2009/06/16
「落語に見るオモシロ江戸風俗」 ●千年前
━━ら━く━ご━と━お━え━ど━の━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3分で読める! 「落語に見るオモシロ江戸風俗」 平成弐拾壱己丑年水無月拾陸日 其の弐佰陸拾捌號 (2009/06/16 No268) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お━も━し━ろ━ば━な━し━━ 今から四十年以上も昔 昭和四十年代の 新作落語 です ●千年前 九「ごめんください。先生おいでですか?先生、この間大変なものを掘り出 したんですってね。評判ですよ、考古学者の掘野起(ほりのおこす)博士、 タイムカプセルを発見・・・」 堀野「おお、九さんか、今から千年前に栄えた東京の跡を掘っていたら、一 九六七年というから昭和四十二年に埋めたというカプセルを発見した。 貴重な品だ、なにしろ当時の人間は左足が一本しかなかった。」 九「へぇ、左足がたった一本。」 堀「そして、右足が一本。」 九「からかっちゃいけません。一度、見せてもらえませんか?」 堀「昭和四十二年と言えば、千年前の大昔だ。見てもわからん物が多い。い までこそ、今月生まれた子供を発育原子炉に入れて、来月は七五三のお祝 いをするが、当時はそんな事は出来なかった。一日と言う単位の日があっ て、それが三百六十五日と言う半端な日で一年としていた。つまり地球の 動きにまかせ、自然に逆らわない。ところが、いまじゃ、人間が地球を動 かすようになった。小説などは、原稿用紙と言う四角いマス目のある紙に、 マス目からはみ出さないよう、一つ一つペンで字を書いていた。」 九「一つ一つ・・・疲れるでしょうね。」 堀「なにしろ、千年前の大昔だ。文化も発達しておらず、先を見る眼がなか ったのだ。」 九「先生、ちょっと見せてもらえませんか?」 堀「カプセルの品は博物館で研究中だから、見せるとしても写真だけだが。」 九「これが、千年前の写真。先生、この四角い箱は何です?積み重なってい るやつ。」 堀「団地と言うものだ。研究資料をもとに、歴史をさかのぼってみると、サ ラリーマンが好んで住み着いた入れ物と言う事がわかった。」 九「サラリーマンって、何です?」 堀「六日働いて一日休む、周期性をおびた人間だ。別名給料配達人だ。」 九「給料って何です?」 堀「それをもらって妻子を養う。食べたり、着たり、寝たりする。給料以外 のもので生活したと言う記録も残っている。パチンコと言う機械があって、 一つの玉が当たりの穴に入ると十五倍になる。玉が一発あれば、しょう油、 砂糖、煙草、缶詰などを手に入れる事が出来て、それで生活できた。と言 っても、逆にこのパチンコで身を滅ぼす者もあって、落ちぶれて死ぬ時に 『穴があったら入りたい』と恥じたと言う事だ。なにしろ、千年前の大昔 だ。文化も発達しておらず、先を見る眼がなかったのだ。」 九「なるほど、で、いったい、何を食べていたんです?」 堀「米と言うものを主食にしておった。この写真がそれだ。」 九「ずいぶん、砂利がありますね。」 堀「それが米だ。山の様にしてあるのは、豊作の写真だ。考古学上の専門用 語で、たくさん、米が取れる事を豊作と言う。」 九「こんなに米が取れたんじゃ、米の値段は下がったでしょうね。」 堀「それが反対に上がった。なにしろ、千年前の大昔だ。文化も発達してお らず、先を見る眼がなかったのだ。」 九「たくさん取れて、値段が上がったんじゃ、まわりの人が騒いだでしょう。」 堀「良いところに気がついたな。これがその写真だ。」 九「変な板を持った女の人が、大勢歩いてますよ。」 堀「主婦連と言ってな、この時に発生した女性の団体だが、変な板と言うの がオシャモジだ。こんにち、女性の権力が強いと言うのは、この時に始ま り、千年に及んで、延々と続いているわけだ。記録によると、当時、日本 では、赤い学生に悩んだとある。なにしろ、千年前の大昔だ。文化も発達 しておらず、先を見る眼がなかったのだ。」 九「この時代には、まだ、くだらねぇ戦争なんてあったんですか?鉄カブト をかぶった人間がウロウロしてますよ。」 堀「工事現場などでかぶる安全帽だ。この写真を見なさい、ビルの建築現場 でもこうして、安全帽をかぶっている。」 九「なるほど、かぶっていますね。先生、何か書いてありますよ。『工事中 につき、頭上ならびに足下にご注意ください』、へぇ、こりゃたいしたも のだ。でも、これでわかりました。」 堀「千年も前の写真を見て、何がわかった?」 九「当時の人間は、頭の上と足下を一度に見るんじゃ、無理もない。先の見 えないわけだ。」 ●能書き 落語作家の栗山すすむ氏作で、昭和四十年代前半に、三代目・三遊亭右女 助(うめすけ)師が高座にかけた新作落語です。右女助師は1991年に落語家 を廃業し、以後は逗子の自宅で暮らしていましたが、2007年5月20日、八十 一歳で胃癌のため、お亡くなりになっています。三代目が1991年に、第一線 を退いた後、この「右女助」と言う大きな名前は、後継者がありません。 今回お届けした噺によると、昭和四十二年から千年後、つまり、現・平成 二十年から、九五八年後は、現代と暦法が変わっているようですね。たしか に、人間が地球を自由に動かす時代なら、地球の公転に合わせたカレンダー は不便かも・・・と、言う訳で、話しを無理矢理?カレンダーに持って行き、 今回は、江戸の暦・暦法についてお話しします。江戸の暦法については、 04/10/11子ほめの回でお話ししていますが、前々々号、前号に続きまして、 復習と新規読者さんのために、再度、お話しします。 現在日本を始め、多くの国で使われている暦は、1582年に制定されたグレ ゴリオ暦で、日本では明治六年(1873)からこの暦法を採用しましたが、それ 以前は旧暦と言われる太陰太陽暦を使っていました。 旧暦の一年は354〜355日です。地球が太陽の回りを一回りするのが、365. 2422日ですから、そのままだと暦と季節がずれてしまうので、それを補正 するために、平均32〜33ヶ月ごとに閏月(うるうづき)と言うものを設け ます。たとえば、三月に閏月がある年は、一月、二月、三月、閏三月(うる うさんがつ)、四月・・と一年を13ヶ月にするのです。大の月は30日、小 の月は29日とし、大の月と小の月の組み合わせは毎年異なります。ですか ら、江戸時代は「誕生日」と言う概念がありませんでした。現代閏年の2月29 日に生まれた人は、誕生日が4年に一回しか来ませんが、江戸時代、閏月の30 日に生まれた人は、下手をすると一生自分の誕生日に巡り会えないこともあ りました。そのため、年齢の数え方は、生まれた時が一歳、新年(一月)を 迎えると、全員いっしょに一歳年を取る、数え年と言う数え方です。大晦日 に生まれた赤ちゃんは、生まれて一歳、翌日新年を迎えるので二歳と、生後 二日目にして二歳になるのです。 ではなぜ江戸ではこの様な暦を採用したかと言うと、月の初めの日(朔日) は月が新月(一番細い月)、毎月15日が満月となるように設定していたので す。つまり7月15日は毎年満月ですから、月明かりの下で盆踊りもできた し、月末から月初めの夜は暗いから外出するなら提灯が必要と判断できるし、 月の初めと15日は、潮の満ち干が最大になるので、暦のリズムがそのまま 生活のリズムとなって、江戸人達はこの暦法の方が暮らしやすかったのです。 そして旧暦には、現在の月曜、火曜と言った曜日の概念がありませんので、 カレンダーの最大の役目は、その月が30日の大の月か、29日の小の月かを 知るためのものでした。月末〆の商店などでは、その月が30日まであるか、29 日までかと言う事はかなり重要なのです。ですから、当時はこの様なカレン ダーを大小暦(だいしょうごよみ)、略して大小と呼びました、落語「たが や」の中で、大小が怖けりゃ暦の下ぁ通れねぇ、とはこのことです(たがや でこのフレーズを使う演出は少なくなりました、大小暦なんて死語ですもの ね)。江戸人たちは、年末になるとオリジナルの大小暦を作って、新年にな ると知り合いに配ると言う、現在の年賀状の様な感覚で大小暦を作っていま した。現在でも大小暦専門のコレクターや研究家がいて、中には大小暦には 間違いないのですが、専門家が見ても、どうやって月の大小を読みとるのか 解明されていないものもあるそうです。 大小暦の「小鯛が二匹と大根が四本」「日蝕六分餘八朔之朝蝕初出(にっ しょくろくぶあまりはちさくのあさしょくはじめいず)」「吉弓」の謎解き については、子ほめの回をご覧ください。 ●跋 笑助お勧めのメルマガです。落語、お笑い、なぞかけに興味がおありの方、 どうぞクリックしてください。 【笑いながら脳を鍛える】なぞかけめ〜る♪ http://www.mag2.com/m/0000159712.html 昔、ウルトラセブンと言うテレビ番組がありました。その中で、自分たち の乗っている大型人工衛星が故障して、漂流してしまい、このままだと地球 に衝突してしまうので、修理が終わるまで、しばらく地球の軌道を変えてほ しい、と、地球に要請に来た「ペガッサ星人」と言うのがいました。モロボ シダン(ウルトラセブン)に、「地球の軌道を変える事などできない」と却 下されると、「何?地球人は、勝手に動いている星の上に住んでいるだけな のか!」と、絶句するシーンが印象的でした。今から、九五八年後、地球人 は地球の軌道をコントロールできる様になっているのでしょうか。そうすれ ば、ペガッサ星人とも、友好関係を築けるかも・・・ご意見・ご感想、お待 ちしております。頂いたメールは、お断りのない限り、メルマガの中で紹介 させていただく場合がありますので、よろしければ、HNを。江戸時代、あ こがれます・・・ ━━は━ん━も━と━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■お話:落語とお江戸のフリーライター・福々亭 笑助(千葉落語同好会) ■ご意見・ご感想は syosuke@mbn.nifty.com ■千葉落語同好会ホームページ [ちばらく]←検索 ■発行元 :マンモス通信 info@manmos.tv ■HP : http://www.manmos.tv/magazine/rakugo/ ■発行協力:まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000107654.htm (解除) ■バックナンバー≫ http://blog.mag2.com/m/log/0000107654/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━じ━ご━う━ご━き━た━い━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世界中のカメラファンを虜にした、ドイツの名門カメラブランド "Leica (ライカ)" の代表的モデル「Leica M3」を モチーフにしたミニチュアデジタルカメラです。 実際に撮影しても、ただ持ち歩くだけでもクールでおしゃれでかわいいカメラです。 画素数こそ500万画素ですが、写せばそれなりに使えるんです。 そして、なによりも所有する喜びや感動を与えてくれること間違いなしです。 不用意にスペックを追いかけてないこともあり、 長い年月を一緒にすごすにはもってこいのデジタルカメラです。 http //px.a8.net/svt/ejp?a8mat=1HY05B+67V08I+1SX8+639IR ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 静音パソコンのノウハウは業界随一の「静音ネットショップ レイン」では 小さな静音パソコンからゲームも出来る静音パソコンを取り扱っております。 http //px.a8.net/svt/ejp?a8mat=1HY05B+6AU69E+1RKC+61C2R ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


