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2009/02/28

精神科医成木文の「相談コーナー」と心理小説。異常性の判断。

       ■■■精神科カウンセリング■■■ 通算284号 
    
   ------精神科医との人生、身の上、医療相談------


          (カウンセリング例)



 ≪1≫ 躁うつ病


 高校時代は全く接点は無かったのですが、お互いに大学生の頃に
偶然に地元で出会い、しばらく電話のやりとりをしました。恋愛感
情めいたものもありましたが、遠距離ということもあり、その後、
彼女から他にも好きな人ができたと言われたため、近くにいる人の
方が彼女のために良いだろうと別れることとしました。
 それから6年間全く音沙汰はなかったのですが、先日突然に会い
たいと電話がありました。私自身、彼女がどうしていたか気になっ
ていたため会うこととしたのですが、そのとき、彼女から結婚した
こと、夫の暴力が原因で離婚しようとしていること、そして、現在
精神科を受診していることもうち明けてくれました。
 その上で、私に対する感情は6年前と変わっておらず、自分をそ
ばで支えて欲しいと言われました。そのときは精神科受診というこ
とは特に気にしていなかったのですが、数日後、外で彼女の母親と
会ったときの言動の攻撃性、辛辣さに何か異常なものを感じました。
そのため、内緒でご両親に会ったところ、彼女が躁うつ病であるこ
とを知りました。一度不安定になり実家に帰っていたが、病状が安
定したため結婚相手の所に戻ったものの、また悪くなって今は実家
にいるとのことでした。現在は躁状態で、彼女の思いつくままの行
動にご両親も疲れはてているようで、彼女の入院治療も考えたいと
話しておられました。
 うつの状態の際の対応についてはいろいろなHPでも見られるの
ですが、躁状態の場合の本人への対応の仕方についてお教え頂けれ
ばとおもいます。例えば、四六時中私と一緒にいたいような言動も
見られるのですが、どの程度まで本人の希望に沿うのがよいのか、
また対応しきれない場合の断りかたを教えていただければありがた
く思います。(私自身はできうる限り彼女を支えていきたいと考え
ています)
 また、薬が出ているようですが服用は止まっているようです。(
本人は飲むと気分が悪くなるし、他に気になることがあるためつい
飲み忘れてしまうと言っています。また、子供(1才4ヶ月)に母
乳をあげたいという欲求もあるようです)本人が納得して服薬を継
続できるようにするにはどのような形での説得がよいのでしょうか。

 
 ご返事:

 躁状態のときは、患者さんの昂揚した気分や感情に基づいた思考
や行為の奔逸に、あたりの者も振り回されがちになることは確かで
すね。
 精神活動の異常性はどういう場合も、我々は何かとの比較によっ
て認識するものですが、それは他者との比較であったり、自分自身
の過去との照合であったりするわけです。また、症状に応じた脳神
経レベルでのアンバランスまで考える人はそうざらにいるわけもあ
りませんが、周囲の人たち、できればご本人自身も、そういった脳
科学の知識も勉強していい時代に入ってきたのかもしれません。
 ただ、人には複雑不可解なところがまだまだ無数にあって、誰も
彼も画一化できるものではもちろんありませんし、その人なりにそ
れぞれの生活史と個性があるわけですから、あなたと彼女の関係に
ついても、安易に第三者からは口出せない面もあるでしょう。
 しかし、そういったこともすべて含めて、その方の感情の中庸と
はどの辺にあるのだろうと考えてみるのは、おつきあいする場合、
どうしても避けられなくなってきます。そのためには、あなたの彼
女に関する記憶や、まわりの人、ことにお子さんを含めたご家族の
窮状を気にとめつつも、当然主治医の治療方針と指導を判断の基準
として重視したほうが効率的です。
 慎重を要しますが、こういったことすべてを実はご本人とも話し
合って構わないのです。状態があまりに不安定なときは、かえって
刺激的すぎることもありますが、結局は患者さん自身が自己を少し
ずつ洞察していけるようお膳立てをしてあげることが大切なんでし
ょうね。そうすれば、薬を服用しなければいけない理由やキーポイ
ントも徐々に理解してもらえるようになるはずです。もっとも、そ
こまで治療者の立場になることもないでしょうが、そういった大ま
かな状況把握をまずしておいたほうが、あなたのためにも彼女のた
めにもなるものと思います。

 

 ≪2≫ 依存症。

 私はどうも人間関係依存症のようです。人との関係が長続きしま
せん。自分から壊してしまう、というより相手に去られてしまう、
ということがほとんどです。どうしたら自立することができて人と
のいい関係が築けるのでしょうか?

 
 ご返事:

 依存症とおっしゃるのは、人に頼りすぎ自分というものがないた
めに、人との関係を崩してしまう、あるいは愛想をつかされ去られ
てしまうということでしょうか。
 でも、短い時間であれ人との関係を持てることは持てるんですね。
見ようによっては、うまくさばけて、かえって煩わしくなくていい
ということにもなりませんか。それじゃ人恋しくなってしようがな
い、それとも、自分を主張できる親しい友人や愛人も欲しいという
ことなんでしょうか。
 職場や家庭などどこか所属できているところがあれば、孤独とい
う不安はよほど少なくてすむはずです。特別のことをなされなくと
も、日常生活と毎日の仕事を精一杯こなしていかれれば、人は集団
で生きる生き物ですから、ひとりでに群の中に入っていくものです
し、それだからこそ着実に自己も鍛えられていきます。長い目で見
ていきましょう。


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【CM】   
   
        (成木 文の心理小説集) 
    

 一、成木 文著 「或る男の残像」 ブイツーソリューション

   他四作所収(悲しいがどこか滑稽な人間模様)

   1、或る男の残像 
   2、監督 
   3、バタフライ・ノート
   4、ゆずり葉 
   5、終着駅のタンゴ

 (電子書店パピレスで紹介。
http://www.papy.co.jp/act/books/1-108301/
  セブンアンドワイ、bk1、amazon.co.jp、紀伊国屋等ネット書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?USID=&W-NIPS=9981906980
  でもオンライン販売)



 二、田辺 未方(成木 文)著 「ロッシーという名の毛編みの男」 
                            文芸社   
   他五作所収(テーマはさまざま。カフカ?から一幅の絵まで)

   1、ロッシーという名の毛編みの男
   2、指令 
   3、崖からの眺め 
   4、コンパクトミラーの中
   5、赤い斑点 
   6、旅

 (電子本は、Boon-gate.comで紹介。
http://www.boon-gate.com/cgi/search/details.cgi?id=12374
  ブックサービス、紀伊国屋BookWeb、アマゾン
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/4835584686/ref=sib_dp_pt#reader-link
  でもオンライン販売)



 三、成木 文著 「サッカー」 ブイツーソリューション

   他三作(若者のチョット深刻な素材にスポット)

   1、サッカー 
   2、水曜日の手紙 
   3、お化け 
   4、新しい朝

 (電子書店パピレスで紹介。
http://www.papy.co.jp/act/books/1-106034/
  セブンアンドワイ、bk1、amazon.co.jp、紀伊国屋等ネット書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?USID=&W-NIPS=9981549487
  でもオンライン販売)



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      マガジン名:【精神科カウンセリング】
      副題:精神科医との人生、身の上、医療相談
      発行:二週に一回
      発行責任者:成木 文
      発行元:「精神科医・成木 文」
      関連URL:
        http://park1.wakwak.com/~bun/
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                              2009.2.28(土) (838) 

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