2009/01/10
精神科医成木文の「相談コーナー」と心理小説。対人恐怖。
■■■精神科カウンセリング■■■ 通算281号 ------精神科医との人生、身の上、医療相談------ (カウンセリング例) ≪1≫ これからの進路について。 私は高校1年のときから「他人の視線が付きまとう」などで苦労 してきました。20歳の時どうしようもなくなり学校の相談室へ行 きました。そこから現在の37歳になるまでの間精神科へ通ってい ます。4〜5年前から仕事への意欲が出始め休日は寝てばかりでは なく繁華街などへ外出も楽しめるようになりました。 問題はここからです。実際に社会人としてのスタートが大幅に遅 れてしまいました。経済的に常に助けてくれた両親や家族、親戚な どに見守ってくれたことへの恩を少しずつでも返したいのです。私 の場合、社会から恩恵を受けるだけでほとんど役に立っていません。 このままでは選挙で投票する権利すらないと思います。胸を張って 生きていく上で、社会に対してなんらかのことをしたいのです。は じめてなのに、いきなり答えを求めてしまい申し訳ありません。 ご返事: ここまで快復されただけで、大変な恩返しになっていると考えま す。今までのペースでいいでしょう。仕事への意欲も出ているので すから、はやる気持ちはわかりますが、できる範囲で徐々に活動し ていかれればいいと思います。 周囲で見守ってくれている方々もあなたの復調に喜んでおられる はずです。そして、あなたがそういう気持ちでおられることも、お そらくご存知でしょう。選挙にも堂々と行ってください。社会に具 体的に貢献することになります。 人にはいろんな生き方があっていいと思うのです。あなたなりの 自然さで生きておられるのですから、何も卑屈になる必要はありま せん。 ≪2≫ 対人恐怖症? 人事異動があり3週間はうつ状態でした。思い切って病院にかか り薬を飲むようになってから、気持ちの持ち方にもよるのでしょう が、いくらか楽になったような気がします。 がしかし、まだ自分から積極的に話題を切り出したりとか出来ま せん。おそらく対人恐怖症なのでしょう。こんな状態では仕事にな らないときがあり、自分の意見をいえる勇気がほしいのですがなか なか。 顔がなぜか引きつってしまい、話すのに抵抗を感じています。ど うかよいアドバイスお願いします。 ご返事: 人事異動があってからということですと、思わぬ状況変化に順応 できていないということですかね。それにしても、薬物療法と気持 ちの持ちようでしょうか、少し楽になられたということでほっとし ますね。 人前でなかなか意見が言えないというのは、日本人にはよくある 内向性のようにも思えますが、うつ病などの意欲減退や取り越し苦 労、あるいはあなたのおっしゃる人見知りによる場合もあるでしょ う。いずれにしろ、年をとるごとに多少は厚かましくなって、気づ いたらしゃべってたぐらいにひとりでになるものですが、そこには 相手の気心が知れてきたという裏付けもあるのだと思います。 我々は他人を必要以上に怖れるのですが、人生経験を踏んで人の 苦労も肌身でわかってくると、人なんてみんなそんなに違いがない もんだということがわかってきます。たしかに日常ラフにつきあっ ている人たちや家族には、そんなに緊張しないで物を言っているは ずです。ですから、みんな自分とは大同小異、兄弟のようなもんだ とあらかじめ自分に納得させておくのもいいでしょう。それと、話 し方の予習も役立ちます。何も臨機応変にしゃべることはないので す。しゃべり上手な人の話を聞いても、そんなに豊富な語彙を使っ ているわけではありません。いつも同じようなことを、少し調子を 変えてくり返ししゃべっているにすぎません。三種類か四種類の仕 事向けの会話を、前もって書き留めて覚えておかれるといいでしょ う。 また、名うての役者さんの話などを聞きますと、ある程度上がっ ていたほうが結果として芝居はうまくいくといいますね。こうなる と緊張していたほうがいいのか悪いのか。どちらもバランスよくあ っていいのでしょうね。 ========================== このマガジンでも皆様からのご相談を受け付けています。どうぞ お気軽にご投稿下さい。 関連URL中の下記カウンセリング専用投稿ページ http://park1.wakwak.com/~bun/counseling.html にてお願いいたします。 ご返事はすべてURL中のカウンセリングコーナーにて行います。 ときどきURLにアクセスのうえご確認していただきたくお願い いたします。 なお、登録解除URLは関連URLのトップページにあります。 (発行人 記) ========================== 【PR】 (成木 文の心理小説集) 一、成木 文著 「或る男の残像」 ブイツーソリューション 他四作所収(悲しいがどこか滑稽な人間模様) 1、或る男の残像 2、監督 3、バタフライ・ノート 4、ゆずり葉 5、終着駅のタンゴ (電子書店パピレスで紹介。 http://www.papy.co.jp/act/books/1-108301/ セブンアンドワイ、bk1、amazon.co.jp、紀伊国屋等ネット書店 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?USID=&W-NIPS=9981906980 でもオンライン販売) 二、田辺 未方(成木 文)著 「ロッシーという名の毛編みの男」 文芸社 他五作所収(テーマはさまざま。カフカ?から一幅の絵まで) 1、ロッシーという名の毛編みの男 2、指令 3、崖からの眺め 4、コンパクトミラーの中 5、赤い斑点 6、旅 (電子本は、Boon-gate.comで紹介。 http://www.boon-gate.com/cgi/search/details.cgi?id=12374 ブックサービス、紀伊国屋BookWeb、アマゾン http://www.amazon.co.jp/gp/reader/4835584686/ref=sib_dp_pt#reader-link でもオンライン販売) 三、成木 文著 「サッカー」 ブイツーソリューション 他三作(若者のチョット深刻な素材にスポット) 1、サッカー 2、水曜日の手紙 3、お化け 4、新しい朝 (電子書店パピレスで紹介。 http://www.papy.co.jp/act/books/1-106034/ セブンアンドワイ、bk1、amazon.co.jp、紀伊国屋等ネット書店 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?USID=&W-NIPS=9981549487 でもオンライン販売) *************************************** マガジン名:【精神科カウンセリング】 副題:精神科医との人生、身の上、医療相談 発行:二週に一回 発行責任者:成木 文 発行元:「精神科医・成木 文」 関連URL: http://park1.wakwak.com/~bun/ **************************************** 2009.1.10(土) (824)



