3分で読める!「落語に見るオモシロ江戸風俗」 RSSを登録する

日本再発見!チョイト小粋なダイジェスト落語と江戸のオモシロいお話しを雑談ふうに語ります。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/06/17

「落語に見るオモシロ江戸風俗」 ●抜け裏

この記事を取り寄せる






━━ら━く━ご━と━お━え━ど━の━━━━━━━━━━━━━━━━━

 3分で読める! 「落語に見るオモシロ江戸風俗」

   平成弐拾戊子年水無月拾漆日 其の弐佰肆號 (2008/06/17 No204)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お━も━し━ろ━ば━な━し━━

 通り抜けするなで通り抜けが知れ
  現代にも通じる? 交通事情

●抜け裏

 長屋一同が大家に呼ばれた。家賃の催促ではないかと、戦々恐々集まると、
『長屋の路地を通り抜けると駅に近いため、通り抜けする人が多い。うるさ
いし、路地のどぶ板も痛むから、通り抜けできない方法はないか。』と言う。

住人壱「あっしの考えでは、どぶ板に鳥もちを塗っておいたらどうだい?入
   って来た人が、鳥もちにからまってるうちに、長屋の者が、その野郎
   を殴って、持っているモノを取っちゃう。」
大家「そんな馬鹿な事が出来るか。」

住人弐「長屋の手の空いているヤツが、長屋の入り口に立って、人が入って
   来たら『いらっしゃい』ってんで、五円の切符を売っちゃうんだ。仮
   に一日五十人通れば、五円が五十人だから、五と五を掛けると、この
   勘定が出て来る。だから、五と五を掛ければ、五五の・・・午後の五
   時から日が暮れる。」
大「何を言ってるんだ。」
弐「ちがった、五五の八十三!」
大「九九が出来ないのか。」

住人参「大家さん、早い話が、この路地を人が通れなきゃ良いんでしょ?そ
   れなら、路地の両脇の入り口へ、コンクリートで高い壁を作ったらど
   うでしょう?」
大「なるほど、それなら人は通らないけど、中に住んでいるお前さんたちは、
 どうする?」
参「ああ、そうか・・・まだ、そこまで考えてなかった。」

住人肆「大家さん、早い話が路地がなけりゃ良いんだろ?家がなければ路地
   がない。だから、北風の強い日に、台所から火をつけたら?」
大「まじめに考えろ!」

住人伍「板に『路地内に猛犬います、危険につき、通行無用』と書いた紙を
   張って、路地の入り口においておけば良い。それでも、大勢の人だか
   ら、入って来る人もいる、そうしたら、長屋で器用な人に、犬の鳴き
   声で鳴いてもらう。入って来る人に『ワン!』と鳴けば、この人はも
   う通らなくなる。これが評判になれば、人が通らなくなるだろう。」
 
 相談がまとまり、犬の物まねが上手い、鋳掛屋のよっちゃんが犬の鳴き声
を担当する事になった。

大「おばあさん、今朝は人が通らないよ、なるほど、書いてみるもんだな。
 これで長屋も静かで、どぶ板も傷まないや。あれ?一人入って来やがった、
 字が読めないのか。おばあさん、よっちゃんを呼んで来い・・・おい、よ
 っちゃん、鳴いてくれ!」
よっちゃん「うーうーう、ワンワン!!」
大「驚いて逃げて行ったよ。後から、また来たよ。」
よ「うーーーー、ワン!」
大「なかなか上手いね。今度は、若い女が入って来た、早く鳴きなよ。」
よ「クーーーン・・・ワン・・・」
大「女だとやさしく鳴くなんて、助平な犬があるか!」
よ「今度は、ばばぁが入って来やがった、ばばぁのくせに頭の毛を染めて、
 いけ好かねぇばばぁだ、あんなのは、鳴かずに、向うずねに喰らいついて
 やる!」
大「あれは、ウチのばぁさんだ!!」

よ「鳴きすぎて、喉が渇いちゃった。ちょっと酒でも無いかな?」
大「焼酎がコップに一杯ある、これを呑みな。」
よ「ごちそうになります。グビグビ、大家さん、つまみがないかな?刺身で
 も、ステーキでも。」
大「そんなものあるか!早く呑みな!また後から人が入って来たよ。」
よ「・・・♪鳴けと言われて山ホトトギス、鳴〜かぬ〜蛍が〜ぇ身を焦がす
 って、どっか近場の温泉場へでも行こう。おかわり。」
大「一杯しかないよ。早く鳴きなよ。お前は犬だろう。」
よ「お前は犬だぁ?犬とはなんだ、大家だとたてまつってりゃ良い気になり
 やがって、店賃を棒引きにして、祝儀袋の一つもよこせ。犬とは何だ!」
大「こいつは、酒癖が良くないな。酔って何にも知らずにやってるのか?」
よ「いいえ、みんな焼酎(しょうち)の上です。」



●能書き

 四代目の三遊亭円遊師が、ときおり高座にかけた事がある程度で、あまり
高座にかからない噺です。

 今回は、江戸の木戸事情について、お話しします。江戸の裏長屋の並びや
構造については、07/08/07お化け長屋(下)でお話ししいてますが、その続
編です。

 お化け長屋(下)で、裏長屋の見取り図はお届けしましたが、その図に、
表通りと長屋の路地の入り口の境目に「木戸」があります。この木戸は、夜
の定刻(だいたい夜の四つ=現在の午後十時)になると、長屋の月番(月回
りの長屋の町内自治会役員?)や、町内の雑用をする木戸番・番太郎(07/01
/16二番煎じ参照)などによって閉められ、それ以降は左右の小さな潜り戸が
通行させ、翌朝の定刻になると、開けられ、長屋に出入りできるようになっ
ていました。・・・と、多くの江戸のか解説書では紹介されています。

 しかし、江戸時代の絵を見ると、全部の長屋に必ず木戸がついててた訳で
はなく、ついている長屋と、道の両脇に柱があるだけで、『戸』は無い長屋
も見受けられます。これは、貧乏長屋だから、戸が無いのではなく、長屋は
現在のアパートのようなものですから、そこの管理人=大家さん、の考え方
や、長屋と路地、表通りとの地理的条件、治安の良し悪しなどによって、木
戸のない長屋もあったようです。今回お届けした噺は、時代を明治から大正
期にとっていますが、もし、早朝から、他地区の住民が長屋を通り抜けして、
迷惑をこうむっているのならば、長屋の総意と大家さんの決断で、朝は遅く
まで木戸を閉めておき、長屋の住人は、脇の潜り戸から出入りすれば、事は
すんでしまうので、今回、お届けしたお噺の長屋には、「木戸」が無かった
事が推測されます。

 さらに、江戸の町は、大通りなどにも、「木戸」が設けられ、夜になると
閉鎖され、「封建時代の江戸では、庶民は、夜間の往来まで制限された」と、
明治以降では、暗黒の江戸時代を象徴する愚行として、紹介されています。

 けど、落語好きの方なら、そんな事はありえない事ぐらい、お分かりです
よね。夜間の往来を制限されていたら、かの有名な名作落語「時そば04/05/
11」のような、大きな屋台を担いでの夜間営業はできなくなりますし、「黄
金餅07/03/27」のような夜間の大勢の人の長距離移動は、かなり困難になっ
てしまいます。これは、江戸初期の頃は、江戸の町もまだ開発途中で、町は
ずれには、夜盗の侵入をふせぐためにも、木戸が必要だったのですが、やが
て、江戸は大都市となり、治安も良くなり、夜になると「木戸」で町を閉鎖
する必要もなく、また、大都市ですから、一カ所や二カ所閉鎖しても、ちょ
っと回り道をすれば、簡単に抜けられる都市構造になっていましたので、江
戸の町の木戸の必要性はなくなって行くのです。

 事実、江戸の大通りを描いた絵を見ても、大通りの道の両脇に、柱がある
のは確認できますが、『戸』は書かれていない場合が大半です。柱だけ残っ
ているのは、火急の非常時には、『戸』がなくても、縄でも張れば、通行止
めに出来る、ぐらいの用途だったと思います。 



●跋

 笑助お勧めのメルマガです。落語、お笑い、なぞかけに興味がおありの方、
どうぞクリックしてください。
【笑いながら脳を鍛える】なぞかけめ〜る♪
http://www.mag2.com/m/0000159712.html

 まず、読者の皆様にお詫びです・・・実は・・・毎年、我が家のベランダ
のプランターに蒔いている「江戸変わり咲き朝顔」なのですが、去年の秋に
取れた種を、十二粒手元に残して、残り全部を読者さんプレゼントとして、
お配りしました。そして、今年の四月下旬、その十二粒の種を蒔きました。
毎年、十二粒も蒔けば、八〜十ぐらいは発芽するので、秋になると、取れた
種を読者さんプレゼントにしていたのですが、今年は・・・十二粒中、二つ
しか発芽していません(六月十五日現在)。ええ!長年、江戸変わり咲き朝
顔育てているけど、こんなに発芽率が悪かったのは初めて!これじゃ、秋に
なっても、十分な種の収穫が期待できません・・・と、言う事で、今年の秋
の読者さんへの「江戸変わり咲き朝顔の種プレゼント」は、数量限定、とな
る可能性大です・・・悪しからず・・・

 さてさて、前号で読者の皆様にアンケートさせていただきました、今夏の
特別企画「長編怪談噺」ですが、戯作者の予想を大幅に超えて、二桁にも及
ぶ「やってくれ!」とのメールを頂きました。メールをくださいました皆様
ありがとうございます。まあ、来て四〜五通かなぁ、来なければゼロ、ター
ニングポイントは三通と思っていたのですが、これだけ多くの読者さんから
ご要望をいただけるとは、戯作者としてありがたい限りでございます。では、
七月からしばらく、火・金の週二回発行として、火曜日は通常の落語と江戸
のお話し、金曜日は十週程度に渡りまして「長編怪談噺」をダイジェストで
お届けいたします。乞うご期待!!

 ご意見・ご感想、お待ちしております。頂いたメールは、お断りのない限
り、メルマガの中で紹介させていただく場合がありますので、よろしければ、
HNを。江戸時代、あこがれます・・・

━━は━ん━も━と━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■お話:千葉落語同好会 福々亭 笑助
■ご意見・ご感想は syosuke@mbn.nifty.com
■千葉落語同好会ホームページ http://www.ii-park.net/?chibaraku/

■発行元 :マンモス通信 info@manmos.tv
■HP  : http://www.manmos.tv/magazine/rakugo/
■発行協力:まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000107654.htm  (解除)
■バックナンバー≫ http://blog.mag2.com/m/log/0000107654/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━じ━ご━う━ご━き━た━い━━






■■■厳選した演者、演目、録音の落語CD販売■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 落語は「旬」が大切
 古典落語・新作落語を問わず、
 ワザオギは「旬」な落語をご提供します!

落語のワザオギ http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=15SRFD+BT3IPE+GA4+HZPWJ 
※1万円以上は送料無料
※ワザオギのCDはすべて一枚二千円

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

----------------------------------------------------------------
一等米定期購入専門サイト「大江戸米蔵本舗」
今ならもれなくプレゼント【魚沼こしひかり】
http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=15SRFD+AWY41E+RYO+626XV
----------------------------------------------------------------

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る