2009/09/10
ISOマネジメントシステム規格
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
● マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> ●
● 2009年(H21年)9月1日号 ●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
MS 実務の視点
サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms04@ms-jitsumu.com
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
なお、本年も、奇数月の隔月発行とさせていただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■
■
■ 1.ISO/TS16949 2009年版が発行
■ 2.ISO9001/14001期待される認証の効果に関するIAF/ISO共同声明
■ 3. 韓国がISO理事会の次期理事国に
■ 4.ISO、世界的経済危機の克服に対する規格の有用性を啓蒙
■ 5.UKAS、認証制度の有用性についての政府への啓蒙の取組み
■ 6. 事業継続規格の啓蒙「まだ豚インフルエンザ大流行には間に合う」
■ 7. RABQSA、審査員資格手続きの改善のためのオンラインシステム
■ 8. IRCAの審査員資格登録数は増加、特に日本人の増加顕著
■ 9. 韓国とEUの規格作成機関の協力合意
■ 10. 排出権取引価格急減のためインドのCDM事業申請30%減少
■ 11. 大多数の欧州市民は購買判断に製品の環境影響を考慮する
■
■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その64>
■ ★ 発展の芽を自ら摘み取る認証業界
■
■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(7~8月)]
■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
------------------------------------------------------------------------
1. ISO/TS16949 2009年版が発行 -ISO新聞発表
------------------------------------------------------------------------
7/2のISO中央事務局新聞発表の要旨は次の通り。
◆ ISO/TS16494:2009、品質マネジメントシステム-自動車生産及び関連サービ
ス部品組織のISO9001:2008適用に関する固有要求事項 が、2002年版の改定版と
して6/15に英語版が発行された。
◆ 改定はISO9001:2008の発行に伴うものであり、IATF(国際自動車作業班)とISO
のTC176との共同で見直された。
◆ 改定版には本質的な変更は含まれていない。
◆ 2008年末の認証件数は81ケ国、39,300件であり、前年より12%増加している。
◆ 2009年版への認証の移行の期限は、6/15から120日。
(ISO中央事務局: News, Ref.:1234, 2009-07-02)
<http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1234>
------------------------------------------------------------------------
2. ISO9001/14001期待される認証の効果に関するIAF/ISO共同声明-IAF発表
------------------------------------------------------------------------
IAFはウェブサイトにISOとの共同声明を背景の説明なく掲載している。IAFは
、認証制度の信頼性向上に関するIAF戦略計画を2007年総会で承認したが、その
中のISO9001/14001規格の適用の効果について簡潔な声明を社会に発信するとい
う計画に対応するのがこの声明であると思われる。原題の“Expected Outcomes
for Accredited Certification to ISO9001/14001”は「認証登録のあるべき効
果」の意味であり、ある組織が規格への適合性を認証登録されたという事実から
組織の顧客が期待できることは何かということである。声明の内容は、これまで
の国際的な認識と合致し、規格と認証制度の意義に適う妥当なものであるが、以
後に利害関係者からのコメントを採り入れて成案を得るとして既に2007年10月の
IAF総会に提案されたものと同じ文面である。この古証文のような概念的説明が
やっと2009年7月付けで発表された背景には、IAFの信頼性回復の取組みにおける
関係者間の利害対立があるものと推察される。なお、共同声明ながらISOは新聞
発表していない。声明の規格と認証制度の意義に関する趣旨は次の通り。
□ ISO9001
◆ 組織の顧客が認証登録から期待できること
組織が、顧客のニーズと期待及び法規制を満たす製品を一貫して供給し、顧客
満足の向上を目指していること。
◆ 認証登録が意味するもの
組織が適合製品を実現するためにISO9001適合の品質マネジメントシステムに則
って業務を行なっているとの安心を提供すること。
◆認証登録が意味しないもの
組織が常に100%の製品適合性を実現することの保証。他より優れた製品又はISO
規格の仕様を満たす製品であることの示唆。
□ ISO14001
◆組織の顧客が認証登録から期待できること
組織が、組織に起因する環境影響を管理しており、汚染防止、法規制順守及び環
境マネジメントシステムの継続的改善による環境影響の低減の公約を行動に移し
ていること。
◆ 認証登録が意味するもの
組織がその活動と製品・サービスにふさわしいISO14001適合の環境マネジメント
システムに則って業務を行なっていることを保証すること。
◆認証登録が意味しないもの
ISO14001が特定の環境影響の管理基準を規定していること。組織の現時点の環境
影響が最適であるということの保証。法規制違反が絶対に起きないということの
保証。環境事故を絶対に起こさないことの保証。
(IAF: IAF News)
<http://www.iaf.nu>
[関連情報] 2005.5.4号 No.1; 2007.2.28号 No.4, No.5
------------------------------------------------------------------------
3. 韓国がISO理事会の次期理事国に-ウエブ情報
-----------------------------------------------------------------------
韓国のIT専門新聞、Electronic Timesのウェブ版Electronic Times Internet
の8/5付の記事の概要は次の通り。
◆ 韓国はISOの総会を除く最高機関である理事会のメンバーを来年から2年間務
めることになろう。
◆ グループ2理事国のとしては韓国と共に、ロシア、イタリア、カナダ、ノルウ
ェイが選出された。
◆ 韓国は昨年からTMB(技術評議会)のメンバーになっており、2010年には日、
中、仏、英、独、加の6ケ国と共に、2つ機関のメンバーを務めることになる。
◆ 韓国は昨年の全1727件の規格化提案の内、63件を提案した。規格作成専門委
員会への韓国からの参加は昨年6月で86人に増えた。
(Electronic Times Internet, News, 2009/08/05)
<http://english.etnews.co.kr/news/detail.html?id=200908050004&mc=m_022_
00003>
[関連情報] 2008(H20).11.1号No.6
------------------------------------------------------------------------
4. ISO、世界的経済危機の克服に対する規格の有用性を啓蒙-年次報告書、雑誌
------------------------------------------------------------------------
ISOは、最近発行した2008年ISO年次報告書及び雑誌ISO Focus 7-8月号に、世
界経済危機の克服にISO規格が役立つとの主張を相次いで掲載している。主張は
、今日の規格の性格に関する世界の認識を反映したもの。これを報じるISO中央
事務局の新聞発表の概要は次の通り。
□年次報告書。標題は「ISO規格と結びつけられた安心」
◆ 組織にとって規格を順守することはその製品に安心を結びつける手段である。
◆ 製品がISO規格の仕様や要件を満たしているということは、製品が品質、環
境、安全、信頼性、互換性、効率性、有効性など必須の要素を取り込んでいると
の安心を提供するものである。
◆ ISO規格が組織と製品の信用を確保し創造する能力が、世界中で経済危機のつ
くり出した余波が感じられる今日ほど重要になったことはない。
◆ 経済が安定か不安定かを問わず、ISO規格は信用を生み出し、不確かさを減
じ、リスクを管理する実用的な用具である。
□雑誌ISO Focusの記事の標題「取り戻す信用」
◆ この記事は、ISO規格が如何に経済危機で失われた信用の回復を助けることが
できるかという具体例を示している。
◆ 例えば ISO財務責任者J.Pitton氏は、任意規格を利用する組織は、業務効率
向上とコスト削減、技術知識習得、市場参入の容易化という利益を得るだけでな
く、国際的に認められた規格は品質、透明性、説明責任への取り組みを推進する
主体的な責務を含んでおり、従って組織が信用を創造し回復するのを助ける、と
書いている。
(ISO中央事務局: News, Ref.:1239, 2009-07-20; Ref.:1244, 2009-08-24)
<http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1239>
<http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1244>
[関連情報] 2005(H17).7.31号No.2
------------------------------------------------------------------------
5. UKAS、認証制度の有用性についての政府への啓蒙の取組み-UKAS報道
------------------------------------------------------------------------
英国の適合性認定機関UKASは、認証制度を公共分野に拡大する取組みのひとつ
としての政府幹部との三回目の年次宴会について、「UKASの政府への接近続く」
との標題で報じている。概要は次の通り。
◆ BSIと共同開催の宴会は5月中頃に下院の食堂に40以上の政府部局から100人以
上の中堅幹部を招待して開かれ、UKAS幹部にはこれらの人々と接触する初めての
又は再度の機会となった。
◆ 主催者としてUKAS会長Lindsey卿は、次のように語った。
□政府が公共サービスを安価に行なうための代替策として将来、UKASの認定、認
証がより大きな役割を果たすことを確信している。
□特に、UKASの認定する認証、検査機関が、政府自身で行なう検査や試験の効果
的で費用の安い代替策を益々多く担うことになり得る。
(UKAS: Latest News, 7 July 2009)
<http://www.ukas.com/media-center/news/news-archive/2009/ukas_outreach_
Govenment_continuea.asp>
[関連情報] 2007(H19).2.28号No.5
------------------------------------------------------------------------
6. 事業継続規格の啓蒙「まだ豚インフルエンザ大流行には間に合う」-BSI
------------------------------------------------------------------------
BSI(英国規格協会*)は7/10、この冬の新型インフルエンザ大流行の可能性に備
えるのに事業継続マネジメント(BCM)規格、BS-25999-2の導入が効果的であると
の啓蒙のための新聞発表を行なった。
◆ BS-25999-2は、効果的なBCMシステムの確立と履行の要件を規定しており、こ
れにより組織は最悪の事態を予測し、備えることができる。
◆ 例えば、臨時要員の迅速な手配や短時間の予告での事業場の移動が可能とな
る。
◆ この規格への適合の認証登録により組織は、最も優れた方法で不測の事態へ
備えているということを顧客や利害関係者に示すことができる。
(BSI: Press Release, 10 July 2009)
<http://www.bsi-global.com/en/About-BSI/News-Room/BSI-News-Content/
Disciplines/Business-Continuity/BCM---potential-HINI-pandemic/>
------------------------------------------------------------------------
7. RABQSA、審査員資格手続きの改善のためのオンラインシステム-RABQSA発表
------------------------------------------------------------------------
米国のISO9001/14001審査員資格を含む要員認証機関のRABQSAは、新オンライ
ン申請制度を12月から始めると発表した。概要は次の通り。
◆ 資格の取得、維持、更新手続きが容易で便利な方法で行なえるようになる。
◆ 費用の預金口座又はクレディットカードからの自動引落としを行い、請求書
と受領書が自動送付される。
◆ 申請手続が完了するまでの所要日数は現在60%が10日以内であるが、すべてを
10日以内に、また、将来は5日以内にできるようになる。
(RABQSA: news release, No.NR1209, August 2009)
<http://www.rabqsa.com/docs/bulletin/bulletin098.pdf>
------------------------------------------------------------------------
8. IRCAの審査員資格登録数は増加、特に日本人の増加顕著-IRCAウェブ誌
------------------------------------------------------------------------
イギリスに本拠を置くIRCA(国際審査員登録機構)は、世界的経済不況にもかか
わらずISOマネジメントシステム規格審査員の登録が増加中と発表した。日本の
JRCA(ISO9001)、CEAR(ISO14001)の両審査員登録機関の登録数が減少を続けるのと
好対照であり、背景が興味深い。発表の概要は次のとおり。
◆ IRCAの総登録数は2008年10月に15,000に達したが、その後も着実に増加を続
け、2009年3月には25年の歴史で最高の15,150人になった。
◆ 国別の増加数では、日本が最大で、2009年1~3月に170人以上に新しい資格証
が発行された。他は、英、韓、中、米である。
(IRCA: INform, Issue 22, 2009)
<http://www.irca.org/inform/issue22/Registration.html>
------------------------------------------------------------------------
9. 韓国とEUの規格作成機関の協力合意-CEN新聞発表
------------------------------------------------------------------------
新聞発表の概要は次の通り。
◆ CEN(欧州標準化組織*)とCENELEC(欧州電気標準化委員会*)は、KATS(韓国技術
規格庁*)と協力協定に署名した。
◆ 両国の標準化活動に関する交流の促進へ重要な第一歩であり、相互理解を深
め、会合と情報交換の機会を創出するのが狙いである。
(CEN: Press releases, 10 July 2009)
<http://www.cenorm.be/cenorm/news/pressreleases/koreaca.asp>
[関連情報] 2008(H20).11.1号No.7
------------------------------------------------------------------------
10. 排出権取引価格急減のためインドのCDM事業申請30%減少-環境情報誌
------------------------------------------------------------------------
英国の企業向け環境情報誌BusinessGreenのウェブ版の8/3付記事の概要は次の
通り。
◆排出権取引価格の急減により投資資金の調達が困難になって、インドの炭酸ガ
ス排出相殺プロジェクトの国連クリーン開発メカニズム(CDM)の承認申請数が30%
も減少した。
◆ インドのCDM主管官庁はこれまで月平均60~70件を受付けてきたが、今日では
40件程度である。
◆ 世界不況による減産で多くの企業で炭酸ガス排出が減少し、排出権を買う必
要が減っていることが、排出権取引価格が急減している理由。
◆ 現在12ユーロに下がっているが、今年末までに15~20ユーロに回復しないと
40%以上のプロジェクトの実行が困難になるという調査結果がある。
(BusinessGreen.com: News, 03 Aug 2009)
<http://www.businessgreen.com/>
[関連情報] 2009(H21).5.1号 No.9
------------------------------------------------------------------------
11. 大多数の欧州市民は購買判断に製品の環境影響を考慮する-欧州委員会調査
------------------------------------------------------------------------
EU欧州委員会は「持続可能な消費と生産に対する欧州人の態度」と題する4月
実施の世論調査Eurobarometerの報告書を7月に発表した。これを報じる環境情報
誌の記事の概要は次の通り。
◆ 83%が購買判断に製品の環境影響を考慮する。最高はギリシャ人で92%、最低
のチェコ人でもその62%が考慮する。
◆ 49%が製品の環境負荷に関する企業の主張を信用し、48%が信用しない。
◆ 環境負荷に応じた課税が環境にやさしい製品を奨励することになると考える
のは46%。
◆ 50%がエコラベルが購買判断の基準になるとし、10%は製品の炭素足跡(生産~
廃棄の間の温暖化ガス排出量)を製品に表示すべきとし、72%は将来には強制すべ
きと考えている。
(Environmental Expert: News, Jul.30, 2009)
<http://www.environmental-expert.com>
<http://ec.europa.eu/public_opinion/flash/fl_256_en.pdf>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その64> ■■■
★ 発展の芽を自ら摘み取る認証業界
ISO9001/14001認証業界の焦眉の課題は登録証への社会からの信頼性の回復で
ある。これに関して9月、JAB(日本適合性認定協会)は2つの文書をそのウェブサ
イトに発表した。ひとつは、昨年、経産省が出した信頼性回復のための指針*1を
どのように具体化するかを業界のMS信頼性ガイドライン対応委員会が検討した結
果の報告書であり、他のひとつはISO9001/14001の認証の意義に関するIAFとISO
の共同声明をJABが和訳したものである。
「MS信頼性ガイドライン対応委員会」報告書であるが、まず認証に係わる規律
の確保として、審査での故意の虚偽説明や認証対象外の業務での法令違反、ま
た、不適切な認証範囲申立ての3つの問題を採り上げ、これら組織への制裁処置
に触れている。 次に、審査員の質の向上対策と「有効性審査」のあり方をまと
め、更に認証機関の認定審査結果の情報公開、認証制度の広報のウェブサイト作
成が続く。
もうひとつのIAF/ISO共同声明は、IAFでの認証制度の信頼性回復の取組みのひ
とつとして特別の作業班がまとめたものである。内容は、ISO9001/14001規格と
認証制度の意義の再確認であり、趣旨はこれまでの関係機関の理解と説明*2に合
致している。すなわち、ISO9001登録取得組織が顧客満足の製品を一貫して供給
し、ISO14001登録取得組織が環境方針に明らかにした環境影響改善を貫徹すると
いう点で、社会はその組織と製品を信頼することができる。しかし、これは品質
苦情が皆無であり、環境事故が皆無であり、或いは、法規制違反が皆無であると
いうことを意味しているのではない。このようなことは実際問題として一般に顧
客も社会も組織に期待していないから、規格や認証制度の実用性という意味でも
妥当な理解である。
ところで、近年の登録証への社会からの信頼性の低下は、登録取得組織が相次
いで引き起こす品質又は環境の事故や不祥事が原因である。登録証有無が組織を
選び、製品を購買するかどうかの判断基準になると思ってきた社会は、このよう
な事実を前にして登録証や認証制度に裏切られた想いでいる。IAF/ISO共同声
明の趣旨では、組織は事業存続のために満たさなければならない品質、環境に関
する顧客や社会のニーズや期待を正しく把握し、これを裏切ることのないような経
営を行なうことが必要であり、規格適合の登録証は組織がこの顧客や社会のニーズ
や期待を裏切らない、顧客や社会をがっかりさせるような不祥事は出さないとい
う保証である。
しかしJABは、不祥事を起こした組織に再発防止対策をとらせることが認証制
度の目的であるとして、不祥事を引き起こすような組織にも登録証が発行される
ことに対する認証制度の責任を一貫して否定してきた。9月の2つの文書の発表
が、JABのこの主張を社会に改めて確認することを狙いとしたものであることは
、IAF/ISO共同声明の「登録証が意味しないもの」として記されている苦情や事
故が皆無でないとの記述を殊更に強調して和訳していることでも窺われる。まる
でJABの予てからの主張が国際的に認められたとして鬼の首を獲ったかの、これ
みよがしの和訳文発表に見える。信頼性回復に関連する取組みのはずである「有
効性審査」の検討でも対応委員会報告書では、肝心の不祥事との関係への言及を
避けている。検討では、抽象的で空虚な、辻褄の合わない論理が展開され、どの
ように審査が変わるのかさえ全く読み取れない。しかし、「有効性審査」が、社
会の期待に反するような品質又は環境の事故や不祥事を起こす組織を見分けるこ
とを意図しているものでないことは間違いない。報告書に書かれた認証制度の広
報の推進は、このJABの主張を社会に周知させることが狙いであるようだ。
ISO9001/14001の概念では組織の業務の結果は製品である。認証業界の製品は
審査業務の結果の規格適合性の判断であり、その判断を表明する登録証である。
しかも業界は顧客は組織の顧客ないし社会であると見做している。 従って登録
証への社会からの信頼性の低下の実相は、認証業界の製品たる登録証の信頼性と
いう製品品質に顧客が不満足だということである。一方、これが原因のすべてで
はないにせよ認証業界の製品は目下売行き不振で、登録組織の数は既に頭打ちか
らじり貧に向かっている。どのような業界でも製品への顧客の不満足で低迷する
需要を回復しようとするならまず、顧客のニーズや期待を満たすように製品を改善
することに取り組む。しかるに認証業界だけは、不祥事防止に有効な登録証へと
顧客満足向上を図る取組みをしようとせずに、ひたすら、その製品が顧客のニーズ
や期待に応えるものでないという事実を顧客に納得させようとしている。
まさかこれで製品の顧客満足、或いは、登録証への信頼が向上するとは思って
はいないのであろうが、とすれば、顧客満足が得られなくとも認証業界の製品は
売れると考えているのであろう。なにしろISO9001/14001の認証制度は社会制度
であり、悪徳組織を取り締まる認証機関は社会に存在意義を失うことはないから
である。警察も犯人を逮捕すればよく、犯罪の多発はむしろその存在意義を高め
ることに繋がる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点] 新着情報 (7~8月) ■■■■■
http://www.ms-jitsumu.com
★ ISO9001:2000解説 -実務の視点
8.5.3項 予防処置 7/31
8.5.2項 是正処置 7/25
7.6項 監視機器及び測定機器 7/3
★ 実務の視点による和訳 ISO14001 (ISO14001早わかり)
4.5項(点検) 8/31
4.4項(計画履行及び業務実行) 8/1
4.3項(計画) 7/10
4.2項(環境保全方針) 7/7
4.1項(総合要件) 7/7
★ 論評 我田引水
75. ISO9001旧版のJIS独自註釈の誤りの始末 7/21
74. ISO14001登録大国の京都議定書未達の不思議 目くそが鼻くそを笑う 7/9
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


