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常用漢字とそれに対応する旧字・異体字・俗字・略字、または読み方や意味が同じだけど別の漢字などをご紹介します。取り上げた漢字を使った熟語の解説、それに関する雑学や書籍・CDを紹介します。

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2008/08/25

旧い漢字の使い方◇第483号◇【劫】と【刧】

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              旧い漢字の使い方〜旧字・異体字・俗字〜
          第483号/2008年8月25日    【劫】と【刧】

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■【劫】と【刧】■−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

〈音〉ゴウ(ゴフ)、コウ(コフ)、キョウ(ケフ)
〈訓〉おびや-かす

【劫】
◇人名用漢字(2004年9月〜)
※去+力 〔形声。力+去(退ける)→力ずくで退ける。または、去る者を
      力ずくで止める。おびやかす。〕
《部首》ちから(力)5画(総画数7画)
区点コード 2569/JISコード 3965

【刧】
◇【劫】の俗字
※去+刀 〔【劫】の俗字〕
《部首》かたな(刀)5画(総画数7画)
区点コード 4971/JISコード 5167

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◆劫
(呉音はコウ。慣用音はゴウ、キョウ) 
(1) おびやかすこと。力ずくで恐れさせる。強制する。脅。
(2) 強奪する。掠め取る。奪い取る。
(3) 〔仏教用語〕(梵語(サンスクリット語) kalpa(劫波・劫簸)の略) 
  きわめて長い時間の単位。測ることが不可能なほど永い時間。多く宇宙の
  生滅などについていう。
  反対に極めて短い時間は「刹那(せつな)」。
(4) 災害。災い。
(5) 囲碁で、1目を双方で交互に取り返せる形ができたとき、取られたあと、
  すぐ取り返してはならないルール。他の急所に打って(「劫だて」という)、
  相手がそれに応ずれば、そのあとで1目を取り返す。劫争い。
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▼劫火(こうか・ごうか)▲
〔仏教〕人の住む世界を焼きつくして灰燼(かいじん)とするという大火。
壊劫(えこう)の時に起るという。劫災。

▼劫灰(きょうかい・ごうかい)▲
(1) きょうかい:兵火。戦争による火災。
(2) ごうかい:劫火によってできる灰。

▼劫殺(こうさつ)▲
おどし殺すこと。

▼劫初(ごうしょ)▲
〔仏教〕この世の初め。天地開闢(てんちかいびゃく)の初め。
反対語は「劫末」。

▼劫濁(こうじょく)▲
〔仏教〕五濁の一。住劫(四劫の第2)のうち、人間の寿命が2万歳以下に
なる時、天災・疾病・争乱などが起り、時世の汚濁になること。

▼劫質(きょうち)▲
おどして人質にする。

▼劫盗(ごうとう)▲
おびやかしぬすむこと。また、その者。おいはぎ。劫賊(きょうぞく)。
強盗。

▼劫罰(ごうばつ)▲
地獄の苦しみを味わわせる罰。

▼劫末(ごうまつ)▲
〔仏教〕この世の終り。反対語は「劫初」。

▼劫掠・劫略(ごうりゃく・きょうりゃく)▲
(1) おびやかして奪い取ること。劫奪(こうだつ)。
(2) おどして支配すること。劫制(きょうせい)。

▼劫量(こうりょう)▲
(コウロウ(劫臈)の転) 
年功。

▼劫臈(こうろう)▲
長い年月。また、年功。劫量。

▽劫臈を経る(こうろうをへる)/劫を経る(こうをへる)
(1) 年功を積んで老練になる。甲羅をへる。
(2) 年をとって、変形する。

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▼永劫(えいごう・ようごう)▲
無限に長い年月。きわめて永い時間。永久。永遠。曠劫(こうごう)。
多劫(たごう)。塵劫(じんこう・じんごう)。
万劫(ばんごう・まんごう・まごう)。億万劫(おくまんごう)。

▽未来永劫(みらいえいごう)
これから先の未来、無限に長い年月にわたること。

▼億劫(おっくう)▲
(オッコウの転。元は長い時間のこと。
 時間が長くかかってやりきれない意から) 
面倒くさくて気が進まないこと。

▼行劫(ぎょうこう)▲
〔仏教〕修行によって積んだ力。行功。

▼久遠劫(くおんごう)▲
極めて遠く久しい昔。

▼浩劫(こうきょう・こうこう)▲
(1) こうきょう:宮殿の階段。
(2) こうこう:〔仏教〕a) 未来永遠にわたる時間。 b) 人間の大きな災い。

▼四劫(しこう)▲
〔仏教〕世界の成立から破滅に至る四大期。
世界が成立する期間を「成劫(じょうこう)」、成立した世界が持続する
期間を「住劫(じゅうこう)」、世界の壊滅するに至る期間を
「壊劫(えこう)」、次の世界が成立するまでの何もない期間を
「空劫(くうこう)」という。

▼塵劫(じんこう・じんごう)▲
(1) 〔仏教〕塵点劫(じんでんごう)の略。きわめて長い時間。
(2) きわめて小さい数と、きわめて大きい数。

▽塵劫記(じんこうき)
日本で最初の算術書。著者は江戸初期の和算家・吉田光由。1627年(寛永4)
成立。中国の数学を日本に適応するように改めた平易な入門書。明治末まで、
同類の版本が約300種刊行され、算術書の異名となった。

▼多生曠劫(たしょうこうごう)▲
多くの生死をくり返して、久遠の時間を経ること。

▼無始曠劫(むしこうごう)▲
はじめのない無限の過去。

▼歴劫(りゃくこう・りゃっこう)▲
〔仏教〕多くの劫(時間)を経ること。

▽歴劫不思議(りゃくこうふしぎ)
永い時間考えてもわからないこと。

◇亀の甲より年の劫(かめのこうよりとしのこう)
(「甲」と「劫」とは音が通ずるからいう。「年の功」とも書く) 
長年の経験の貴ぶべきことのたとえ。


■ごあいさつ■ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 こんにちは。マガジンのご登録ありがとうございます。

 「劫」って人名用漢字だったんですね。
 しかし脅すとか災いとかろくでもない意味ばかりで、自分の子どもの名前
 には使いたくありませんね。
 永遠に長い時間とか非常に大きな数字とかはいい意味でしょうか。
 しかし囲碁の「劫」のように変化のない勝負の付かない状態で永い時間
 拘束されたら「億劫」どころではありません。
 凡人には扱いかねる膨大すぎな単位です。

■参考文献■ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

『旺文社 漢字典(第二版)』ISBN978-4-01-077597-4
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-b.html#oubunsha-2
『全訳 漢辞海 第二版』三省堂 ISBN4-385-14046-4
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-b.html#kanjikai
『記者ハンドブック 新聞用字用語集 第9版』共同通信社 ISBN4-7641-0475-X
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-b.html#kyoudou
『広辞苑 第五版 CD-ROM版』岩波書店 ISBN4-00-130072-9
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-b.html#kojien5cd
『常用字解』〈白川静〉平凡社 ISBN4-582-12805-X
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-b.html#joyojikai
『人名字解』〈白川静・津崎幸博〉平凡社 ISBN4-582-12808-4
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-b.html#jinmeijikai
……などなど
字の成立、語釈などがお手持ちの辞書とは異なる場合はご容赦ください。
上記で文字を分解しているのは手書きする参考のためで、字解とは無関係です。

《夏貸文庫/漢字用語》常用漢字・旧字などの用語
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-a.html
《漢字部首名一覧@夏貸文庫》漢字の部首
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/kotoba03.html
《参考文献リンクページ》オンライン書店への個別リンクあり
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/pc-kanji-b.html
《メールマガジンで紹介した本》
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/magazine-b01.html
《無料翻訳サービス・オンライン辞書リンク集》
 http://dearbooks.cafe.coocan.jp/link-tr.html

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