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2009/02/07

精神科カウンセリング


    ■■■精神科カウンセリング■■■ 通算283号 
    
    ------精神科医との人生、身の上、医療相談------


          (カウンセリング例)



 ≪1≫ 考え過ぎる性格。

 私は他人から何でもポンポンとものを言う人だと思われています。
確かにキツイことも含めてストレートに言う方だと思います。だか
ら、キツイことを言われることも多いのだと思うのですが、私は実
はかなり傷ついています。そして傷ついたことや、むかついてしま
ったことを相手に知られたくないと思い、平気だよっという感じで
軽くキツイことを言い返してかわしたり、受け流したりしています。
でも、そういった気持ちがたまってくると、全てにおいてマイナス
思考になってしまい、落ち込んでしまう日があります。
 姑との会話でもそんなことが多いと主人に言ったのですが、それ
じゃこっちまで疲れてくるし、話もできなくなるなど、いろいろと
言われました。姑の言うことは理解はできるのだし、むしろお前の
考え過ぎてしまう性格を直せ、そんな性格じゃ人生つまらないよと
まで言われ泣きそうになりました。でも、そこでも平気だと強がる
自分がいて苦しいんです。やはり考え過ぎてしまう私がバカなので
しょうか?どうしたら改善できるのでしょうか?

 
 ご返事:

 人にキツイことでもポンポンとものを言い、そのお返しなのかど
うか、人からもポンポンとキツく言われることがあるというのです
ね。これ自体は軽口あるいは冗談っぽい会話でもあるんでしょうか
ら、笑顔さえ作っておれば大したしこりも残さないでしょう。ご自
分が傷ついたと苦々しく思うときも、人もそれなりに傷ついてるの
ですから、おあいこだと思えばいいわけです。いさかいにまで発展
し、共同生活も辛くなるというほどでなければ、これしきよくある
ことです。根に持つこともないでしょう。表面上だけではなく、内
面も少し磊落になってみてください。
 ところが、姑さんが相手の場合は、これはちょっと事情が異なる
かもしれません。嫁、姑はいかに仲が良くても、ご主人を間にする
と言葉の裏、裏と考えてしまうでしょう。おそらく心境の複雑さた
るや、あなたの方が格段上ですからね。悩んでいることをご主人に
話しても、必ずしも味方をしてもらえるとはかぎりません。むしろ、
ご主人にとっては、自分の母親をかばうほうにしか考えが回らない
かもしれません。となると、あなたは一人で悶々と考えざるをえな
い境地に、追い込まれやすいということになります。
 なるべく表情は暗くならないように気配って、人知れず考える分
にはいいんじゃないでしょうか。日記などに書いてみたり、こうい
うネットでわだかまりを吐き出してみるのもいいでしょう。そうし
ているうちに、段々いろんな立場の人とのやりとりのコツや間合い
の取り方も飲み込めるようになってきます。考えて考えて、あーも
う疲れたと思うくらい考えてもいいでしょう。効率よくするために
は、自分のことばかり考えるのではなく、いろんな人の場合を観察
したり、考えを聞いたり、経験談を読んだりと比較してみることも
いいでしょう。
 表向きのことであれ、ポンポンものが言える人なのですから、そ
れだけでも力ある人なのです。大丈夫ですよ、今のあなたのやり方
で。




 ≪2≫ 強迫神経症について。

 私は今強迫神経症に悩まされています。 
 なぜ強迫神経症になったのか。去年の夏、慢性的な鼻詰まりにも
かかわらず口呼吸から鼻呼吸に変えました。それからある日、鏡の
前で鼻呼吸をすると鼻の穴が急激に広がったのです。それを見て私
は凄いショックを受けました。翌日から何十回も手鏡を見ながら鼻
呼吸しても鼻の穴は広がりませんでしたが、「息を吸うたびに鼻の
穴が広がるのではないか」という恐怖心は消えることはありません
でした。この頃から抜け毛の量が増え始めてきました。 
 鼻の持病を治せば先ほど述べた恐怖は少しは消えると思い、去年
の夏から耳鼻科に通い始めました。そうしている間にも恐怖心が大
きくなり、話す時・笑う時・食べる時・運動する時にも先ほど述べ
た恐怖心を感じるようになり、秋には自殺を考えるまでに至りまし
た。しかしその頃、精神科の存在に気付き、通院と学校の学生相談
室でのカウンセリングが始まりました。
 今では精神的苦痛や抜け毛の量はかなり少なくなり、鼻の通りも
そこそこ良くなってきました。でも、鼻で息をするのにまだかなり
の神経を使います(強迫神経症的にもそうだし、鼻だけで息をする
と苦しいのです)。最近では強い強迫観念に襲われて精神状態がお
かしくなる時が度々あります。が、数日で正常に戻す事が出来るよ
うになりました。 
 さて、本題に移ると、昨日、10日ぶりに再び強い強迫観念に襲
われてしまいました。遊び半分で鼻の穴を広げて息を吸ったら(今
回は鏡の前ではないです)普通に鼻で息を吸う時よりも楽に息が吸
えたような感じがしました。私は思ったのです。「鼻の穴を広げて
息を吸ったら楽に息を吸えたから、日常生活で鼻で息を吸う時に無
意識のうちに鼻の穴を広げて息を吸ってしまうのではないか。だか
らといって常に鼻の穴が広がらないように心掛けて息を吸うと神経
を使いすぎて身が持たなくなる」と。とにかく自分の鼻の穴が広が
った時の顔が嫌いなのです。 
 ここでいくつか質問があります。 
1、上に書いたような強迫観念が襲ってきた時、自分がなすべき事
は何ですか。 
2、私と同じような内容の強迫神経症で苦しんでいる人って他にも
いるのでしょうか。 
3、「鼻で息を吸う時、絶対に自分の鼻の穴は広がっていない」と
いう証拠、考え方、根拠などがあったら教えてください。 
4、薬物療法だけで強迫神経症は完全に治せますか。 
 質問は以上です。話が長くなって大変申し訳ございません。

 
 ご返事:

 常に強迫観念があるというのではなく、この頃では大分良くなっ
ておられるようですね。たまたまそういった症状が現れても、数日
内で正常に戻すことができるということですから、なんとなく要領
もわかってきておられるのでしょう。精神科への通院や学生相談室
でのカウンセリング、そしてあなたの認識力なども効果があったの
でしょう。
 鼻についてのこだわりを持っておられる人は、確かに結構多いの
です。人知れずコンプレックスを持っている方を含めれば、相当数
になるはずです。人格の看板でもある顔の中核にあるのですから、
当然と言えば言えるでしょう。あなたのように主たるこだわりの対
象にまで発展することもあるのです。
 あなたはその辺のことも科学的に理解してきておられます。少な
くとも、耳鼻科にも通われて生理的機能も熟知しておられるはずで
す。鼻の外孔自体をたとえ無理に開大しようがしまいが、空気の流
通にスピードがある以上、本来出入量には影響がないということも
わかります。となると、こだわる心性の本質は、あなたがいみじく
もおっしゃったように、顔の美醜への恐れなのかもしれませんね。
 ひょっとこの顔を故意にしてみて他人を笑わすこともできますが、
自分がそれを鏡で見てもおかしくもなんともありません。とすると、
他者が笑ってくれたからといって、それほど大したことではないの
かもしれません。しかし、笑われた人は必要以上に意識してしまう
こともあるでしょう。人間とはそんなものなのかもしれません。他
者は自分のことなどに、本当はそれほど関心も抱いていないはずな
のに、自分では他者の意識を過剰に感じてしまっているという場合
が多いのです。
 鼻については、芥川龍之介の作品やシラノ・ド・ベルジュラック
を思い出しますが、人のコンプレックスの所在を誇大に戯画化して
表現したものなのでしょう。つまり、その人の考え方次第、慣れや
諦めの程度、価値の置き方、そういったものも背景にあるのでしょ
う。
 で、あなたの質問1.についてですが、もはやあなたはそんなに
恐れることはなさそうです。ちょっと無責任な言い方になるかもし
れませんが、日常の義務的な仕事をなんとか継続していかれるだけ
でいいんじゃないでしょうか。少し時間を稼ぐつもりでおられれば
いいでしょう。むしろ焦る気持ちのほうが厄介で、そんなときは、
それを和らげるための軽い抗不安剤を頓用してもいいですね。
 2.強迫観念はその人の強固な主観でもあるわけですから、あら
ゆる対象があってなんら不思議ではありません。
 3.物理的に測定するのが一番わかりやすいということになりま
すが、そんなことはありえないということは、もう先刻あなた自身
承知しておられます。
 4.薬物療法もまた、カウンセリングなどの精神療法と同じく効
果があると思います。


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      マガジン名:【精神科カウンセリング】
      副題:精神科医との人生、身の上、医療相談
      発行:二週に一回
      発行責任者:成木 文
      発行元:「精神科医・成木 文」
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                              2009.2.7(土) (835) 

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