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2005/10/25

熱帯魚繁養殖場の情報誌『大磯だより』

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■■■■■■■■       熱帯魚繁養殖場の情報誌『大磯だより』
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好きな気持ちにも程度がある。
ちょっとだけ好き、といっても、ちょっとの程度がある。
とても、とても、好きだと言っても程度がある。

好きだから、とても好きだから、熱帯魚がとても好きだから、熱帯魚のブリーダーに
なった。

でも、もっと好きだから、熱帯魚を止めてしまった。
これは、多分、言い訳でしょう。

好きなことの表現は、とても難しい。

女の子に
「好きだよ」と言ったら
「あなた、ラーメンが好きだったよね。私、ラーメンといっしょかしら」と言われて
しまった。

とても、とても、昔のことです。


温室が、空っぽになって、電気も消えて、いつもなら、もう、ストーブが炊かれてい
る時期ですが、冷え冷えとしている。
また、いつか、再開しようと思って、設備はそのままですが、いつになれば、水音が
聞こえてくるのでしょう。

冬の温室は、石油ストーブ、水、餌の匂いが混ざって、独特な匂いがする。
とても懐かしい匂いだ。

あの列にエンゼルが居て、この列に、グッピー、その下には卵目が居たんだっけ、と
思いながら、夜の暗闇の温室の中で、水槽を触ってみる。そんな時が、今、時々ある。

熱帯魚の小売店、ブリーダー、皆、何かにこだわっているようだ。
私も、そうだったのか。

まっすぐに、魚を見て、魚のなすままに、自分の身体を動かしていくと、産卵してく
れる魚の種類が多い。
水槽の中で飼育できる魚は、その大半が、産卵できる。

問題は、商売として魚を見るか、ただ、見るかによって、随分と飼いかたが違ってく
る。ブリーダーであれば、その大半の人が、水槽の中はシンプルで、小売店では、き
らびやかだ。
どちらが、正しい飼い方なのだろう。

水槽の中で生まれて、水槽の中で育ち、水槽の中で産卵している魚たちは、網ですく
われることも、生きていることの証なのだろう。

洪水や日照りはないけれど、餌を探す必要もないけれど、毎日が、きょうと同じ。
時々、水がにごり、糞や餌の残り糟が溜まって、息苦しくなることはあるが、大抵は
適当な時期に網ですくわれ、気持ちの良い水に変わる。

飼うことの意味、
何故、熱帯魚を飼う気持ちになったのか・・・

未だに、分らない。魚を見ていると、いつまでも見ている。
逃避?  自己満足?

熱帯魚を仕事にすると、繁殖を仕事にすると、やはり、種の保存でしょう。
でも、これも驕りでしょうね。

コンプレッサーを温室の中に入れると、殺虫剤をまくこともできない。湿度が高く、
高温の中で、様々な虫が繁殖する。木には、キノコまでが増えてくる。

結局、共存なのでしょう。

飼うことと、共存することでは、意味が違いすぎるようだ。



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┃┃■ 繁殖家に向かって ■
┃┃            ・・・山下です、私のページです・・・
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○繁殖家へ
専門学校への進学が、僕の繁殖家へのきっかけでした。
既に熱帯魚を始めて、5、6年経っていたと思います。

確かこの頃は、60cm水槽が2本と細かい水槽が数本あったと思います。いろいろ
飼っていました。

混泳水槽、エンゼルのペア、ナマズ系などを飼い、エンゼルのペアについては産卵さ
せていました。アマチュアブリーダーと言ったとこでしょうか。

プロの繁殖家がどのように繁殖させているのか、ものすごく興味を持ちました。

運良くも、僕が通っていた専門学校の講師に、熱帯魚繁殖で書物を出している先生が
いまして、お話をさせて頂いた時に、僕は「日本に繁殖場はあるんですか?」と聞き
ました。

一般的には、日本には大規模に繁殖場を行っているのは海洋生物の養殖が主で、日本
の熱帯魚は、ブリーダーが主で、大規模で行ってるところは聞いたことがない、との
返答でした。

僕は、少し残念でした。
僕の想像する繁殖場は、台湾とかベトナムなど熱帯魚雑誌によく掲載されている写真
をイメージしていたものですから。

諦めず、繁殖場として繁殖だけでやっている所はないかと?聞きました。

少し考えて、返って来た解答は、「ある」との解答。正直に良かったです。

先生は、大磯?確かシードウィン?と、うる覚えでした。

僕にとっては、すごく大事なことで、すぐ調べてみました。確かに大磯にあったんで
す。

僕の実家が横浜なので、早速、電話をして見学させて頂けるようお願いしたところ、
あっさりOKを頂きました。

繁殖技術を垣間見ることが出来るのではないか?と期待十分でいざ大磯へ。

一言で言うなら、「田舎」。
本当にあるのか、不信感すら感じる駅。

20〜30分程徒歩で、目的地に到着しました。目の前に入ってきた光景は、ログハ
ウスのような建物。坊主の男性。

不信感は積もる一方です。
坊主の男性が土方さんでした。

早速、温室(ログハウス)に入れてもらいました。
驚きでした。予想を遥かに越える水槽の本数、規模、魚の種類数。

納得がいきました。これだけあれば大規模繁殖場ですよ。
心の中で思いました。
不信感は既になくなっていました。

話をさせて頂いているうちに、お昼になり、お昼ご飯をご馳走してもらい、午後から
温室の作業を手伝う事になり、夕方頃には、週1で手伝いにくる話になっていました。

まさにここからが、僕の繁殖家としてのスタートでした。
結構あっさりですが、本当にトントンと話が進んだんです。
繁殖の技術をここで学んで行く事になったんです。



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