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高知県では木の文化県構想を掲げ、木を育てる、木に親しむ、木を活かす、の3視点からの取り組みをしています。森林、林業、山村、自然環境、文化及び四万十川をキーワードに関連するあらゆる情報を発信します。

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2006/01/19

四万十通信 134

(四万十通信)134
【中村林業事務所】

 『木の産業づくりと森の再生プラン』への意見

               (足羽 潔・高知新聞企業)
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[山への距離]

■「木の産業づくりと森の再生プラン」(素案)に関する一考察

 見えぬ出口へ「あったかですく」を!

 いまから20年近く前、高知新聞の政治記者だった当時、「山」
にかかわった。経済記者ではなく、政治記者がかかわりを持った
ところに、「山の病巣」があった。

 経済論理のみではすでに破綻した林業というなりわいを、過疎
・過密、山村と都市、環境、地球、水、緑、そして政策決定とい
う官の世界を、どう見つめ変革していく手法があるか、がテーマ
であり、それは連載「山よ」(現在、高知新聞社刊)にまとめた。

 当時、手にした資料や、拙文を読み返し、そして「木の産業づ
くりと森の再生プラン」(以下、再生プラン)を読むとき、時の
流れと行政の意識変化を痛烈に感じ、少なからず、高知県の森の
未来に展望がもてるのでは、と思うのだが(思いたいのだが)、
一方で、この再生プランがどんな肉付け、具体的な手法をとれば、
高知県の森の、林の、ムラの再生を導くバイブルになるのかは、
見えていないのではないのか、の疑念をぬぐい去ることはできない。

 環境問題という視点を軸に、一般県民の「山」への意識は着実に
変わった。「山が河(川)を育てている」「川を汚してはいけない」
・・・そんな声は小さな子どもたちさえ口にする時代になった。

 しかし、山に滅びの笛を吹かせた過疎問題、すなわち林を活性
化させる前提となるムラの再生へのビジョン欠落が変わらず横た
わるし、さらに多くの県民と森、山、ムラとの乖離を埋める計画
とは、まだ、言い難いのではないかと思う。

 再生プランの基本理念を否定するものではない。これがすべて
実行されるのなら、「山の革命」の大きな礎になろう。

 官の必死の努力を期待しながら、以下、私個人がかかわった、
事例から、大きな県民運動と、場合によっては、国民運動となり
うる、(と思う)「あったかですく」プランを提案しながら、意見
を述べたい。

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◆「あったかですく」プラン

 「すべて高知県産間伐材仕様」による「家庭用学習机」を、
会員制(原則)で、製作・販売する。

 「あったかですく」クラブ=会員制で組織。子どもが生まれた
とき(妊娠したとき、結婚したとき、結婚したときなどあらゆる
節目など)から毎月一定額を積み立て(60カ月を想定)満期時
に、オール間伐材仕様の家庭用学習机や本棚、パソコンデスク、
などを渡す。

 積立額は1000円単位から、各家庭の都合に合わせたものと
し、上限はもうけない。 

 学習机も可能な限り、多種多様な品揃えを行い、ニーズに応え
る。マンションサイズはもとより、一戸立て住宅用サイズもそろ
える。

 事業主体は製作が森林組合、企画販売は民間会社、あるいは、
第3セクター、県、あるいは県民参加による新・会社などで行う。

 課題になるのは「積み立て方式」。こうしたお金を積み立てて
もらって、満期時に商品を渡すやり方は消費者保護の観点から
「前払い割賦方式」の適用を受けるため、手続き面でややこしさ
もでてくる。金融機関と協力して積み立て部分は金融機関に委託
すれば、極めてスムーズな事業展開が可能になろう。

 年間出生数は高知6000人
(香川9000人、徳島7000人、愛媛12000人)に及ぶ。

◆次のような試算もできる。

 会費を月額2000円、
 新規加入会員数を
 事業初年度 2100人、
   2年度 2450人、
   3年度 2800人、
   4年度 3150人、
   5年度 3500人 と仮定する。

(※会員数は6000人の35%=2100人、40%=2450人
・・・58%=3500人で設定した)

・初年度=2000円×2100人×12ヶ月=5040万円
・2年度=2000円×2450人×12ヶ月=5880万円(新規加入分)
     2000円×2100人×12ヶ月=5040万円。
  会員数4550人、資金運用額1億920万円・・・

以下同様に
・3年度=会員数 7350人、資金運用額1億7640万円
・4年度=会員数10500人、資金運用額2億5200万円
・5年度=会員数14000人、資金運用額3億3600万円

 県民運動として展開する場合、高知県内だけをシェアに、少な
めに見積もった数字でもこれだけの試算は可能だ。四国内をター
ゲットにすれば、さらに安定的な数字を示すことは可能だ。

 家庭用学習机は、就学する子どもにとって必需品になる。その
家庭用学習机を高知県産間伐材で作り上げることの意味は限りな
く大きい。まして、地方では出口の見えない経済不況の中、毎月
少額の積み立て方式を採用するメリットは大きい。

 この基本プランは、オークヴィレッジ代表の稲本正氏から絶賛
いただいた。日本を代表するリーダーの企業から、支援表明をい
ただいたプランでもあり、ぜひ実現に動くプロジェクトとして、
進めていけたらと考える。

 稲本正氏の人脈と後援者は時代を支える顔ぶれが並ぶ。(ホー
ムページをご覧あれ。橋本人脈とも重なる)。もし高知県が、
「あったかですく」に動く構えがあるなら「山」が動かせる事業
になろう。すなわち全国展開できるものになろう。

 来年1月1日、朝日新聞など全国大手新聞に橋本大二郎、稲本
正、永六輔、黒田杏子らの座談会による全面広告を打ち、勝負を
かけることも可能だろう。

 この事業に関連して、大正町森林組合と、私が現在属する高知
新聞企業では、私立あたご幼稚園(高知市)の協力を得て、保護
者に「あっかですく」アンケートをおこなった。

 フェイスシート、回答、簡単なアンケート分析は別紙(「メル
マガ:四万十通信」に掲載予定。1/31ー2/2)の通りだが、
随所に「山への距離」を感じさせるものになっている。また、
家庭用学習机への家計支出が4,5万円がという中、たとえば、
大正町森林組合の製造原価がそれと同額程度となる現状では、
事業化は無理との見解もあるが、上記のようなロットが確保でき
れば大幅な原価引き下げが可能となり、事業化は十分可能だろう。

 家庭用学習机の外材製品価格は一般小売価格が4万円から5万
円程度。同額ならオール高知県産間伐材仕様の家庭用学習机は、
大きな市場価値を持つ。

 行政が林業施策を講じてもヤマの厳しさは募る一方であること
は論を待たない。「あっかですく」プランは、少なからず、再生
プランで指摘する「木のものを使う県民運動」や「森のものを
地域に活かす取り組み」をはじめとして、ヤマの再生の根幹を
なすプランと考えている。

 自分たちの机をくれた森に感謝し、木を植え、育てた人やムラ
に感謝をする。子どもたちが毎日使う学習机が大切なことを教え
る。ヤマとのかかわりのさまざまな機会を提供しよう。森林県・
高知の再生の出発点にはならないだろうか。

(PS)
 林業関係文が、多くの県民に親しみを持って読まれるために、
理解して読んでもらうために「立方メートル」表記をするときに
は、必ず(木材住宅一戸立て○○分)などの表記をそえるように
してはどうでしょう。

 再生プランにも、乾燥材生産量50000立方メートル、認証
製品生産量5000立方メートルの表現がありますが、私もすぐ
にはどれだけの量か思い出せません。ましてや一般の方は・・・。


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【編集・発行】  高知県中村林業事務所
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