2009/11/14
太田述正コラム#3583(2009.10.14)
太田述正コラム#3583(2009.10.14) <民主主義が機能する条件(その2)>(2009.11.14公開) ━[太田述正有料メルマガご案内]━─━─━─━─━─━─━─━─━─━ 2009年12月~2010年5月の有料講読を会費5,000円で募集中です。 ↓ https://ssl.formman.com/form/pc/NBimYHYptaiymqXE/ からお申し込みください。 (なお、このフォームで一口5,000円のカンパも募っています。) 申し込みをされた方には、ただちに全コラムの配信を開始しますので、早く 申し込まれれば、その分だけおトクになります。また、会費を納入された段階 で、その時点までのバックナンバー(主要投稿付き)を贈呈します。 ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━ イ 20世紀末における試行錯誤 「・・・1990年初頭におけるソマリアとルワンダにおける<国際社会の>任務 は失敗に終わった。前者は速やかなる米軍の撤退によって、そして後者はジェノ サイドによって。 欧州が主導したボスニアへの軍事介入は千鳥足気味だった。 しかし、1985年に米国が主導するようになり忍耐強く努力した結果、長期にわ たる平和が構築された。 同様に、1999年におけるコソボでの任務は成功だった。 大事なことは、ボスニアとコソボの人々が最高の政府権力を自分達の中からで はなくよそ者に委ねたことだ。 銃声が途絶えてから15年近く経ったが、ボスニアの権力は、<今なお>国際的 に任命された最高代表によって掌握されている。 <また、>10年近くにわたって、コソボは国連によって運営されてきた。 その2008年における独立宣言の後でさえ、権力の多くは依然EUの下にある。 紛争当事者達の、一定期間、主権を国際的な力に譲ろうとする意思と軍事介入 した機関や国の忍耐強い努力が成功にとって必須のように見える。 まだ現在進行形の<他の>事例だが、西アフリカを見渡すと、2000年のシエラ レオネへの軍事介入とその隣国のリベリアへの2003年の軍事介入は、戦争こそ止 めたけれど、長期にわたる平和への十分な信頼を確保するにはまだ至っていない。 民族的かつ宗教的な構成、貧困、腐敗、諸制度と諸インフラの崩壊、そして軍 閥主義と暴力への傾向から、この二つの国は、失敗国家にいかに対処するか、そ してそれがそれぞれの国民の安全と福祉、ひいてはそれがより広い世界にいかな る影響を与えるかについて、重要なテストケースを我々に提供している。 リベリア人とシエラレオネ人の大部分は軍事介入を歓迎し、戦闘を停止した。 ボスニアとコソボと同じように、リベリア人は、その程度こそ小さかったけれ ど、彼等の主権侵害を受容した。 リベリアと国際諸機関が発意した、ガバナンスと経済管理支援計画(The Governance and Economic Management Assistance Programme=GEMAP)は、外国 人テクノクラート達に<同国の>政府の各省の予算統制権を与えた。 その狙いは、腐敗が再建を阻害しないようにすることだった。 <しかし、>GEMAPは、シエラレオネでは実行されなかった。 そのため、<同国は、>緊急紛争予防から長期的国家建設への移行において、 恐らく間違いなくより多くの問題に直面している。 腐敗によって主要な病院では必須の薬品が引き続き欠乏したままだ。 内戦が始まった、東部地域に通じるすべての道路は、<依然、>ほとんど通過 不能だ。 子供の兵士であった青年達は仕事がない。 <これに対し、>リベリアでは、大部分の病院で薬品類の在庫は十分だ。 <同国では、>遠隔地における法律家達や行政官達も、欧米の最高の大学のい くつかで訓練を受けてきた。 <また、同国の>役人達は、人々が正確に何を欲しているかを決定するために 草の根に分け入ることを躊躇してこなかったのだ。・・・」(F) ウ 対テロ戦争と民主主義 「・・・<2001年>9月11日の<同時多発テロ>攻撃は、<米国を>アフガニ スタンへの軍事介入に駆り立てたが、この攻撃はタリバンが運営していたアフガ ニスタン政府からのものではなく、そこで聖域を与えられていたオサマ・ビン・ ラディンからのものだった。・・・ というわけで、8年前から、失敗国家を方向転換させる第一次的必要性は、人 道的目的から安全保障へと変化している。 しかしながら、そのためにやらなければならないこと自体は変わっていない。 それは、人々の生活水準を一定以上に向上させることによって、彼等が自分達 の社会を破壊するよりも建設することによってより良い未来を展望できるように することだ。 そのためには、長期にわたる苦労という形のコミットメントを行わなければな らない。・・・」(F) 「ウサマ・レーダ(Usama Rehda)は、バグダッドに住む写真家だ。 同市をかけめぐって自分の商売に精を出すことは、自爆テロは言うに及ばず、 盗賊、強奪者、狙撃手の試練に遭うことを意味する。 彼は、かつてサダム・フセインを侮蔑していたけれど、この独裁者の下での生 活の方が楽であったことを認めている。 「みんなが何と言っているか知ってるかい」と彼はある同僚に辛辣に言明した。 「米国人達に良い子にしてないと、連中はお前達に民主主義を押しつけるとい う刑罰を与えるぜ」と。・・・」(D) 「・・・元の駐アフガニスタン米大使のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)は、現在行われているアフガニスタンの選挙は、この国を更に不安 定化し民族的分裂を悪化させる恐れがあると警告してきた。 これまでのところ、彼が間違っているという証拠はない。・・・ これらの失敗国家において真に必要なことは、良いガバナンスと諸制度を建設 するスタミナだ。 それには、自由で責任ある報道機関、腐敗していない効率的な官僚機構、訴訟 を解決し決定を行う独立した司法、規律ある警察と軍、強力な選挙管理委員会、 銀行当局、そして教育、衛生、交通その他の当局であり、そのすべてがそれぞれ 責任を負わなければならない。 それができるようになるには、何十年もかかるのだ。・・・」(F) (続く) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私の考えや当コラムに対するコメントをお寄せになった場合、お断りすること なく、私のブログの掲示板や当コラムに転載することがあります。なおその際、 時候の挨拶的な部分を削除したり、筆者のアイデンティティーを隠すために必要 な範囲で、文章に手を入れたり部分的に文章を削除したりさせていただきます。 ブログ http://blog.ohtan.net/ HP http://www.ohtan.net/ 掲示板 http://www.ohtan.net/bbs/ Twitter http://twitter.com/ohtanobumasa mixi http://mixi.jp/view_community.pl?id=2428880 Youtube http://www.youtube.com/ohtanobumasa メール https://ssl.formman.com/form/pc/6yH1m2OTREHekLYi/


