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2009/07/11

精神科医成木文の「相談コーナー」と心理小説集。夫のことについて。

■■■精神科カウンセリング■■■ 通算293号 
    
------精神科医との人生、身の上、医療相談------


       (カウンセリング例)



 ≪1≫ 夫のことで。

 夫とは数年前に恋愛結婚しました。スポーツを通じ
て知り合いました。夫は精神科医です。運動も上手で
すから、心身ともに健康で明るく頼りになると思って
結婚しましたけど、実生活をはじめると、疲れなどで
、夫自身、うつ気味だ とか言って、抗うつ剤をのむ
時期があったりするのです。薬の効果を自分で体験し
たいから飲むんでしょ?と聞いても、そんなことは絶
対ない。自分がうつ状態だから、飲んでいると話しま
す。
 実家に相談したら、患者の辛い精神をケアしている
のだから、自分の神経も磨り減るのだろうと夫をかば
うようなことを言いますが、私は、精神科医は仕事で
あって、プロなのだったら、自分自身の健康や、プラ
イベートな部分、妻もいるのですから、家族とのかか
わりあう時間や心、これらをすり減らして働くのはお
かしいと思います。
 流産、出産、流産と4回の妊娠があり私もくたくた
です。患者さんの生活の精神面のサポートはしている
のかもしれないけど、自分の妻や子供や親のサポート
はあまりしてくれません。時間的にないのかもしれま
せん。
 無給の院外活動などにも積極的に参加し、しまいに
泊りがけの合宿みたいなのにまで行きます。精神科医
の家族なら仕方ないのでしょうか。自宅にも患者さん
から電話がかかったりします。電話帳に載せなくても
どこからか突き止めて、これで電話番号も2回かえま
した。

 
 ご返事:

 家庭のことはすべて妻に任せ、自分は外で思うさま
働くことに違和を感じないご主人方が、まだ日本には
多いようです。先生の場合はどうなんでしょうか。い
みじくもご本人がおっしゃったのを真に受けるなら、
気うつや性分からか几帳面にお仕事に励まれ、それが
ご自分の癒しにもなっておられるのかもしれませんね
。仕事にうつつを抜かしていたほうがよりどころもあ
って、不安を解消できるという時期も確かにあります
。
 精神科医というプロだから、そこんところは要領よ
く力の配分ができるんじゃないかという疑問も湧くで
しょうが、医師も自分や家族のこととなると、からき
し判断が甘くなるということはよくあることなんです
。しかし、だからといって、家族とのコミュニケーシ
ョンが、あまりにもおろそかになりすぎては困りもの
です。
 医者にとって大切なことの一つは、熱意だと思うん
ですが、ややもすれば、それが高じて家族の負担まで
強いることになると行きすぎということになるでしょ
う。自宅まで電話がかかることをいとわない先生方も
おられることは確かですが、そこはやはり家族の同意
や協力が必須ですよね。
 今は大変お忙しいときなのかもしれません。しかし
、あなたにも主婦としての言い分がおありでしょうか
ら、その都度はっきりさらっとおっしゃっていいんじ
ゃないでしょうか。また、共通の趣味を再び想い出し
てみるとか、今ご主人が一番関心を持っておられる精
神医療や心理学の問題についても、少なくとも電話を
かけてこられた患者さんに関してはあなたも無関係で
はないことになりますから、ともに話題にしてみられ
るのもいいでしょう。そうすればお互いの考えや気持
ちを知るうえでも、足がかりになるかもしれませんね
。
  


 ≪2≫ なぜ、人間は自殺するの?

 なぜ人間は、自殺をするのでしょうか? 
私のもと夫は、私と生まれて間もない子どもを残して
自殺しました。子どもが生まれたばかりで幸せだった
のに。私には、その理由がわかりません。理由をさが
してさがしましたが。私が、なぜ気付いてあげれなか
ったのかと自分を責めた事も。なぜ、人間だけ自殺す
るのでしょう?
 今、再婚して子どもも生まれ幸せです。が、どこか
で夫も自殺をするんじゃないかと幸せを感じれば感じ
るほど考えてしまう事があります。

 
 ご返事:

 たしかに、あの人がと思うような人が自殺して、び
っくりすることがあります。あとでよく考えてみると
、根拠がないとは思えないこともあれば、どうしても
腑に落ちないということもあります。そして、病気の
せいだったのかもしれないと考えたり、病気などでは
なく、よくよく考えた上での決断だったろうと推測す
ることもあります。しかし、いずれにしても自殺とい
うのは、もう人が死んでしまったあとのことですから
、たとえ遺書が残されていても、その理由や原因には
釈然としないものがあるものです。
 精神医療においても、残念ながらそういうケースに
出会うことがありますが、なかなか予測がつかないこ
とのほうが多いのです。それほど自殺というものは不
可解なものなのでしょうか。
 自殺については、数多くの学者のいろんな説があり
ますが、そういう高説によらなくとも、自分自身の心
の奥底を探ってみるだけでも、意識と無意識の間にで
もあるような暗い衝動に、時としてぶちあたることが
あるものです。となると、誰にでもそういう衝動は多
少なりとも潜んでいるのかもしれません。フロイトも
主張したことがあるように、人は生の欲動と並んで破
壊的な死への衝動も隠し持っているのかもしれません
。普段は当然前者が自己破壊衝動をはるかに上回って
いるのでしょうが、どうかした拍子にぎりぎりまで生
・死の衝動がせめぎあうこともあるのでしょう。
 本来、人は孤独にさらされがちなもので、だからこ
そ群を求めて生きているのでしょうが、病気や疲労、
不遇や誤解ゆえにひとたびその孤独性を過剰に意識し
てしまうと、黒い衝動が頭をもたげてしまうのかもし
れません。でありながら、我々人間は生の衝動がほと
んどいかなる場合も常にわずかなりとも死へのそれを
凌駕していることもよく知っています。そして、たと
え、時たま激しい孤独感や自己破壊衝動に襲われるこ
とがあっても、帰属する群の中で何とか生活できる日
常が実感さえできれば、それこそが、まぎれもなく生
きる本能の優位を証していることになるのでしょう。
 

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 関連URL中の下記カウンセリング専用投稿ページ
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                 (発行人 記)

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【CM】   
   
      (成木 文の心理小説集) 
    

 一、成木 文著 「或る男の残像」 
          ブイツーソリューション
 他四作所収(悲しいがどこか滑稽な人間模様)

   1、或る男の残像 
   2、監督 
   3、バタフライ・ノート
   4、ゆずり葉 
   5、終着駅のタンゴ

 (電子書店パピレスで紹介。
http://www.papy.co.jp/act/books/1-108301/
  セブンアンドワイ、
  bk1、amazon.co.jp、
  紀伊国屋等ネット書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?USID=&W-NIPS=9981906980
  でもオンライン販売)



 二、田辺 未方(成木 文)著 「ロッシーという名の毛編みの男」 
                  文芸社   
   他五作所収(テーマはさまざま。カフカ?から一幅の絵まで)

   1、ロッシーという名の毛編みの男
   2、指令 
   3、崖からの眺め 
   4、コンパクトミラーの中
   5、赤い斑点 
   6、旅

 (電子本は、Boon-gate.comで紹介。
http://www.boon-gate.com/cgi/search/details.cgi?id=12374
  ブックサービス、
  紀伊国屋BookWeb、
  アマゾン
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/4835584686/ref=sib_dp_pt#reader-link
  でもオンライン販売)



 三、成木 文著 「サッカー」 
          ブイツーソリューション
   他三作(若者が主人公のアイロニー)

   1、サッカー 
   2、水曜日の手紙 
   3、お化け 
   4、新しい朝

 (電子書店パピレスで紹介。
http://www.papy.co.jp/act/books/1-106034/
  セブンアンドワイ、
  bk1、amazon.co.jp、
  紀伊国屋等ネット書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?USID=&W-NIPS=9981549487
  でもオンライン販売)

 なお現在、「銀座九丁目」鋭意執筆中。幻想的夢想的
 心理小説のつもりです。
 

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   マガジン名:【精神科カウンセリング】
   副題:精神科医との人生、身の上、医療相談
   発行:二週に一回
   発行責任者:成木 文
   発行元:「精神科医・成木 文」
   関連URL:
     http://park1.wakwak.com/~bun/
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        2009.7.11(土) (869)
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