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2007/10/22

【海江田万里の政経ダイアリー】2007.10.22号 F.A.11月号 サプライムローン問題とアメリカ住宅ローン事情

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【海江田万里の政経ダイアリー】2007.10.22号 F.A.11月号 サプライムローン問題とアメリカ住宅ローン事情

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☆ F.A.11月号 サプライムローン問題とアメリカ住宅ローン事情 ☆

サブプライムローン問題の混乱は一応小康を保っているかのようで
すが、今後、世界のどこの市場に飛び火しないとも限りません。
そこで今回は、この問題の背景になっている米国の住宅ローンの事
情につい
て調べてみました。

アメリカの住宅ローンを考える場合、1929年の大恐慌にまで遡らな
ければなりません。アメリカ経済が大恐慌から立ち直るために、
テネシー川の開発などの公共事業が大規模に行われたことが有名で
すが、政府は同時に中産階級向けの住宅融資に力を入れたことも忘
れてはなりません。内需の拡大には、公共事業と住宅建設が大いに
役立つことは、今も昔も変わらぬ事実です。特に1920年代中ごろに
100万戸近くあった新規住宅着工件数が、1930年代中ごろには10分の
1に減ってしまいましたから、住宅産業のテコ入れは景気回復のうえ
からも最重要でした。そこでアメリカ政府は、FHA(連邦住宅庁)を
設立して、低所得者に対する債務保証を行いました。FHAが誕生した
のは1934年ですが、政府はもうひとつファニーメイ(連邦抵当金庫)
という組織を1938年に作りました。これは例えばアメリカ西部の住
宅ローンを東部に売るといった具合に、住宅ローンを流動化する役
割を担っていました。当時のアメリカで西部は住宅需要が活発で、
これを豊かな東部の資金でまかなうことにしたのです。

1930年代に登場したFHAとファニーメイは大きな効果をあげ、
1940年代の初めには住宅着工件数は、ほぼ大恐慌前の水準に戻りま
した。

★ 住宅ローンの証券化で融資残高が急増 ★

1970〜80年代に入って、折からの高金利と長期の固定金利による貸
付は、住宅ローンの貸し手である金融機関(主にS&L)の経営を圧迫
しました。そこで考えられたのが、「住宅ローンの証券化」の動き
です。つまり金融機関が抱える住宅ローンの金利リスクを市場に転
嫁するわけです。

1938年設立のファニーメイは1968年に民営化され、同時に設立され
たジニーメイ(政府抵当金庫)とともに住宅ローンの証券化に乗り
出すことになります。

また、1980年代に経営破綻したS&Lに替わって、大手商業銀行が子
会社としてモーゲージバンカーを設立し、ここが新たな住宅ローン
の融資機関になりました。今回のサブプライムローン問題で経営危
機が噂されるカントリーワイド社は、米国最大のモーゲージバンカ
ーです。

2000年代に入ってからの世界的な金利低下を受け、アメリカの住宅
ローン金利も低下の一途を辿りました。同時に好景気による住宅ブ
ームが起きました。

ブームの中身は、もちろん実需もありますが、値上がり期待の投資
目的の購入もありました。1995年から2005年までの10年間で住宅ロ
ーンの融資残高は約2倍(約1200兆円)になり、2005年貸付総額は
349兆円と、日本の同時期の23兆円の約15倍です。融資残高ベース
で約60%が証券化しています。ちなみにわが国の住宅ローンの証券
化の割合は、約6%です。

アメリカでは本来証券化市場が発達しているため、住宅ローンの利
用者は長期固定金利の住宅ローンを選ぶことが出来たわけですが、
住宅価格の値上がりによって、返済開始当初の返済額をできるだけ
低く抑える変動金利型住宅ローンを利用する人が多くなっています。
また固定金利型のなかにも、一定期間は金利のみを返済して、その
後、元利均等返済する「インタレストオンリー(IO)型」が登場し
て、当初の返済額が低く抑えられているローンの利用者が増えて
います。今回の一連のサブプライムローン騒動の中で、これらの人
々のローンの焦げ付きが拡大しているのも、大きな問題です。

★ リバースモーゲージの融資額にも変化が・・・ ★

米国の住宅ローン事情では、リバースモゲージの利用が近年急増し
ています。リバースモゲージについては本誌の読者はよくご存知だ
と思いますが、住宅を担保に老後の資金などの融資が受けられる制
度です。リバースモゲージの融資には(1)住宅価格下落リスク
(2)長生きリスク(3)金利上昇リスクなどが伴いますが、融資
した金融機関をこれらのリスクから守るため、低所得者向けのリバ
ースモゲージであるHECM(Home Equity Conversion Mortgage)には
FHA(連邦住宅庁)の保険が付きます。またリバースモゲージの債
権はファニーメイ(連邦抵当金庫)が買い取ることになっています。

現在、HECMは全米のリバースモゲージの約90%を占めています。
2006年の新規契約は約7万6000件、1件あたりの融資額は約1900万円
です。

最近の住宅価格の急落は、当然こうしたリバースモゲージの融資額
にも変化をもたらします。公的年金制度が不備なアメリカでは、
高齢者がリバースモゲージに頼る割合が極めて大きくなっています。

サブプライムローンの問題は、金融の問題だけでなく、アメリカの
実体経済に大きな影響を与えています。今後のアメリカ経済の動き
から目が離せません。


前 衆議院議員 海江田万里


★事務局より★

ラジオ新番組「海江田万里のトクする朝」が始まりました。
毎週土曜日06:40〜07:00 文化放送にて放送中!
政治・経済・健康・気になるトピックスなどをとりあげる情報番組です。

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 TEL.03-5363-6015 banri@aya.com
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