと色は浅黒いが、口元の締まった良い女で、着ているもの はてぇと、お召の茶弁慶に、襟つきかなんかで、八端(はったん)と黒繻子 (くろじゅす)の腹合わせの帯を引っ掛けに結んで、唐桟(とうざん)の縞 の半纏か何か来ていると言う、そこへ表から出入りの若いやつが飛び込んで くる。 若い衆壱「姉さん、頭は?」 姉御「仲間の寄り合いで出かけて、鉄砲玉さ。吉原(なか)だろう。」 壱「吉原じゃねぇや、品川(みなみ)だ、品川の島崎楼に乙な妓郎(おんな) がいてね、頭に夢中だ。足駄ぁはいて首っ丈、どころじゃねぇや、竹馬は いて屋根へ上がってらぁ。」 姉「お前、何しに来たんだい!たきつけに来たのかい?」 聞くと、仲間のヘコ半とガリガリ宗次が喧嘩をして、仲直りで一杯やるか ら、二階を貸してほしいと言う。お前たちは寄ると触ると言葉が荒くていけ ない、近所にはおとなしい商売の人もいるんだから、乱暴な口はきかないな らと言う約束で、二階を貸す事に。 壱「おーい、みんな二階へ上がれ。下にいちゃいけねぇんだ。どんどん上が れ、おおい、そこへブル下がっちゃいけねぇ。どんどん上がれ、おおい、 てめぇは何でぇ、二階へ上がって一杯呑もうってのか?二階は役付きばか りだ、てめぇは下でお燗番してろ!」 姉「奴、下にいて、少し用をしておくれ。七輪に火を入れておこすんだ。」 奴「へぇ、ついうっかり二階へ上がろうとしたら、怒鳴りつけられちゃった。 頭は?お留守。へぇ、へへへ・・・・おっおっおおー!今、表を良い女が 通った!!ありゃ何者です?」 姉「あれは人の持ち物だよ。表の質屋の伊勢勘のお妾さ。」 奴「あの爺ぃが、あんな良いのを。良い歳をしやがって、歯なんざねぇ。」 姉「歯がなくたって、銭があらぁ。なにごとも金の世の中だよ。あたしは一 っ風呂浴びて来るから、後を頼むよ。」 奴「良い女だったなぁ、もう一ぺん見たいなぁ。もう出てこないかな、今日 は天気が良いらか、出てこないかな?妙見様の蛇だね。おや、ガラガラと 格子が開いたぞ(のぞく)、何だい、ありゃ、隣の女中か、まずい顔して やがんな、二階のやつらにも見せてやろう、おおぅ、二階のぉ!下ぁ見て みな、変なモンが通るから。」 壱「何だ、変なモンって?ああ、あれだ、大変な女が通るよ。」 若い衆弐「太ってやがんなぁ、あ、駆け出しやがった。お前なんざ、駆け出 すより、転がる方が早ぇぞぉ!」 若い衆参「こっち見て泣いてやがら、やぁい、化け物ぉ!」 妾「何泣いているの?隣の若い人が、お前の事を化け物と言った?今日はお 隣に若い方が大勢集まっているから、表へ出ないように言ったじゃないか。 ほら、旦那がおいでなすったよ。」 旦那「どうした?隣の若い衆が?ああ、うっちゃっておけ、あんなやつらだ。 今、俺が表を通ると、ヤカンが空を飛ぶって、俺の頭を差して笑ってや がる。相手が相手だ、我慢をおしよ。」 妾「我慢できませんよ。隣は剣術の先生で、この頃、夜稽古まで始まって、 お面だ、お小手だぁ。こっちじゃ酔っ払いが、さぁ殺せって喧嘩で。剣術 と喧嘩の間へ入って、血のぼせがしちゃいますよ。」 弐「もっと酒持って来い!野郎ばかりじゃ具合が悪いから、芸者でも引き寄 せようじゃねぇか。」 参「ここは料理屋じないよ、頭の家の二階だよ。姉さんに無理に借りたんだ。」 弐「てめぇ、逆らうのか。三年前の事を忘れたか?正月に初春獅子(はるじ し)を出した時だ。てめぇが無理やり獅子をかぶって、島崎の旦那の所へ 行くと、一両ご祝儀をくれた。それ見て、てめぇはびっくりして、グルグ ル回って穴蔵へ落っこちやがって、獅子の鼻面欠いちまいやがって、その 割り前まだ払っていねぇ。」 参「冗談じゃねぇや。」 ●能書き 数ある落語の中でも、大物中の大物。じっくり演じればゆうに一時間は越 える超大作てす。登場人物も、頭、頭の女房、鳶の若い者達、お店の大旦那、 お妾さん、女中さん、剣術の先生、剣術の門下生達、と多彩で、その登場人 物の性格描写をキメ細かく演じるには、そうとうの力量が必要とされる名作 落語です。面白いところは残し、ストーリーも変えずに、ダイジェスト化し ましたが、とても、一回で全編をお届けするのは無理なので、続きは次号で。 話中にある姉さんのいでたち、昔の人ならピンと来るのでしょうが、現代 ではちょっと分かりづらいので、ざっとお話ししますと、黄楊(柘植=つげ) は、ツゲ科の常緑小高木で、櫛や将棋の駒を作ります。お召とは、御召縮緬 (おめしちりめん)の略で、強い撚りをかけた糸を織り込み、織った後で、 ぬるま湯につけて「しぼ(しわのような凹凸)」を立てた絹織物。弁慶縞は、 紺と浅葱、紺と茶などの二種の色糸を経・緯の双方に使用し、碁盤目の縦横 縞としたもで、茶弁慶は、紺と茶の組み合わせのもの。 八端(八端織=はったんおり)は、厚手の綾糸織の一種。繻子(しゅす) とは、滑らかで光沢がある織物で、絹を使った本繻子、木綿の綿繻子、綿毛 交織の毛繻子などがあり、現代で言うサテンです。この八端と黒い繻子を腹 合わせ(腹合わせ帯=表と裏とをちがった布地で縫い合せた女帯)にした帯 をしめていると言うのです。唐桟の「桟」は桟留(さんとめ)の略で、 細 い綿糸で平織にした縞織物で、和製の桟留縞に対してオランダ人から輸入さ れたものを唐桟と呼び、通人が羽織・着物などに愛用しました。どうでしょ うか、粋な年増をイメージできましたでしょうか? 今回は、この前編部分の主役となる、江戸の「鳶の者」事情についてお話 しします。江戸の火消しついては、火事息子(06/02/28)でもお話ししました が、その続編です。鳶の者とは、防火夫で、俗に火消人足と呼ばれた方達で す。普段は、建築現場の足場組、道路の補修、町内のドブ掃除などの土木工 事をしたり、お正月になると注連飾りを売ったり、今回お届けしたお噺にも あるとおり、獅子舞を演じたりしていますが、火事が起こると真っ先に出動 します。その時、棒の先に、鳥の鳶(とび=タカ目タカ科の鳥、とんび)の くちばしのような突起が付いた「鳶口(とびぐち)」と言う道具を持って出 動するため、鳶・鳶職・鳶の者と呼ぶのです。 江戸の火事の消化方法は、燃えている家の隣の家を壊して、類焼を防ぐ、 と言う「破壊消防」です。そのため、普段から土木作業をして、家屋の構造 に詳しい彼らが、使い慣れた鳶口をで、手際よく類焼物を解体して、延焼を 防いだのです。 話中にもあるとおり、仲間内でも何ランクかの階級があり、頭がトップで、 纏持ち(火事の時、自分達のチームの旗印となる纏(まとい)を持ってかけ つける人)が次に続きます。はしご持ちがそれに続き、いろいろな道具類を 持つ人を道具持ちと呼び、火事場にかけつける時、鳶口だけしか持たない人 を平人足と呼びます。今回お届けしたお噺で、二階へ上がろうとして怒られ たのは、平人足さん、二階へ上がったのは、道具持ち以上のランクの人と言 う訳ですね。さらに、火事の時、竜吐水(りゅうどすい=ポンプ)や玄蕃桶 (げんばおけ=水を運ぶための大きなおけ)を持つ人は、平人足よりも下の ランクです。 ●跋 笑助お勧めのメルマガです。落語、お笑い、なぞかけに興味がおありの方、 どうぞクリックしてください。 【笑いながら脳を鍛える】なぞかけめ~る♪ http://www.mag2.com/m/0000159712.html さてさて、お待たせいたしました。江戸変わり咲き朝顔の種プレゼントの お知らせです。私は毎年、自宅のベランダで、江戸時代に大ブレークして、 それから綿々と続いている、変わった形の花や葉をつける可能性のある朝顔 の品種「江戸変わり咲き朝顔」を育てています。 江戸変わり咲き朝顔については、こちらをご覧ください。 http://mg.biology.kyushu-u.ac.jp/mg-files/henka/index.html 昨年は不作でしたが、今年はたくさん種が収穫できましたので、この「江 戸変わり咲き朝顔の種」を、ご希望の読者さんにプレゼントします。種をご 希望の方は、〒、住所、お名前。出来ればメルマガ読んでのご感想を添えて、 syosuke@mbn.nifty.com まで、件名:朝顔の種希望 でメールをください。 締め切りは、次週11月2日までとさせていただきます。たぶん、応募され た方、全員に、種を差し上げられると思います。 ご意見・ご感想、お待ちしております。頂いたメールは、お断りのない限 り、メルマガの中で紹介させていただく場合がありますので、よろしければ、 HNを。江戸時代、あこがれます・・・ ━━は━ん━も━と━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■お話:落語とお江戸のフリーライター・福々亭 笑助(千葉落語同好会) ■ご意見・ご感想は syosuke@mbn.nifty.com 出前寄席、落語とお江戸の講演・執筆等承ります お気軽にメールください ■千葉落語同好会ホームページ [ちばらく]←検索 ■発行元 :マンモス通信 info@manmos.tv ■HP : http://www.manmos.tv/magazine/rakugo/ ■発行協力:まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000107654.htm (解除) ■バックナンバー≫ http://blog.mag2.com/m/log/0000107654/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━じ━ご━う━ご━き━た━い━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●○● オススメ商品 ●○● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●黒酢と梅肉をギュッと濃縮!黒酢梅肉は噛んでも美味しい! ■□■ダイエットに今注目のアミノ酸を高含有!■□■ 黒┃酢┃梅┃肉┃ 自然の智恵がはぐくんだ黒酢は発酵産物の王様 ━┛━┛━┛━┛ 純天然アミノ酸18種を含有、しかも普通の液体黒酢の200倍含んでいます。 「黒酢梅肉」 120粒入り(約1ヶ月分)価格:3200円(送料無料) お求めは ⇒ http://www.manmos.tv/nanakm/kurozu-bainiku/ 血液 サラサラに!飲めば違いが分かる、自然派サプリメント! 格安・最安値! 毎日の健康管理に! スパスパで紹介されたサメ肝油の人気商品です。 ス┃ク┃ワ┃レ┃ン┃n┃a┃2┃ ◆体の中から、お肌もイキイキ。 ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 深海ザメの肝油から抽出したスクワレンは、肝臓を保護し、肌に潤い を与えてくれます。肌のカサツキや肝臓の弱りが気になる方へ お求めはこちら ⇒ http://www.manmos.tv/nanakm/squalene/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


