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2008/04/19

譜めくりの女 こんな映画は見ちゃいけない!

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2008/4/19号  Vol.838   ☆
         
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 こんにちは、発行人のオテロです。
 
 本日、俎上にのせる作品は

                    「譜めくりの女」です。
   
幼い心に受けた傷は決して癒えることなく、じっくりと年月をかけて
熟成する。憎しみの純度を高めるために感情を殺し、相手の信用を得
ながらも密かに爪を研ぐ姿は、氷の魔女のよう。「足を踏んだ方は忘
れても、踏まれた方はいつまでも覚えている」という言葉の意味が、
日常生活のどこに潜んでいるか分からない恐怖を描く。

音楽学校のピアノ試験に望んだメラニーは、演奏中に試験官のアリア
ーヌがサインをしたことから集中が途切れ、不合格になりピアノをあ
きらめる。成人したメラニーは、アリアーヌの夫である弁護士の秘書
として働くうちに、アリアーヌの家庭に親しんでいく。

次々と処理されていく食肉とピアノを弾く少女というアンバランスを
モンタージュすることで、メラニーの胸にある脆さと危うさを表現す
る冒頭のシーンのあと、ピアノに鍵をかけることで自分の弱さを封印
する。そして彼女に残ったのは浄化された悪意。表情を抑えた青い瞳
に邪悪を宿らせたメラニーが微笑を湛えてアリアーヌに仕え、少しず
つ不吉な変化を与えてアリアーヌの精神状態を追い込んでいく。

ピアニストと譜めくり。いつのまにか力関係を逆転させ、アリアーヌ
はメラニーの掌中に落ちていく。怨みの深さゆえモラルを失ってはい
るが、知能と人の心を操る能力は抜群。そんな恐るべき女をデボラ・
フランソワが好演している。また、説明的なセリフや映像も極力廃し、
観客に考える余白を与える脚本も背筋を凍らせるような余韻を残す。 

        お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)

                      「譜めくりの女」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

    を参考にしてください。解除もこちらからできます。  




 本日はもう一本

                      「王妃の紋章」です。
   
黄金に輝く宮殿の内装と王族の衣装、雲霞のごとく押し寄せる金の鎧
と迎え撃つ銀の鎧。スクリーンに投影されるすべてのものにとてつも
なくカネがかけられ、人海戦術が取られる。その目を見張るばかりの
圧倒的な物量に気圧される。しかし、そのゴージャスな舞台で繰り広
げられる肉親同士の愛憎劇は非常に陳腐で、何より妻や子供すら疑っ
てしまう王の疑心暗鬼の苦悩の描写がない。

絶大な権力を握る王には祥、傑、成の3人の王子がいるが、皇太子の祥
は器量不足で傑が密かに王位を狙っている。その裏で糸を引く王妃の
陰謀を察した王は、侍医の蒋に命じて王妃に毒を飲ませる。

一見平和な家族もひと皮向けばドロドロ、王を中心に張り巡らされた
血縁の糸は、王の地位の安泰を図るどころか、紛争の火種になってい
る。しかも、王は彼らの企みを知っているのに未然に防ごうとはせず、
事を起こさせてからつぶすという戦略をとる。結局、誰も信じないゆ
えに誰からも信じてもらえないというジレンマを抱えたまま、王は孤
独を深めてゆく。

そして重陽節に傑の謀反が決行されるのだが、その前に蒋の妻子が宮
殿に駆けつけかと思うと、王の忍者軍団に襲われたり王妃の護衛に助
けられたりと、敵味方入り乱れての大乱戦。さらに金鎧と銀鎧の大軍
団が弓矢盾矛剣を使っての戦闘シーンは壮観だ。人間を描くというよ
り、壮大な見世物としての価値だけを追求しているようだった。。。

        お勧め度=★★ (★★★★★が最高)

                        「王妃の紋章」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

    を参考にしてください。解除もこちらからできます。 


 

        余|談|
       ━┛━┛

米国に旅行するときはいつもノースウエスト航空を使っているのです
が、よく行くニューヨークやサンフランシスコへは、いつの間にか直
行便がリストラされていました。

そこにデルタ航空との合併というニュース。でもデルタもニューヨー
ク直行便がなく、結局ニューヨークへはコンチネンタル航空との共同
運航便を使うしかありません。

航空会社はどこも原油高などで経営が苦しく、提携や合併を繰り返し、
人件費が制限されているということ。

かつてスッチーといえば女性の憧れの職業No1でしたが、いまや見る影
もないのは、やはり不安定な経営と厳しい労働条件のせいでしょうか。

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           次回配信予定は4/22、作品は 

                        「大いなる陰謀」

                              です。
  
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