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2005/09/22

熱帯魚繁養殖場の情報誌『大磯だより』

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来る時が来たようです。
温室の閉鎖になりました。HPも閉鎖します。

やめるというのはパワーがかかります。
悲しくなります。とても、とても、悲しくなります。

たぶん、仕事としての熱帯魚への関わりはなくなるかもしれません。

しかし、大磯便りは続けます。

一体、温室の中に、何尾の魚がいたのか分りません。
約450本の水槽の数々。

魚の種類が約100種強。

その全ては、9月21日を持ってなくなりました。

ちょっと、違いますね。
アルビノめだか、光メダカ、白に青めだか、ミステリィクレイ、白ざり、
そして、ワイルドエンゼル、ゴールデンエンゼル、コリドラス3種など
合計すると、2000尾弱は居るでしょう。
繁殖を止めてしまったから、それでも、しばらくは魚たちはいるでしょう。

ですが、温室の中からは、すっきりと居なくなりました。
コンプレッサーが止まり、水が無くなり、抜け殻の水槽がずらりと並んでいます。

今どき、ちょっと珍しい止め方です。
パワーもあり、利益が上がりつつあるとき、温室の拡大も考えていた時、温室閉鎖
になるなんて。・・・残念です。

温室閉鎖の直接の原因は、マンパワー不足です。

いかなる業界も、そうですが、仕事は全て人です。良い人材がいると、仕事は上手
く進んで行きます。

そして、良い人材は、やる気があってこそ、さらに良くなっていきます。

大磯の温室には良い人材がいました。
別に当社を辞めたのではありません。職種転換です。

温室の整理が済むと、東京オフィスに通ってきます。
東京オフィスでは、情報処理系の仕事をしています。
組織コンサルの仕事をしています。言語分析のラボでもあります。

今まで、ジーパンに長靴スタイルが、スーツに革靴スタイルで通ってきます。
そして、一日、パソコンの前に座ります。

持つかどうか分りません。
ですが、ともかく挑戦してみるそうです。

魚たちと向き合って、10年間、生き物が、常に周りに居ました。
熱帯魚が居ました。

家に帰ると、水槽はあるそうです。

私たちブリーダーは、生き物を飼うと、何故か繁殖させてしまいます。習性なので
しょう。

ただ、飼うのでは、我慢できないのですね。
身体が自然に、繁殖させるように動いてしまうのですね。
どうしたら、産むのだろうと、考えてしまうのです。

長靴から革靴に履き替えようとしている彼が言いました。
「熱帯魚での生活をしていると、10年後の自分が見えました」と。
「多分、今の自分がそのまま居ると思います」と。

私も学生時代、熱帯魚の繁殖をしていました。
学費も全て、熱帯魚の繁殖で、出しました。
もう、ずっと昔のことです。
そして、予備校の講師から、学習塾の経営、ソフトハウス、現在に至っています。

今、彼が、「東京オフィスで、最初からやりたい」と言われて、昔を思い出して
しまいました。

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その昔、熱帯魚のブリーダーのことを、「巣引き屋」と言っていたことがあります。
今、「巣引き屋従業員、募集」で求人広告をだしても、誰も応募してきません。
「ブリーディング スタッフ」で広告すると、人が集まってきます。

何となく、格好よく聞こえるのかもしれません。
ですが、他からの目線が違うのですね。それは、今も、昔も、同じです。

それを感じると、どうもいけません。

熱帯魚店のスタッフの給料をご存知ですか。
もちろん、平均的給与を貰っている人もいますが、30歳を過ぎた人でも、10万
前後の人もいるのです。
ただ、好きだから、そのお店にいるのです。それに付け込まれてでもないのですが、
一向に給与があがりません。


そんな、業界での、熱帯魚との関わりを、綴って行きたいと思っています。

30年前のブリーダーと、今のブリーダーのリレーエッセイの「大磯だより」です。

もちろん、魚の繁殖技術や、工夫のいろいろもご紹介していきましょう。



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