3分で読める!「落語に見るオモシロ江戸風俗」  RSSを登録する

日本再発見!チョイト小粋なダイジェスト落語と江戸のオモシロいお話しを雑談ふうに語ります。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/05/19

「落語に見るオモシロ江戸風俗」 ●佃祭(つくだまつり)


━━ら━く━ご━と━お━え━ど━の━━━━━━━━━━━━━━━━━

 3分で読める! 「落語に見るオモシロ江戸風俗」

  平成弐拾壱己丑年皐月拾九日 其の弐佰陸拾参號 (2009/05/19 No263)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お━も━し━ろ━ば━な━し━━

 情けは人のためならず
  めぐりめぐって 己が身のため・・・

●佃祭(つくだまつり)

 佃祭に出かけた次郎兵衛さん、祭りに夢中になっている内に、仕舞船の時
刻。あわてて、船着き場へ駆けつけ、仕舞い船に乗ろうとするところを、地
元のおかみさんらしき人に、お聞きしたい事があると船から引きづり降ろさ
れた。仕舞い船は行ってしまう。

おかみさん「人違いでしたら、お詫び申しあげますが・・・」
次郎兵衛「こんな時に人違いをされても困る。船が出てしまいましたよ。」
お「今から三年前に、吾妻橋から身を投げようとした女に、五両のお金をや
 って、助けた事はございませんか?」
次「・・・三年前?三年になりますかね、そう言えば、お金の額は忘れまし
 たが、たしかにお助けした事がございます。」

 おかみさんは、その時、奉公先のご主人の五両のお金を無くし、申し訳な
しに身を投げて死のうとしたところを助けてもらった女だと言う。若い時分
の事で、名前も住所も聞けなかったが、今日、会えたのも神様の引き合わせ、
亭主が船頭をしているので、いつでも船を出して向こう河岸へ送るから、あ
の時のお礼に、家へ立ち寄ってくれと言う。言われるままに、次郎兵衛さん、
おかみさんの家で、一杯呑んでいると、表が騒がしくなって来た。そこへ飛
び込んで来たのが、おかみさんの亭主、金五郎。

金五郎「おい、おっかぁ!この着物をそっちへ置いておけ!!!」
お「どうしたんだい、喧嘩かい?」
金「仕舞い船が、人を乗せすぎたんで、沈んじまったんだ。助かったやつは
 一人もいねぇ!」
お「まぁ、旦那、お聞きになりましたか?旦那が乗ろうとした船が、沈んだ
 そうです。」
次「身の毛がよだってまいりました。私はカナヅチなんて、生やさしいもん
 じゃありません。柄の無いカナヅチで、あなたに助けられました。」

 ところが、次郎兵衛さんの家では、そんな事は知らない。仕舞い船で帰る
と言って出かけた次郎兵衛さんが、仕舞い船の時刻を過ぎても帰らない、そ
のうちに、佃島の仕舞い船が沈んで、誰一人助かった者はいないと言ううわ
さ。次郎兵衛さんの女房は、おっかさんの膝へわっと泣き崩れてしまう。ご
近所の方が気を利かせて、寺に知らせる。葬儀屋で早桶をあつらえて、家の
真ん中にドシーンとすえると、すだれを裏返して、忌中の札を貼ってしまっ
た。近所の者が、悔やみに訪れる。

お婆さん「私なぞ、先がないのですから、代わってあげたいと思いますが、
    そうもまいりませんし、法談を聞きましたら、お坊さんの申します
    には、明日ありと思う心の仇桜、夜半(よわ)に嵐の吹かぬものか
    は・・・南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」

 そこへ、『ただいま』と、次郎兵衛さんが帰って来た。
男壱「え?どなたです。わっ!ジ、ジ、ジ、ジ、ジ。」
男弐「セミだね。どうしたい?うわっ!出た!どうぞ、浮かんでください。」

 次郎兵衛さんが、仕舞い船に乗らなかった訳を話すと、みんなが、それは
良かったと胸をなでおろすが・・・
弐「お坊さん、そう言う訳で、葬式は取りやめになりました。」
坊主「いやいや、こう言う事は間違いの方が良い。積善の家に余慶有り。」
弐「早桶が無駄になっちゃった。おーい、糊屋の婆さん、これ、お前にやろ
 う。もうすぐ、使うだろう。」
糊屋の婆さん「縁起でもない!!」

 大笑いをして、引き上げましたが、一部始終を見ていた与太郎、人間は良
い事をするもんだ。人を助けておけば、自分も助けてもらえるてのが、頭に
ガンガンと入った。家の物を全部売り払って、ようよう五両のお金を作ると、
弁当を下げて、身投げを探して歩きまする。身投げなんざ、そう簡単にはご
ざいません。ある日、永代橋にかかりますと、三十二、三になりますおかみ
さん。目にいっぱいの涙、欄干へつかまると、片手合掌。
与太郎「ありがてぇ、身投げがあった。おかみさん、お待ちなさい。五両の
   お金に困って、身を投げるんだろう。」
おかみさん「身投げじゃない。戸隠様へ願をかけているんですよ。」
与「泣いてるじゃないか。」
お「歯が痛いんですよ。」
与「でも、袂に石が入っている。」
お「これは、収める梨でございます。」



●能書き

 元ネタは、中国清代(1680頃)、陶宗儀(とうそうぎ)著の「輟耕録(てっ
こうろく)」にある「飛雲の渡」。ある男が飛雲の渡で、身投げをしようと
する女に金をやって助けた。一年後、再び、この渡に来て、船に乗ろうとし
た時、近所に嫁したと言う、その女に礼をしたいと引き留められ、男だけが
残ったところ、船が転覆し、全員溺死した、と言うもの。

 この噺の舞台となる佃島は、現・東京都中央区佃。現在では、埋め立てが
進み、大きな橋がたくさん架かり、「島」と言うイメージはありませんが、
地図を見ると、たしかに、四方を水面に囲まれた地域です。佃島は、天正十
八年(1590)、徳川家康公が江戸に入った時、徳川家に食料となる魚を供給さ
せるため、摂津国佃村(現・大阪市西成区)の漁師を呼び寄せて、そこに住
まわせましたので、漁師たちは、その地を自分たちの出身地にちなみ、佃島
と命名しました。

 佃島の漁師たちは、売り物にならない様な小魚を、しょう油と砂糖で煮詰
め、保存食として、お弁当のおかずなどにしていました。これが、佃名物と
なる「佃煮」です。

 江戸期の佃島の漁師たちは、摂津の出身であり、皆、西本願寺の檀家でし
たが、同時に、航海・漁業の神様である大坂住吉神社を島に分祠し、住吉信
仰も盛んになります。この分祠した住吉大社の祭礼が、今回のお噺の佃祭で、
今でも、初夏の祭礼として賑わいます。江戸では、祭礼の時に囃す「佃囃し」
が、「神田囃し」「葛西囃し」と並ぶ、江戸の三大囃しとして有名で、祭り
は御神輿が海中にまで繰り出す壮大な祭りでした。

 次郎兵衛さんが乗ろうとした渡し船は、島民が仕事の合間に始めたものと
言い、運賃は当初一文で、江戸後期には四文になっています。明治になると
五厘となり、「五厘の渡し」と呼ばれ、佃大橋が出来るまでは、都営の渡し
船が通っていました。

 落ちの部分が、現代の方にはわかりづらいので、実際に高座にかける時は、
落ちの伏線をよーく前振りで説明しておかなければなりません。これは、江
戸期、虫歯が痛む人は、「有りの実」つまり「梨」に、自分の名前と痛い歯
の場所(上の前歯から右に四本目、など)を書いて、川に流して、戸隠様に
納めて、痛みがとれるまでは梨を食べないと、虫歯が治ると言う迷信を活か
したものです。迷信と言いますが、梨は酸性の強い果物ですから、虫歯が痛
い時に、酸を口に入れないと言うのは、それなりに理屈に合っていますよね。

 なお、話中にあるお婆さんのセリフ、「明日ありと思う心の仇桜、夜半に
嵐の吹かぬものかは」とは、明日見ようと思っている桜の花でも、夜半の嵐
で、明日には散ってしまうかもしれない、この世の中は、はかないものなん
だ、と言う親鸞(しんらん・鎌倉初期の僧で浄土真宗の開祖。(1173〜1262))
の作と言われる和歌です。



●跋

 笑助お勧めのメルマガです。落語、お笑い、なぞかけに興味がおありの方、
どうぞクリックしてください。
【笑いながら脳を鍛える】なぞかけめ〜る♪
http://www.mag2.com/m/0000159712.html

 情けは人のためならず。これは、前振りで書きましたとおり、その後に、
めぐりめぐって 己が身のため。と続きますので、人に情けをかけるのは、
その人のためばかりじゃない、やがては、自分にめぐって、もどってくるも
のだ、と言う教えですが、近頃では、人に情けをかけると、甘えて増長して
しまい、その人のためにならないから、人には情けをかけない方が良い、と
言う、誤った解釈もまかり通っている様です。犬も歩けば棒に当たる、と言
うことわざも、用も無いのに出歩いていると、ろくな目に遭わないよ、と言
う解釈と、こまめに出歩いていれば、良い事があるよ、の正反対の解釈があ
ります(どうやら、前者が正解らしいのですが)。秋茄子は嫁に食わすな、
秋茄子はとても美味しいから、こんな美味しいものを、憎き嫁に食わせてな
るものかと言う姑の気持ちと言う解釈と、秋茄子は体を冷やすから、子供を
産むと言う大役を控えているお嫁さんには、食べさせない方が良い、と言う
善意の解釈もあるようです。ご意見・ご感想、お待ちしております。頂いた
メールは、お断りのない限り、メルマガの中で紹介させていただく場合があ
りますので、よろしければ、HNを。江戸時代、あこがれます・・・

━━は━ん━も━と━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■お話:落語とお江戸のフリーライター・福々亭 笑助(千葉落語同好会)
■ご意見・ご感想は syosuke@mbn.nifty.com
■千葉落語同好会ホームページ [ちばらく]←検索

■発行元 :マンモス通信 info@manmos.tv
■HP  : http://www.manmos.tv/magazine/rakugo/
■発行協力:まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000107654.htm  (解除)
■バックナンバー≫ http://blog.mag2.com/m/log/0000107654/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━じ━ご━う━ご━き━た━い━━


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

美しく年齢を重ねるために

“衿元美人”は必須の条件

ブラウスの胸元が若々しく・・・それがあなたの魅力。
衿元美人を願うあなたに専門クリームを開発!

 ●PDビューティーネック

 スクワラン・コエンザイムQ10・ハトムギエキス・コラーゲン配合

 ⇒  http://www.manmos.tv/nanakm/beauty-neck.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る