2007/03/10
四万十通信 258
(四万十通信)258
踏みとどまれないクヌギ林の村
(K/T氏:高知市)
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■2月20日付けの高知新聞に「集落の消滅」の記事が・・・
しかし、この記事、部分的に時代遅れではないのかなと思います。
「四万十通信255」に掲載されている、原剛氏の「踏みとどま
るクヌギ林の村」へ、ご意見をさせていただきます。
◆四万十通信255
http://blog.mag2.com/m/log/0000104387/108255237.html
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◆人工林率と人口減少のなぜ
大豊町と十和村の人口の減少率は、森林の差に限定するのではな
く、地形的な違いも考慮に入れられたら、如何と思います。
(以下、具体的な数字、資料はなく、感で書いております。悪し
からず。)
十和村は、四万十川とその支流に沿って耕地が開け、稲作主体の
農業が行われています。
土地利用の形態は、四万十川の河原からすぐ上に耕地(田圃)が
開け、道路、そして畑、住家があり、その上は耕地がほとんど開け
ない急峻な山になります。家屋はほとんど幹線道路に沿って建てら
れており、生活の利便性は大豊町に比べはるかに良いと考えます。
昭和30年中頃までは、木炭生産が行われ、も少し古い時代には
中村の下田港から関西方面にも出荷しておりました。これが確かに、
広葉樹が残された原因であると考えられます。
(注:クヌギは誤り。後述。)
お隣の大正町と比較してみたいと思います。
大正町は国有林が多く、営林署が置かれていました。職員数は、
役場の職員数を上まわり、(署長には運転手つきの専用車があり、
格も町長より上。)伐採夫等の作業員の雇用も多く、地元の経済は
発展していきました。
当時のスギ、ヒノキの力、そのありがたさは地元住民にも染み込
んでいったものと考えられます。
営林署の直営の苗圃は2箇所あり、繁期には、近隣の、農家の奥
さんだけでなく、中高生のアルバイト、はたまた営林署の管理職員
の奥さんまでが作業員として雇用されていました。
1年生の毛苗が余ったら、苗圃の作業員はそれを持ち帰り、自分
の畑で山行き苗を育てていました。
やがて、プロパンガスの普及等エネルギー革命によって、大量の
薪の調達が不要になってからは、自家の薪山にも植林するようにな
りました。
十和村と大正町の違いについては、国有林の有無が、地元の森林
に影響を与えたと言うことではないかと思います。
しかし、国有林が山を切り尽くし、営林署も廃止されたあとは、
人口が減少し、十和村よりも人口が少なくなりました。国有林の事
業所が置かれていた山奥の集落(ほとんど営林署の職員の居住地)
が消失したところはあるようです。
一方、大豊町は吉野川が深い渓谷状になっており、主に河岸段丘
の上に人家と耕地があり、耕地はどちらかと言えば平坦地は少なく、
主食を育む田圃はそれほど多くはなかったと思います。
代わりに、切畑で 楮、三椏 等の換金昨目の栽培が行われており、
また、河岸段丘の上にありますので、道路もなく、生活環境は劣悪
ではなかったかと考えられます。
もひとつ、大豊町では、楮、三椏等換金昨目栽培が盛んで、米は
生産できなくても、十和村に比べ、土地に住民を養う力が大きく、
人口も多かったのではないかとも考えられます。
(これは思い違 いかも知れませんが。)
スギの人工林が元々多かったわけではなく、楮、三椏等換金策目
(田が少ないと、米は買わなくてはならない。)の需要の減退、
生活環境の劣悪さ等から高度経済成長の時流に乗って離村者が多く
出たのでは。
出るに当たって、切畑、耕地、家の周りにスギを植えて出た。
(つまり、その当時、スギ、ヒノキの価値は十分に解っていた)。
その結果がスギの人工林が多くなったのではないかと。
吉野川、物部川、仁淀川の河岸段丘のうえに開かれた集落が、
なくなっていく・・。
四万十川流域には、地形的に、そのような箇所に集落は少なく、
集落のまとまりがなくなって消滅することはほとんどないように思
います。
十和村と大豊町の人口減少の差は、なにも森林が原因ではないと
思います。森林の違いは結果として見ればよいかと思います。
ひとつ、余計なことを申し上げますが、十和村には元々、クヌギ
は自生しておりません。椎茸原木に使われてきたのはコナラ、シデ
等であり、原木として使われたクヌギは愛媛県、中国地方から移入
されたものです。クヌギは高知県では、檮原町と愛媛県との境に、
自生していたのみです。
さて、十和村も今や、中国産や菌床の椎茸に押されて、栽培者も、
生産量も少なくなっており、かっての威勢はありません。
椎茸生産のために、クヌギの人工林を造成して、さあこれから、
と言うときに椎茸生産が減退していった。
利用されないまま、大きくなっているクヌギ林を、あちこちに見
ることが出来ます。クヌギは大きくなればなるほど、椎茸菌が食べ
ない心材部が多くなり、深刻な問題ではあります。
椎茸生産の業から見れば、今や「踏みとどまれないクヌギ林の村」
になりつつあります。
しかし、森林が人口減少の原因とは考えられないから、椎茸生産
が減退したからと言って、人口が激減することはないかと思います。
反対に、スギ、ヒノキを植林してきた大正町では、低コストの生
産技術を開発し、新たな森林・林業の展開が始まろうとしています。
全国的にも大変注目され ております。
自然保護と水源かん養だけでは金を産みません、金を産まなけれ
ばそこでは生活できないわけです。
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