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2009/11/20

知っておきたい年金のはなし 第229号

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知っておきたい年金のはなし     第229号 2009年11月20日発行

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11月10日付の次のようなニュースをみました。

長妻厚生労働大臣は、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が実施している「高齢期雇用就業支援コーナー」事業(全国に14カ所)について、
来年3月末までに全廃する方針を示した。
同事業については、ハローワークの業務内容と重複するとの指摘がなされていた。

私は「高齢期雇用就業支援コーナー」で、何年もセミナー講師を担当させていただきました。
ライフプラン、年金、退職後の社会保険、年金記録の読み方など、生活設計に必要な情報をセミナーでお話してきました。

初年度は少なかった受講者も、最近はいつもほぼ満席。
キャッシュフロー表をご紹介して、生活設計を作られた方もたくさんおられます。
毎年、数社の企業訪問も担当させていただきました。
それは企業だけではできない研修だったと考えています。

私は講師として講座を担当するだけの仕事を請け負っていたにすぎませんが、これが無駄だったと言われると、悔しい気持ちがします。

事業仕分けも無駄の見直しもいいでしょう。
無駄があれば見直すべきです。
しかし、無駄であるかないか、もう少し考えてほしいものです。

このニュースをみてから、ずっと割り切れない思いでいっぱいです。
明日21日は、その高齢期雇用就業支援コーナーでセミナーを担当します。

さて、今日のお話は、前回に続いて、在職老齢年金に関するお話です。

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第229号 在職老齢年金
★★★ 手取を減らさず年金を増やす ★★★
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和夫さんは、パンの製造販売業をしています。
個人事業で始めましたが、10年前に有限会社にしました。
あるとき、商品がフリーペーパーで紹介され、テレビの取材も入り、仕事は忙しくなりました。
現在、従業員は5名となり、パンの製造と店舗での販売を行っています。
会社と自宅は同じ建物です。1階が店舗、2階が自宅となっています。2階に和夫さん夫婦が住んでいます。
娘夫婦が同じ敷地内に住んでいます。

和夫さんは63歳です。
自営業を始める前は、製パン会社に勤めていたので、厚生年金に加入していました。
自営業を始めたあとは、国民年金加入ですが、有限会社を立ち上げ後は、厚生年金に加入しました。
現在、老齢厚生年金の手続きもしています。
しかし、役員報酬が高いので、年金は全額支給停止です。

和夫さんは、今後のことを考えています。
娘が後を継ぐことになっているので、そろそろ、自分の報酬は減額しようかと思っています。
また、がんばっている従業員への処遇も考えていきたいと思っています。

幸い、年金がもらえる年齢なので、役員報酬を下げて、年金を受け取ればどうだろうと考えます。
いろいろと調べてみましたが、どうするのがよいでしょうか。

●在職老齢年金のしくみで全額停止

和夫さんは現在も厚生年金に加入していますので、在職老齢年金のしくみで年金が全額支給停止となっています。
役員報酬は50万円です。
これでは、年金はまったくもらえません。

●和夫さんの条件

昭和21年5月生まれの和夫さんは、63歳から特別支給の老齢厚生年金です。
つまり、63歳から1階と2階の年金が合わせてもらえる人です。
年金額は、加給年金を除いて、180万円(月額15万円)
和夫さんにはボーナスはありません。
(以下の計算では話が複雑になるので加給年金については考慮しません)

●役員報酬を10万円に下げると?

役員報酬を10万円程度に下げると年金のカットはありません。

●役員報酬を20万円に下げると?

役員報酬を20万円にすれば、年金は月11.5万円受け取れます。
報酬20万円と年金11.5万円で和夫さんの受取総額は31.5万円となります。

●役員報酬を30万円に下げると?

役員報酬を30万円にすれば、年金は月6.5万円受け取れます。
報酬30万円と年金6.5万円で和夫さんの受取総額は36.5万円となります。

●役員報酬を40万円に下げると?

役員報酬を40万円(標準報酬月額41万円)にすれば、年金は月1万円受け取れます。
報酬40万円と年金1万円で和夫さんの受取総額は41万円となります。

●役員の立場

役員は一般従業員に比べるとたくさん報酬をもらっていいなあと思えるかもしれませんが、いろいろな経費がかかるものです。
経費にはできない交際費など、いろいろあります。
社長経費というものでしょうか。
だから、そういった出費も含めて報酬を受け取っているのですね。

●年金がもらえるといっても

年金を受け取れるように報酬を下げると、手取りは減ります。
報酬を下げると年金がもらえるから、手取りが増えるというふうに思う人もありますが、そうはなりません。
報酬を下げると、原則として、手取りも減ります。

●よい方法はないものか

和夫さんは考えました。給与以外で受け取ることはできないものか?

●給与以外収入

現在、建物の1階は会社が店舗として使用していますが、和夫さんは、会社から賃貸料を受け取っていません。
自分の会社が使用しているので、考えたことはなかったですが、個人が法人に店舗を貸し、賃貸料を受け取るということはできます。

●賃貸契約をする

和夫さんは、会社と個人で賃貸契約をし、家賃収入を得ることにしようと思います。
たとえば、報酬を30万円に下げる、すると、年金は6.5万円入る。
家賃収入として15万円を得れば、会社としては、経費が5万円節約できた上に、和夫さんの手取りも減額しないことになります。

●これで大丈夫?

在職老齢年金では、標準報酬月額と標準賞与額で計算します。
その他の収入はまったく関係ありません。
だから、和夫さんのこの策も問題ありません。

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考えてみればおかしな話です。
どんなに収入を得ている自営業の人は年金の減額はないけれど、厚生年金に加入していると、ちょっとばかりの収入で減額される・・・
会社で受け取る給料やボーナスが在職老齢年金の対象ですが、それ以外にどんなに収入があっても、影響はないのです。
もしかすると、このようなしくみについても、見直しがあるかもしれません。
なんでもかんでも見直しなので、これから先が読めなくなってきました。

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