2009/07/09
マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>
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● マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> ●
● 2009年(H21年)7月1日号 ●
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MS 実務の視点
サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms03@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
なお、しばらくの間、奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■
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■ 1.ISO/IEC27000 ITセキュリティ規格(一般及び用語) 発行
■ 2.米国のISO9001 2008年版への認証登録の移行手続きは簡単
■ 3. 英国でまた、ISO9001/14001の偽造登録証騒動
■ 4.米国で玩具の安全性確保のための製品認証制度が発足
■ 5.オバマ政権、公約の道路なし規制を復活
■
■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その63>
■ ★ ISO14001登録大国の京都議定書未達の不思議
■
■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(5~6月)]
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1. ISO/IEC27000 ITセキュリティ規格(一般及び用語) 発行
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ANSI(米国規格協会*)は、米国が主導して作成されたとして、ISO/IEC27000
ITセキュリティ(一般及び用語)が発行されたことを5/12、新聞発表した。この
規格の概要は次の通り。
◆ 規格は、ISO/IEC27000:2009, 情報技術-セキュリティ技術-情報セキュリ
ティマネジメントシステム-一般及び用語で、ISOとIECの共同専門委員会(JTC)
によって作成された。
◆ 規格は、既に発行されている多くのISO/IEC27000系規格を補完するものであ
り、情報セキュリティマネジメントシステムの基礎、原則、概念を説明し、関連
する用語の定義を定めている。
(ANSI:News and Publications, May 12, 2009)
<http://www.ansi.org/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&
articleid=2193>
[関連情報] 2008(H20).3.1号No.3
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2. 米国のISO9001 2008年版への認証登録の移行手続きは簡単-ANAB告示
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米国の適合性認定機関ANABは、5/29付告示(Heads Up)で、ISO9001の認証登録
の2008年版への移行のあり方について明らかにした。“移行”(transition)を
用いず“移動”(migration)を用いているのは、ISOやIAFが“transition”を用
いず“implementation(適用開始)”を用いることを推奨しているのに対応するも
のと思われる。2008年版への移動期限や新旧版登録証の有効期間を除く趣旨は次
の通り。
◆ IAFの国際相互承認協定委員会は、各国認定機関に対して2008年版への移動を
期限までに完了させるための計画と監視の方法について報告するよう求めてい
る。
◆ 2008年版には新規要求事項が含まれていないので、ANABは認証機関が組織や
審査員に対する特定の説明や教育を行なうことを期待していない。
◆ しかし、認証機関は次の2つの事項を行なわなければならない。
□ 認証機関がどのように2008年版への適合を審査し登録証を発行しようとして
いるのかについて組織に知らせる。
□ 審査員が審査に2008年版を使用していることを確実にする。
◆ 認証機関はこれら2つの期待を満たしていることの証拠を、移動期間中の
ANABの認定審査や現地確認審査で示さなければならない。
◆ 抜取り審査が適用されている多事業所認証の場合も、通常の抜取り審査の定
期審査又は更新審査によって2008年版の登録証を発行してよい。
(ANAB: ANAB Heads Up, Issue:155, 2009/05/29)
<http://www.anab.org/HTMLFiles/docs/HeadsUp/HU155.pdf>
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3. 英国でまた、ISO9001/14001の偽造登録証騒動-UKAS,ABCB警告
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英国の適合性認定機関UKAS及び認証機関の団体ABCBは、別の観点からではある
が、英国でUKAS認定を装う偽造登録証を発行する認証機関があることを明らかに
し、警告をそれぞれのウェブサイトに掲載している。要旨は次の通り。
[UKAS警告]
◆ UKASは最近、いくつかの組織がUKAS認定を装った偽造の登録証を作成し、発
行していることに気づいた。
◆ そのひとつがスペインを本拠とするBiottであり、営業活動ではUKAS認定の認
証サービスであると主張し、その証拠として偽造したUKAS認定の登録証を使って
いる。
◆ 登録証を商取引に使用せんとする者は、期限切れや偽造であるかもしれない
登録証だけに頼るのではなく、UKASのウェブサイトで当該組織の認定、認証の状
態を確認してほしい。
◆ 認定マークは政府の所有物であり、UKASだけが使用する権利を授与されてい
る。 UKASマークは知的所有権として登録されている。
◆ UKAS認定を装って登録証にUKASマークを使用し、又は、UKASマークに酷似し
たマークを使用することは、知的所有権侵害になることを知るべきだ。
[ABCB警告]
◆ 5/26に施行された消費者保護法が、次の行為を禁止していることに疑いの余
地はない。
□ 行動規範に署名していない業者が、そうであると主張すること。
□ 必要な許可を得ないで信頼マーク、品質マーク、又は、その他のマークを表
示すること。
(UKAS: UKAS News, 18 Jun 2009)
<http://www.ukas.com/news/2009_News_Articles/Fake_certificates.asp>
(ABCB: News)
<http://www.abcb.org.uk/abcb-news.php>
[関連情報] 2007(H19).4.1号No.4
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4. 米国で玩具の安全性確保のための製品認証制度が発足-ANSI発表
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ANSI(米国規格協会*)は6/15、玩具の安全性確保のための製品認証制度の認証
機関の申請の受付を開始したと新聞発表した。制度は中国製玩具の有毒物質混入
事故(関連情報)が端緒となったものであるが、法規制の実行を民間の規格と認証
制度に委ねるという米国式規制の見本でもある。発表の中の制度に関する趣旨の
概要は次の通り。
◆ 認証制度は、TIA(玩具産業協会*)の玩具安全性認証事業(TSCPSM)の下に発足
し、2008年9月にTIAからANSIが認証機関を認定する公式の機関として認められ
た。
◆ ANSIは認証機関を、ISO/IEC Guide65(製品認証機関に対する一般要件)と関連
するIAF指針、及び、TSPCSMの規定する要件に基づいて認定する。
◆ TSCPSMは、玩具の安全性を改善し、関係者の安心の回復を図るものであり、
玩具は公式試験機関で試験され、国家安全基準を満たすことを認証されなければ
ならないという新連邦法に基づくものである。
◆ この認証制度は、消費者製品安全改善法(CPSIA)の定める規制を満たすだけで
なく、それを超えて米国に輸入される玩具の安全性の保証を図るものである。
(ANSI:News and Publications, June 15, 2009)
<http://www.ansi.org/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&a
rticleid=2226>
[関連情報] 2009(H21).1.1号No.6
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5. オバマ政権、公約の道路なし規制を復活-環境NPO報道
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米国の環境保護団体、Natural Resources Defense Councilは新聞発表して、
オバマ政権がその選挙公約の実行のひとつとして、20万平方kmにのぼる森林地帯
への道路建設などの開発を1年間停止することを発表したと報じている。発表の
概要は次の通り。
◆ 「道路なし規制」は2001年クリントン政権が定めた規制であり、地球環境保
全のため西部を中心に5,000万エーカーにのぼる森林地帯への道路建設、伐採な]
どの開発を禁止するもの。
◆ ブッシュ政権時代には、この規制を無視した開発が次々に進められた。
◆ オバマ政権がこの悲しい遺物に終止符を打ち、「道路なし規制」の完全復活
を実現することを期待する。
(Natural Resources Defense Council, May 28, 2009)
<http://www.nrdc.org/media/2009/090528.asp>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その63> ■■■
★ ISO14001登録大国の京都議定書未達の不思議
日本のISO14001認証登録件数は2007年に中国に追い越されるまでは、2位以下
の欧米諸国をはるかに引き離して世界一であった。JAB統計では今年3月末現在の
ISO14001認証登録件数はJAB,非JAB認定を合わせて約23,500件であり、中国は別
格であるから、世界におけるISO14001認証大国としての日本の位置づけは今日も
変わっていないと思われる。今日、市場にはエコと銘打った製品が溢れ、エコ新
技術やそれを活用したエコビジネスが花盛りである。この状況がISO14001認証取
得企業の活動と日々に目に入るISO14001認証の標識に触発されて社会の人々が高
めてきた環境意識に負うものであるとすると、なるほどISO14001認証大国だけは
あるといえる。
ところで、ISO14001規格の誕生が1992年の地球サミットを契機とし、産業界の
要請に基づきISOが策定したことは広く知られている。この地球サミットによっ
て、地球規模での環境破壊の実状と地球環境保全の取組みの緊急性がはじめて世
界の共通認識となった。ここで確立した地球環境保全の理念が持続可能な発展を
可能にする社会の実現を図ることである。ISO14001は、このための産業界の地球
環境保全取組みの道しるべとして作成された。ISO14001を道しるべとして採用す
るかどうかは、企業など各事業組織の自由である。しかし、ISO14001を採用する
ことを決めた組織は、組織に起因する環境影響を地球環境保全の観点から捉え、
社会の必要を満たす程度にその環境影響の低減を図らなければならない。環境影
響の低減には一般に経済的損失を伴うが、組織は耐え得る経済的損失の範囲内で
社会の必要を満たす環境影響低減の努力をしなければならない。この努力をして
いることの証明がISO14001認証制度の枠組み下に認証機関が発行する登録証であ
る。
この地球環境保全の努力は今日の情勢ではとりわけ、緊要の課題である温暖化
ガス排出削減に優先的に向けられなければならない。今日の社会では、環境と言
えば公害ではなく地球環境問題であり、地球環境保全とは温暖化ガス排出削減で
あることが常識である。様々なエコ製品やエコビジネスの繁栄は、例えば再生
材料の使用を謳うものでも最終的には温暖化ガス排出削減につながるとの顧客や
社会の期待が背景にある。 社会や人々がISO14001認証取得組織に好感を抱き、
製品を購入するのは、説明される省エネルギー活動や廃棄物減量活動、或いは、
提供されるエコ製品を受け入れることが、自身の温暖化ガス排出削減責任を果た
すことに繋がると考えるからである。
しかし、日本ではISO14001の規定する環境マネジメントシステムとは現場中心
の環境影響改善運動であると見做されている。2004年版を口実に認証業界から
“本来業務と一体化した活動”であるべきとの軌道修正が唱えられもしたが、
大半の組織においては投資不要の“紙・ゴミ・電気”の低減に焦点が当てられ
た、環境改善に名を借りて自身の些細な利益を追求する運動に留まっている。
エコ製品は、組織が製品に付随する環境影響の低減責任を果たすものであるが、
日本のISO14001取組みでは組織の善意の努力に基づく有益な環境影響をもつ製
品である。日本のISO14001取組みには、地球環境という視点、組織の地球環境
保全責任という視点、或いは、収益と両立しない経営上の取組みという視点な
どISO14001の原点が一貫して欠落している。日本では認証業界が、このような
ISO14001取組みを是とし、推奨し、このような組織に登録証を発行している。
これがISO14001認証取得大国の実態である。
麻生首相は6月10日に記者会見して京都議定書以降の中期温暖化ガス排出削減
目標を2005年比で15%とすると発表した。これは2005年での温暖化ガス排出を
1990年比で7%の増加とする前提に立っており、京都議定書の1990年比6%削減とい
う目標が達成できないということを公式に認めたものである。これによって、登
録件数が多いだけで、中味のないISO14001取組みとまやかしの登録証の実態がは
しなくも炙り出されることとなった。 汚染たれ流しの公害大国中国がISO14001
認証件数で世界一になったことに対して、日本の認証業界は認証取得組織の無節
操さや認証機関の倫理感、或いは、登録証の価値への軽蔑と冷笑を以て応えた。
しかし、日本の登録証もISO14001と認証制度の目的や社会の期待に適ったもので
あるかどうかという点では、中国で発行されている登録証とあまり変わりはない
のである。目くそが鼻くそを笑っているだけだ。
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点] 新着情報 (5~6月) ■■■■■
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★ 論評 我田引水
えっ! もう2008年版の改訂を開始? (5/30)
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