2009/09/08
「落語に見るオモシロ江戸風俗」 ●ちしゃ医者
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━ら━く━ご━と━お━え━ど━の━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3分で読める! 「落語に見るオモシロ江戸風俗」 平成弐拾壱己丑年長月捌日 其の弐佰玖拾弐號 (2009/09/08 No292) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お━も━し━ろ━ば━な━し━━ 医は仁術 とやら お医者様は 人命を救う博愛の道を進むもの ●ちしゃ医者 芳さん「こんばんわ。赤壁先生、ちょっとお開けを、お願い申します。田中 屋から参りましたのやが、うちの隠居はんに、急に変が来ましたもん で、先生にお越しを願いとうございます。」 久助「うちの先生やったら、助かる病人でも殺してしまうのやさかい、悪い 事は言わへん、助けたいと思うたら、よその医者へ行きなはれ。」 赤壁「こら、久助!」 久「言わんことないがな、起きてきよった、あの人殺し。田中屋はんのご隠 居さんに、急に変が来たそうだすね。」 赤「そんなら、早速、拙が行って治してしんぜよう。」 久「棺桶へ?」 赤「なんで、棺桶へ仕舞(なお)さんならんのや。」 これから駕籠に乗って出かけようとしますが、駕籠の底は抜けている。駕 籠かきは銭を払わんから、とうに辞めている。駕籠の底に割木を渡して、そ の上に座布団を敷いて乗り、駕籠かきは風邪をひいたと偽って、迎えの者と 久助に駕籠を担がせる。 赤「なんで、こんなに揺れるのや。病気になってしまうがな。」 芳「先生、すんまへん。わたいチンバだすね。」 男壱「芳さんは、どこへ行ったのや?」 男弐「医者を呼びに行きましたで。」 壱「阿呆かいな。足の悪い芳さんを、医者へ走らせたりしいないな。それに もう医者はいらへんがな。ご隠居はんは、もう死にはったのに・・・」 弐「向こうから駕籠を担いで来るの、芳さんとちがうか。えっ、医者を連れ て来た?医者はもういらへん、隠居はんは、死んでしまいはったのや。」 芳「もし、今、お聞きのとおりですさかい、わたいはこれで、さいなら。」 久「おーい、殺生やがな、一人で駕籠が担げるかい。先生、寝てるがな、先 生、起きなはれ、先生、藪、雀医者、人殺し。」 赤「田中屋へ着いたか。」 久「隠居はんは亡くなりましたのや。使いの人は帰ってしもうて、わたい一 人では駕籠が担げまへん、あんた降りて、駕籠を担いでおくなはれ。」 二人で駕籠を担いで帰るところを、肥汲屋(ちょうずや)はんが見付た。 肥汲屋「お医者の先生が、そんなみっともない事をしなはんな、わたいがお 宅まで担いで行きますさかい。駕籠に乗りはりましたら、なるべく後 ろの方へ座っておくれやす。それから、ちょっと股を開きかげんにし てもろうて。」 赤「お前さん、いったい、何を積むつもりや?」 肥「この肥担桶(こえたご)を。わたいがなんぼ器用かて、肥担桶を担いだ 上に、駕籠まで担げますかいな。八分目ほど入ってますさかい、こぼさん ように。」 赤「わー、駕籠ゆらしたらアカン!ちゃぶつかしたらどもならん!!」 先生、駕籠に肥担桶と相乗りで、すると、肥汲屋さん、途中で駕籠を降ろ し、もう一軒汲んで行くと言う。 肥「おはようさんです。」 お婆さん「肥汲屋さんかいな。お前さん、ご近所には、来る度に、大根やと か葱やとか持って来なさるのに、わしところの家へは、何も持って 来てくれへんやろが。」 肥「今度は忘れんように、持って来ますさかい。今日は手ぶらだすね。」 婆「今、路地へ荷を降ろしたやないか。あれはなんじゃい?」 肥「あ、あれかいな。あれは、医者じゃ。」 婆「苣萵(ちしゃ)でもエエから、置いて行き。」 肥汲屋さんが汲みに行くと、医者を苣萵と聞き間違えたお婆さん、駕籠の 垂れの間から手を突っ込んだ。ちょうど肥担桶の中へ手をジャブジャブ。そ の手で先生の顔を下から上へシューッ。なんぼよう寝てる先生でもたまりま へん。驚いて、駕籠の外へ足をニュー、その足がお婆はんの脇腹へボイーン。 お婆さんの悲鳴で、息子が血相変えて飛び出して来よって。 息子「お婆はん、どないした?駕籠の中のヤツが蹴った?こら、駕籠の中の ヤツ!こっちへ出さらせ!!」 久「これこれ、兄さん、怒りなはりないな。」 息「うちの大事な母親を、足にかけられて、怒らんといられるかい!」 久「足にかかったさかい、喜ばないかんのや。この医者の手にかかったら、 命がないところや。」 ●能書き 純粋な上方落語です。医者と苣萵(ちしゃ)との混同は、夏の医者(07/ 07/17)と同じ地口です。また、「その医者の手にかかったら、命が無い。」 との落ちは、小噺撰集・弐拾(08/04/22)の藪医者にもある落ちです。 苣萵のご説明は、夏の医者で、「その医者の手にかかったら、命が無い。」 との落ちの出典は、小噺撰集・弐拾をご覧ください。 なお、話中に「雀医者」と言う言葉が出てきます。これについては、代脈 (06/03/28)の前フリで書きましたが、雀医者とは、「藪医者」よりランクの 劣る医者の事で、これから、「藪の方へ行こう、行こう」としている医者、 と言う事です。他に「タケノコ医者」と言うのもあり、これは「これから藪 になる」と言う意味で、いずれも、ものすごく下手なお医者さんを嘲笑した 隠語です。 江戸の下肥事情については、汲み立て(05/06/07)でお話ししたとおりです。 子供の頃、江戸(台東区吉原)から下総(千葉県北西部)に引っ越した時、 ものすごい田舎に来てしまったなぁ、と言うのが第一印象でした。私が引っ 越した先は高台でしたが、低地の方は一面の田んぼで、カエル、トンボ、メ ダカなどが、うようよいました。高台の方は、一面の畑で、畑のあちこちに 肥溜めがあり、私は、落ちた事はありませんが、生まれた時から地元で育っ てきた子供達は、かなりの数の子供が『肥溜めに落ちた経験』を持っていま した。 今回は、江戸の面白い下肥のお話しをします。それは、八代将軍吉宗公が 肥溜めに落ちたと言うお話しです。吉宗公の詳細につきましては、紀州(04/ 04/22)をご覧いただくとして、吉宗公は、本膳(08/05/27)の跋で書きました とおり、鷹公方と呼ばれた程、鷹狩りが大好きな方でした。 将軍に就任してからも鷹狩りを好み、鷹狩りの途中でにわか雨にあい、ず ぶぬれになってしまった時、通りすがりの禅寺で雨宿りをして、衣類を乾か すために、下帯(ふんどし)ひとつのままで、挨拶に来た住職に「天下の主 たる者、常日頃からかくのごとく諸事に対して飾り気なくあるべきであろう。」 と言ったというエピソードがあるくらい、バーバリアンな方でした。 その吉宗公がまだ、紀州藩の部屋住み(大名家の三男以下の冷や飯食い) だった頃、大好きな鷹狩りに出かけましたが、道端の肥溜めの中に落ちてし まいました。糞尿に汚れた吉宗を見て、家来達は、この肥溜めの持ち主は無 礼討ちにされるだろうと思っていたところ、吉宗は、目の前に引き据えられ た肥溜めの持ち主の、年老いたお百姓さんに、「お前は耕すことを仕事にし ており、そのために糞尿を貯めている。余はこれに誤って落ちたが、まあ、 許してくれ。」と言って、汚れてしまった衣類、刀などいっさいを、そのお 百姓さんに与えたと言う事です。 後世「暴れん坊将軍」として、時代劇になるほどの、吉宗公の一面を垣間 見られる良いお話しですね。 ●跋 笑助お勧めのメルマガです。落語、お笑い、なぞかけに興味がおありの方、 どうぞクリックしてください。 【笑いながら脳を鍛える】なぞかけめ~る♪ http://www.mag2.com/m/0000159712.html 九月ですね。私は乙女座の九月生まれ・・・です。もうすぐ、誕生日が来 ます。ああ、また、余分にひとつ年を取ってしまう。早く、フリーライター なり、落語評論家なり、お江戸の時代考証家なり、なんでも良いから、身を 立てないと・・・このまま、鳴かず飛ばずで、埋もれてしまうのでしょうか。 お仕事ください・・・ ご意見・ご感想、お待ちしております。頂いたメールは、お断りのない限 り、メルマガの中で紹介させていただく場合がありますので、よろしければ、 HNを。江戸時代、あこがれます・・・ ━━は━ん━も━と━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■お話:落語とお江戸のフリーライター・福々亭 笑助(千葉落語同好会) ■ご意見・ご感想は syosuke@mbn.nifty.com 出前寄席、落語とお江戸の講演・執筆等承ります お気軽にメールください ■千葉落語同好会ホームページ [ちばらく]←検索 ■発行元 :マンモス通信 info@manmos.tv ■HP : http://www.manmos.tv/magazine/rakugo/ ■発行協力:まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000107654.htm (解除) ■バックナンバー≫ http://blog.mag2.com/m/log/0000107654/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━じ━ご━う━ご━き━た━い━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●○● オススメ商品 ●○● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●黒酢と梅肉をギュッと濃縮!黒酢梅肉は噛んでも美味しい! ■□■ダイエットに今注目のアミノ酸を高含有!■□■ 黒┃酢┃梅┃肉┃ 自然の智恵がはぐくんだ黒酢は発酵産物の王様 ━┛━┛━┛━┛ 純天然アミノ酸18種を含有、しかも普通の液体黒酢の200倍含んでいます。 「黒酢梅肉」 120粒入り(約1ヶ月分)価格:3200円(送料無料) お求めは ⇒ http://www.manmos.tv/nanakm/kurozu-bainiku/ 血液 サラサラに!飲めば違いが分かる、自然派サプリメント! 格安・最安値! 毎日の健康管理に! スパスパで紹介されたサメ肝油の人気商品です。 ス┃ク┃ワ┃レ┃ン┃n┃a┃2┃ ◆体の中から、お肌もイキイキ。 ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 深海ザメの肝油から抽出したスクワレンは、肝臓を保護し、肌に潤い を与えてくれます。肌のカサツキや肝臓の弱りが気になる方へ お求めはこちら ⇒ http://www.manmos.tv/nanakm/squalene/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


