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シンプルなギリシア語テキストを一文ずつ配信します。数ヶ月毎に纏めの和文希訳試験をして一区切りとします。ディオニュシオス、石の本の断片、聖書と続きます。

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2009/09/19

ギリシア語読書会 no.45 ディオニュシオス6 2009.9.19

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 ギリシア語読書会 no.45 ディオニュシオス6 2009.9.19

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■引き続き使徒行伝17.32-34を読んでいきましょう。


1.アテネの伝統ある舞台で

「知られざる神(αγνωστω θεω)」

について報告するパウロさん・・・


2.「知られざる神(αγνωστω θεω)」とは

「人の手で造った神殿に住んでいる神」
「人の手で世話してもらっている神」
「人の技と考えを刻んだ金や銀や石と同一である神」では無い神・・・

「アテネの人たちが知っている神」の批判者(*)の神のようです・・・

(*)例えばアテネの哲学者達。旧来のユダヤ教の批判者でもあるパウロさん・・・


4.しかし、パウロさんが更に・・・

その神が「日を定めた」「人を定めた」、

「その人を死者たちの中から生き返らせて」と述べると・・・


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では今回のテキストです。

(17.32)
死者達の復活と聞いて、
ある人達は笑っていた、
またある人達は言った
「あなたから聞きましょう、そのことについては、また今度」と。

ακουσαντεσ δε αναστασιν νεκρων, 
‘οι μεν εχλευαζον, 
‘οι δε ειπαν・ 
ακουσομεθα σου περι τουτου και παλιν.

(17.33)
それで、パウロはかれらの中から出て行った。

‘ουτωσ ‘ο παυλοσ εξηλθεν εκ μεσου αυτων.

(17.34)
しかしある人達は、彼について行って、信じた。
その中にはいた、アレオパゴスのディオニュシオスも、
ダマリスという名の女性も、彼らと共に他の人々も。

τινεσ δε ανδρεσ 
κολληθεντεσ αυτω επιστευσαν, 
εν ‘οισ και διονυσιοσ αρεωπαγιτησ 
και γυνη ονοματι δαμαρισ 
και ‘ετεροι συν αυτοισ.


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□PDF版原文テキスト。
http://members.at.infoseek.co.jp/itno1/image/d6.pdf
※PDF閲覧ソフト「AcrobatReader」ダウンロードページ
http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep.html

□HTML版原文テキスト。
http://members.at.infoseek.co.jp/itno1/image/d6.html
要Unicode Font(Lucida Grande(MacOSX)、Arial Unicode MS(Windows)等)。
文字化けする場合はPDF版の原文テキストをご覧ください。


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それではまず、テキストに目を通してみましょう。
次に日本語訳を見ながらギリシア語で言ってみましょう。
語形分析例をこちらにいれておきました・・・
http://blog.goo.ne.jp/gmm2003/e/1857933cc73b43459d15b7599201c1b9

(17.32)
死者達の復活と聞いて(過去 分詞)、
ある人達は笑っていた(半過去)、
またある人達は言った(過去)
「あなたから聞きましょう(未来)、そのことについては、また今度」と。

ακουσαντεσ δε αναστασιν νεκρων, 
‘οι μεν εχλευαζον, 
‘οι δε ειπαν・ 
ακουσομεθα σου περι τουτου και παλιν.

アクーサンテス デ アナスタスィン ネクローン、
ホイ メン エクレウアゾン、
ホイ デ エイパン、
アクーソメタ スー ペリ トゥートゥー、カイ パリン。


(17.33)
それで、パウロはかれらの中から出て行った(過去)。  

‘ουτωσ ‘ο παυλοσ εξηλθεν εκ μεσου αυτων.

フートース ホ パウロス、エクセールテン エク メスー アウトーン

パウロは出て行った(過去)


(17.34)
しかしある人達は、
彼について行って(過去 分詞)、信じた(過去)。
その中にはいた、アレオパゴスのディオニュシオスも、
ダマリスという名の女性も、彼らと共に他の人々も。

τινεσ δε ανδρεσ 
κολληθεντεσ αυτω επιστευσαν, 
εν ‘οισ και διονυσιοσ αρεωπαγιτησ 
και γυνη ονοματι δαμαρισ 
και ‘ετεροι συν αυτοισ.

ティネス デ アンドレス、
コッレーテンテス アウトー、エピステウサン。
エン ホイス カイ ディオニュースィオス・アレオーパギーテース、
カイ ギュネー オノマティ ダマリス、
カイ ヘテロイ シュン アウトイス。


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□バチカン写本版(codex vaticanus)
http://members.at.infoseek.co.jp/itno1/image/vaticanus_praxeis17.jpg
http://members.at.infoseek.co.jp/itno1/image/vaticanus_praxeis17_32_34.jpg
各ページ3欄の写本。
右の欄の上から16行目から17:32が始まり、
次のように改行されています。

(32)ακουσαντεσ δε αναστα
σιν νεκρων οι μεν εχλευ
αζον οι δε ειπαν ακου
σομεθα σου περι τουτου 
και παλιν (34)ουτωσ ο παυ
λοσ εξηλθεν εκ μεσου 
αυτων(35)τινεσ δε ανδρεσ 
κολληθεντεσ αυτω ε
πιστευσαν εν οισ και δι
ονυσιοσ αρεωπαγ(ε)ιτησ 
και γυνη ονοματι δαμαρισ 
και ετεροι συν αυτοισ


□シナイ写本版(codex sinaiticus)
http://members.at.infoseek.co.jp/itno1/image/sinaiticus_praxeis17.jpg
http://members.at.infoseek.co.jp/itno1/image/sinaiticus_praxeis17_32_34.jpg
各ページ4欄の写本。
左から3列目の欄の上から15行目から17:32が始り、
次のように改行されています。

(32)ακουσαντεσ δε α
ναστασιν νεκρω- 
οι μεν εχλευαζο- 
οι δε ειπαν ακου
σομεθα σου περι 
τουτου και παλιν
(34)ουτωσ ο παυλοσ 
εξηλθεν εκ μεσου 
αυτων(35)τινεσ δε 
ανδρεσ κολληθε-
τεσ αυτω επιστευ
σαν εν οισ και διο
νυσιοσ ‘ο αρεοπα
γιτησ και γυνη ο
νοματι δαμαρισ 
και ετεροι συν αυ
τοισ


□バチカン写本とシナイ写本を見比べてみると・・・

1.バチカン写本もシナイ写本も、
 行末になると小さい文字が混じる

2.シナイ写本では
 行末の「ν」が「-」に置き換わる

3.テキストの違い
 今回はディオニュシオスさんの名前が違っています。

バチカン写本では
διονυσιοσ αρεωπαγ*ιτησ
ディオニュースィオス アレオーパギーテース
(*)*の部分は一文字分(ε(?))消されています・・・

シナイ写本では
διονυσιοσ ‘ο αρεοπαγιτησ
ディオニュースィオス ホ アレオパギーテース


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シナイ写本を
「シナイ写本オンライン版」でも見てみましょう。
写本画像と翻刻の連結機能等、様々な機能を備えています!
http://www.codexsinaiticus.org/

頁右に言語切替ボタン(英独希露)があります。
日本語版が無いので、既定の英語頁を見ていきます・・・

上方「SEE THE MANUSCRIPT(写本を見る)」を押します。

「choose a passage」欄のリストボックスから
「book(書名)」と「chapter(章)」と「verse(節)」を1つずつ選びます・・・

例えば今回のテキストの場合「acts」「chapter 17」「verse 32」を選びます。
すると、次の頁が開くと思います・・・
http://www.codexsinaiticus.org/en/manuscript.aspx?book=51&chapter=17&lid=en&side=r&verse=32&zoomSlider=0

(*)Digital Nestle-Aland と同様の選び方です・・・
http://nttranscripts.uni-muenster.de/AnaServer?NTtranscripts+0+start.anv

右上の翻刻欄を見ると・・・
「verse 32」(32という数字が振られています)が、
上方欄外の文字を除くと、3列目の15行目から始まっていますが・・・

翻刻の「verse 32」の冒頭文字
「ακουσαντεσ」を叩いてみましょう。
すると画像の対応する部分が四角で囲まれます!

画像のその場所を叩くと、
あるいは拡大鏡のスライダーを「人差し指」で操作すると、
(拡大鏡のスライダーはブラウザーによっては表示されないようです・・・)
画像が拡大されます・・・

画像を拡大しすぎて
四角で囲まれた部分が見えなくなっても、
もう一度翻刻の「ακουσαντεσ」を叩くと、
四角で囲まれた画像の「ακουσαντεσ」が戻ってきます!

更に・・・
写本画像を叩いても画像が拡大しないように、
拡大鏡ボタンを押して拡大鏡の選択を外した上で・・・
写本画像の文字を叩くと・・・翻刻の対応する部分が四角で囲まれます!

(*)Digital Nestle-Alandの写本01の紹介ページからのリンクにあった
「Facsimile from British Library, London」
(何時の間にかリンクが切れています)と同様のものですが、
画像データベースとして、とても使い勝手のいいものになっています。


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アレオパゴス周辺の地図を改めて見てみましょう・・・
http://members.at.infoseek.co.jp/itno1/image/athensA4.jpg

中央にアレオパゴス(アレースの丘)・・・
上にアゴラ(広場)、右にパルテノン神殿等々がありますが・・・

その周りには・・・
パウロさん、ディオニュシオスさんの名前の付いた通りが・・・
「λεωφοροσ αποστολου παυλου(使徒パウロ大通り)」
「διονυσιου αρεοπαγιτου(アレオパゴスのディオニュシオス通り)」・・・

ディオニュシオスさんの通り沿い・・・
パルテノン神殿を見上げる場所(Aのピンを立てた場所)には・・・
2009年6月20日に開館したチュミ(Bernard Tschumi)さん設計
新「アクロポリス博物館(μουσειο ακροπολησ)」・・・
http://www.theacropolismuseum.gr/

開館記念の映像投影・・・
http://www.youtube.com/watch?v=veIrKOxh5yw
投影映像をもっと近くから・・・
http://www.youtube.com/watch?v=IaGdJrbOKes


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■アレオパゴスの記事の直前(使徒行伝17章16節-)にはこう書かれています・・・

パウロさんは
「会堂では <ユダヤ人> や <神をあがめる人々> と論じ」
(アレオパゴスでのパウロさんの話の、主要なネタとなっている感じです・・・)
「広場では <居合わせた人々> と毎日論じ合っていた」
「<エピクロス派やストア派の幾人かの哲学者> もパウロと討論した」

パウロさんは
「イエスと復活とを述べ伝えていた」・・・
(パウロさんの決め台詞「イエスと復活」・・・)

(日本聖書協会:聖書検索)
使徒言行録 > 17章 >「送信する」ボタン >16節以降・・・
http://www.bible.or.jp/vers_search/vers_search.cgi


■アテネの伝統的な舞台
アレオパゴスでパウロさんは・・・

「アテネの人たちが知っている神」では無い神、
つまり「知られざる神(αγνωστω θεω)」について、
アテネの哲学者達も納得してくれそうな議論を展開した上で・・・

その上で、その「知られざる神」は実は・・・
「アテネの人たちが知っている神」よりもむしろ納得いかない例の神・・・
「その人(イエス)を死者たちの中から生き返らせた」神なのだ、
という決め台詞をまた・・・

1.ある人達は:聞いて(過去 分詞)→(笑っていた(半過去)),言った(過去)

それを聞いたお客さんの笑いと突っ込み・・・
ここまで来て、まさかまたその決め台詞に帰ってくるか・・・という笑い・・・
「そのことについては、また今度、あなたから聞きましょう」という突っ込み・・・

2.パウロさんは:出て行った(過去)

笑いと突っ込みの中、舞台から引っ込むパウロさん・・・

しかし、ここまでの舞台を見て・・・

・・・ここまで来た上でその決め台詞に帰ってくるというのは、
「外人イエスを復活させた外国の神」以上の何かがあるんだろうか・・・

・・・しかも、この話の落とし方は・・・
この舞台の先輩、新しい神を巡る挑発的な弁論の末、

死刑になった哲学者ソクラテスさんへの
敬意の表明と言えなくも無い「外して終わるオチ」・・・

とでも、(後の教父等が注釈するように)
思ったということでもないのでしょうが・・・

3.ある人達は:ついて行って(過去 分詞)→信じた(過去)


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それでは改めて日本語訳を見ながら、
ギリシア語で言ってみましょう。

/*

(17.32)
死者達の復活と聞いて、
ある人達は笑っていた、
またある人達は言った
「あなたから聞きましょう、そのことについては、また今度」と。

(17.33)
それで、パウロはかれらの中から出て行った。

(17.34)
しかしある人達は、彼について行って、信じた。
その中にはいた、アレオパゴスのディオニュシオスも、
ダマリスという名の女性も、彼らと共に他の人々も。

*/

日本語訳のみを見て
確実にギリシア語で言えるようになったら終了です。


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ホームページ
:http://www.geocities.jp/se_kilos/

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