2009/09/01
「落語に見るオモシロ江戸風俗」 ●蛇含草(じゃがんそう)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━ら━く━ご━と━お━え━ど━の━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3分で読める! 「落語に見るオモシロ江戸風俗」 平成弐拾壱己丑年長月朔日 其の弐佰玖拾號 (2009/09/01 No290) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お━も━し━ろ━ば━な━し━━ 糯(もち) 粘り気が強く ついて餅とすることのできる米・粟・黍 粳(うるち) 炊いた時 粘りけをもたない 普通の米 ●蛇含草(じゃがんそう) 八五郎「こんにちは。隠居さんの家は、風通しが良くて、涼しいですね。」 隠居「おや、八っつぁんかい?今日はまた、変わった甚平を着ているな。」 八「ああ、これですか。これは、バスタオルを二つに折って、両脇を縫って、 真ん中に穴を開けたのを頭からかぶっているんで。涼しいですよ、それに、 湯へ入る時は、このまま入って、この上から石鹸つけて、ワーッと洗うと、 体がきれいになって、甚平も洗濯できる。」 隠「便利だな。」 八「気に入りました?なら、一万円で譲りましょう。」 隠「一万円で買うほどじゃない。」 八「隠居さん、そこの軒先にぶらさがっているのは何です?」 隠「ああ、これかい。これはな、蛇含草と言う草だ。大きなウワバミが人間 を呑む。いくらウワバミでも人一人を呑めば、腹が大きくなる。そんな時 に、この草を舐めると、ウワバミの腹が小さくなると言うな。」 八「へぇー、じゃ、ウワバミの消化薬だ。」 隠「この草を軒へ吊しておくと、魔除けになると言うんだ。」 八「へぇ、じゃあ、あっしにも、少し分けてください。」 隠「分けてやるのはかまわないが、そのなりで、どうやって持って帰る?」 八「へへへ、この甚平の腰のあたりに結びつけちゃいます。それからねぇ、 隠居さん、いろいろ聞いて申し訳ないんですけれども、この陽気に、火鉢 に火がおこってますよ。ははぁ、ここの家は、風通しが良くて涼しいから、 火をおこして暖まろうてんで?」 隠「親類から、餅を送ってきたんでな、焼いて食べようかと思っていたんだ。」 八「餅?餅、大好き、餅!」 隠「前へ乗り出して来たな。まあ、二貫(約8Kg)もあるから、お食べ。」 八「たった二貫?そんなのはあっしの朝飯前だ。」 隠「何?二貫の餅を一人で食うか?」 八「食わせるか?」 隠「おもしろい、焼いてやるから、食べてみろ。」 八「ああ、隠居さんも、ただ見ているだけじゃ面白くないでしょうから、餅 の曲食いをお見せしましょう。まずは、サーカスはブランコの餅てんで (左右に引き延ばした餅の片方をくわえ、顔を左右にふって、餅を左右に ぶら ぶらさせながら、食う)、うん、うん、うまいですね。じゃ次はね、 お染 久松相生の餅てのを。こっちがお染さんで、こっちが久松さん(右 手に持った餅を左上に、左手に持った餅を右上に投げ上げ、体を素早く左、 右と反転させ、落ちてくる餅を口で受ける)、はっ!はっ!(口が餅でい っぱいになり、食べながら、どうだと言わんばかりのピースサイン)、も ぐもぐ・・・うっ!うー(目を白黒させながら、背中を叩いてくれのジェ スチャー)。」 隠「餅を詰まらせたのか(背中を叩く)。」 八「ああ、驚いた。もう少しで餅と心中するところだった。さぁ食おう!」 と、これから奴さん、食うわ食うわ。しかし、餅があと六つばかり残って いるところで、口が止まった。 八「餅、あと、いくつ残ってますか?」 隠「あと、六つばかりあるな。」 八「(餅を取ろうと下を向くが、口から餅が出てしまうので、上を向きなが ら、手探りで餅を取り、動かない口に無理やり押し込み、手で口を動かし、 ようようの思いで飲み込む。)餅!あと!いくつ!残ってますカァ!!」 隠「声が変わって来たな。あと五つばかりあるな。」 八「もうだめ・・・もう入らない。」 隠「朝飯前じゃなかったのか?」 八「昼飯後・・・」 さあ、これから家へ帰ったが、お腹が張って苦しいのなんの。お腹を撫で ているうちに、手に触ったのが、さっき隠居にもらった蛇含草。蛇の消化薬 なら、人間にも効くだろうてんで、よせばよいのに、その草をペロペロ。 隠「今日は、おかみさん。八公はどうした。奥の屏風の向こうにいる?いや、 口の利き方があんまりにも生意気だったんで、無理だとは思ったが、二貫 の餅を食べさせたんだ。けど、少し心配になって、様子を見に来た。八っ つぁん、どうだ?大丈夫か?」 ってんで、屏風をどかしてみると、餅が甚平を着て、座っていました。 ●能書き 04/11/01にお届けした「そば清」と同じネタですね。東京では「そば清」 を別題「そばの羽織」として、「そばが羽織を着て座っていました。」と落 とすのに対し、上方では今回お届けしたように「餅が甚平を着て座っていま した」と落とすストーリーで、それが東京に移されて、今では、東京の寄席 でも、頻繁に聞ける落語です。元ネタは、寛延四年(1751)刊・岡白駒(おか はっく)編の江戸の笑話本「開口新語」にある『蛇含草』で、これを見ると、 主人公が大量に食べるのは餅ですが、舐めるのは、蛇がカエルを呑み込んだ 後で、腹を元通りにするために食べた薬草と言う設定です。そのため、「消 化薬ではなく、人間を溶かす薬だった」と言うインパクトがありません。こ れを後の人たちが、研鑽して、人間を溶かす薬と言うインパクトをくわえ、 江戸では「そば清」、上方では「蛇含草」という落語に成熟していったもの と思われます。 高座で演じられるときの「お餅の曲喰い」ですが、落語家さんによって、 さまざまなバリエーションがあり、今回、お届けした「ブランコの餅」や 「相生の餅」の他にも、落語家さんが「今度はあのお客さんに投げてもらお う」などと言って、高座から立ち上がり、客席のお客さんに餅を投げる(本 当に餅を投げるのではなく、投げたふり)と、お客さんもつられて、その餅 を受け取って(受け取ったふり)しまいます。そのお客さんが、餅を投げる (投げたふり)と、高座の落語家さんが、あたかも、飛んできた餅を、口で 受け止めたかの様なふりで、食べる。なんて、うければ何でもありかい?! 的な演出まであります。 今回は、江戸の甚平事情について、お話しします。江戸の庶民が、夏にな ると愛用した、甚平(じんべい)あるいは甚兵衛(じんべえ)は、江戸末期 に関西地方で出来たと言う、袖無しの木綿製綿入れの『防寒着』の羽織です。 現代では、男性用の夏の和装スタイルの感がある甚平ですが、元は防寒着だ ったのです。やがて、袖が無く、風通しが良いところから、綿を抜いて、麻 や木綿の一重にし、夏の家庭着となっていったようです。 甚平と言う名前は「甚兵衛羽織」の略で「甚兵衛さんという人が作ったか ら」と言う説もありますが、「武家の用いた陣羽織(陣中で鎧・具足の上に 着た上着)に形が似ているから」と言う説の方が有力視されています。 甚平に似た衣類に、作務衣(さむえ)があります。これは、僧侶が作務 (さむ・仏道修行としての労働一般)のときに着る衣服でしたが、やはり、 夏涼しく着られることろから、江戸庶民にも愛用されました。甚平も作務衣 も、昔は「男性専用」の衣類だったのですが、現代では、女性用の甚平、作 務衣もあり、カラフルなデザインのものが通販でも手に入るようになってい ます。 ●跋 笑助お勧めのメルマガです。落語、お笑い、なぞかけに興味がおありの方、 どうぞクリックしてください。 【笑いながら脳を鍛える】なぞかけめ~る♪ http://www.mag2.com/m/0000159712.html 子供の頃、夏、プールへ行くとき、江戸っ子の両親は、粋で涼しいからと、 よく、私に甚平を着せてくれました。ところが、下総(千葉県北西部)の子 供達は『甚平』と言う粋な衣類を見た事がないらしく、「お前、変な服着て る」「両脇が破けて、縫ってあるのか?」などと、まわりの子供達から、か らかわれました。「田舎者め!この粋で涼しい衣類の良さがわからんのか!」 と言い返せず、黙って下を向いていた小心者の私です。ご意見・ご感想、お 待ちしております。頂いたメールは、お断りのない限り、メルマガの中で紹 介させていただく場合がありますので、よろしければ、HNを。江戸時代、 あこがれます・・・ ━━は━ん━も━と━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■お話:落語とお江戸のフリーライター・福々亭 笑助(千葉落語同好会) ■ご意見・ご感想は syosuke@mbn.nifty.com 出前寄席、落語とお江戸の講演・執筆等承ります お気軽にメールください ■千葉落語同好会ホームページ [ちばらく]←検索 ■発行元 :マンモス通信 info@manmos.tv ■HP : http://www.manmos.tv/magazine/rakugo/ ■発行協力:まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000107654.htm (解除) ■バックナンバー≫ http://blog.mag2.com/m/log/0000107654/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━じ━ご━う━ご━き━た━い━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●○● オススメ商品 ●○● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●黒酢と梅肉をギュッと濃縮!黒酢梅肉は噛んでも美味しい! ■□■ダイエットに今注目のアミノ酸を高含有!■□■ 黒┃酢┃梅┃肉┃ 自然の智恵がはぐくんだ黒酢は発酵産物の王様 ━┛━┛━┛━┛ 純天然アミノ酸18種を含有、しかも普通の液体黒酢の200倍含んでいます。 「黒酢梅肉」 120粒入り(約1ヶ月分)価格:3200円(送料無料) お求めは ⇒ http://www.manmos.tv/nanakm/kurozu-bainiku/ 血液 サラサラに!飲めば違いが分かる、自然派サプリメント! 格安・最安値! 毎日の健康管理に! スパスパで紹介されたサメ肝油の人気商品です。 ス┃ク┃ワ┃レ┃ン┃n┃a┃2┃ ◆体の中から、お肌もイキイキ。 ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 深海ザメの肝油から抽出したスクワレンは、肝臓を保護し、肌に潤い を与えてくれます。肌のカサツキや肝臓の弱りが気になる方へ お求めはこちら ⇒ http://www.manmos.tv/nanakm/squalene/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


